社会保障と税の一体改革に関する特別委員会

2012-06-11 衆議院 全355発言

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会議録情報#0
平成二十四年六月十一日(月曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 中野 寛成君
   理事 武正 公一君 理事 鉢呂 吉雄君
   理事 古本伸一郎君 理事 松本 大輔君
   理事 和田 隆志君 理事 逢沢 一郎君
   理事 伊吹 文明君 理事 西  博義君
      石井登志郎君    磯谷香代子君
      稲富 修二君    小野塚勝俊君
      岡田 康裕君    勝又恒一郎君
      金森  正君    川越 孝洋君
      岸本 周平君    工藤 仁美君
      篠原  孝君    白石 洋一君
      杉本かずみ君    田嶋  要君
      田中美絵子君    田村 謙治君
      道休誠一郎君    中屋 大介君
      永江 孝子君    長尾  敬君
      浜本  宏君    早川久美子君
      樋口 俊一君    藤田 憲彦君
      三村 和也君    宮島 大典君
      室井 秀子君    谷田川 元君
      山崎  誠君    湯原 俊二君
      柚木 道義君    渡部 恒三君
      あべ 俊子君    石田 真敏君
      加藤 勝信君    金子 一義君
      鴨下 一郎君    田村 憲久君
      竹下  亘君    橘 慶一郎君
      永岡 桂子君    長島 忠美君
      額賀福志郎君    野田  毅君
      馳   浩君    町村 信孝君
      坂口  力君    竹内  譲君
      宮本 岳志君    豊田潤多郎君
      渡辺浩一郎君    服部 良一君
      江田 憲司君    山内 康一君
      中島 正純君
    …………………………………
   内閣総理大臣       野田 佳彦君
   国務大臣
   (社会保障・税一体改革担当)           岡田 克也君
   総務大臣         川端 達夫君
   財務大臣         安住  淳君
   厚生労働大臣
   国務大臣
   (少子化対策担当)    小宮山洋子君
   財務副大臣        五十嵐文彦君
   文部科学副大臣      高井 美穂君
   内閣府大臣政務官     大串 博志君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    古谷 一之君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  宮島 俊彦君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  外口  崇君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  榮畑  潤君
   衆議院調査局社会保障と税の一体改革に関する特別調査室長          佐藤  治君
    —————————————
委員の異動
六月十一日
 辞任         補欠選任
  石井登志郎君     磯谷香代子君
  稲富 修二君     山崎  誠君
  江端 貴子君     中屋 大介君
  岡田 康裕君     杉本かずみ君
  勝又恒一郎君     金森  正君
  田嶋  要君     谷田川 元君
  田中美絵子君     近藤 和也君
  三村 和也君     小野塚勝俊君
  柚木 道義君     樋口 俊一君
  加藤 勝信君     あべ 俊子君
  田村 憲久君     橘 慶一郎君
  竹内  譲君     坂口  力君
  豊田潤多郎君     渡辺浩一郎君
  中島 隆利君     服部 良一君
  山内 康一君     江田 憲司君
同日
 辞任         補欠選任
  磯谷香代子君     石井登志郎君
  小野塚勝俊君     三村 和也君
  金森  正君     勝又恒一郎君
  杉本かずみ君     岡田 康裕君
  中屋 大介君     江端 貴子君
  樋口 俊一君     浜本  宏君
  谷田川 元君     道休誠一郎君
  山崎  誠君     川越 孝洋君
  あべ 俊子君     長島 忠美君
  橘 慶一郎君     永岡 桂子君
  坂口  力君     竹内  譲君
  渡辺浩一郎君     豊田潤多郎君
  服部 良一君     中島 隆利君
  江田 憲司君     山内 康一君
同日
 辞任         補欠選任
  川越 孝洋君     稲富 修二君
