竹本直一の発言 (本会議)
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○竹本直一君 自由民主党の竹本直一でございます。
私は、自民党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案について、総理大臣に質問いたします。(拍手)
まず、政府の姿勢について申し上げます。
私たちは、民主党代表選挙、自民党総裁選挙が終わった直後から、政府・与党に対しまして、早く臨時国会を開催し、本法案を早急に審議するよう提案してまいりました。しかし、政府・与党は、問題閣僚が追及されることをおそれて、十月の終わりまで国会の開会を先延ばしにいたしました。
さらに、国会開会後速やかに予算委員会を開催し、議論しなければならない。これは予算に関する法律であります。ところが、与党がかたくなに予算委員会の開催を拒んでいるため、本日まで予算委員会が開催されない異常事態に陥っております。
しかしながら、私たち自由民主党は、国民生活に直結する本法案の重要性に鑑み、やむを得ず審議に応ずることを決定いたしました。
全てのものから逃げる民主党の姿勢にまず強く抗議をいたしたい、このように思います。
次に、この公債発行特例法案が再提出されるに至った経緯に触れないわけにはまいりません。
さきの通常国会において、公債発行特例法案は、会期延長後の八月二十八日、我が党が欠席する中、与党による強行採決によって参議院に送付され、参議院においては委員会に付託されることもなく、会期終了とともに廃案となりました。
野田総理は、衆参両院で与野党の賛同を得られるような環境整備に努めていきたいと三月時点で述べておられたわけです。三月と八月では、成立の見込みがないという状況に何の変化もないわけであります。しかしながら、採決を強行してきたのであります。
このような与党の独善的で横暴な国会運営に対し、強く抗議するものであります。
また、総理が環境整備に努めるとしたあの三月から、はや七カ月余りを経過いたしましたけれども、この間、新たな提案や与野党協議の申し入れは全くなく、民主党は与党としての努力を全くしていないと言わざるを得ません。
総理は、野党の賛同を得られるような環境整備として一体何を想定し、何を具体的にやったのか、御説明をいただきたい。
我々は、昨年度の公債発行特例法案には賛成いたしました。その理由は、昨年八月の自民、公明、民主による三党協議の結果、膨張した歳出の見直しについて、平成二十三年度における歳出の削減及び平成二十四年度予算の編成プロセスなどに当たり誠実に対処することが確認されたからであります。
しかし、その後の民主党の対応は不誠実きわまりないものでありました。今年度予算において高速道路無料化こそ計上しなかったものの、児童手当の名称を子どものための手当にしようとしたり、高校無償化については、政策効果の検証をもとに必要な見直しを検討すると言っておりましたけれども、それが、検証すらしていなかったというありさまです。
このように、ばらまき政策を見直すとした三党合意は、今年度予算において民主党によりほごにされ、公党間の信頼関係が著しく損なわれました。
ばらまき政策が見直されなかった今年度の予算については多くの問題点があることから、我が党は、予算審議に際し、撤回のうえ編成替えを求める動議を提出し、予算の出し直しを主張いたしました。しかし、政府・民主党は、我々の主張には一顧だにせず、予算を原案どおり成立させたのです。
我が党の主張は無視し、予算の手直しをすることもせず、ただ時間がたったので公債発行特例法案の成立に御協力くださいというのは、余りにも筋が通りません。昨年八月の三党合意は一体何だったのか。まさに、喉元過ぎれば熱さを忘れるということじゃないでしょうか。
総理は、ばらまき政策により膨張した今年度予算の歳出を減額するつもりはないのですか。公債発行特例法案の成立を期すというのであれば、まず政権与党が責任を持って与野党合意のための案を提示すべきであると考えますが、総理の御認識をお伺いしたいと思います。
