柴山昌彦の発言 (憲法審査会)

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○柴山委員 会長、御指名ありがとうございます。
 九条の歴史的な意義は決して軽視することはできませんけれども、私は、先ほど来お話がありましたように、余りにも技巧的、芸術的な解釈によりまして、九条をかえって国民から遠ざける役割も一定程度果たしてしまったのではないかというように思っております。
 例えば、自衛隊が戦力に当たらないということを解釈上主張しているわけですけれども、国際社会から見て、五兆円になんなんとする防衛費をつぎ込んでいる今の自衛隊が戦力ではない、あるいは軍隊ではないということは全く通用しませんし、これはまさしく自国民を欺いているとしか言いようがないというように思っております。
 こういった自衛隊や自衛権についての無理な解釈を積み重ねていくことは、私は、解釈改憲によって本来あるべき平和主義のあり方がどんどん動いてしまうということから、かえって危険な状況であるというように感じております。
 またあわせて、この憲法の条文、それから無理な解釈に固執するが余り、完全に、防衛あるいは軍事がプロの世界に落とし込まれてしまっていて、国民が正確な情報をなかなか受け取り得ないような状況にもなってきていると思っております。それが政権交代後の、学べば学ぶほど、本来しっかりと把握をしていなければいけなかったこういった政策についての無理解、無知というものが弊害をもたらしてきたことにもつながっているのであろうというようにも思っておりますし、また、先ほど来、文民統制が重要だということが言われていますけれども、現職の防衛大臣がこの文民統制の正確な定義を誤解しているということにもつながっているのであろうというようにも思っております。
 したがって、私は、今こそ、例えば自衛隊について、軍として正確に憲法上位置づけるということも必要であると思っておりますし、自衛権についても、これを憲法上明確に位置づけることによって、まさしく、子供でもそれらの重要性それから国際社会における位置づけというものがわかるようにするべきであるというように思っております。
 集団的自衛権に関しては、これを有するが行使できないというのは、やはり私は理解しがたいものがあるのであろうと思っています。
 一部の方々がおっしゃるとおり、地球の裏側にまで同盟国の戦争に駆けつけて、一緒に戦争、戦争というか武力の行使をするということは確かに避けるべきであろうとは思っておりますけれども、これはすぐれて、自国の国益をどのように守り、そのために、他国が攻撃されたときにも、一定の範囲で、それに対して防衛なり武力の適切な行使を行うかということを解釈上明確化していくということだと思っております。
 そのためには、他国との、今不平等という御指摘もありましたけれども、同盟関係がどのようなものであるのか、あるいは使用されている攻撃の特性、ミサイル攻撃などが今はあるわけですから、それに適した防衛体制をどのようにとっていくのか、そういったことを具体的に要件立てていくことが必要であって、ただ講学上集団的自衛権に当たるからこれは一切行使できないというようなことは、これは思考停止を招くものであるというように思っております。
 最後に、集団的自衛権の行使と集団安全保障の問題、これをやはりいまだに混同している方が非常に多いというように思いますので、そこの概念整理をきちんとしていくとともに、先ほども御指摘がありました集団安全保障の問題については、PKO三原則あるいはPKFへの参加の問題も含めてしっかりと、国際的な実務に支障がないような仕組みを、これもやはり下位法規を中心とした整備を行うことによって図っていくべきであるというように考えております。
 最後の部分は、ちょっと今回の討議の重点的な分野ではありませんでしたけれども、集団的自衛権との区別ということで付言させていただきました。
 以上でございます。
    〔会長退席、中谷会長代理着席〕

発言情報

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発言者: 柴山昌彦

speaker_id: 2168

日付: 2012-05-31

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会