山口壯の発言 (農林水産委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○山口副大臣 このTPP、これがどういうふうな位置づけということは、もう道休委員御存じだと思うんですけれども。
 先日、私はAPECの貿易大臣会合に出てきたときに、ここには、中国あるいは韓国を含め、ロシア、香港も入れて、太平洋を囲む二十一の、エコノミーと呼んでいます。全員がFTAAPという言い方をしていましたけれども、いわゆるアジア太平洋のFTA、この場合のAはエリアという意味で、アグリーメントじゃないんですけれども、それに向けてのいろいろな道筋があるだろう、その中でTPPがその道筋であることには違いないということにおいては、実は私も正直びっくりしたんですけれども、中国もロシアも含めてその共有がされているということがありました。
 ただ、ロシアからは、特にトランスペアレンス、透明性を持ってくれ、何が行われているかということをもっと共有してくれというような問題意識もあり、そういうことで、まず、このTPPというのが、FTAAPに向けての大きな道筋としてアジア太平洋地域ではかなり市民権を得てしまっているのかなという感じがしました。
 このインパクトについて、いろいろな数字があることは御存じのとおりです。切り口によって、農水省の行った数字、あるいは経産省を中心にして行った数字、あるいは内閣府で行った数字。だけれども、内閣府で行ったいわゆるGTAPと言われている数字についても、余りモデルというものが、開かれた国際経済の中では、正直、モデルといっても、そのとおりになるのかという気持ちが私はしています。ですから、プラスと出ていますけれども、本当にそれがその程度のプラスなのか、あるいはもっと大きいのか、あるいは場合によっては少ないのかということは、余りその数字でもって議論すべきではないのかなという気はしています。
 今、道休委員がお尋ねになった中で、少し大き目な話をしていますけれども、中国についても、今はこのTPPについては関心はありますけれども、入るつもりはありません。それは、特に知的財産権等について体制が整っていないということが一つの大きな理由です。他方、知的財産権について、法的枠組みから見てみれば、中国の法律についてはそんなにおくれたものではないようです。私は、もっともっとおくれていると思っていたんですけれども、そんなにおくれていません。執行体制が整っていない。したがって、まだ中国はTPPにはついていけないということですね。
 ただ、我々が注意しておかなきゃいけないのは、米中戦略対話とかいろいろやっていますから、米国は、何としてでも中国から、そういう知的財産権等の仕組みを含めて近づけようとしている。したがって、体制が整ったときには、彼らはもっと関心を示すだろうという気はしています。我々は、日中FTAとかほかの枠組みでもって、いろいろなつながりをつけようとしているというのが今の状況です。
 ちなみに、EUとは、できれば七月に日・EU・EPAの交渉開始を合意したかったわけですけれども、今、フランスの方からは、鉄道についてもう少し入れさせてくれ、あるいはドイツについては、これだけベンツあるいはBMWが東京あるいは私の地元でも走り回っている中で、やはり自動車について心配だというので、ちょっとおくれそうですけれども、ただ、これも秋には交渉開始できると私は思っています。
 ちなみに、今、道休委員がいろいろおっしゃった中で、保険の分野では、この間の郵政民営化法の改正法についていろいろ、アメリカ側からはいろいろな機会に、大丈夫か、要するに、対等な競争条件の確保について本当にやってくれているのかということはありましたけれども、我々からは、対等な競争条件というのはきちっと確保しているということはよく説明してあります。
 特に、がん保険について、今七割から八割、いわゆるアメリカの会社が持っている中で、今度の郵政の方で少し入りやすくなるんじゃないかということを心配していたわけですけれども、私、先般、齋藤次郎社長がああいうことを言われたことによって、実質その問題は当面凍結するということを言われたわけですから、がん保険について新たな参入があるということは多分ないだろうということで手当てされているんじゃないかなという気はしています。
 だけれども、アメリカ側から、どの部分が条件だ、この部分とこの部分とこの部分をやったらTPPについてはオーケーしたいということは一切条件として示されていないので、我々は、非常にフラストレーションを感じています。
 それから、自動車についても、よく新聞等で六項目とかありますけれども、これとこれとこれだというふうな条件は一切示されていないことに、我々は非常にフラストレーションを持っています。例えば、よく言われることですけれども、アメリカで安全基準をパスしたものは日本でも安全と認めてくれ、これは一切受け入れられないわけですね。
 だから、そういう意味で、我々、そういうことを含めて今議論しているわけですけれども、条件がはっきりしていない中で、これから関係国との協議の中でどこまで詰められるかということを今やっています。
 それから、ISDSについても御存じのとおりです。これはもろ刃のやいばがあるわけですけれども、日本から外国に進出した企業が、ある日突然収用されたりするということを予防的に防ぐ意味で、こういう規定を、我々はこれまで投資関連協定をいろいろ結んでいる中で、全部これを入れています。ただ、この中で、当手続で訴えられた例は今のところありません。
 それから、米についてですけれども、今進んでいるものというのが、アメリカの大統領選挙がこれだけある中で、アメリカはもう自動車業界について物すごくセンシティブになっていますから、オバマさんが大統領選挙を必ずしも優位に進めていない中で、アメリカの自動車業界が、何があっても反対なんだというところをかなりはっきり言っているんです。
 だから、そういう意味で、いろいろ議論はしているものの、結局、大統領選挙が終わるまでひょっとしてこれは進まないんじゃないのかというふうなことを、私自身は、済みません、危機感を持っています。
 だから、そんな中で、もしも交渉がまとまってしまって、例えば九カ国ある中で米をセンシティブ品目として考えている国というのは、私は、申しわけない、見つからないんです。そうすると、米がセンシティブ品目から除外された形で、入るかどうかということを突きつけられるということを、私は、正直言って、恐れています。
 今、アメリカ等が、一%の枠の中で認めてくれと。例えば、我々が一%といったら、日本でいえば九十品目になるわけですけれども、米は三十四品目ですから、本当だったら、私は、何か交渉次第でいけるんじゃないかなという気はしているんですけれども、それは何とか間に合うように交渉参加ができれば私自身はいいかなというふうに思っています。

発言情報

speech_id: 118005007X00720120614_011

発言者: 山口壯

speaker_id: 5061

日付: 2012-06-14

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会