公債発行特例法案は、予算の財源を裏づけるためのものであり、本来、予算と一体のものであります。今年度予算は、憲法上規定された衆議院の優越により成立いたしましたけれども、歳入が確保されていなければ、予算に計上されたとおりの執行はできないのであります。このことを、政権与党であればもっと真剣に考えるべきです。
自公政権では、同時に成立するように最大限の努力を我々はしてまいりました。民主党政権においては、そのような真摯で責任感ある態度が見られないのです。予算だけ通して、公債発行特例法案が野党に人質にとられているかのような言動は、政権与党として余りにも無責任であります。
さきの国会において、成立の見込みがないにもかかわらず衆議院での採決を強行した意図は、一体何だったのでしょうか。総理は、予算と公債発行特例法案との関係をどのように考えておられたのか、伺いたいと思います。
また、総理は、十月十九日に行われた自民、公明、民主の三党党首会談において、来年度以降の予算と公債発行法を一体的に成立させるルールづくりを提案されました。その目的や具体的な案についても、ぜひ御説明をお願いしたいと思います。
今回の公債発行特例法案は、特例公債の発行権限を政府に付与するだけでなく、平成二十四年度及び二十五年度の基礎年金の国庫負担の追加に見込まれる費用の財源について、年金特例公債の発行を可能とする規定も盛り込まれております。平成二十四年度の発行見込み額は二・六兆円とされておりますけれども、この額は、今後提出される補正予算で規定されるとされております。
総理にあっては、本法律案と一体のはずの補正予算はいつ提出する予定なのか、伺います。あわせて、補正予算の内容は年金特例公債だけなのか、それとも、報道されている経済対策をも含むものなのか、内容についての現段階でのお考えを説明してください。
年金特例公債の元利償還は、税制抜本改革法の施行による平成二十六年度以降の消費税の増収分を財源として、平成四十五年度までに行うこととされております。社会保障と税の一体改革において、消費税率の引き上げについては、民主党所属議員の中にも反対された方々が、鳩山元総理を筆頭にいらっしゃいます。この方々は、消費税の増税により償還される年金特例公債の発行を容認されるのでしょうか。
国民の生活が第一は、このことを理由として、先国会では反対されました。
鳩山元総理は、今回の賛否はどうするんでしょうか。公債発行特例法案に賛成することと消費税率引き上げ法案に反対したこととの整合性はどう説明するつもりなのでしょうか。
野田総理は、公債発行特例法案の採決で民主党から反対や棄権が出ないと断言できますか。いかがですか。
そもそも、総理は離党者が相次ぐ党内ばらばらの民主党をまとめ切れているのか疑問です。総理は、政府・与党の連携と内閣機能の強化のためと称して、十月一日に内閣改造に踏み切りましたが、論功行賞や離党予備軍の行動を抑える狙いではないかとの指摘がなされております。
案の定、田中けいしゅう前法務大臣は、暴力団関係者との交際や外国人献金問題、そしてその追及を恐れて国会審議を逃げ回るという憲法違反にも類する行為により、就任からわずか三週間余りで辞任いたしました。総理の任命責任が厳しく問われるのが当然と考えますけれども、総理はどのように考えておられるのでしょうか。
また、衆議院の過半数割れまであと何人と連日報道されておりますけれども、与党一丸となって国民のための国政を推進していけるとお考えなのか、総理の所見と認識をお聞きしたいと思います。
次に、予算の執行抑制についてであります。
政府は、公債発行特例法案が成立しないままでは、十一月末にも財源が枯渇するとしています。歳出の抑制によって、既に地方自治体の中には、金融機関からの借り入れで利払いの負担増が発生する可能性が出てきております。地方自治体からは強い批判の声が上がっているんです。この金利負担は政府で後ほど穴埋めする方針と伝えられていますけれども、政府の対応方針を伺いたいと思います。
政権与党としてこのような事態を招いた責任は、この法案を成立させるための知恵を持たず、環境整備を怠り続けた政府・与党側にあるということは明白であると思いますが、総理はどう考えているんでしょうか。お伺いしたいと思います。
