牧山ひろえの発言 (厚生労働委員会)
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○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
現在の制度では、職をなくしたら失業保険、求職してそれでも職が見付からない場合は求職者支援制度、そしてそれでもなお職が見付からない場合は生活保護を受けられるように、この三段階のセーフティーネットとなっております。
この中で、失業保険は、原則としてハローワークが主催している講習やセミナー又は面接などを合わせて月二回以上受ければ九十日間から最大三百三十日間支給を受けられますけれども、これだと要件が緩いと思います。真剣に仕事を探そうとせず、安易に仕事と仕事の合間にこの制度を利用して、給付を得ながら単にお休みを取ることも簡単にできてしまうかと思います。
例えば、職業体験、すなわち失業者が一週間あるいは一定期間において職場で働くことになりますから一定の期間拘束されると思うんですが、これをしないと給付されないような制度は検討できないでしょうか。例えば、諸外国には働きながら失業給付を受けられる制度があります。
ここで、資料一を御覧ください。
失業者への積極的労働市場政策というタイトルの資料ですが、北欧では日本に比べて次の職に直結するような職業訓練が重視されており、用意されている多様なコースの中に、民間企業によるインターンシップもあります。デンマークでは失業保険を受給するために職業訓練への参加が義務付けられています。スウェーデン、フィンランドでも長期失業者に対する受給要件となっております。
私が考えるには、職場体験を要件にすれば、少なくとも四つのメリットが考えられると思います。
まず第一に、短時間の面接よりも、職業者の能力、適性、やる気や性格を雇用者に見てもらえることになると思います。やる気のある求職者にとっては言わばアピールのチャンスだと思います。
第二に、また逆に求職者の方も、仕事の詳細、職場の人々を含めて職場環境が分かると思います。ですから、就職した後に、こんなはずではなかった、想像していた職場ではなかったという離職の原因を避けることにもなるかと思います。
そして第三に、新しい分野への挑戦ということがジョブミスマッチの大きなハードルや原因の一つではないかと思います。職場体験によって求職者がこれまでに経験をしなかった分野を体験することができ、新しい分野で挑戦するきっかけになるかと思います。
また、短時間で終わる面接やセミナーと違って、職場体験は一定の期間拘束を受けますから、これを要件にすることによって、真剣な就労への意思を確認することができるかと思います。
以上のように、実際に職場体験を失業保険受給の要件とすることは、再就職につながりやすいのではないでしょうか。
ここで、資料二を御覧ください。
失業期間別構成比を御覧ください。諸外国の事例で、職業のマッチングシステムで成果を上げている国はあるかということについて調べてまいりました。
日本のハローワークのマッチング率は約三割ぐらいです。マッチングがうまくいっていないということは、失業期間が長く続くということになります。日本は一年以上失業期間がある人が、一番上の方にありますが、二八・五%に対し、デンマーク、その下の方ですが、デンマークでは九・一%、スウェーデンが一二・八%、フィンランドが一六・六%、ノルウェーが七・七%と、日本と比べて圧倒的に少なくなっています。この統計で分かることは、職業体験や職業訓練を失業保険受給の要件としている国は失業期間が短いということが分かります。
ここで、フランス、イギリスを御覧ください。
イギリス、フランスは、日本と同様、これまでに職業体験や職業訓練を失業保険受給の要件にはしていませんでした。そして、一年以上失業期間がある人が日本と同じように高いんです。これは明らかに因果関係があるように思えます。この結果を受けてか、イギリスは二〇一三年から、十二か月を超えて仕事に就くことができていない受給者に対して、地域の非営利団体などで四週間にわたるフルタイム就労の義務付けが予定されております。義務に違反した場合には、罰則として一定期間支給が停止されるという強制力もあります。
この数字を見る限りでは、日本も職業紹介から職業体験や職業訓練を強化する仕組みを失業者への積極的労働市場政策として強力に推進した方がよろしいのではないでしょうか。
小宮山厚生労働大臣、日本も他国の職業マッチングの成功例に学び、職業体験や職業訓練を失業保険給付の要件にすることについてはいかがでしょうか。