渡辺浩一郎の発言 (本会議)
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○渡辺浩一郎君 新党きづなの渡辺浩一郎です。
私は、ただいま議題となりました社会保障と税の一体改革関連法案に対し、新党きづなを代表し、反対の立場で討論をいたします。(拍手)
五月の連休明け、社会保障と税の一体改革の議論が始まりました。百二十九時間を超える議論がなされました。ところが、六月の半ばになって、突然、民主党、自民党、公明党三党が密室で議論を開始。たった一週間で三党合意なるものができ上がったのであります。一体、あの百二十九時間の議論は何だったのでしょうか。
政府が提案した原案の段階でも、昨年の夏から民主党内で激しい議論を重ねた上でつくったものとは思えない内容でしたが、修正案は、これは自民党がつくった法案なのではと思ってしまうほど後退し、総選挙で民主党が掲げていた理念、政策のかけらも感じません。
マニフェストの主要政策である最低保障年金の創設、後期高齢者の医療制度の廃止は棚上げ。国民の生活が第一の思いのもとで、手を差し伸べなければいけない低所得者に対する年金の支給加算は給付金に変更。パートの厚生年金適用拡大は縮小。逆に、高所得者への年金支給減は見送り。富裕層の所得税、相続税の引き上げは先送り。民主党の政策の目玉である総合こども園の創設は削除。ここまで譲るのか、何も残っていないんじゃないかと思うのが、多くの国民の感想であります。
民主党に期待した、投票した有権者の思いとは真逆の法案ができ上がってしまいました。この法案に、この後、賛成する、白票を入れる民主党の議員こそ、造反の議員のレッテルを張るべきであります。
増税だけがむき出しになっている、社会保障の置き去りと消費税増税の一体でない改革法案は、思いのある国会議員の魂の一票でこの国会で葬り去り、もう一度、一から、国民の期待、負託に応えた社会保障政策をベースに議論をするべきであります。
さらに、増税の前に、上辺だけでない徹底的な行政改革と選挙制度の改革、予算のゼロベースでの組み直しなど、永田町と霞が関を一度リセットして、どれだけ財源が出せるかチャレンジをするべきであります。
さらに、将来の社会保障のメニューを国民にきちんと掲げ、財源が足りなければ、どう負担するのかを議論するというのがあるべき姿で、社会保障のメニューが何も決まっていない中で増税だけ先行して決めるというのは、筋が通らず、国民は納得いたしません。
しかも、この後の社会保障政策は、正体不明の社会保障制度改革国民会議で議論されるとのことですが、この国民会議に社会保障の制度改革を委ねるのであれば、この国に国会議員は必要ありません。国会で議論すべきであります。
私たち新党きづなは、この単なる社会保障制度の先送りである修正案を認めるわけにはいきません。この一連の法案は、一体改革とは名ばかりの、単なる消費税を上げるためのアリバイづくりの法案でしかありません。
国民のフラストレーションは相当たまっています。今月から、年金の支給は減り、現役世代は、介護、医療の保険料が上がって、秋からは厚生年金の保険料もアップです。子育ての世代は住民税の年少扶養控除廃止。電気代、ガス代も上がっています。来年からは二十五年間も所得税が増税、再来年には市民税の増税、そして、仕上げには消費税大増税であります。支給は減り、負担は大幅にふえます。
今、年収の二百万未満が一千万人超、この二十年間で一世帯の可処分所得は五十万円も下がり、貯蓄なし世帯は十五年前の三倍にふえています。多くの皆さんが、遠い将来よりも、あす生きていくのが精いっぱいなのです。皆さんが家計のやりくりにいかに苦労しているかを、野田総理は全くわかっていない。
総理が言う、将来の社会保障が充実すれば個人消費が上向くというのは、机上の空論でしかありません。このひどいデフレの中で増税をすれば、所得は減り、個人消費が冷え込み、法人税も所得税も減って、トータルの税収は大幅に減ることが懸念されます。つまり、税率を上げても税収は上がらないのであります。税収が確保できないなら、この大変なデフレの時期に税率を上げるべきではありません。
今やることは、日本の統治機構に切り込むこと、デフレ脱却と景気回復に取り組み、皆さんの可処分所得を上げて、税率ではなくて、税収を上げていくことに全力を尽くすことであります。
よく野田首相は決められない政治からの脱却と言いますが、決めちゃいけないものを決める政治に正義はありません。このデフレ下での増税は、決めてはいけないものなのです。マニフェストに書いていないものなのですから。
ルールがあるんです。書いてあることは命がけで実行する、書いていないことはやらない、それがルールです。違いますか、野田総理大臣。
この法案が、日本経済に、将来に深刻なダメージを与えると考えている国会議員の皆さんが、政党の存続や選挙対策よりも、国民の生活に重きを置いた決断をされることを信じております。
国民の生活が第一といいながら、国民の生活が台なしだとしたら、良識ある議員諸君へ、心から、心から、そして心から反対していただきたいことをお願いし、私の反対討論を終えさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)