逢坂誠二の発言 (憲法審査会)

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○逢坂委員 民主党の逢坂誠二でございます。
 民主党の考え方を、きょうは私の方から説明をさせていただきたいと思います。
 民主党では、二〇〇二年に憲法調査会報告、二〇〇四年には、創憲に向けて、中間提言、それからさらに、二〇〇五年には民主党憲法提言をそれぞれ発表しているところでございます。
 本日は、この二〇〇五年の民主党の憲法提言を紹介する形で民主党の考え方をお知らせしたいと思っております。
 まず、この提言の冒頭で、当時の枝野憲法調査会長の名前で、国民自身による活発な憲法論議と対話をと題しまして、次のようなことを述べておられます。
 憲法は国の形を示す根本規範です。私たち国会や内閣、裁判所などは、主権者である国民から憲法を通じてその公権力を委託され、憲法の定めるルールに基づいてその公権力を行使します。法律をつくって国民に義務を課すことが憲法によって委託された国会の権限であるのに対し、憲法は、主権者である国民が制定し国会などの公権力に命令するという意味で、法律とは百八十度本質を異にしています。
 もちろん、憲法といえども、決してすり減ることのない不磨の大典ではありません。社会の変化に応じて、不断の見直しが求められています。そして、その見直しを行う主体も、憲法で命令される側の国会ではなく、主権者である国民自身です。ここに立憲政治の核心があります。ところが、これまでの憲法議論は、本来まないたの上のコイである公権力の側が中心となり、その内容も公権力の都合ばかり優先される傾向がありました。
 私たちは、本来の当事者である国民自身の議論を喚起することこそが重要であり、そのための素材を提供するという謙虚な姿勢でこの憲法提言を取りまとめました。その内容も、従来の憲法議論にとらわれることなく、国民主権をどうやって深化させるかという視点に立っているつもりです。
 そのことが端的に問われるのが、憲法審議の焦点の一つとなっている九条の問題です。今日では、日本が攻撃されたときに自衛のための実力行使をすることや、国連のもとでの平和維持活動に日本が協力することは、国民大多数のコンセンサスになっていると考えます。しかし、自衛や国際協力と名がつけば何でもできるようにするというこれまでの改憲論にはくみしていません。自衛権の行使や国際協力について、国民が政府に対しきちんとした歯どめの枠をはめることこそが国民主権に基づく憲法の役割だと考えます。
 以上、二〇〇五年の民主党の憲法提言の冒頭でこのように述べているわけでございます。
 さらに、提言本編の中に「より確かな安全保障の枠組みを形成するために」という項目がございますけれども、その中から民主党の基本的考えなどを紹介したいと思います。
 まず、基本的な考えの一点目として、憲法の根本規範としての平和主義を基調とすることでございます。これを御紹介したいと思います。
  そもそも日本国憲法は、国連憲章とそれに基づく集団安全保障体制を前提としている。そのうえで、日本は、憲法九条を介して、一国による武力の行使を原則禁止した国連憲章の精神に照らし、徹底した平和主義を宣明している。
  日本国は、国連の集団安全保障が十分に機能することを願い、その実現のために常に努力することを希求した。そして日本国憲法は、その精神において、「自衛権」の名のもとに武力を無制約に行使した歴史的反省に立ち、その自衛権の行使についても原理的に禁止するに等しい厳格な規定を設けている。
  このため、自衛権の行使はもとより、国連が主導する集団安全保障活動への関与のあり方について、不断に強い議論に晒されてきた。しかし、どのような議論を経たにせよ、わが国の憲法が拠って立つ根本規範の重要な柱の一つである「平和主義」については、深く国民生活に根付いており、平和国家日本の形を国民及び海外に表明するものとして今後も引き継ぐべきである。「平和を享受する日本」から「平和を創り出す新しい日本」へ、すなわち「平和創造国家」へと大きく転換していくことが重要である。
 それから次に、基本的考え方の二点目でございますけれども、憲法の空洞化を許さず、より確かな平和主義の確立に向けて前進することでございます。これを御紹介させていただきます。
  国際平和の確立と日本の平和主義の実現のために、いま、もっとも危険なことは歯止めのない解釈改憲による憲法の「空洞化」であり、国際社会との積極的な協調のための努力をあいまいにし続ける思想態度である。
そこで、
  多角的かつ自由闊達な憲法論議を通じて、1「自衛権」に関する曖昧かつご都合主義的な憲法解釈を認めず、国際法の枠組みに対応したより厳格な「制約された自衛権」を明確にし、2国際貢献のための枠組みをより確かなものとし、時の政府の恣意的な解釈による憲法運用に歯止めをかけて、わが国における憲法の定着に取り組んでいく。併せて、今日の国際社会が求めている「人間の安全保障」についても、わが国の積極的な役割を明確にしていく。
以上のことがこの提言の中で述べられているわけでございます。
 その上で、さらに、我が国の安全保障に係る憲法上の四原則というものを述べております。その四原則は、次の四つでございます。
 まず一つ目は、戦後日本が培ってきた平和主義の考えに徹するということでございます。それから二点目が、国連憲章上の制約された自衛権について明確にするということでございます。それから三点目、国連の集団安全保障活動を明確に位置づける、さらに四点目でございますけれども、民主的統制、いわゆるシビリアンコントロールの考え方を明確にする、この四つの原則が述べられているということでございます。
 以上、私から、二〇〇五年の民主党の憲法提言、その内容を御紹介させていただき、現時点での考え方の表明とさせていただきます。ありがとうございます。

発言情報

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発言者: 逢坂誠二

speaker_id: 4539

日付: 2012-05-31

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会