湯原俊二の発言 (社会保障と税の一体改革に関する特別委員会)
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○湯原委員 おはようございます。民主党の湯原俊二でございます。
きょうは、貴重な時間、質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
私は、消費税における所得の低い方々への対応策、いわゆる逆進性対策について、まず質問をしたいと思っております。
消費税は、所得の低い方、高い方にも同じ税率でかかりますので、その点で、所得の低い方々にどういう施策を打っていくかが大変重要になってまいります。現在も与野党協議が行われておりますけれども、税の分野では、これが一つの大きな争点であろうかというふうに私は思っております。
一つの考え方として、食料品にかかる税率を下げる、軽減する、軽減税率を導入することが一つの方策だという考え方もあります。私ども政府・与党は、所得の低い方を対象として、ターゲットを絞って、その分、給付金を出していく給付つきの税額控除によって、所得の低い方々への支援策、負担を軽減していく、こういう考え方を持っているところであります。
稲富議員、一つ目のパネルをお願いします。
一つの考え方であります、食料品等の税率を下げる軽減税率を導入することの短所であります。先般も当委員会で私質問をいたしましたけれども、改めてこの点を指摘させていただいて、政府の見解を求めたいと思っております。
一つ目が、逆進性対策としての効果が軽減税率の導入は高くないのではないかということであります。
稲富議員、二つ目のパネルをお願いします。
これは、消費税は今五%でありますけれども、五%から八%に上げたときに、食料品を五%に据え置いたときにどういうふうな形で負担の軽減が図られるかという棒グラフであります。
一番左の棒が、所得が二百万円未満の方の、一年間の食料品五%に据え置いたときの負担の軽減でありますけれども、一万二千円ちょっと軽減されるというものであります。これが、棒グラフ、右に行って、一千五百万円以上になりますと、年間で三万八千円を超える金額が負担の軽減になるということであります。
つまりは、食料品の税率を下げる、軽減税率を導入することによって恩恵を受ける、メリットを受けるのは、所得の低い方よりも所得の高い方の方が恩恵を受けるということが言えるのではないかと思います。結果的に、この軽減税率の導入、食料品の税率を据え置くことは逆進性対策として効果が少ないのではないかということを物語っていると思います。
稲富議員、一つ戻ってください。
そして、二つ目であります。軽減税率の適用範囲の線引きが難しいということでありますけれども、これも先般来当委員会で問題になっているところであります。
ヨーロッパが先進事例として一つ挙げられるのでありますけれども、イギリスなどでは、この線引きについて大変困惑、混乱をしております。例えばお菓子でも、個数によって違う、あるいはレストランで食べるのとテークアウト、持ち帰って食べるのでは税率が違う、その持ち帰るのでも、食べ物の温度によって税率が違う、こういったことも言われております。また、イギリスで、あるお菓子で、軽減税率適用のケーキなのか、それとも標準税率適用のビスケットかで十三年間も法廷闘争している。国民には非常にわかりにくい、そういう線引きになっているところであります。
食料品に軽減税率をかけている国では、食料品の加工ぐあい、あるいは形状の度合いによって、ちょっとの、わずかな違いで線引きされるために国民は非常にわかりにくい、こういう状況であろうかと思っております。
三点目が、複数税率によって消費者や生産者が混乱をする。
これは先ほどの問題と関連するわけでありますけれども、消費税は、御案内のように、お子さんからお年寄りまで、全ての方に、買い物をした時点等で御負担をいただく税率であります。これが、複数税率あるいは食料品によってこの税が違ってくることになりますと、買い物をした後にレシートをもらった段階で初めてその税率がわかるというような状況が生まれてくるわけであります。非常にわかりにくい状況であります。
四番であります。一旦軽減税率が導入されると標準税率に戻すことは困難になる。
五番、業界団体からの軽減税率の適用範囲拡大の要望に反対することは難しくなる。
これは、ヨーロッパにおける事例でもわかりますように、一たびたがを外して標準税率の対象外のものをつくり始めますと、次から次に業界団体から、うちのものも税率を下げてくれという声が上がってまいりまして、どんどん拡大こそすれ、狭めることが困難な状況へ、一旦外してしまったらどんどんと広がっていく、取り返しがつかない状況が生まれてくるということ。
そして、あげくの果てには、その税率を導入する時点において業界団体と政治との間に癒着の温床も生まれかねない状況が生まれてくる、これを懸念されるところでありますけれども、そういう状況が生まれてくるということであります。
六番目でありますけれども、課税対象が狭くなり税収減になるということであります。
イギリスでは、事例を見ますと、この軽減税率、食料品や生活必需品の税率を下げることによって、標準税率を全体にかけたのに比べると税収が約半分になっているということであります。
先般、委員会で五十嵐副大臣に私は質問させていただきました。日本で適用したらどうなのか、今五%であるのを八%、一〇%に上げたとき、食料品を五%に据え置いたとき、どのぐらい税収が減収になるのかとお伺いしましたら、八%に上げたときに食料品を五%に据え置いたときは一兆円半ばから二兆円減収になる。これを一〇%に上げたときに食料品を五%で据え置いたらどうなるか。五十嵐副大臣の答弁では、二兆円半ばから三兆円の減収、おおよそ四分の一から五分の一は減収になるのではないかということでありました。これが六番目の問題であります。
七番目でありますけれども、事業者の記帳や税務執行の調査など事務コストが上昇する。
八番目、標準税率と軽減税率の適用を区別するためインボイスの導入が必要となる。
これは、御案内のように、先ほど来申し上げておるように、税率が複数になるために、事業者では記帳の問題が出てまいります。そして、それをチェックする税務当局の仕事もコストがふえていく、こういう状況であるわけであります。
一方、我々が提案している給付つきの税額控除でありますけれども、野党の皆さん方からも若干御指摘いただいておりますけれども、所得を捕捉する意味での番号制あるいはマイナンバー制度を導入しなければいけない。それで、制度を導入しても、資産の方、ストックの方が完全に把握できるかどうかという問題が上がっているわけであります。
そこで、政府にお伺いしたいのでありますけれども、今、給付つきの税額控除と軽減税率の導入のお話をさせていただきました。政府として給付つきの税額控除を選んだ理由を、改めて見解をいただきたいと思います。