  道休誠一郎君     工藤 仁美君
  浜本  宏君     柚木 道義君
  永岡 桂子君     額賀福志郎君
  長島 忠美君     加藤 勝信君
同日
 辞任         補欠選任
  工藤 仁美君     田嶋  要君
  額賀福志郎君     田村 憲久君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七四号)
 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七八号)
 子ども・子育て支援法案(内閣提出第七五号)
 総合こども園法案(内閣提出第七六号)
 子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七七号)
 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第七二号)
 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出第七三号)
     ————◇—————
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中野寛成#1
○中野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法案、総合こども園法案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として財務省主税局長古谷一之君、厚生労働省老健局長宮島俊彦君、厚生労働省保険局長外口崇君、厚生労働省年金局長榮畑潤君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中野寛成#2
○中野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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中野寛成#3
○中野委員長 本日は、各案の審査に関し、社会保障と税の一体改革について集中審議を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。勝又恒一郎君。
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勝又恒一郎#4
○勝又委員 おはようございます。民主党の勝又恒一郎でございます。
 きょうは、質問の機会をいただきまして、与野党の皆様方、ありがとうございます。
 私は、神奈川県の湘南から出ている議員でございますけれども、この週末は大変天気がよくて、地びき網やさまざまな触れ合い祭りがいろいろ開催をされていて、地域の皆さん方と触れ合ってまいりました。その中で特に声が大きかったと思ったことについて、きょうは率直にお伺いをしてまいりたいというふうに思っております。
 今回の社会保障と税の一体改革のこの委員会、私は、大変いい議論ができているなということを思っております。特に、今回の社会保障と税の一体改革の重要な意義について、幾つか私自身も意を強めておりますけれども、特に私自身が今回感じておりますのは、今まで日本の社会保障というものは、高齢者のいわゆる年金、介護、医療、こういうものに重点を置いてきた、このことは私は間違ってはいないと思うんですけれども、一方で、人口動態や経済の状態が変わってきていて、このままでいいのかどうか。
 普通にしていれば、若い人たちから年配の皆さんに所得移転が行くというのが今の日本の社会保障制度のあり方であります。しかし、一方で、若い人たちはどんどん減っているということを考えると、このままでは若い人たちも疲弊してしまう、世代を超えた全世代の社会保障政策が必要である。私たちは、今、その改革に取り組もうとしていると思います。
 同時に、日本の経済も大変厳しい状態であります。
 先般も参考人質疑で、多くのエコノミストの皆さんから、このまま社会保障を充実させていくためにはどうしても経済の成長が必要である、経済が成長しないとどこまで増税してもお金が足らなくなってしまう、やはり経済というものをしっかり立て直して成長させて、そのことによって増税を最小限に抑えるという発想が必要ではないかという御指摘をいただいております。
 私は、まさにそのとおりだ、経済は極めて重要である、社会保障と経済、この両輪をしっかりと改革し、前進させていくのがこの委員会の議論の中心にあると思っています。
 そうした中で、三・一一以降、エネルギーの問題が我が国に極めて大きな影を落としています。そうした中で、総理は今、原発再稼働に向けて大きな決断をされようとしているのではないかと推察をいたします。しかし、一方で、私の地域の皆さんからも、安全性の問題はどうなんだ、あるいは、この夏、短期の問題と、中長期のエネルギーの問題と、一体どう考えているんだ、さまざまな声を国民の皆さんから聞いてまいりました。
