島田洋一の発言 (北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会)

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○島田参考人 私は、まず、昨年の夏以降浮上してきたアメリカ人拉致疑惑について触れたいと思います。
 失踪したのはデービッド・スネドンさんという二十四歳の男性、二〇〇四年、中国雲南省で行方不明になっております。
 もちろん国籍にかかわりなく、全ての拉致被害者は救出しないといけないんですけれども、アメリカ人が拉致されていたとなって、アメリカが当事者意識を持ってこの拉致問題に取り組んでくれば、これは戦略的に大変大きいと思います。そういう意識で、五月六日から約一週間、拉致議連、救う会、家族会で訪米もしてまいりました。
 この件は、チャック・ダウンズというアメリカ有数の北朝鮮問題専門家で、拉致問題に最も詳しい、日本人拉致問題に関してもアメリカで一番最初に助けになってくれた人物から情報がもたらされたもので、彼は既にアメリカの議会でも証言しておりますけれども、このデービッド・スネドンさんの家族からも、日本からぜひアメリカ世論を喚起してほしいという協力依頼も来て、家族の方々が四月の末に来日もしております。
 先ほど申し上げた訪米の際に、いろいろな議員、有識者、政府高官等と会いましたけれども、例えばそのうちの一人、スネドンさんの地元であるユタ州選出のマイク・リー議員、若手の大変有望株の方だと聞いていますけれども、近々家族と面談し、話を聞きたいということが議員の事務所から家族に連絡があって、数日以内に面談ということになると思うんですが、こういった流れをよりしっかりしたものにしていくために、ぜひこの委員会としての訪米等も考えていただければと思います。
 このスネドンさんの件が拉致ではないかと思われる根拠をごく簡単に言いますと、二〇〇四年、雲南省、雲南省というのは中国の一番南のタイ、ミャンマー、ラオス、ベトナム等と境界を接する地点ですけれども、いわゆる脱北者が助けを得て東南アジアに逃げる脱北ルートの最終地点に当たっております。そこで、北朝鮮の特務機関が、脱北を手助けしたと思われる人々、それからもちろん脱北者自身を捕まえるために当時網を張っていたと言われておるところです。
 このスネドンさんは、中国にいる朝鮮族等の研究をしていて中国当局から目をつけられ、国外退去を命じられたアメリカ人の友人と数日間北京で過ごした後に、雲南省に来ているんですが、その友人と間違えられた、あるいはデービッドさん自身も脱北支援者と疑われた可能性が十分ある。
 それから、デービッドさん失踪の一カ月前の七月、アメリカの下院が、脱北者の保護、受け入れ規定を含む北朝鮮人権法というのを可決しております。北朝鮮は、直ちに報復を示唆するような反発の声明を出している。あるいは、同じく一カ月前にベトナム政府が、ベトナムにいた北朝鮮の難民四百六十八人を韓国に移送を決定して、北朝鮮側が、脱北を支援する人間には報復するということをこの機会にも宣言しておりました。
 アメリカ人で中国で行方不明のままになっているというのは、このデービッド・スネドンさんだけであります。登山中に死亡とかいう例はあるんですけれども、遺体が回収されたり、死亡状況がいずれも確認されています。全く行方不明というのはこのケースだけ。以上のような理由から、拉致の可能性が高いとアメリカの専門家が見ておるケースです。
 重要なポイントとしては、この失踪事件、二〇〇四年八月、つまり小泉訪朝以後なんですが、小泉訪朝以後であっても、特に脱北者支援に関係したと北朝鮮側が見たようなケースでは拉致は十分起こり得るし、現に、二〇〇〇年以降も拉致されている韓国系の人たちとかが少なからずおります。
 要望の一つとして、ミャンマーに連れ出されて、それから北に運ばれたんじゃないかとアメリカの専門家等は見ているんですけれども、当時、ミャンマーは北朝鮮と大変親しい関係にありましたが、近年、自由化、民主化が急速に進んでいますので、ミャンマー政府から何らかの情報がとれる可能性が十分あると思いますので、これは我々が訪米したときも、アメリカの情報関係者の人間が、アメリカ情報部もミャンマー政府に、特に失踪してから一週間以内にミャンマーの港に北朝鮮の船の妙な出入りはなかったか、そういうことをチェックしたいと言っておりましたけれども、日本側としても、ぜひそういう調査をミャンマーに対して依頼いただきたいと思います。
 とりあえず、以上です。

発言情報

speech_id: 118005253X00420120601_012

発言者: 島田洋一

speaker_id: 18458

日付: 2012-06-01

院: 衆議院

会議名: 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会