滝実の発言 (法務委員会)
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○滝国務大臣 このたび法務大臣に就任いたしました滝実でございます。
野田第三次改造内閣の発足に当たり法務大臣を交代いたしましたが、新大臣が体調不良により大臣を辞任しましたので、本年十月二十四日に再び法務大臣の重責を担うことになりました。改めて身を引き締めて責務を果たしてまいる所存であります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
法務行政は、社会の法的基盤を整え、国民の生活を支える重要な役割を担っており、法秩序の維持と国民の権利利益の擁護を通じて、国民が安心して生活できる社会をつくることが求められております。
また、凶悪かつ重大な殺傷事案等が後を絶たず、社会の変化に伴う新たな不安要因も発生する中で、治安の維持に努めることは法務省の重要な役割であると考えております。
法務行政はさまざまな分野で課題を抱えておりますが、国民の皆様からの御意見や国会等における御議論などを真摯に受けとめ、政務三役及び省内でも十分に検討した上で、政策に反映させていきたいと考えております。
司法制度改革の推進でございますけれども、国民主権の理念に従い、国民にとってより身近でより利用しやすい司法を目指した司法制度改革は、各制度の実施段階に入っています。今後は、その運用状況を見定めながら、さらに制度の成熟に向け努力してまいります。
法曹養成制度の検討でございます。
司法制度改革において新たに導入した法曹養成制度については、質、量ともに豊かな法曹を養成することを目指したものですが、各方面からさまざまな問題点が指摘されています。政府においては、法曹の養成に関する制度のあり方について検討を行うため、本年八月に、内閣に法曹養成制度関係閣僚会議を設置するとともに、学識経験を有する者等の意見を求めるため、閣僚会議のもとに法曹養成制度検討会議を置き、検討を進めているところでございます。今後、閣僚会議の一員として、よりよい法曹養成制度の構築に向けて検討を行ってまいります。
また、衆議院において継続審議中の外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、十分に御審議の上、速やかに成立させていただきますようお願いをいたします。
日本司法支援センターの充実についてでございます。
日本司法支援センター、愛称法テラスは、民事法律扶助業務や国選弁護等関連業務など、国民への法的支援の中心的機関として大きな役割を果たしています。また、東日本大震災の被災地に出張所を設置して現地のさまざまな法的ニーズに対応するほか、本年四月一日に施行された東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律に基づき、利用者の資力を問わずに無料法律相談や弁護士、司法書士費用の立てかえを行うなど、被災者の法的支援業務にも精力的に取り組んでいます。
今後も法テラスの業務体制の一層の充実に努め、法テラスが行う国民のためのさまざまな取り組みを支援してまいります。
裁判員制度の円滑な運用についてでございます。
裁判員制度については、その施行から三年余りが経過しましたが、裁判員の方々の誠実な取り組みにより、国民の間に定着しつつあります。今後もさまざまな課題に適切に対応し、引き続き、この制度が国民の御理解を得ながら一層円滑に実施されますよう、関係機関とともに尽力してまいります。
法教育についてでございます。
法的な物の考え方を身につけるための法教育は、自由で公正な社会の担い手を育成する上で不可欠なものであり、社会の複雑多様化に伴い、その重要性はますます高まっています。国民一人一人が法や司法に対する理解をさらに深めることができるよう、幅広く法教育を推進しております。
検察改革及び被疑者取り調べの可視化を含む新たな刑事司法制度の構築でございます。
検察は、刑事司法において重要な役割を担っており、その使命を十全に果たしていくためには国民から信頼される存在でなければなりません。これまで、国民の信頼回復に向けて、「検察の理念」の策定や最高検察庁監察指導部の設置など、さまざまな改革策を講じてきたところであり、検察が国民の信頼と期待に応えることができるよう、引き続き検察改革を推進してまいります。
また、我が国の刑事司法制度が抱える諸問題に向き合い、被疑者取り調べの可視化を含む新たな刑事司法制度の構築に積極的に取り組んでまいります。この点については、現在、法制審議会において幅広い観点から活発な審議が行われておりますが、検察における被疑者取り調べの録音、録画の検証結果等の実証的な資料を踏まえつつ、時代に即した刑事司法制度の構築に向けて、充実した審議が行われ、できる限り早期に結論が得られるよう、引き続き尽力してまいります。
再犯防止対策の推進でございます。
犯罪対策の中で、刑務所出所者等の再犯を防止することは非常に重要な課題であり、政府全体として取り組むべきであるとの認識のもと、本年七月二十日、犯罪対策閣僚会議において再犯防止に向けた総合対策が決定されました。その内容は、対象者の特性に応じた指導、支援の強化や、社会における居場所と出番の創出、すなわち住居と就労の確保などを柱とするもので、今後十年間で再入所率を二〇%以上減少させるなどの目標を定めております。
この再犯防止総合対策は、政府の日本再生戦略においても掲げられており、法務省としても、関係省庁のみならず民間団体等とも緊密に連携しながら取り組んでまいります。
なお、衆議院において継続審議中の刑法等の一部を改正する法律案及び薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律案は、犯罪者の再犯防止及び改善更生を図ることを目的とするものであり、十分に御審議の上、速やかに成立させていただきますようお願いをいたします。
少年矯正の基盤整備等でございます。
