安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 井上義久議員にお答えをいたします。
平成二十五年度予算の早期成立と国民への説明についてのお尋ねがありました。
二十四年度補正予算と二十五年度予算については、いわゆる十五カ月予算として一体的に編成しましたが、デフレからの早期脱却、経済再生に向け、二十四年度補正予算に続き、二十五年度予算についても早期に成立させていただき、速やかに執行することが可能となるよう全力を尽くしてまいります。
また、これらの予算について、国会審議や予算執行段階の情報公開などを通じて、施策の中身などについて国民の皆様に丁寧に説明してまいります。
日米同盟を基軸とした日中、日韓関係の改善についてお尋ねがありました。
日中関係は、最も重要な二国間関係の一つであり、個別の問題があっても関係全体に影響を及ぼさないようにコントロールしていくとの戦略的互恵関係の原点に立ち戻るよう、粘り強く訴えていきます。私は、対話のドアは常にオープンにしておきます。
また、韓国は、基本的な価値と利益を共有する、最も重要な隣国であります。日韓の間には難しい問題もありますが、日韓双方で新政権が成立した機会を生かし、二十一世紀にふさわしい未来志向の関係を構築するため、朴槿恵大統領とともに努力していく考えであります。
TPPについてのお尋ねがありました。
TPP交渉に参加するかどうかということについては、私が最終的に判断することとしておりますが、公明党のお考えはしっかり承っており、十分に留意してまいります。
国民への情報提供については、今後とも、公開できることは、状況の進展に応じて、しっかりと国民の皆様に提供してまいります。
農業は、国民に食料を供給し、地域経済を支える重要な産業であるとともに、日本の美しいふるさとと国土を守る多面的な機能を果たしており、こうした機能も大切にしていくことが重要であります。
仮にTPP交渉に参加した場合でも、今般の日米首脳会談において日本の一定の農産品のセンシティビティーが認識されたことも踏まえ、このような農業の重要な役割が維持されていくよう対応していくことに変わりはありません。
住宅の再建や故郷への帰還などの見通しについてのお尋ねがありました。
東日本大震災からの復興は、安倍政権の最重要課題の一つです。仮設住宅等での居住を余儀なくされている避難者の方々に希望を持っていただけるよう、復興の加速化に全力で取り組むとともに、住宅再建の見通しをお示ししていくことが重要です。
このため、政府としては、住宅再建やまちづくりの工程表及び住宅宅地の建設戸数の年度別目標や、原子力災害の被災地における早期帰還や定住に向けたプランを作成しているところです。これらについて、できるだけ早期に取りまとめ、お示ししてまいりたいと考えております。
地域社会雇用創造事業についてのお尋ねがありました。
同事業は、今年度末までに終了する予定の事業として実施しております。
被災地における起業の支援は重要な課題であり、被災地のニーズを伺いつつ、その事業効果をよく精査した上で、類似事業の活用も含め、どのような形で対応するべきか、関係省庁において検討してまいります。
所有者が不明な土地等の用地取得の迅速化についてお尋ねがありました。
用地取得に関する対応については、職員が不足している被災自治体に対して、国が直接、調査業務の外注を働きかけているところです。
また、土地収用に係る審査手続の迅速化や、財産管理人のなり手の確保を含めた財産管理制度の円滑な活用に向けた体制の構築を図るなど、柔軟な対応を進めてまいります。
現在、被災自治体とともに、用地取得に係る具体的な課題の解決策を実際の事業に即して検討しており、可能な限り運用上の措置、改善策を講じつつ、制度上の課題が明らかとなった場合には、その改善方策も検討してまいります。
復興交付金の運用柔軟化についてのお尋ねがありました。
著しい被害を受けた地域における復興のために必要な事業のうち、災害復旧など他の制度で対応すべきもの以外については、被災地からの要望を踏まえ、復興交付金で対応できるよう、運用の柔軟化を図る必要があると考えております。
私から復興大臣に対して、運用の柔軟化を図るよう検討を指示したところであり、第五回の復興交付金の配分とあわせ、近日中に結論を得ることとしております。
東日本大震災により発生した津波堆積物、福島県の被害廃棄物等の処理についてのお尋ねがありました。