 ぜひ、この際、総理に、原発再稼働の、総理自身の思っておられることを、国民にメッセージとして発していただければと思います。
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野田佳彦#5
○野田内閣総理大臣 おはようございます。
 再稼働の問題、エネルギーの問題についての御質問をいただきました。
 先週の金曜日に、国民の皆様に向けての会見を行わせていただきまして、再稼働に対する私の基本的な考え方を御説明させていただいたつもりでございます。
 国民の生活を守るというのが、何といっても唯一、絶対の基準だと思います。国民の生活を守るということは、二度と福島のような事故を起こさない、そのためにもしっかりと安全性のチェックを行うということでございまして、昨年の三月十一日以来、IAEAであるとかあるいは安全委員会、そのほかさまざまな専門家の知見なども踏まえて、さまざまな対策も講じてまいりました。そういう中で、判断基準をまとめまして、福島のような地震やあるいは津波が発生をしても炉心溶融に至らないという判断の中での安全性のチェックをさせていただきました。
 もちろん、これはこれからも不断の努力をしていかなければいけない、上限はないと思いますが、現段階においても、少なくとも炉心溶融には至らないという中での判断をさせていただいているということと、今少し委員からも御指摘がございましたけれども、これは経済の問題、国民生活への影響等も判断をしなければなりません。
 少なくとも、関西地区は、いろいろ精査をしましたけれども、需給ギャップが一五%程度は出てくるだろうという中で、そうしますと、もし急に停電になった場合等々、相当な悪影響が出る可能性があると思います。そういうことにならないためにも、エネルギー安全保障あるいは国民の経済社会全般の安定等々、総合的に勘案をしながら判断をさせていただきたいというふうに考えております。
 当然のことながら、中長期の我々のエネルギーのあり方ということも考えなければなりません。極力、原子力、原発に依存をしない、そういう社会をつくっていくということは、これは多くの方のコンセンサスだと思います。その中で、どういう選択肢を示していくのか、選択肢を示して、国民的な議論に付して、八月までに、国民の皆様が安心できるエネルギー構成、エネルギーのベストミックスというものをまとめていきたいと考えております。
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勝又恒一郎#6
○勝又委員 ありがとうございます。
 総理から、安全性はしっかりとするんだということ、そして、中長期は原発に依存していかない社会をしっかり築いていくんだという趣旨の御発言がありました。
 私は、この問題は、今も御苦労されている福島の皆さんを初め、多くのお父さんやお母さんたちがみずからの子供の心配をすることを考えれば、どれだけ説明しても、説明が十分ということはないと思います。今後も、総理みずから、そしてまた政府一体となって、与党としても、しっかりと説明していくことが私たちの責務だと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 社会保障の方に議論を戻したいと思います。
 今回、いろいろな議論が出ていて、私も本当にこの委員会は意義があるなと思っておりますけれども、近年の若者の厳しい現状というものにも、私たちは本当に目をやっていかなきゃいけないというふうに思っております。
 さまざまな統計から、いわゆる所得の再分配をした後に子供の貧困率が上がっているのは、先進国ではもはや日本だけという現状になっています。また、逆に、近年ユニセフで出された資料では、いわゆる子供の貧困率、十八歳未満、我が国は一四・九%、先進国三十五カ国中、低い方から九番目、二十七番目。まさに、今の世代、次の世代、その次の世代の厳しい現状が浮き彫りになっている。これでは社会保障は成り立たないというふうに私は思っています。何としても今回の改革はなし遂げなければならないという思いがあります。
 同時に、財政を考えても、毎年四十二兆円国債を発行して二十二兆円の返済をするような、まさに借りかえ借りかえのような財政をやっていて、持続可能なはずがありません。こうしたことを何としてもやらなければいけないと思います。
 同時に、私は、今回の議論を聞いていて、年金や医療制度のような、本当の意味で国民にとって中長期に影響を与える政策というものは、政党が一党単独で考えるのではなくて、主要政党、さまざま、与野党がしっかりと協議をして一つの合意をつくっていく政治をこれからは志していく必要があるんじゃないかという気がしています。
