楠田大蔵の発言 (本会議)

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○楠田大蔵君 民主党・無所属クラブの楠田大蔵でございます。
 本日議題となりました新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に関する報告について、質問を行わせていただきます。(拍手)
 質問に先立ちまして、先般の梅雨前線停滞に伴う九州北部豪雨災害において犠牲となられました皆様に、謹んで哀悼の誠をささげます。また、今なお避難を余儀なくされておられる皆様にお見舞いを申し上げます。
 私の後援者も、今回、犠牲となりました。故人の無念さも胸に、質問に入りたいと思います。
 東日本大震災や地元での災害も経験し、改めて、我が国は災害の国であるとの認識を強くいたしました。ここでも、危機管理の重要性が際立ちます。四方を海に囲まれ、急峻な地形が多く、やはり、災害はいつ何どき起こるやもしれないとの認識に基づき、迅速かつ大胆な対処と、根本的な防災が必要であります。
 今梅雨前線に伴う北部九州の豪雨災害対応への公共土木施設関係の激甚災害指定を含めた積極的取り組みと、それに伴い、最近取り沙汰される補正予算の必要性はますます高まったと感じておりますが、総理の御決意をお聞かせください。
 さて、本題に入ります。
 実に一年半余りを経て、ようやく質疑の運びと今回なりました。今回の本会議開催にもさまざまな方の御協力をいただいておりますが、やはり、これほどの重要な議題がたなざらしにされていたことは、私も含め、与野党を超えて反省しなければなりません。
 安全保障の議論においても、決められない政治は、もはや許されません。消費税も、社会保障も、教育も、安全保障も、全て重要で、全てが政治の決断を必要としております。全てが大事で、全てに筋の通った、未来を見据えた、そんなビジョンを総理には国民に指し示していただきたく存じます。
 本大綱は、民主党政権として初めて策定に挑んだ防衛大綱であり、政権交代後、あえて一年、策定時間を繰り延べし、満を持してつくり上げた防衛大綱であります。基盤的防衛力構想から動的防衛力構想という新しい概念に転換することを初め、時代に応じたものとなったとの自負も、当時末席ながら策定に携わった者として感じております。
 また、政権がかわることによって新たな意義が見出され、その一方で、党派を超えて変わらない現実を見据えた戦略を継続するという意味でも、我が国の安全保障の歴史において意義のあるものだったと感じます。
 こうした経緯に対する総理の思いを、まずお聞かせください。
 その一方で、策定後も、東日本大震災、尖閣諸島での中国漁船衝突事案、北朝鮮による人工衛星と称するミサイル発射事案など、困難な事案が多発し、危機管理の重要性がさらに増しております。
 こうした事案を踏まえ、総理としての、今後の果断なる対応についての御決意をお聞かせください。
 また、防衛大綱、中期防は、我が国を取り巻く安全保障課題や不安定要因が多様化しているとの認識を策定時に示しておりますが、その策定後も先ほど申したさまざまな危機があり、さらなる新大綱の必要性すら指摘されております。
 そもそも、政府は、この防衛大綱を策定するに当たり、どのような検討を行ったのか。とりわけ、危機管理のあり方について、法的、組織的、人的、予算上の改善すべき点の有無をどう考えてきたのか。それを、今後の防衛大綱、中期防の内容の実現にどう生かしていこうとするおつもりなのか。防衛大臣にお聞きをいたします。
 昨年三月十一日の大震災発生から、一年と四カ月余りが経過をいたしました。この間、防衛省・自衛隊は、創設以来最大となる十万七千人態勢、そして、初の統合運用としての災害派遣を実行いたしました。
 しかし、未曽有の活躍をされる一方で、反省事項や改善を要する部分もあったとも思います。また、こうした中でも周辺諸国の活動はむしろ活発化し、根本任務である国防に遺漏があったのではないかとの指摘もございます。この点について、防衛大臣の御見解をお伺いいたします。
 また、そうした教訓を踏まえ、やはり、我が国の国防力をさらに高める必要があるのではないかとも考えますが、この点、いかがお考えでしょうか。
 また、このたびの東日本大震災での教訓の大きな一つとして、原子力発電所の防護体制の見直しが挙げられます。もちろん、自然災害からの防護も重要でありますが、テロリストによる破壊、妨害活動から守ることこそ、急務であります。
 警察と自衛隊の連携も含め、早急に対策を強化すべきと考えますが、総理、いかがお考えでしょうか。
 先般の北朝鮮のミサイル発射事案に際しては、私も石垣島に激励に訪れましたが、陸海空の部隊が迅速に南西諸島に展開し、国民の生命財産を守るため万全の態勢をとったことは、今後の南西地域の防衛力の充実にとっても意味あることだったと思います。
 これを機に、今後の南西地域の防衛力の充実をどう具体化していくのか。また、ミサイル再発射や核実験のおそれなど、今後想定される軍事的脅威に対してどのように対処していくおつもりなのか、お聞きいたします。
 また、これに関連して、新たな国際協力体制の構築について伺います。
 今回の北朝鮮のミサイルの発射に当たっては、第二段の落下区域はフィリピン沖間際に設定されていました。空の安全を国際的に守っていくという観点から、将来的には、物的被害が想定される友好国に対して、ミサイルの軌道や落下地域に係る情報の提供を行っていくことも検討に値すると考えますが、いかがお考えでしょうか。
