青木愛の発言 (本会議)
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○青木愛君(続) 少子化が今のペースで進めば、五十年後には日本の人口は九千万人を切り、百年後には五千万人を下回ります。そして、千年後に人口はゼロになると、社会保障・人口問題研究所が試算をしています。
高齢化で滅ぶ国はありませんが、少子化を放置すれば、国力が落ちて、いずれ国は滅びます。
仮に、今日、出生率が人口維持水準の二・〇五を回復できたとしても、実際に人口減少がとまるのは五十年後と言われています。
たびたび引き合いに出されるフランスでは、手厚い、きめ細やかな財政的支援を柱に、同じ所得でも子供の数がふえるほど所得税の負担が少ない大家族優遇の税制に切りかえ、出生率は二を回復いたしました。
予算配分や税制のかじを今大きく切らなければ国の存亡にかかわるという危機意識を、安倍総理は持っておられますでしょうか。直ちに少子化対策に本気で着手しなければ、幾ら公共事業をふやして道路をつくっても、それらを使う人々がいなくなってしまうかもしれないんです。
かじを切る方向性が間違っていませんでしょうか。御認識をお伺いいたします。
被災地の復興は、大幅におくれています。地元関係者からは、地元の要望に沿った事業に予算がつかないとか、復興予算がついても、さまざまな規制や省庁の縦割りの弊害があって執行が難しいとの不満の声をいただいています。
例えば、政府が五省庁四十事業という枠を決めたら、それに当てはまる事業しか承認されません。また、土地の移転や造成、住宅の建設のように、幾つもの省庁にまたがっている事業は、一向に進みません。これらは、ほんの一例です。
先日、本院の予算委員会の質疑で、総理は、福島の復興が進まない理由を聞かれ、予算がついても、結局、ひもつきになっていて、その執行において、地元の方々の声を十分に吸収しながら、縦割りを排してその執行ができていない点もあると、率直に答弁されておられました。
補助金がひもつきになっていて、縦割りの弊害があると総理自身が御認識しておられながら、二月に成立した十三兆一千億円の補正予算や平成二十五年度予算案は、中央省庁主導による従来型のひもつき補助金による公共事業で埋められています。
私たちは、地方分権を進める立場から、ひもつき補助金を自由に使える一括交付金にかえ、地方自治体が地元の要望に沿った事業を効果的に実施できる仕組みづくりに努力をしてまいりました。
しかし、総理は、地方分権化に逆行するかのごとく、従来の補助金制度に戻されています。復興の妨げとなっているひもつき補助金制度を、一括交付金に直ちに改めるべきと考えます。
なぜ、総理は、権限をお持ちになりながら実行に移せないのでしょうか。その理由をお伺いいたします。
アベノミクスが成功するかどうかは、それによって国民の所得がふえるかどうかの一点にかかっていると思います。
円安のため、既に、ガソリンや食料は値上がりをしています。インフレ二%が達成されれば、さらに物価が上昇をいたします。年金や医療も、保険料は上がります。今や、値上げラッシュで国民負担がふえるのに、それに見合って所得がふえなければ、国民の生活は貧しくなる一方です。
多くの国民がそのような状況下にあっても、総理は、消費税を増税されるのでしょうか。
かつて、この本会議場で、国民の所得を倍増すると約束して、実現した総理もいました。いつまでにどれだけ所得がふえるのか、この場で国民にお約束をいただけませんでしょうか。
日米首脳会談で、安倍総理は、TPP、環太平洋戦略的経済連携協定の交渉参加に一歩を踏み出され、近く正式に決断されると聞いております。
グローバル時代の中で、自由競争の妨げとなる関税や非関税障壁を撤廃し、人、物、金、サービスを自由に行き来させれば、新しい可能性が切り開かれることは事実です。しかし、それぞれの国は、独特の気候や風土、そして固有の歴史、文化、習慣を持っています。そのことを十分に考慮しなければなりません。
まず、農業問題についてお聞きいたします。
TPP参加により、我が国は食物の自給率が大幅に下がり、農林水産省は、一三%に低下すると予測をしています。
異常気象のために農産物輸出国が凶作の事態に見舞われたとき、日本は十分な食料を確保できるのでしょうか。不測の事態に備えるため、日本国民の食料は、一定程度、自国で賄う体制を整備すべきです。自給率向上の方策についてお答えください。
食の安全の問題もあります。
食のルールを統一するという名目のもとで、日本の厳しい残留農薬基準が国際基準に合わせて緩められたり、日本で禁止されている収穫後使用農薬の許可を求められたり、遺伝子組み換え食品の輸入が拡大したりすることが懸念をされます。
これは、消費者にとって、極めて懸念する事態であります。総理はどのように対処されるおつもりか、お答えください。
医療制度も直撃します。
我が国の国民皆保険制度は、全国一律の比較的安い料金のため、安心して治療に通うことができます。世界に誇る制度です。
現在は保険診療と保険外診療の併用は制限されていますが、TPPに参加すると、この制限や現行の保険制度は自由診療の妨げだと主張して、制度の撤廃ないしは縮小を強要してくるおそれがあります。
そうなれば、公的医療保険の適用範囲が縮小され、高額で利益の高い保険外診療が拡大し、その結果、医療費が高騰します。自由診療枠の保険は、民間保険会社が対応します。この分野はアメリカがすぐれており、日本の一千兆円を超える個人資産を目的としていると言われています。