 確かに、私たちもマニフェストでいろいろなことを言いました。そのことについては、私たちは、国民に、責任があります。しかし、同時に、政権交代するたびに年金の制度が変わっていて国民はもつんでしょうか。私はもたないと思います。やはり、しっかりと与野党が話し合って結論を得る政治、このことを国民が求めているということを、今回の地元活動でも多くの人に言われました。与野党が大人になってしっかり話し合ってください、そんな声をたくさん聞いてまいりました。
 私たちは、そういう意味においては、野党時代のいろいろなことも含めて、反省も含めて、謙虚でなければならないと思います。それは、国民の皆さんに対して、私たちも率直に言っていかなければならない。
 その上で、何としても、今回は、法案の修正協議あるいは与野党協議、こういうもので結論を得る、政治がその知恵を出す、今後の社会保障協議のモデルになるような協議をぜひしていただきたいと私は思っていますし、ここで成案を得られなかったならば、もう国民は政治にも国会にも既成政党にも期待を持てないような、そういう時代が来てしまうと私は思っています。
 そういう意味で、野党時代も含めてこの問題にかかわってきた岡田副総理に、この与野党協議、どんな思いで見られているか、ぜひ御発言をいただきたいと思います。
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岡田克也#7
○岡田国務大臣 勝又委員今御指摘のように、年金、医療、介護、子ども・子育て、それぞれ国民の関心は非常に高い。そういう中で、どうしても政治的な、争点化しやすいという問題はあります。そういう中で、我々も、勝又さんも御指摘いただいたように、それを必要以上に強く言う、そういったことが過去にあったことは事実で、そのことについてはやはり我々は反省が必要である、そういうふうに考えております。
 ただ、一方で、年金についての協議をぜひしましょうと野党でありながら呼びかけたという歴史もございます。ぜひここは、今回、具体的になっているこの協議について、お互い胸襟を開き、そしてしっかりと国民の立場に立って結論を得ていくということは、私は非常に重要なことだと思います。
 与野党逆転もございます。ねじれもあります。したがって、どこかの党だけ単独でこういう制度を決めることはできないんです。国民の立場に立てば、やはりここは、お互いの知恵を尽くしてしっかりとした合意を見出していく、その努力が我々に求められているし、特に我々は与党ですから、その責任は重いというふうに考えております。
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中野寛成#8
○中野委員長 勝又君、あと一分少々ですので、おまとめください。
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勝又恒一郎#9
○勝又委員 今、副総理からもお話ありました。私は、今回の協議というものは、非常に、この委員会、いい議論ができていると思っています。野党の先生方も本当にすばらしい質問、論点を出されていて、なるほどと思うことが非常にたくさんあります。私は、与党として、政府として、取り入れられるものは大いに取り入れて、そして、逆に、私たちの主張のいいところは堂々と主張をして、そしてお互いの知恵を尽くして、何としても今回成案を得ていただきたいというふうに思っています。
 同じように、私たち自身が身を切る定数削減の問題なども、それぞれの党、主張はあります。しかし、大きな方向性は国民の考えていることと同じだろうと私は思います。ぜひ、これは知恵をお互いが出して、そして、お互いのメンツだけではなくて、国民を見て、我々、自分たちのためではなくて、国民のために何としてもやらなきゃいけないと思っています。そして、当然、私たちは政府・与党ですから、まとめる責任は私たちにあるということを、強い自覚を持ってしっかりとやっていかなければならないというふうに私は思っています。
 これから、国民の皆さんは、私たちのこの社会保障と税の一体改革の行く末を注目しています。私の支持者のみならず、多くの国民の皆さんは、ともかく結果を出してほしい、前に進めてほしい、もうこれで何も決まらなかったということは勘弁してほしい、そんな声をたくさん聞いております。
 ぜひとも、私たちも与党として頑張りますので、政府としても全力を挙げていただくことをお願い申し上げまして、バトンを湯原議員に渡してまいりたいと思います。
 ありがとうございました。
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中野寛成#10
○中野委員長 これにて勝又君の質疑は終了いたしました。
 次に、湯原俊二君。
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湯原俊二#11
○湯原委員 おはようございます。民主党の湯原俊二でございます。
