上野ひろしの発言 (本会議)
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○上野ひろし君 みんなの党の上野ひろしです。
ただいま議題となりました消費税増税関連二法案について、会派を代表して質問を行います。
これらの法案は、六月二十六日、衆議院本会議において賛成多数で可決されましたが、我々は、両法案について、今後に禍根を残す、大きな問題を有するものであることから、一貫して反対をしてまいりました。
本院では、この本会議、また特別委員会等の場において、改めてその問題点を明らかにし、国民の皆様方のためにならない法案は絶対に可決をさせない、そういった思いを持って議論をしてまいります。
順次質問を行いますので、野田総理から御答弁をお願いいたします。
まず、この法案は、どのようにして中長期にわたり安定的な社会保障制度を実現するのか、その具体的な姿を明らかにしないまま、先行して増税という負担を国民に強いるものであります。
総理は度々、社会保障・税一体改革大綱に言及されますが、そこでも持続可能な社会保障制度の姿は明らかにされず、抽象的な表現のみで、その内容の議論は先送りされております。本来、どのような社会保障制度が実現されるのかがきちんと示されなければ、そのために必要な財源としての消費税増税の可否は議論できないと考えますが、いかがですか。そもそも総理は、具体的にどのような社会保障制度の姿を目指していくおつもりですか、考えをお聞かせください。
関連して、年金制度についてお伺いいたします。
少子高齢化により人口構成が大きく変化している現状においては、例えば、積立不足分を長期で償却するなどの措置をとることを前提に、現在の賦課方式から積立方式に移行する、そのことによって年金制度を持続可能なものとし、また、世代間の格差を是正をすべきではないかと考えますが、いかがですか。
次に、総理の景気認識についてお伺いいたします。
我々が地元を回っていると、多くの方々から、依然として景気が悪い、回復してきているといっても一部の地域、業種だけで、この状況で消費税を増税されたら売上げが減って事業が成り立たなくなるといった悲痛な声を聞きます。
総理は、現在の我が国の経済の状態をどう認識しているのか、この状況での増税は地域経済に致命的な影響を与える可能性もありますが、こういった国民の皆様の思い、痛みを認識して、それでも政治生命を懸けて増税するとおっしゃるのか、考えをお聞かせください。
また、とりわけ厳しい環境に置かれている中小企業の方々に消費税増税が与える影響は大きなものがあります。現行制度の性格上、なかなか転嫁もできず、弱いところにしわ寄せが来ているという状況です。税率が上がれば更に状況が悪化することとなり、もう廃業せざるを得ないという方もおられます。特に、中小企業の方々への消費税増税の影響と対策についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
次に、附則第十八条第一項の経済成長率についてお伺いいたします。
ここでは、名目三%、実質二%成長という数字が示されております。新成長戦略にも同様の数字がありますが、これまで民主党政権になってから、名目三%成長という数字は一度たりとも達成できておりません。政府が自ら行った新成長戦略のフォローアップにおいても、全項目のうち成果があったとするものは、一割にも満たない僅か三十六項目でありました。
総理は従来から、我が国の経済成長に向け全力で取り組むと言ってきているわけですが、これまでやるやると言ってできなかったことを今後どう実現していくのか、我が国を取り巻く環境が厳しさを増す中、どのような具体的な施策をもって経済成長を達成するのか、お伺いいたします。
また、附則第十八条第二項においては、消費税増税により増加した税収を基に財政措置を行う旨が規定されております。そもそも、わざわざ増税で景気を悪化させた後に増えた税収で景気対策を行うのであれば、増税などせずに、まず我が国の経済を活性化させることを優先させて、最初から景気回復による増収を目指すべきではないですか。総理の考えをお聞かせください。
税制、社会保障制度の議論を行うこと自体については多くの国民が理解を示しているものの、最近の世論調査の結果を見ても、今回の法案に対しては依然として過半数の方が反対をされております。まず、率直にこの結果について総理はどうお考えになるか、お伺いいたします。
我々は、従来から、増税の前にやるべきことがあると訴えてまいりました。国民の皆様が今回の法案に賛成しない大きな理由の一つも、国の予算の無駄遣い、経費の削減が進んでいないことにあるのではないかと思います。
民主党は、政権交代前のマニフェストにおいて、無駄遣いをなくせば十六・八兆円の財源が出てくると説明をしておりました。この国民の皆様に対する約束を守らずに、マニフェストに書いていなかった消費税増税を強いるというのでは、理解が得られないのも当然だと思いますが、この点について、総理はどう説明をされますか。
特に、国民に負担を押し付ける前に、本来であれば、まず国会議員の歳費カット、定員の削減、国家公務員の人件費の削減、天下りの根絶といった国会議員、公務員が自ら身を切る改革を進めることが消費税に関する議論を進める前提となるのではないかと思います。これらの点について、総理はどう取り組んでいくおつもりなのか、お伺いをいたします。
また、今回の消費税増税、さらには、家計に影響を与えるものとして復興増税、保険料の増額などがありますが、これらを合わせてどれだけ負担が増えるのか、具体的に説明をすべきではないですか。民間の試算によれば、年収五百万円の四人家族で、五年後には今より年間三十三万円も負担が増えるという結果もあります。増税しようとするならば、そういった数字をごまかさず正直に示した上で、理解が得られるのかどうか議論を行うべきであると考えますが、いかがですか。
さらに、今後どれだけ増税が行われるのかも不明確であります。二〇二〇年にプライマリーバランスの黒字化を目指すとしておりますが、その道筋と、それを消費税増税で賄うとした場合に、今後何%の追加的な増税が必要なのか、明らかにすべきではないですか。
これも、民間の試算では、今後、税率を二〇%、場合によっては三〇%にしなければならないという考え方もありますが、総理はどう評価されますか。今後の見通しを示さないまま、取りあえず五%だけ上げさせてくださいというのは無責任ではないですか。お答えをお伺いいたします。
さて、我々は、従来から道州制の導入を訴え、また、それに伴い、一定の財政調整制度を設けた上で、消費税は全額地方の財源とし、併せて地方交付税制度も見直すことを提案してまいりました。
年金等の事業を引き続き国が担うこととしても、国と地方の税の配分全体について整理をすることで財源を確保することは可能であります。消費税は、税収が安定的であること、地域偏在性が小さいこと、また、応益性という観点からも地方の財源にすべきであると考えますが、総理の考えをお伺いいたします。
最後に、国民に信を問うための解散・総選挙についてお伺いいたします。
仮に消費税を増税するということであれば、どういう社会保障の姿を具体的に実現するのか、そのためにどれだけの負担を国民一人一人が負う必要があるのか、それを国民の皆様方に対して示し、丁寧に説明した上で理解を得るというプロセスが必要不可欠であります。
そもそもマニフェストに記載がなかった消費税増税は、国民との契約違反であります。当時、野田総理御自身も、マニフェストにはルールがある、書いてないことはやらないんです、とおっしゃっております。総理が言及された民主党政策集、インデックスでも、現行の税率五%を維持する、増税を具体化する前に引上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受ける旨の記載があります。
任期中には施行されないからマニフェストには違反していないというような詭弁を弄するのではなく、この文言に従えば、消費税増税法案を採決する前に国民の審判を受ける必要があると考えます。
速やかに解散・総選挙を行い、この法案に対してイエスかノーか、消費税増税にイエスかノーか、国民の皆様に信を問うべきであると考えます。総理にそのおつもりはありますか。消費税増税という総理が政治生命を懸けた政策課題について、国民に対して誠実に対応する、国民の皆様の意見を真摯に聞く、そういう思いがあるか否かをお聞きをして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