被災三県において、津波堆積物は約一千万トン発生しており、平成二十五年一月末現在の処理割合は約一八%となっております。
今後、処理施設をより効率的に稼働させるとともに、盛り土材など、復興工事の再生支援として積極的に利用拡大することにより、平成二十六年三月末までの処理完了を目指します。
福島県の災害廃棄物については、住民の方々が避難されている地域やその周辺では、国が地方自治体にかわって処理を行う方針です。
県内初の仮設焼却炉が本年二月から本格稼働を開始したところです。今後、さらに、仮置き場、仮設焼却炉等の施設整備を進め、災害廃棄物の撤去、処理を加速化し、住民の方々の帰還の妨げにならないよう、最大限努力をいたします。
財政健全化についてお尋ねがありました。
我が国の財政健全化に向けた取り組みについては、国際社会から注視されているものと認識しております。
このため、平成二十五年度予算については、財政健全化目標を踏まえ、四年ぶりに税収が公債金を上回る状態を回復したところです。
今後、財政健全化と経済再生の双方を実現する道筋の検討を進め、国、地方のプライマリーバランスについて、二〇一五年度までに二〇一〇年度に比べ赤字の対GDP比の半減、二〇二〇年度までに黒字化との財政健全化目標の実現を目指します。
制度改正についてお尋ねがありました。
二十五年度税制改正においては、所得税等について御指摘の見直しを行うとともに、特に法人税では、研究開発税制の拡充や設備投資を促進する税制の創設等を行い、企業の成長投資を後押しするとともに、業績の改善した企業にはその利益を従業員に還元してもらうよう、給与等の支給や雇用をふやす企業に対する優遇税制を創設することとしております。
成長戦略等の他の施策とあわせ、こうした取り組みにより、企業の収益向上と、雇用や所得の拡大の好循環につなげてまいりたいと考えております。
公共事業のあり方についてお尋ねがありました。
公共事業イコール無駄遣い、ばらまきという単純なレッテル張りから卒業しなければならないと考えており、公共事業について、思慮深い議論を進めていく考えであります。
こうした考えのもと、今般の緊急経済対策においては、インフラの老朽化対策や耐久化などの、国民の命を守る事業に重点化したところです。御指摘のアセットマネジメントの考え方も取り入れながら、引き続き、こうした公共事業の重点化を進めてまいります。
また、国民の納得を得ながら事業を進めていくことが重要であり、費用と効果が見えるよう、さらなる情報公開にしっかりと取り組んでまいります。
成長戦略についてのお尋ねがありました。
安倍政権の三本の矢のうち、一本目の金融政策と二本目の財政政策については、既に大きく動き出しました。ただ、いつまでも国の財政で需要をつくり続けることはできません。今後、持続的な成長を実現するためには、企業の競争力強化につながる成長戦略が最重要の課題になっていきます。
成長戦略の具体化に当たっては、文章をまとめるだけではなく、全閣僚が一丸となった日本経済再生本部において、私自身が矢継ぎ早に具体策を判断し、次々と実行に移してまいります。
さらに、企業の競争力強化が働く人の所得の増大につながらないと、持続的な経済成長は望めません。
このため、先般、経済界のトップの方々を官邸にお招きをして、業績が改善している企業においては報酬の引き上げ等の御検討、御協力をお願い申し上げました。
こうしたことによって、成長の成果を、雇用や所得の増加など、国民の生活向上につなげてまいりたいと考えています。
日本産業再興プランと若者や女性への支援策についてのお尋ねがありました。
製造業を初めとする日本産業の再興には、立地競争力を改善し、企業が国内に投資できる事業環境を整えることが必要です。
さらに、グローバル競争の中で勝ち抜くためには、国内でイノベーションを起こし、付加価値の高い、新たな事業や産業を生み出していくことが欠かせません。
また、御指摘のとおり、日本経済再生のためには、産業の競争力強化とともに、若者、女性の活躍を積極的に推進することで、さらに成長を押し上げていくことが重要です。
現在開催している若者・女性活躍推進フォーラムにおいて、当事者である若者や女性、そして関係者のお話を、地方の声も含めてお伺いしながら、政府・与党一体となって、若者、女性の活躍を強力に応援してまいります。
規制改革についてお尋ねがありました。
規制改革については、雇用関連、エネルギー・環境関連、健康・医療関連を重点分野と位置づけ、これらを初めとして、経済再生に資するものから優先的に見直しを行うよう指示したところです。