総理は、国民皆保険制度の堅持についてどのようにお考えか、お聞かせください。
交渉に際し、我が国の省庁縦割りの体制で臨んで、果たして国益を守れるのでしょうか。
米国は、USTRという貿易交渉専門の組織が交渉窓口で、全ての役所の利害を調整した上で交渉してきます。もし交渉参加するというのであれば、日本版の通商代表部をつくって臨むという覚悟がおありかどうか、総理に伺います。
また、この交渉には、参加者に協定締結後四年間を含む守秘義務が課されていますが、国民に交渉経過の情報をどのような方法で随時開示をするおつもりなのか、お聞かせください。
福島の原発事故についてお伺いをいたします。
今なお、不都合な情報が隠されたままです。ようやく東京電力は、昨年の九月に、福島第一原発から、九月時点でも、毎時一千万ベクレル、毎日二億四千万ベクレルの放射性セシウムが大気中に放出されていると発表しました。現在も放出が続いています。
さらに深刻なのが、汚染水の処理の問題です。
汚染水の貯蔵量は現時点で二十六万トンに達しており、近々、多核種除去装置で放射性物質を除去することになっていると聞いていますが、トリチウムは除去できません。
トリチウムを含む汚染水をどのように最終処分するのでしょうか。そのまま海に放出することを総理は容認されるのでしょうか。御答弁をお願いします。
加えて問題なのは、一日約四百トンの地下水が建屋に流れ込んでいるという事実です。これは、地下水脈と建屋とがつながっているということであり、逆に、建屋内の汚染水が地下水脈に流れ、そのまま海に流れ出ている可能性を否定できません。
先月、福島第一原発の港湾内で捕獲したアイナメから、規制値の五千百倍ものセシウムが検出をされました。汚染水の漏えいが影響しているのではないでしょうか。その辺の実情を調査し、公表することをお約束いただきたいと思います。いかがでしょうか。
福島県は、二月十三日、事故発生時に十八歳以下だった三人が甲状腺がんと診断され、七人に疑いがあると発表しました。チェルノブイリ事故の例を見ますと、発症は五年ごろから目立ってふえています。痛ましいことですが、今後、発症事例がふえることが予想されます。
政府は、どのような対策を講じているのでしょうか。お聞かせください。
総理は、世界一安心な国、世界一安全な国を掲げておられます。しかし、同時に、原発の再稼働を明言されました。原発を再稼働して、世界一安心で安全な国をつくると言い切れる、その根拠を教えてください。
あらゆる技術が世界最高水準にあり、事故の経験を持つ日本は、脱原発を即断し、自然再生エネルギー世界一を目指すべきだと考えます。
再生エネルギーの開発と普及は、地域密着の新たな産業を創出し、そこに住む人々に、雇用と、安心で美しいふるさとを提供します。また、その技術は、世界に貢献します。
今こそ、自然再生エネルギー世界一を掲げ、世界を脱原発へリードすべきだと考えますが、総理の御意見をお聞かせください。
一九四九年、湯川秀樹博士は、日本人初のノーベル賞を受賞し、敗戦で自信を失った日本人に誇りと自信を与えました。山中伸弥博士は、ヒトiPS細胞を世界で初めて開発し、昨年、ノーベル生理学・医学賞を受賞されました。これにより、画期的な再生医療の道が開かれました。
従来型の公共事業に多額の公的資金を投資しても、社会や経済への波及効果は、昔ほど期待できません。インフラがある程度整備された成熟社会においては、投資の対象を、道路や建物ではなく、人に移すべきなのです。その代表的なものは、子育てと教育、そして福祉、さらには研究開発だと考えます。
総理は、国際リニアコライダーを御存じのことと思います。ヨーロッパと北米とアジアが協力し、地下に四十キロメートルにも及ぶ直線型の加速器を構築し、高速に加速した電子と陽電子を互いに衝突させ、ビッグバン直後の状況を再現し、宇宙誕生の瞬間を解明しようという、夢の巨大プロジェクトです。
ここから生まれる技術は、IT、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、医療、そして環境など、さまざまな先端研究分野に応用が可能であり、成長産業の創出や雇用の拡大が期待されます。四兆円以上の経済効果があると試算されています。
世界で六カ所が候補地に挙がっており、そのうち二カ所が日本で、東北の北上山地と九州の脊振山地です。もし日本に誘致されれば、世界じゅうから科学者が集まります。
被災地となった東北であれば、夢と誇りの国際研究都市となり、総理が発信された、若者たちが希望に胸を膨らませることができる東北となるでしょう。九州であれば、アジアに位置する世界中心都市として浮上するのです。
誘致に関して、総理の前向きな御答弁を期待いたします。
最後に。
日本全国津々浦々を元気にする秘訣は、国民生活と密着し、地元事情に一番精通している地方自治体に、中央政府が握っている予算と権限を大幅に移譲することです。そうすれば、各地域の創意工夫が生かされ、互いに切磋琢磨し合って、特色ある元気な日本が創造されます。
そして、希望と誇りに輝く世界一の日本にするためには、人にこそ光を当てるべきです。子供たちの笑顔があふれる国は栄えます。未来は子供たちの中にあります。
以上、私たち生活の党の基本的な考え方を申し述べ、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