照屋寛徳の発言 (憲法審査会)

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○照屋委員 社会民主党の照屋寛徳です。
 限られた時間で、本日のテーマである憲法第二章の明文改憲の要旨等について意見を申し上げます。
 本題とも関連して、去る五月二十八日付東京新聞朝刊の報道に接し、ついにこのような憂うべき事態になったかとの思いを深くした点について触れたいと思います。
 記事によると、二〇一〇年七月に実施された環太平洋合同演習で、海上自衛隊の護衛艦二隻が、米豪軍と共同で標的の強襲揚陸艦を砲撃し、撃沈したようです。このような海上自衛隊の演習参加は、その訓練内容からして、自国を守るための個別的自衛権の範囲を超え、憲法解釈で禁じられている集団的自衛権行使に抵触するものではないかとの識者の指摘は当然で、従来の、集団的自衛権行使を前提とした自衛隊の訓練は認められていないとの政府見解にも反すものであり、到底容認できません。
 社民党は、個別的自衛権や集団的自衛権の行使が認められるよう憲法九条を明文改憲すべきとの主張には反対です。
 さて、社民党は、社会党のころの村山政権時代に自衛隊合憲、安保容認に転じたと批判されますが、二〇〇六年二月に採択した社民党宣言において、「戦争を放棄し戦力を保持しないとした憲法を変え、日本を再び「戦争のできる国」へと回帰させることを否定します。」と誓い、「現状、明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に改編・解消して非武装の日本を目指します。また日米安全保障条約は、最終的に平和友好条約へと転換させ、在日米軍基地の整理・縮小・撤去を進めます。」と宣言しました。
 要するに、社民党宣言において、現状明らかに違憲状態にある自衛隊との認識を示し、既に自衛隊の実態は違憲状態だとの考えに至ったものであります。したがって、自衛隊を国防軍、自衛軍と位置づけるために憲法九条を明文改憲すべきとの主張にも反対です。
 社民党は、憲法前文の平和的生存権が、憲法理念の基本的人権の中でも最も根源的な権利と考えます。すなわち、平和を人権の一つとして保障する立場をとっております。その平和的生存権は、憲法九条の一項、二項の、不戦、戦力の不保持、交戦権の否認と一体のものであるとの立場です。同時に、憲法の理念である平和主義に反する解釈改憲もあってはなりません。悲惨な戦争によって多くの命を失った代償として獲得した平和憲法の理念、精神は守らなければなりません。憲法九条の条項、条文はいささかも変更してはいけません。
 その上で、国連憲章の精神、憲法前文と九条を指針にした平和外交と非軍事、文民、民生を基本とする積極的な国際貢献で、世界の人々とともに生きる日本、戦争国家ではなく平和国家日本を目指すべきです。
 国際人道法は、一八九九年のハーグ平和会議以降、戦争のルール化から戦争自体の違法化へと着実に進んできました。一九二〇年の国際連盟規約、一九二八年の不戦条約と歩んできた戦争違法化の潮流の一定の到達点が、自衛目的を除く加盟国の武力行使を全面的に禁止した国連憲章であります。憲法九条は、国連憲章が到達した戦争違法化の原則を徹底させるものであり、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた憲法九条二項がその具体化であります。
 社民党は、平和憲法の理念に基づく安全保障政策を実現すべく、平和基本法の制定、北東アジア総合安全保障機構を構築し、北東アジアに非核地帯を設け、非核不戦国家宣言の国会決議と国連総会での承認を求めております。
 最後に、民主主義国家の基本原則である文民統制の徹底、武器輸出三原則の厳守等は大事です。憲法の理念と現実の間に大きな乖離があるから憲法を変えるべきだとの意見もありますが、私はそれは詭弁であると考えます。憲法理念に反する現実を改め、憲法九条の精神に近づく努力こそ国会議員の使命であることを訴え、意見表明を終わります。

発言情報

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発言者: 照屋寛徳

speaker_id: 24406

日付: 2012-05-31

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会