規制改革を進めるに当たっては、改革のための改革に陥ることなく、地域や現場の実態を含めた国民のニーズに応える社会を実現することを目指し、これまでの経緯も十分に踏まえながら、取り組みを進めてまいります。
正規、非正規の格差是正、若者雇用対策、ワーク・ライフ・バランスの実現、労働分配率の引き上げ、柔軟な働き方の実現についてのお尋ねがありました。
頑張って働く人の所得をふやし、本格的なデフレ脱却を実現できるかどうかに安倍政権の経済政策の成否がかかっていると言っても過言ではありません。
このため、政府としては、非正規労働者の雇用の安定や待遇の改善に向けた取り組みや、若者に対する個々の事情に応じたきめ細かな就労支援、経済界や労働界など官民一体となったワーク・ライフ・バランスの実現に向けて取り組んでまいります。
また、労働分配率の引き上げについては、イノベーションや規制改革など成長戦略に取り組むなどにより、雇用と賃金の増大を目指してまいります。
柔軟な働き方の実現に関しては、労使を含め多様な観点から、そのあり方や支援策を検討していきます。
地域活性化のためのまちづくりについてのお尋ねがありました。
人口減少の中で、地域の経済活力を維持しつつ、高齢化が進む地域の住民にとって住みやすいまちづくりを進める必要があります。
このため、政府としては、コンパクトシティーの促進など、省庁横断で政策を総動員して、まちづくりに取り組んでまいります。
農林水産業の振興についてお尋ねがありました。
農林水産業は、地域の経済を活性化するために重要な産業であり、攻めの姿勢で、農林水産業が有している潜在力を引き出していくことが必要です。
このため、新規就農者の確保育成、輸出拡大や日本食の海外発信、農地の大区画化や農業水利施設の耐震化等の基盤整備の充実などを図りながら攻めの農政を推進するとともに、戸別所得補償制度の名称を経営所得安定対策に変更した上で、将来に向けて安定的な新たな仕組みの検討を行ってまいります。
また、都市農業の有する多様な機能が十分に発揮されるよう、一層の振興に努めてまいります。
林業の振興についてお尋ねがありました。
林業については、我が国において森林資源が充実しつつあり、これを活用して木材自給率の向上を図るとともに、地球温暖化防止などの森林の多面的機能を持続的に発揮させていくことが重要です。
このため、間伐等の森林整備や路網整備の推進、公共建築物等への地域材の利用拡大、新規林業就業者の確保育成などを図ってまいりたいと考えております。
漁業の振興についてお尋ねがありました。
漁業を持続的に展開し、多面的な機能をさらに発揮させていくためには、漁業の振興などに関する総合的な取り組みが極めて重要であります。
このため、燃油高騰も踏まえた漁業経営安定対策の充実、新規漁業就業者の確保育成、水産業、漁村の多面的機能を高める活動への支援などを図ってまいりたいと考えております。
高額療養費制度と難病対策についてお尋ねがありました。
高額療養費制度については、長期にわたり高額な医療費がかかるがん患者などの負担を軽減するため、低所得者に配慮しながら、必要な見直しを行うことが重要であると認識しています。
御提案をいただいた案を含め、高額療養費制度の見直しについては、国民会議での議論も踏まえつつ、財源の確保とあわせて検討を進めます。
現在の難病対策については、御指摘のとおり、さまざまな課題があると考えており、政府としては、厚生労働省の審議会の提言も踏まえ、できる限り早期に、総合的かつ安定的な難病対策を構築できるよう、法制化その他必要な措置について調整を進めてまいります。
介護保険制度についてお尋ねがありました。
介護保険制度については、高齢化が進行する中で、在宅サービス等の充実、高齢者の住まいの確保、人材の確保や処遇改善等に取り組み、必要な介護サービスを確保しつつ、その効率化及び重点化を図ることが重要な課題です。
介護予防については、介護保険の給付のほか、介護保険法に基づき、市町村の創意工夫のもと、さまざまな事業を行っており、今後とも、こうした取り組みを推進してまいります。
政府としては、地域のお年寄りの皆さんに、質が高く、必要な介護が行われるよう、社会保障制度改革推進法に基づき、国民会議で精力的に議論するなど、持続可能な介護保険制度の構築に向け、改革を具体化してまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣太田昭宏君登壇〕