森本敏の発言 (本会議)
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○国務大臣(森本敏君) 政府は、一昨年十二月、安全保障会議及び閣議において、新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を決定いたしました。
以下、これらについて御報告申し上げます。
我が国を取り巻く安全保障環境を見ると、国際社会では、さまざまな安全保障上の問題が複雑に絡み合いながら、国境を越えて発展する傾向が強まっており、こうした問題に各国が協力して取り組むことが不可欠となっております。
アジア太平洋地域では、人道支援、災害救援等の分野での協力が進展する一方、本年四月の北朝鮮による人工衛星と称するミサイル発射事案といった挑発行動を含め、我が国周辺の多数の国が軍事力を近代化し、軍事的な活動を活発化させるなど、安全保障環境は一層厳しさを増しております。
このような安全保障環境を踏まえれば、今後の防衛力は、各種事態に対し実効的な抑止と対処を可能とし、アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化とグローバルな安全保障環境の改善のための活動を能動的に行い得る動的なものとしていくことが必要です。
このため、新防衛大綱では、防衛力の存在自体による抑止効果を重視した従来の基盤的防衛力構想によることなく、即応性や機動性等を備え、高度な技術力と情報能力に支えられた動的防衛力を構築することとしております。
その際、南西地域も含め、警戒監視、洋上哨戒、防空、弾道ミサイル対処、輸送、指揮通信等の機能を重点的に整備し、防衛体制の充実を図ることとしており、東日本大震災のような大規模地震や、原子力災害をも含むさまざまな事態に際して、迅速かつ切れ目のない対応ができるよう、各種施策を推進してまいります。
動的防衛力の構築に当たっては、自衛隊全体にわたる装備、人員、編成、配置等を抜本的に見直し、真に必要な機能に資源を選択的に集中して、防衛力の構造的な変革や人事制度の抜本的見直しを図ることが必要です。
このため、防衛省では、一昨年十二月、防衛力の実効性向上のための構造改革推進委員会等を設置し、前例にとらわれることなく、東日本大震災の教訓も踏まえながら、検討を進めております。
米国との協力について、新防衛大綱では、日米同盟の深化、発展のため、戦略的な対話等に取り組むほか、共同訓練、施設の共同使用等の平素からの協力の強化や、宇宙、サイバー空間における対応を含め、地域的及びグローバルな協力も推進することとしております。また、米軍の抑止力を維持しつつ、地元の負担軽減を図るため、在日米軍の兵力態勢の再編を着実に実施するとともに、在日米軍の駐留をより円滑、効果的にするための取り組みを推進することとしております。
国際社会における協力については、二国間、多国間の安全保障協力を多層的に組み合わせてネットワーク化し、地域の一層の安定化に取り組むという考えのもと、韓国、オーストラリア、ASEAN諸国、インド等との協力、中国やロシアとの信頼関係の増進等を図っていくこととしております。また、国際平和協力活動に積極的に取り組むとともに、EU、NATO等ともに協力関係の強化を図ることとしております。
次に、新中期防について御報告申し上げます。
新中期防においては、動的防衛力を構築するため、五年間で達成すべき計画を定めております。
この計画では、第一に、各種の活動を迅速かつ切れ目なく実施できるよう、即応態勢、統合運用体制及び国際平和協力への対応体制を整備することとしております。この観点から、統合の強化、島嶼部における対応能力や国際平和協力活動への対応能力の強化等を重視してまいります。
第二に、防衛力の整備に当たっては、優先整備すべき機能を重点化する一方、本格的な侵略事態への備えについては、不確実な将来情勢の変化に対応するための最小限の専門的知見や技能の維持に必要な範囲に限り保持してまいります。
第三に、装備品等の導入に当たっては、新たな装備品等の導入と既存の装備品等の延命、能力向上等を組み合わせることにより、質の高い防衛力を効率的に整備してまいります。
第四に、防衛力の能力発揮の基盤を効果的に整備するため、人事制度の抜本的な見直しによる精強性の向上等を推進してまいります。また、装備品等の取得改革を一層推進し、部隊の運用水準の向上を図るほか、関係機関や地域社会との協力の強化を図ってまいります。
第五に、日米同盟を深化、発展させていくため、新防衛大綱に定めた各種の協力や取り組みを積極的に推進してまいります。
第六に、格段に厳しさを増す財政事情を勘案し、経費の抑制に努めてまいります。その際、各自衛隊に係る予算配分について、縦割りを排除した総合的な見地から、思い切った見直しを行ってまいります。
なお、この計画の実施に必要な防衛関係費の総額の限度は、将来における予見しがたい事象への対応等に安全保障会議の承認を得て措置することができる額を含め、平成二十二年度価格で、おおむね二十三兆四千九百億円程度をめどとしております。
以上申し述べた新たな防衛大綱及び中期防のもと、国の安全と国民の安心の確保に全力を尽くしてまいる所存です。
皆様の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
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国務大臣の発言(新たな「防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画」に関する報告)に対する質疑