日本経済の減速が懸念される昨今、政府は、十月二十六日に経済対策第一弾として、四千二百億円規模の財政支出を閣議決定いたしました。問題なのはその財源です。国会を通さず閣議決定で使える今年度予算の予備費を使うというのであります。
内閣府の試算では、この対策によるGDPの押し上げ効果は〇・一%にすぎません。一方では、予算の執行抑制を行い、地方交付税の支払いを延期し、地方自治体はまさに兵糧攻めに遭っているんです。予算執行抑制ではなく、この予備費を地方自治体のために使うべきではないのでしょうか。
地方自治体を苦しめる一方で、効果のない、たった〇・一%といったような経済対策にこの貴重なお金を使っていいのでしょうか。一体何のための経済対策なのか、総理の御説明をお願いしたいと思います。
八月八日の自民、公明、民主の三党党首会談で野田総理が述べた、近いうちに国民に信を問うとの言葉について、御自身でどのように認識されていますか。
野田総理が政治生命をかけるとした社会保障と税の一体改革関連法案が成立した暁には近いうちに解散するということを、我が党の谷垣前総裁に約束したわけです。このことは国民に対する約束であります。この約束をなぜ守らないのですか。近いうちというのは一体いつなのですか。この国民との約束を一体いつ果たすのか、明確にお答えをお願いしたいと思います。
民主党は、マニフェスト二〇〇九で、月額二万六千円の子ども手当、高校無償化、農業者戸別所得補償制度を初めとするばらまき政策を実現するための財源として、国の予算を組み替え、無駄の削減によって十六・八兆円を生み出すとして政権を獲得したのです。その政権交代から三年余り経過しましたが、結局、無駄の削減でばらまき政策を実現するための財源は出てこなかったのです。
他方、消費税の増税についてはマニフェストには記載はなく、選挙期間中の発言でも、消費税は上げませんと言ってきたんです。やると言ったことをやらないで、やらないとわざわざ言ったことをやっています。
そもそも、野田総理は、選挙期間中、マニフェストについて、これは野田総理が言われた言葉でありますけれども、書いてあることは命がけで実行する、書いていないことはやらないんです、それがルールですと。立派な言葉です。講演でされておったんです。だからこそ、国民は、マニフェストを信じて民主党に政権を託したのではありませんか。
そのマニフェストが実現不可能であることが明確になり、やらないと公言してきた消費税率引き上げ法が成立するに至った現在、一日も早く、国民に対して、これでよいでしょうかという問いかけをする必要が絶対にあります。なぜならば、国民には違うことを言ってきたわけですから。しかし、考え方を変えました、だから、考えたんですけれども、これでいいでしょうかということを国民に問うことは当然であります。
マニフェストを下敷きにした二十四年度予算を数の力で押し通しておいて、その歳入の約四割を占める赤字国債を発行する裏づけである公債発行特例法案も無条件に通せというのは、今に至っては道理が通りません。
十月十九日の三党党首会談において、総理は、だらだらと政権の延命を図るつもりはないとも発言されておられます。もはや来年度予算の編成を民主党政権に委ねるなどあってはならないことであります。
社会保障・税の一体改革関連法案の成立後近いうちに解散し、総選挙を行うとした野田総理、まさに今が決断のときです。命をかけてやり抜くとした社会保障と税の一体改革をあなたはやり抜いたではありませんか。立派なことです。総理に残されたやるべきことは、あと一つしかありません。それは一日も早い解散なんですよ。
こんな立派なことをした総理大臣が、後世、うそをつき続けた総理大臣として歴史に名を残すなどということは、むしろ考えない方がいいのではないでしょうか。そういう意味で、野田総理には、もはや後戻りのための黄金の橋はないと私は考えます。
一日も早い解散です。そして、歴史に、うそをつかなかった、約束を守った総理大臣だという名を残してください。それこそ、あなたのためにもなります、国民のためにもなります。
ぜひ一日も早い解散を最後に切に要望して、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