 きょうは、貴重な時間、質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
 私は、消費税における所得の低い方々への対応策、いわゆる逆進性対策について、まず質問をしたいと思っております。
 消費税は、所得の低い方、高い方にも同じ税率でかかりますので、その点で、所得の低い方々にどういう施策を打っていくかが大変重要になってまいります。現在も与野党協議が行われておりますけれども、税の分野では、これが一つの大きな争点であろうかというふうに私は思っております。
 一つの考え方として、食料品にかかる税率を下げる、軽減する、軽減税率を導入することが一つの方策だという考え方もあります。私ども政府・与党は、所得の低い方を対象として、ターゲットを絞って、その分、給付金を出していく給付つきの税額控除によって、所得の低い方々への支援策、負担を軽減していく、こういう考え方を持っているところであります。
 稲富議員、一つ目のパネルをお願いします。
 一つの考え方であります、食料品等の税率を下げる軽減税率を導入することの短所であります。先般も当委員会で私質問をいたしましたけれども、改めてこの点を指摘させていただいて、政府の見解を求めたいと思っております。
 一つ目が、逆進性対策としての効果が軽減税率の導入は高くないのではないかということであります。
 稲富議員、二つ目のパネルをお願いします。
 これは、消費税は今五%でありますけれども、五%から八%に上げたときに、食料品を五%に据え置いたときにどういうふうな形で負担の軽減が図られるかという棒グラフであります。
 一番左の棒が、所得が二百万円未満の方の、一年間の食料品五%に据え置いたときの負担の軽減でありますけれども、一万二千円ちょっと軽減されるというものであります。これが、棒グラフ、右に行って、一千五百万円以上になりますと、年間で三万八千円を超える金額が負担の軽減になるということであります。
 つまりは、食料品の税率を下げる、軽減税率を導入することによって恩恵を受ける、メリットを受けるのは、所得の低い方よりも所得の高い方の方が恩恵を受けるということが言えるのではないかと思います。結果的に、この軽減税率の導入、食料品の税率を据え置くことは逆進性対策として効果が少ないのではないかということを物語っていると思います。
 稲富議員、一つ戻ってください。
 そして、二つ目であります。軽減税率の適用範囲の線引きが難しいということでありますけれども、これも先般来当委員会で問題になっているところであります。
 ヨーロッパが先進事例として一つ挙げられるのでありますけれども、イギリスなどでは、この線引きについて大変困惑、混乱をしております。例えばお菓子でも、個数によって違う、あるいはレストランで食べるのとテークアウト、持ち帰って食べるのでは税率が違う、その持ち帰るのでも、食べ物の温度によって税率が違う、こういったことも言われております。また、イギリスで、あるお菓子で、軽減税率適用のケーキなのか、それとも標準税率適用のビスケットかで十三年間も法廷闘争している。国民には非常にわかりにくい、そういう線引きになっているところであります。
 食料品に軽減税率をかけている国では、食料品の加工ぐあい、あるいは形状の度合いによって、ちょっとの、わずかな違いで線引きされるために国民は非常にわかりにくい、こういう状況であろうかと思っております。
 三点目が、複数税率によって消費者や生産者が混乱をする。
 これは先ほどの問題と関連するわけでありますけれども、消費税は、御案内のように、お子さんからお年寄りまで、全ての方に、買い物をした時点等で御負担をいただく税率であります。これが、複数税率あるいは食料品によってこの税が違ってくることになりますと、買い物をした後にレシートをもらった段階で初めてその税率がわかるというような状況が生まれてくるわけであります。非常にわかりにくい状況であります。
 四番であります。一旦軽減税率が導入されると標準税率に戻すことは困難になる。
 五番、業界団体からの軽減税率の適用範囲拡大の要望に反対することは難しくなる。
 これは、ヨーロッパにおける事例でもわかりますように、一たびたがを外して標準税率の対象外のものをつくり始めますと、次から次に業界団体から、うちのものも税率を下げてくれという声が上がってまいりまして、どんどん拡大こそすれ、狭めることが困難な状況へ、一旦外してしまったらどんどんと広がっていく、取り返しがつかない状況が生まれてくるということ。
 そして、あげくの果てには、その税率を導入する時点において業界団体と政治との間に癒着の温床も生まれかねない状況が生まれてくる、これを懸念されるところでありますけれども、そういう状況が生まれてくるということであります。
 六番目でありますけれども、課税対象が狭くなり税収減になるということであります。
 イギリスでは、事例を見ますと、この軽減税率、食料品や生活必需品の税率を下げることによって、標準税率を全体にかけたのに比べると税収が約半分になっているということであります。