 今回の防衛大綱は、基本的な価値を共有する米国との日米安保体制を中核とする同盟関係が、我が国の平和と安全を確保するために今後とも必要不可欠だとしております。また、在日米軍のプレゼンスが不測の事態の発生に対する抑止として機能しており、同盟関係を新たな安全保障環境にふさわしい形で深化、発展させることが必要だとしております。
 そうした中、今週、岩国基地へオスプレーが搬入されました。今、周辺の住民の皆様にとって一番の心配材料となっているのが、このオスプレーであります。万が一、墜落のような事態があっては、日米同盟に対する国民の支持を一気に失うことになりかねません。
 我が国の安全保障政策の基盤である日米同盟は、言うまでもなく、地元の自治体や住民の理解に支えられて安定的に機能いたします。地元の住民の不安を解消することは極めて重要であります。
 今般、防衛省内に分析評価チームができたともお聞きをしておりますが、今後、どのようにオスプレーの安全性を我が国が主体的に確認し、山口県を初めとする地元住民の懸念を払拭するおつもりなのか、お聞かせください。
 一方で、この新型機が我が国及びアジア太平洋に及ぼす意義も大変大きいと考えます。このオスプレーの必要性とはいかなるものかも、総理、あわせてお答えください。
 また、この問題を突き詰めれば、重大な装備の変更以外事前協議が必要とされない日米安保ルールの見直しの必要性や、さらに進んで、アジア太平洋の時代にふさわしい我が国の主体的役割をさらに追求していく、つまりは、我が国自身がさらに軍事運用的に専門性を高めた機能をつくり、我が国自身の自立した防衛力を整備していく必要性も感じます。特に、ことしは、サンフランシスコ条約公布から、つまりは、主権回復から六十年、沖縄復帰から四十年という節目の年でもあります。この点について、総理はいかがお考えでありましょうか。
 次に、近隣の海洋で活動を活発化している中国の動向についてお聞きをします。
 中国が公表している国防費の名目上の規模は、過去五年間で二倍以上、過去二十四年間では約三十倍の規模にまで膨れ上がっております。核戦力や弾道ミサイル戦力、海軍と空軍を中心とした軍事力の近代化を進め、空母の保有を目指すなど、外洋への海洋戦略も着々と進めております。
 双方が意図しない不測の事態を防ぐため、先般、日中間で合意に至った海上連絡メカニズムの構築を進めることなどで、相互理解を進める必要があります。また、同時に、我が国として、南西地域を初め、周辺海域における警戒監視を怠るべきではありません。
 防衛大綱、中期防との関係で、中国に対してはどのように対処していくおつもりなのか、お示しください。
 そうした中、尖閣問題は避けて通れません。現在、東京都が尖閣諸島を購入するという話が進められております。
 我が国固有の領土であるこの尖閣諸島をめぐっては、近年の中国による挑発ともとれる活動は、大変憂慮すべきものであります。本年三月、そして今月も、中国の漁船や監視船が尖閣諸島の我が国領海に侵入する事案が発生し、さらに、中国政府が、尖閣諸島は中国の核心的利益だと強硬に主張するなど、日中間の緊張が高まっております。
 この状況で、政府として国有化の方針を示されましたが、その狙いを改めてお聞かせください。
 また、今後、例えば、尖閣諸島が不法侵入されるといった不測の事態が起こった場合、自衛隊は、政府は、いかなる対応を行うのか、明確にお示しください。
 また、かかる状況下では、海上保安庁と自衛隊の連携はますます重要であります。尖閣諸島を含む我が国領土、領海の警備のため、総理、日本がとるべき態度をお示しください。
 先般、国家戦略会議のフロンティア分科会が、集団的自衛権の行使を禁じた現行の憲法九条の解釈の見直しも検討すべきだと提言をいたしました。PKOの駆けつけ警護の問題や、米艦と公海上で北朝鮮に共同で対応する場合などは、近い将来においても蓋然性が高いと言えます。
 これは、日本の防衛を考える上で、未来に向け、避けて通れない課題とも考えますが、率直に総理の御意見をお聞かせください。
 このほかにも、PKOへの積極的な参加、防衛装備品に関する新たな基準の策定など、民主党政権下でも着実な歩みをしてきたものも数多くございます。その一方で、平和国家の歩みとの整合性も問われてまいりました。
 しかし、世界の現実を見据えたとき、我々がまず果たすべき役割に背を向けないことが大切と考えます。そして、むしろ、その中で応分の使命を担う中で、世界に対し、より責任と説得力を持って、世界の理想の実現をうたうことができるのではないかとも考えております。
 私は、敗戦後三十年を経た昭和五十年に生をうけました。三十七歳となることしは、戦後六十七年ということになります。しかし、今なお我が国は、世界において、本当の意味で誇りを持ち、尊敬される国にはなっていないとも感じております。
 戦後百年、二〇四五年、そのとき私は七十歳になっておりますが、そのころの日本の姿、世界の姿をいかになすべきか、いわゆる二〇四五年プランを世に問うていきたいと存じております。
 そして、安全保障という重大な問題では、与野党を問わず、理想と現実の中でもがき苦しみ、一定の結論を出していくことこそ、とうといと感じております。
 そうした議論のきっかけに少しでもなり得ますことを祈念いたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕

発言情報

speech_id: 118005254X03020120726_014

発言者: 楠田大蔵

speaker_id: 20476

日付: 2012-07-26

院: 衆議院

会議名: 本会議