緒方林太郎の発言 (憲法審査会)
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○緒方委員 民主党、緒方林太郎でございます。
元首と呼ぶかどうかという話でありますが、個人的にはどちらでもいいんじゃないかというふうに、書いても書かなくてもいいのではないかと思います。実態的に元首的機能を有しておられるということがわかるのであれば、それは必ずしも、元首と明確に書くかどうかということは二次的なのではないか。フランス憲法には元首という言葉が出てきません。実態的に元首という機能を有していることがわかる状況でありまして、それはそれで一つのやり方なのではないかと思います。
それをあえて申し上げた上でいえば、ただし、元首的機能を天皇陛下がお持ちであるということを否定するような議論というのはあり得ないし、成立しないというふうに私は思います。
これは、実際に現在国事行為として行っておられる行為から見ても、さらに言えば、諸外国とのカウンターパート関係を見ても、例えばエリザベス女王、アメリカでいえばオバマ大統領、フランスでいえばフランソワ・オランド大統領、そしてロシアでプーチン大統領、韓国で李明博大統領、中国で胡錦濤主席といった方々と天皇陛下がカウンターパート関係にあるということは事実であります。
そういうふうに考えると、それぞれの国において、今述べた方々は国家元首と位置づけられているわけでありまして、日本が、天皇陛下は実は国家元首かどうかよくわかりませんというような議論というのは、諸外国との関係でも成立し得ないというふうに思います。
そして、いろいろ政治的な権限との関係ということを述べられる方がおりますが、国家元首と政治的な権限というのがどういう関係にあるかというのは、それぞれの国の政治体制によって全然違うわけであります。
君主制をとっている、例えばイギリスやスペイン、こういった国においては、国家元首ではあるけれども政治的権限を有しないし、国家元首であるけれども、世襲制ではない大統領ではあるけれども政治的な権限を有しない、例えばドイツ、イタリア、こういったところの大統領のケースもあるでしょうし、フランスや韓国のように大統領が政治的な権限を持つ国もあるでしょうし、もっと言うと、首相が存在しない国、アメリカとかラテンアメリカの国、こういった国々。
こういったふうに、憲法でどういうふうに政治的権限が割り振られているかというのはその国のそれぞれの事項でありますので、政治的権限の話と天皇陛下の国家元首としての機能というのを混同して考えることは間違っていると思いますし、そういう意味で、例えば元首と呼ぶことが民主主義に反するとか国民主権に反するとか、そういった議論というのはそもそも妥当しないというふうに思います。
そして、先ほどから国事行為についてお話がありました。
虚心坦懐に憲法を読めば、憲法第四条において、天皇陛下は、「この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、」と書いてあり、そして、その国事行為が第七条に書いてあるということでありますが、例えば諸外国のお客様と会うとかいった行為というのがこの中に書いてない。本当に虚心坦懐に読めば、これは国事行為じゃないじゃないか、国事行為でない行為を行っているじゃないかというふうに読めるわけでありまして、ここは、準国事行為とか公的行為とかいろいろなカテゴライズをして学術的に研究しておられる方がおられますが、私はどれでもいいと思いますけれども、そういった行為を憲法の中にきちんと位置づけることはあっていいのではないかというふうに思います。
そして最後に、これまで出てきていない議論なんですが、一つだけ申し上げさせていただきたいのが、憲法第七条の三号「衆議院を解散すること。」と。我々もあと一年数カ月の間には、憲法に基づく衆議院の解散なのか任期満了なのかわかりませんが、あのときに国会議長は、日本国憲法第七条により、衆議院を解散すると述べられるわけですけれども、この国事行為の憲法第七条三号の規定だけをもって、解散する権限を、総理がそれを発議し、そして解散するというのが本当に適当なのかというのは、国事行為のところの議論でなく、もしかしたら行政や立法のところで議論すべきことかもしれませんが、この条項だけをもって首相が解散する権限を持ち、そして解散が行われるというのは若干違和感があるということを一つ述べさせていただきまして、私の発言を終えさせていただきます。
ありがとうございました。