 先般、委員会で五十嵐副大臣に私は質問させていただきました。日本で適用したらどうなのか、今五%であるのを八%、一〇%に上げたとき、食料品を五%に据え置いたとき、どのぐらい税収が減収になるのかとお伺いしましたら、八%に上げたときに食料品を五%に据え置いたときは一兆円半ばから二兆円減収になる。これを一〇%に上げたときに食料品を五%で据え置いたらどうなるか。五十嵐副大臣の答弁では、二兆円半ばから三兆円の減収、おおよそ四分の一から五分の一は減収になるのではないかということでありました。これが六番目の問題であります。
 七番目でありますけれども、事業者の記帳や税務執行の調査など事務コストが上昇する。
 八番目、標準税率と軽減税率の適用を区別するためインボイスの導入が必要となる。
 これは、御案内のように、先ほど来申し上げておるように、税率が複数になるために、事業者では記帳の問題が出てまいります。そして、それをチェックする税務当局の仕事もコストがふえていく、こういう状況であるわけであります。
 一方、我々が提案している給付つきの税額控除でありますけれども、野党の皆さん方からも若干御指摘いただいておりますけれども、所得を捕捉する意味での番号制あるいはマイナンバー制度を導入しなければいけない。それで、制度を導入しても、資産の方、ストックの方が完全に把握できるかどうかという問題が上がっているわけであります。
 そこで、政府にお伺いしたいのでありますけれども、今、給付つきの税額控除と軽減税率の導入のお話をさせていただきました。政府として給付つきの税額控除を選んだ理由を、改めて見解をいただきたいと思います。
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中野寛成#12
○中野委員長 岡田担当大臣、残り時間がわずかですので、端的にお答えください。
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岡田克也#13
○岡田国務大臣 湯原委員、八点にうまく集約していただきました。
 これを少し言い方をかえれば、一つは、やはり税率が一〇%で足らなくなる、そういう問題が一つあります。
 もう一つは、先ほど委員御指摘のいろいろな点、これは政治のあるいは政府の関与が深まるということで、大きな政府というふうに私は言っていいと思うんですね。そこにつながる。
 そして三番目は、やはりインボイスの問題で、インボイスの導入については中小企業団体の皆さんは強く反対しておられる。そういう問題をどう乗り越えるかという課題がある。
 一方、我々の給付つき税額控除についても、野党の皆さんから御指摘いただくような難しい点もある。そこを協議によって各党間でどう乗り越えていただくか、こういう問題だと思っております。
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湯原俊二#14
○湯原委員 私は、今、岡田副総理からお話ありましたけれども、特に、一から八の中で、一番、逆進性対策として効果が少ないということ。我々が提案している給付つきの税額控除の方が、所得の低い方にターゲットを絞って、そこに給付金を出すことによって支援をしていく方がはるかに効果が高いということをまず申し上げておきたいと思います。
 そしてもう一つは、四番と五番にあります、一旦軽減税率を導入し始めると、たがが外れたかのごとく、どんどんと政治に対して業界団体から、うちの品物も税率を下げてくれという声が上がっていって、一回決壊し始めるとどんどんどんどん広がっていくということが言えるのではないかなというふうに思うわけであります。
 そこで、野田総理に思いをお聞かせ願いたいと思っております。
 私、実は専業農家でありまして、政治信条は、緑肥の思いということでやっております。緑肥というのは、緑の肥やしと書きます。レンゲやクローバーや麦などがそうでありますけれども、緑で生い茂ったまま、そこでトラクターでこなし込んでいって、生きたままこなし込んでいって、次の作物のために肥料となっていく、これが緑肥であります。生きたまますき込まれて次の作物の肥料になっていく、これが緑肥であります。
 私は、今の時代に生きる弱い立場の人々が一つ、もう一つは、次の世代のためにいかによりよい社会を残すために努力していくか、これが本来ある政治の姿だというふうに思っております。
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中野寛成#15
○中野委員長 質問をおまとめください。
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湯原俊二#16
