豊田潤多郎の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○豊田潤多郎君 新党きづなの豊田潤多郎です。
私は、新党きづなを代表し、消費税の増税の前にやるべきことがあるという主張に立って、総理に質問をします。(拍手)
私たちは、かねてより、社会保障と税の一体改革という問題提起の仕方はおかしいと指摘してきました。
なぜなら、社会保障を受けたければ消費税の増税が必要だ、逆に、消費税の増税が嫌なら社会保障は受けられないという二者択一で、選択の余地がない、消費増税ありきの問題提起であるからです。
これに対して、私たちは、歳出と歳入の一体改革というアプローチをすべきであると主張してきました。
社会保障といえども、全てが聖域ではありません。社会保障を含む全ての歳出について徹底した行財政改革を行うとともに、予算の効率化を進めることにより、歳出の大幅削減を実現、実行しなければなりません。
この歳出削減を最大限に行ったとしても、まだ足りないところがあるとすれば、歳入をふやすということになります。歳入をふやすに当たり、国債の発行に頼らないという財政規律を守るとすれば、まず、税外収入を可能な限り捻出し、そこでどうしても足りないときに、初めて増税の議論となるのです。
さらに、税は消費税だけではありません。他のさまざまな税目の増税も検討し、全体のバランスを考えて、最終的に消費税のあり方を決めるべきです。
今回内閣から提出された消費税の増税法案について、以上の基本的な考え方に立って検討を行ってみると、次の三つの大きな問題があります。第一に、行財政改革なくして増税なし、第二に、社会保障のビジョンなくして増税なし、第三に、景気の回復なくして増税なしであります。
そこで、総理に質問します。
第一点の、行財政改革なくして増税なしについてです。
民主党は、二年八カ月前の政権交代に当たって、公務員の人件費削減、国の地方出先機関の整理縮小、廃止、特別会計や特殊法人等の整理縮小、廃止、天下りの全面禁止等を国民の皆さんに約束しました。しかし、いずれも、いまだに何もできていないか、もしくは極めて不十分な対応です。
さらに、コンクリートから人へと称しながら、今年度の予算では、八ツ場ダム、整備新幹線、高速道路等が軒並み復活し、人からコンクリートへと、全く逆戻りしているありさまです。
増税を行う前に、全ての歳出について徹底した行財政改革を行うとともに、予算の効率化を進めることにより、歳出の大幅削減を実現、実行しなければなりません。
国民の皆さんに約束したことを実行せず、逆に、引き上げないと言った消費税を引き上げようとする、このような国民の皆さんの思いを裏切る行為は、断じて許されるべきものではありません。
総理の責任を厳しく問いただしたいと思います。
次に、第二点の、社会保障のビジョンなくして増税なしについてです。
私たちは、本来、歳出と歳入の一体改革というアプローチをすべきであると主張してきていますが、仮に、テーマを社会保障と税の一体改革と狭く絞ったとしても、大きな問題があります。
すなわち、第一に、年金の将来ビジョンが不明確であること、第二に、生活保護のあり方や高齢者の高額医療のあり方など、社会保障の中にも見直し、検討を行うべき課題が数多くあり、かつ、行政の無駄が相当程度あるにもかかわらず、対応策がとれていないこと、第三に、基礎年金の国庫負担分の財源を、赤字国債減らしの粉飾まがいの交付国債としていること、第四に、さらには、この交付国債の償還財源に成立もしていない消費増税を充てていることなど、極めて問題があります。
このように、社会保障の将来ビジョンが不明確で、課題に対する対応策がとられていないままで国民の皆さんに負担増をお願いすることは、到底理解が得られるものではありません。
総理の対応の仕方について、その責任を問いただしたいと思います。
最後に、第三点の、景気の回復なくして増税なしについてです。
我が国の経済は、長期のデフレと円高で、景気の低迷が続いています。この状況下で消費税の増税を行うことは、必ずや、我が国の経済を一層深刻で、かつ危機的な状態に陥れることになるでしょう。
その結果、企業や家計の所得が大きく落ち込み、法人税、個人所得税が大幅な減収となります。消費税も想定を下回り、全体の税収も想定を大きく下回るおそれがあります。
このように税収の落ち込みも大きな問題ですが、さらには、企業の倒産やリストラにより失業者が増加し、雇用不安などの大きな社会的問題を引き起こす可能性もあります。
政府・与党は、有効な景気対策を全く打てておりません。日銀による思い切った金融政策も総動員して、景気の回復を図るべきです。
消費増税の前に景気を回復すべきだということは自明の理ですが、総理はいかがお考えですか。
以上、消費税の増税の前にやるべきことがある、すなわち、第一に、行財政改革なくして増税なし、第二に、社会保障のビジョンなくして増税なし、第三に、景気の回復なくして増税なし、このことを強く主張し、政府・与党が増税の前にやるべきことをやらないのであれば、消費税の増税に断固反対することを明確に申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