玄葉光一郎の発言 (外交防衛委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 外交防衛委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げるとともに、所信を申し述べます。
現在、日本を取り巻く国際環境は著しく変化しています。その中で日本が国益を確保するには、自らが位置するアジア太平洋地域に、民主主義的な価値に支えられた豊かで安定した秩序をつくり、その中で震災からの復興を進め、日本の再生を図っていく必要があります。
また、我が国の繁栄のために不可欠な平和で安定した世界を構築するため、内向き傾向から脱却し、世界の様々な課題の解決に貢献します。
具体的には、以下のような取組を推し進めます。
まず、アジア太平洋地域の成長の機会を最大化し、リスクを最小化するために、国際法にのっとったルールを基盤とする開放的で多層的なネットワークをつくることが必要です。そのために、引き続き各国との協力関係を強化し、多国間の枠組みを活用します。
日米同盟は我が国の外交・安全保障の基軸であり、アジア太平洋地域と世界の安定と繁栄のための公共財です。安全保障、経済、文化・人的交流を中心に、日米同盟を一層深化、発展させます。
特に安全保障面では、昨年の2プラス2の成果を踏まえ、幅広い分野で具体的協力を推進します。また、在日米軍再編については、普天間飛行場移設に関する現在の計画を堅持するとともに、在沖縄海兵隊のグアム移転及びその結果生ずる嘉手納以南の土地の返還を普天間飛行場の移設の進展から切り離すことについて、米国と協議を行っていきます。
同時に、強固な日米同盟を基盤として、中国、韓国、ロシア、ASEAN諸国、豪州、インドなど、近隣諸国と協力関係を強化し、様々な懸案の解決にも取り組みます。また、地域の平和と安定のため、日米中三か国による対話の立ち上げを目指します。
領土問題は我が国の主権にかかわる重大な問題であり、解決に向けて引き続き取り組んでいくことは言うまでもありません。
北朝鮮については、金正日国防委員長の死去を受けた新しい事態に適切に対応します。北朝鮮が十六日に発表した人工衛星と称するミサイルの発射は、強行されれば国連安保理決議違反であり、北朝鮮に強く自制を求めます。北朝鮮の今後の動きを十分注視しながら、先般の米朝対話で北朝鮮が約束した非核化等に向けた具体的行動を求めるなど、日米韓で引き続き緊密に連携して対応する考えです。日朝関係については日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を図るべく努力します。
次に、国際社会の諸課題への取組として、第一に、政治・安全保障面で貢献します。平和維持、平和構築において、より積極的な役割を果たします。一月には南スーダンへの自衛隊施設部隊の派遣を開始しました。また、アフガニスタンの安定と持続可能な成長に向け、七月に東京で開催する閣僚級会合で成果を上げるべく、関係国と協力します。さらに、混乱の続くシリアについては、事態の収束に向けて国際社会と緊密に協力していきます。
核軍縮・不拡散については、軍縮・不拡散イニシアティブの取組等を通じ、核兵器のない世界の実現に向け国際社会の取組を主導します。不拡散の分野では、特に北朝鮮及びイランの核問題に深刻な懸念を有しており、日本はその解決に向け積極的に協力していきます。特にイランについては、EU3プラス3との協議再開に向けた動きがある中、我が国としても、米国を始めとする各国と協調しつつ、我が国が培ってきたイランとのパイプを活用して、問題の平和的、外交的解決に向け努力していきます。
さらに、東京電力福島第一原子力発電所事故の検証から得られる知見と教訓を国際社会と共有し、国際的な原子力安全の向上に貢献します。
また、安保理改革の実現及び我が国の常任理事国入りを目指すことを始めとする国連の組織改革と機能強化に引き続き取り組みます。
第二に、経済・社会面で貢献します。人間の安全保障の考え方を踏まえながら、ODAを戦略的かつ効果的に活用し、ミレニアム開発目標達成、防災、平和構築や世界のグリーン経済への移行、低炭素成長実現の基盤づくり等に取り組みます。同時に、エネルギー・鉱物資源及び食料の安定供給のため、資源国との協力関係を強化します。
海外の成長を日本の成長につなげるため、幅広い国々と高いレベルでの経済連携を進めます。TPPについては、交渉参加に向けた関係国との協議を進めていきます。また、アジアを中心とする世界の膨大なインフラ需要を踏まえ、ODAも活用して海外市場の開拓も進めます。
最後に、日本的な価値に対する理解の増進と、それを生かした外交の推進にも取り組みます。
福山委員長を始め委員各位の御支援と御協力を心からよろしくお願い申し上げます。