○湯原委員 野田総理もその見解を持っておられますけれども、ヨーロッパの事例を見本とするのではなく、あくまでも反面教師として捉えて給付つき税額控除を推し進めていきたいと思いますけれども、思いをお聞かせ願いたいと思います。
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野田佳彦#17
○野田内閣総理大臣 今の御指摘のとおり、緑肥というそのいわゆる一つの哲学は、大事にしていかなければいけないと思います。
 今回やろうとしている改革というのは、まさに将来世代をおもんぱかって社会保障を持続可能なものにしていくということが根底にございますので、そういう発想のもとで共通するところがあると思います。
 その上で、消費税の引き上げをお願いする際には、どうしてもこれは、いわゆる低所得者対策、というのは、逆進性対策というものが大事になります。
 先ほど来いろいろと御指摘がございましたとおり、軽減税率では、一番の問題は、やはり高所得者の方に有利であって、いわゆる所得再分配機能としての限界があるというところが私は一番大きな問題ではないかと思いますので、その意味では、給付つき税額控除、いろいろ議論がありましたけれども、私どもの議論の到達点としては、逆進性対策としては給付つき税額控除が望ましいということでございますので、これも与野党の協議の大きな議論の材料になるかと思いますが、真摯な議論を行っていきたいというふうに思います。
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湯原俊二#18
○湯原委員 時間となりました。以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。
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中野寛成#19
○中野委員長 これにて湯原君の質疑は終了いたしました。
 次に、中島正純君。
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中島正純#20
○中島(正)委員 国民新党の中島正純でございます。
 本日は、総理にお越しいただいての質疑でございます。テレビ中継も入っておりますので、改めて、総理の一体改革にかける思いをお聞きしたいというふうに思います。
 総理にお伺いをいたします。
 一体改革を国民の皆様に御理解いただくためには、お願いをする側の姿勢として、まず、身を切る努力が必要であります。その中でも最も大きなものは、国会議員らが身を切る努力、すなわち、議員定数の削減であります。一票の格差の問題とあわせて与野党間で協議が行われているわけですが、国民の目から見ると、この定数削減問題の議論が少しも進んでいないうちに消費税の増税法案を採決しようと映っているのではないでしょうか。
 この定数削減問題を含めて、総理として、身を切ることへの決意を改めてお聞かせ願います。
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野田佳彦#21
○野田内閣総理大臣 まず、議員定数の削減は、まさに身を切る改革の象徴的な、多くの国民の皆様が関心を有しているテーマだと思います。
 私どもが消費税を最初に引き上げるというのは二〇一四年の四月です。それまでに身を切る改革がもう実現されている状況をつくりたいと思います。そのためにも、早急に、一票の格差の問題と定数削減と選挙制度改革について、これまで実務者レベルでの協議が進んでまいりましたけれども、今、幹事長レベルでの政治判断の段階になりました。今週中に私どもの幹事長から提案をすることになっておりますので、その提案をもって成案を得るように、全力を尽くしていきたいというふうに思います。
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中島正純#22
○中島(正)委員 ありがとうございます。
 それでは、続いて総理にお伺いをいたします。
 総理は、この一体改革に政治生命をかけるとおっしゃっております。そのお覚悟のとおり、これまで、民主党内の議論、大綱の閣議決定、法案の提出、そしてこの特別委員会での百時間にも及ぼうかという審議と、一歩一歩法案の成立に向けて進めてこられました。しかしながら、経済の力強い成長がなければ、国民の信頼を得ながら持続的に市場の信認を得ることはできません。これからどのように経済成長と財政再建を両立させていくのか、そして、デフレを脱却して三%の名目成長へ持っていくのか。策定されるという日本再生戦略の具体策が見えてこないと、消費税への国民の理解も進まないと思います。
 消費税議論と並行して、日本経済の再生について、総理から具体的に御説明をお願いいたします。
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野田佳彦#23
