田中直紀の発言 (外交防衛委員会)
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○国務大臣(田中直紀君) 防衛大臣の田中直紀でございます。
安全保障、防衛という国の平和と安全、国民の生命と財産を確保する使命を負うこととなり、光栄に感じるとともに、その責任の重みを感じております。
本日は、福山委員長を始め委員の皆様に防衛大臣としての所信を申し上げます。
初めに、昨年の東日本大震災により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。防衛省・自衛隊は、最大十万人態勢で災害派遣等を実施いたしました。被災地の一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
我が国周辺の情勢について申し上げます。
本年は、ロシア、韓国及び中国といった我が国周辺の多くの国において選挙や指導層の交代が予定される節目の年でもあります。核やミサイル開発を進めている北朝鮮では、昨年十二月に金正日国防委員会委員長が死去し、今後の政治・軍事面での動向に注目する必要があります。また、中国は国防費の高い伸びを背景に軍事力の近代化を図るとともに、我が国の近海等において活動を活発化させており、ロシアも軍事活動を活発化させております。このように、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、防衛省としては、これらの動向を引き続き注視してまいります。
また、先般、北朝鮮がいわゆる衛星を本年四月十二日から十六日の間に打ち上げる旨発表いたしましたが、防衛省としては、引き続き情報収集、警戒監視に遺漏なきを期すとともに、我が国における人命、財産に対する被害を防止するための万全を期してまいります。
厳しい財政状況の中にあっても、必要な防衛力整備は、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画に基づき着実に進展させていく必要があります。
次期戦闘機については、昨年十二月、公正かつ厳正な審査を経て、F35Aを選定いたしました。また、南西地域の防衛力強化については、平成二十七年度末までに与那国島への部隊配置の実現を目指すなど、着実に推進してまいります。陸自の定員については、効率化、合理化を図る一方、人事制度改革を含む防衛力の構造改革を実施し、第一線部隊の人員を確保してまいります。さらに、サイバー空間の安定的利用のような新たな安全保障上の課題についても、サイバー攻撃への対処能力の充実強化等に積極的に取り組んでまいります。引き続き、省内の各機関が先進と改善の気風をもって業務に当たり、全国の各部隊が持てる能力を最大限に発揮するよう努め、防衛計画の大綱に示す動的防衛力の構築を進めてまいります。
また、昨年十二月、政府といたしまして装備品の国際共同開発・生産や平和貢献、国際協力における防衛装備品等の海外移転に関する基準を公表したところです。
本年は、一九五二年のサンフランシスコ講和条約発効から数えて六十周年に当たります。日米安保体制は、我が国防衛の大きな柱の一つであり、我が国のみならず、アジア太平洋地域の平和と安定にとってますます重要になっています。両国間の安全保障関係は極めて緊密なものでありますが、引き続き、平素から日米両国が事態の推移に応じて適時かつシームレスに連携、協力できる態勢の強化や、自衛隊と米軍の相互運用性を向上させることにより、部隊の活動を活発化させ、両国のプレゼンスと能力を示す、言わば動的な日米防衛協力を進めていくことが重要です。具体的には、時宜をとらえた効果的な共同訓練や警戒監視での協力、これらの活動の拠点を増加させる施設の共同使用を進めてまいります。米軍再編につきましては、先般、在沖海兵隊のグアム移転及び嘉手納以南の土地の返還を普天間飛行場の移転から切り離し、米軍再編計画の調整を行う協議を開始いたしました。また、二月二十日には普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書について、沖縄県知事から飛行場の設置に係る部分に関し、厳しい意見を受領したところでもあります。知事意見を勘案し、評価書の補正をするなど、法令等に基づき適切に対処してまいりたいと考えています。今後とも、米軍の抑止力を維持しつつも、沖縄の負担軽減が着実かつ早期に実施されるよう、引き続き沖縄の皆様の声に真摯に耳を傾けながら、誠実に説明し、理解を得られるよう、全力で取り組んでまいります。
アジア太平洋地域の平和と安定のためには、日米二国間に加えて、地域の国々との協力関係を深めていくことも不可欠です。我が国と基本的な価値及び安全保障上の多くの利益を共有する韓国やオーストラリア、さらにはインドや東南アジア諸国などとの積極的な協力、交流を図り、我が国を含む地域の平和と安定をより強固なものにしてまいります。中国に対しては、安全保障対話や防衛交流を通じ、国防政策や軍事力の透明性向上を働きかけるとともに、不測の事態の防止、回避のための海上連絡メカニズムの構築を目指します。
海外における活動については、昨年十二月、政府として新たに南スーダンPKOへの施設部隊等の派遣を決定し、現在、部隊が展開しております。昨年独立したばかりの南スーダンの国づくりという、国際社会の要請にこたえるものであり、我が国の国際協力における新たな時代を切り開くものであると考えております。また、政府としては、我が国のより積極的な国際平和協力を可能とするため、昨年七月のPKOの在り方に関する懇談会で整理された課題を検討の基礎として、国連PKO等に対する協力の在り方や法改正の要否について関係府省庁間で検討を進めているところであり、防衛省として引き続き鋭意取り組んでまいります。さらに、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処活動は、本年で丸三年を迎えます。海外におけるこうした自衛隊の活動は、各国から大変高い評価をいただいております。今後とも、隊員の安全確保を図りつつ、万全な態勢で取り組んでまいります。
最後に、国会提出法案について申し上げます。日豪ACSAの実施に係る措置等について所要の規定を整備するため、防衛省設置法等の一部を改正する法律案を今国会に提出しております。委員各位におかれましては、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
以上、防衛大臣としての所信を申し上げました。防衛省・自衛隊に対する国民の期待と信頼にこたえられるよう、誠心誠意、防衛政策に取り組む所存でございます。福山委員長を始め理事、委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。