少年矯正につきましては、社会に開かれ、信頼の輪に支えられる少年院、少年鑑別所を目指して諸改革に取り組んでいるところでございますが、少年の健全育成を図るという少年矯正の理念にふさわしい法的基盤を整備するため、少年院法案、少年鑑別所法案とそれらの整備法案について、早期の再提出を目指してまいります。
民事基本法等の整備でございます。
民事基本法についても、国民の意識や社会情勢の変化に対応し、必要な見直しを進めてまいります。
会社法制については、株式会社の経営に対する監督の実効性の確保並びに株式会社及びその属する企業集団の運営の一層の適正化等を図るため、法制審議会の答申を踏まえて必要な法整備を進めてまいります。
このほか、法制審議会においては、民法の債権関係、罹災都市借地借家臨時処理法及び被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法について、それぞれ見直しに向けた審議が行われています。今後、これらの審議結果を踏まえて、必要な法整備を行ってまいります。
なお、衆議院において継続審議中の国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約、いわゆるハーグ条約を実施するために必要な法律案について、十分に御審議の上、速やかに成立させていただきますようお願いをいたします。
登記、地図整備等の促進でございます。
東日本大震災からの復興のため、倒壊した建物の職権による滅失登記の実施や地図の修正等の施策を推進してまいります。また、全国的に取り組んでいる登記所備えつけ地図の整備についても、引き続き積極的に取り組んでまいります。
人権救済のための体制整備等でございます。
今国会においては、人権委員会を設置すること等により、人権の擁護に関する施策を総合的に推進する人権委員会設置法案及び人権擁護委員法の一部を改正する法律案を提出しております。十分に御審議の上、速やかに成立させていただきますようお願いをいたします。
また、社会的関心を集めているいじめ問題への対応を含め、国民の人権が保障され安心して暮らせる社会をつくるため、引き続き、人権啓発活動の効果的な実施に努めるほか、人権侵犯事件の調査・救済活動を適正に行ってまいります。
人権諸条約に基づく個人通報制度の導入については、通報事案への具体的対応のあり方や体制整備について、関係府省とともに検討を進めてまいります。
北朝鮮及び尖閣関連動向、テロ行為等に関する情報収集についてでございます。
北朝鮮関係については、核、ミサイルをめぐる動向や、金正恩体制下の国内情勢等の把握に努めるとともに、日本人拉致問題等の重大な問題の解決にも資するよう、関連情報の収集、分析等を積極的に行ってまいります。尖閣諸島関係については、我が国の主権にかかわる事案の相次ぐ発生を踏まえ、関係機関と連携し、関連動向の把握に尽力いたします。国際テロについては、調査を一層充実することにより、その防止に努めてまいります。また、オウム真理教については、引き続き、団体規制法に基づく観察処分を適切かつ厳格に実施することにより、公共の安全の確保に努めてまいります。
適正な出入国管理の実現でございます。
東日本大震災からの復興や我が国の経済成長のためにも、外国人観光客や我が国の活力となるべき外国人の円滑、適正な受け入れの促進が重要な課題であると認識し、適切な対応を進めてまいります。
適正な出入国管理についてでございます。
本年七月九日に、新しい在留管理制度が施行されました。今後は、その円滑な実施に努め、適正な在留管理が実現できるよう尽力してまいります。また、退去強制事由該当者については、その摘発の推進や自発的な出頭を促す等して一層の減少に努めてまいります。
また、新成長戦略や日本再生戦略により推進してまいりました観光立国の推進の観点から、円滑な出入国管理について、今後とも、クルーズ船に対する迅速な審査を試行するなど、さらにその取り組みを推進してまいります。
他方、国際的に依然として脅威となっているテロを防止する等の観点から、バイオメトリクスの活用等により、違法行為をもくろむ外国人の入国を水際で確実に阻止してまいります。
さらに、尖閣諸島の問題につきましては、法務省としても、関係省庁と緊密に連携して適切に対処してまいります。
難民の保護についてでございます。
昨年の第百七十九回国会の衆議院本会議及び参議院本会議において採択されました難民の保護と難民問題の解決策への継続的な取り組みに関する決議の趣旨を十分尊重いたしまして、法務省としても、国連難民高等弁務官事務所や民間支援団体などとの連携を強化しつつ、難民問題への対応に引き続き積極的に取り組んでまいります。
国際協力の推進でございます。
国際貢献に関しては、現在、国際連合と協力し、我が国と関係の深いアジアの国々等の刑事司法実務家を対象とする国際研修等を行っています。また、開発途上国の基本法令の起草や法律家の人材育成等を柱とする法制度整備の支援も行っています。これらの国際協力は、各国における法の支配の実現に貢献するものとして関係諸国の期待も高まっておりますので、その期待に応えるため、より一層積極的に取り組んでまいります。
復興予算についてでございます。
東日本大震災復興特別会計に係る復興予算については、東日本大震災からの復興の基本方針に沿って予算要求したものでありますが、国会を初めさまざまな方々による御議論において、復興予算は被災地の復旧復興に真に直結するものを最優先すべきであるなどの御意見があることは承知をいたしております。
今後、国会や行政刷新会議等における御議論も踏まえつつ、被災地の復旧復興が最優先との考えのもと、適切に対応していきたいと考えております。
結びになりましたが、委員長初め委員の皆様方には、平素から法務行政の運営に格別の御尽力を賜っております。安心、安全な社会の構築に向け、法務大臣として、山花副大臣、松野大臣政務官とも協力し、さまざまな課題に全力で取り組んでまいりますので、より一層の御理解と御協力をいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)