○野田内閣総理大臣 経済成長と財政再建を両立させるというのは、先般のキャンプ・デービッドにおけるG8でも最重要の課題でございました。主要国が直面している大きな命題だと思います。
 私どもについては、一昨年の六月に新成長戦略と財政運営戦略を、同じ日に、閣議決定していますので、日本の目指している路線も、世界の主要国と変わりがございません。その中で、特に留意しなければいけませんのは、大震災の後、一時的にやはりどうしても景気自体は落ち込んだりしましたが、今緩やかに回復しつつあります。その中で、足元、一月から三月のQEにおいては、年率四・七%成長となりました。やはり、復興需要を顕在化させながらしっかりと回復の軌道に乗せていくということが、当面の足元が大事だというふうに思います。
 その上で、新成長戦略、一昨年六月にまとめたものを厳しく検証させてきております。検証を踏まえて、本当に有効な政策として効果が出るように、その検証結果を踏まえて日本再生戦略というものをつくっていきたいと思いますが、これまで柱であったグリーンイノベーションであるとかライフイノベーションという、エネルギー・環境分野、あるいは我が国が得意な医療・健康の分野等々に、一つ、今具体的な政策の積み重ねをやっています。
 新成長戦略の検証を踏まえた中での再生戦略を年央にまとめていきたいと考えております。
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中島正純#24
○中島(正)委員 今、修正協議が行われておりますが、野党の皆様から、最低保障年金の問題そして後期高齢者医療制度の問題について、旗をおろせ、白紙にしろという声が上がっております。それに対して、いや、それはできないというような声も出ております。最初から百かゼロかということであれば、野田総理のおっしゃるように、本当に最初からこれでは議論が進まない、私自身もそう思います。
 ですから、お互いに、押すところは押す、引くところは引く、そして妥協し合って、一日も早く成案を得られることを御祈念いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
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中野寛成#25
○中野委員長 これにて中島君の質疑は終了いたしました。
 次に、金子一義君。
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金子一義#26
○金子(一)委員 衆議院の金子一義でございます。
 冒頭の民主党の議員の質疑の中で、何とか十五日までに修正協議をまとめてほしい、民主党として応援すると、まことに力強い正論の発言がありましたけれども、総理、一方週末、何があったのか。各地区で民主党の議員の皆様方が消費税反対運動をやっておられるじゃないですか。のぼりを立てて、消費税反対と街頭演説している。党議拘束をかけていないんですか。
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野田佳彦#27
○野田内閣総理大臣 修正協議が調って、そして法案の採決という段階においては、当然のことながら党議がかかる、党議拘束がかかるということでございます。
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金子一義#28
○金子(一)委員 修正協議を何とかまとめたいということで申し込まれたのは民主党の方なんですよね。野田総理の方なんですよ。それが、党内の足元が、外で活動する。これは、我々にとって、一体全体修正協議にどういう影響を与えるかということをやはり総理もよく考えていただいて、党内をしっかりグリップ、握っていただかなきゃいけないと思いますよ。
 総理は、今会期中、六月二十一日ですけれども、今会期中までに採決すること、これが政府・民主党の責務であると会見でおっしゃられました。二十一日までの衆議院の採決、通過をさせる、これが民主党政府の責務であるということをもう一遍改めておっしゃってください。
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野田佳彦#29
○野田内閣総理大臣 政府として提出をし、御審議をお願いしている法案については、基本的にはその会期の中で成立を期すというのが基本中の基本ですが、特にこの社会保障と税の一体改革については、長い間議論を積み重ねてきた中で、そして待ったなしのテーマであるということでございますので、今、六月二十一日が衆議院の会期になっております、このことをしっかりにらみながら合意を得る、結論を得る、採決を目指す、最大限の努力をするということが基本だというふうに思っておりますし、そのための努力を今させていただいているところでございます。
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