佐々木憲昭の発言 (本会議)

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○佐々木憲昭君 日本共産党を代表し、消費税増税法案について質問します。(拍手)
 野田総理が政治生命をかけると言って打ち出した消費税増税に、多くの国民が反対しております。長引く景気低迷や雇用不安、所得の減少などで生活苦が広がり、これ以上の消費税増税に耐えられないという声が庶民の切実な声であります。
 以下、具体的にお聞きします。
 第一は、選挙公約との関係です。
 二〇〇九年の総選挙で民主党が掲げたマニフェスト、政権構想五原則、五策及びマニフェスト政策各論五十五項目、これらのどこを探しても、消費税を引き上げるという公約もありませんし、消費税増税法案を提出するという方針もありませんでした。そればかりか、民主党は、選挙期間中、消費税は四年間引き上げないと繰り返し発言していたのであります。ところが、民主党が政権について一年以上経過してから、突然、消費税増税法案を提案すると言い始めたのであります。
 生活第一の公約を投げ捨て、法案の成立を図ろうとするのは、明らかに国民に対する裏切り行為ではありませんか。答弁を求めます。
 連立を組んでいる国民新党はどうか。マニフェストに、消費税は上げないとはっきり書いていたのであります。ところが、自見大臣は、消費税増税法案の閣議決定に署名し、公約を破りました。
 国民にどう説明するのか、答弁を求めます。
 第二は、消費税はもともと最悪の欠陥税制だという点であります。
 その一つは、逆進性の問題です。
 消費税は、原則として全ての消費に課税され、食料品などにも例外なく課税されます。そのため、低所得ほど負担率が高くなる不公平な税制であります。これは、生活費に課税しないという税制の原則を真っ向から否定する税制だと言わなければなりません。
 野田内閣は、逆進性対策として、給付つき税額控除や軽減税率の導入を検討しているようですが、一年以上検討しても何も決めることができないのは、逆進性を克服する有効な手段が見当たらないことを示しているのではありませんか。
 仮にこれらの対策を実行するにも、大規模な財源が必要となります。それはどこから捻出するんでしょうか。その財源を確保するため、さらに消費税率を引き上げるのでしょうか。お答えください。
 二つ目は、消費税が転嫁できないという問題です。
 消費税は、最終消費者に負担を求めていますが、事業者に納税義務が課されております。そのため、転嫁できなければ、事業者がみずから身銭を切って負担せざるを得ません。
 政府が依頼して行った中小企業団体のアンケート調査では、売り上げの低い中小企業ほど消費税を転嫁できない実態を浮き彫りにしております。売上高三千万以下で、七割以上の事業者が、消費税の転嫁が困難になると回答しているんです。初めのうちは貯蓄を取り崩して消費税を納税するけれども、その資金がなくなれば消費税を滞納せざるを得ず、最後には廃業に追い込まれる、これが実態であります。
 消費税導入当時も、独禁法などのガイドラインや監視体制の強化に取り組むと言われました。しかし、何も解決しておりません。
 野田総理は、安心して消費税を払っていただく仕組みをつくると言いますが、安心どころか、不安は募る一方であります。実際に、国民の所得と消費は低下し、消費税を転嫁できない事業者はますますふえ続けているではありませんか。
 その影響は、地方の公共交通機関にも及んでおります。国土交通省の資料によれば、消費税増税分を料金に上乗せすれば、乗り合いバスやタクシーなどで乗客が減少し、経営に重大な影響があるとの調査結果が出ているのであります。
 地域でただ一つの足となっている公共交通機関が廃止に追い込まれるなら、地域社会が存続の危機に直面するのであります。一体、どうするつもりでしょうか。
 第三に、消費税の大増税が日本経済を重大な危機に突き落とすという問題です。
 消費税一〇%への大増税で、新たな国民負担が十三兆円を超えます。その上、政府は、老齢年金、障害者年金の給付削減などを皮切りに、年金の支給開始を六十八歳、七十歳に先延ばしすることも検討しております。また、医療費の窓口負担をふやしたり、保育への公的責任を放棄する新システムを導入するなど、社会保障のあらゆる分野で、高齢者にも、現役世代にも、子供にも、負担増と給付削減という連続改悪のオンパレードであります。
 消費税増税と年金削減などを含めると年間十六兆円、さらに、既に決められた制度改悪による年金、医療などの保険料引き上げによる負担増を合わせると、年間、実に二十兆円もの大負担増になるのであります。冷え込んだ家計からこれだけ大規模に購買力を奪うのですから、一九九七年の九兆円負担増と比べても、はるかに大きな衝撃を国民生活と日本経済に及ぼすことは明らかではありませんか。
 政府は、消費の落ち込みは一時的ですぐに回復すると言いますけれども、しかし、増税と負担増によって所得と消費を恒常的に奪う事実を、なぜ無視するのでしょうか。民間の研究機関も、駆け込み需要と反動減だけではなく、恒常的な所得の減少を見るべきだと指摘しているのであります。
 消費が冷え込めば、税収全体も落ち込みます。九七年に消費税率が五%に引き上げられたときに、景気の冷え込みによって、法人税収や所得税収が大きく落ち込みました。国と地方の税収総額は、一九九六年の九十兆円から、二〇一〇年の七十六兆円へと、十四兆円も減ったのであります。
 野田総理、あなたは、二〇〇五年二月の衆議院財務金融委員会でこう述べました。「一挙に増税路線に政府がシフトした後の惨たんたる日本の経済の状況を私も肌をもって感じた」と。そう言いながら、なぜ同じ過ちを繰り返すのでしょうか。
 消費税増税が引き起こす問題は、枚挙にいとまがありません。これらの問題を放置し、対策もとらず、ただただ増税法案成立に邁進する。こんなことは、政府のすべきことではありません。法案は直ちに撤回すべきであります。
 その一方で、野田内閣は、法人税を、国、地方合わせて一兆四千億円も減税するというのであります。今、中小企業の七割が赤字ですから、その法人税減税の大部分は大企業向けとなります。しかし、大企業に減税しても、内部留保がふえるだけで、内需拡大につながらないことは明らかです。
 日本共産党は、社会保障充実と財政危機打開の提言を発表しました。無駄遣いを聖域なく一掃する、その上で富裕層と大企業に応分の負担を求める、これこそが問題解決への道であります。
 政府も財界も、日本の法人税率は高いと言いますけれども、大企業の実際の法人税負担率は、表面税率四〇%を大幅に下回っており、上位三百社の平均をとっても三三%程度にすぎません。中には、わずか一二%、一三%という低い負担率の大企業もあるのであります。それは、大企業にしか使えない優遇税制の仕組みがあるからであります。この際、研究開発減税や連結納税制度など、大企業向けの優遇税制を見直すべきであります。
 政治の姿勢を変えれば、消費税に頼らなくても、社会保障拡充と財政再建への道は開かれるのであります。このことを強く強調して、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕

発言情報

speech_id: 118005254X02020120511_021

発言者: 佐々木憲昭

speaker_id: 7597

日付: 2012-05-11

院: 衆議院

会議名: 本会議