安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 青木愛議員にお答えいたします。
 保育所の待機児童対策と子供に係る施策の優先順位についてお尋ねがありました。
 我が国における少子化の進展は、国民生活に深刻かつ多大な影響をもたらすものと認識しており、少子化対策は待ったなしの重要課題であると考えております。
 また、身近な場所で保育を受けたいという母親たちの声に、私も全力で応えていきたいと考えております。政府として、保育所の整備、保育士の確保を進めるなど、待機児童の解消に向けて、全力で取り組むこととしております。
 なお、今年度補正予算においては、国民の命と暮らしを守るインフラの再構築や子育て支援などのさまざまな施策が盛り込まれており、これらはいずれも重要なものであると考えております。
 また、幼児教育の無償化については、関係府省の連携のもと、子ども・子育て支援新制度との関係、財源確保の観点等を踏まえ、検討を行ってまいります。
 いわゆる一括交付金の廃止についてのお尋ねがありました。
 地域自主戦略交付金については、地方から、窓口の一元化や手続の簡素化、総額の確保などの課題が指摘されていました。これらの課題を解消するため、本交付金を廃止し、各省庁の交付金等に移行することとしました。
 その際、地方六団体からの意見を聞き、各省庁における交付金のメニューの大くくり化や、継続事業の着実な実施に必要な総額の確保など、地方の意見を反映した施策を推進しております。
 なお、福島の復興については、今年度補正予算及び来年度予算案において、帰還加速や長期避難者の生活拠点形成などのため、新たな現地のニーズにきめ細かく対応する施策を、福島ふるさと復活プロジェクトとして盛り込んでいるところです。
 消費税と国民の所得についてのお尋ねがありました。
 政府としては、三本の矢により、企業の収益機会をふやし、雇用や所得の拡大を実現することで、国民生活に経済成長の恩恵が幅広く行き渡るようにしていきますが、この過程では、物価のみが上昇するのではなく、企業の収益力向上の成果が適切に労働者にも配分されることが重要です。
 このため、私から、可能な限り報酬の引き上げを行ってほしいと産業界に直接要請したところであり、また、平成二十五年度税制改正においては、利益を従業員に還元する企業を支援することとしております。
 消費税率の引き上げについては、本年秋に、附則第十八条にのっとって、経済状況等を総合的に勘案し判断をしていくこととなります。
 その際、さまざまな経済指標を確認する中で、賃金など、雇用情勢も見てまいります。
 いずれにしても、三本の矢で、長引くデフレから脱却し、働く意欲のある人たちに仕事をつくり、頑張る人たちの手取りをふやし、日々の暮らしを少しでもよくするため、日本経済を全力を挙げて再生してまいります。
 TPPと食料自給率についてお尋ねがありました。
 食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは、国民に対する国家の最も基本的な責務であり、国内農業生産の増大を図り、食料自給率を向上させることは重要であると考えております。
 このため、TPP交渉への参加いかんにかかわらず、農業の活性化を図っていくことは極めて重要な課題であり、攻めの農政に力を入れていきたいと考えております。
 TPPと食の安全についてお尋ねがありました。
 食品の輸入について、科学的根拠に基づき食品安全に関する措置を実施する権利は、WTOの衛生植物検疫措置に関する協定で、我が国を含む各国に認められています。
 これまで得られた情報では、TPP協定交渉では、現在のところ、残留農薬基準等、個別の食品安全基準の緩和は議論されていないと承知しています。
 いずれにせよ、仮に交渉に参加する場合、食の安全が損なわれることのないよう、国際基準や科学的知見を踏まえつつ、適切に対応してまいります。
 TPPに参加した場合、国民皆保険制度への影響についてのお尋ねがありました。
 これまで得られた情報では、公的医療保険制度のあり方そのもの等については、TPP協定交渉において議論の対象となっていないと承知しています。
 国民皆保険制度は、日本の医療制度の根幹であり、この制度を揺るがすことは絶対にないということを申し上げたいと思います。
 TPP交渉に臨む際の体制についてお尋ねがありました。
 TPP交渉に参加するかどうかということについては、党内や米国との協議も踏まえて、私が最終的に判断することとしており、交渉参加後の具体的な体制といったお尋ねにお答えすることは困難ですが、いずれにせよ、TPPについては、国益にかなう最善の道を求めていくこととしております。
 TPPの交渉経過の情報開示についてお尋ねがありました。
 国民への情報提供については、外交上のやりとりでもあるため、公開できることとできないことがありますが、今後とも、公開できることは、状況の進展に応じて、しっかりと国民の皆様に提供してまいります。
 東京電力福島第一原発の汚染水の処理についてお尋ねがありました。
 東京電力福島第一原発のトリチウムを含む汚染水については、増加の原因となる地下水の流入抑制を図るとともに、放射性物質の除去などの処理を行った上で、タンクに貯蔵しております。
 最終的な処理方針については未定ですが、海への安易な放出は行わないこととしております。
 汚染水の海への流出についてお尋ねがありました。
 建屋内の汚染水については、建屋の外に流出しないよう、その水位が地下水の水位を上回らないように管理しているところです。
 また、発電所付近の地下水や海水について、定期的に放射能濃度の測定を行い、東京電力が公表しております。
 引き続き、関係者の皆様の御理解を得るべく、汚染水の管理に万全を期してまいります。
 福島県の甲状腺検査についてお尋ねがありました。
 御指摘の、福島県の甲状腺検査に関する結果については、専門家の見解では、原発事故によるものとは考えにくいとされています。
 一方、福島県の子供たちの生涯にわたる健康を見守ることを初め、住民の方々の長期的な健康管理を行うことは重要なことと認識しています。
 これまでも、政府としては、福島県が行う甲状腺検査を、財政面、人材面で支援しているところです。引き続き、真に必要とされる健康管理に対する支援に取り組んでまいります。
 世界一安心な国、世界一安全な国と原発再稼働についてのお尋ねがありました。
 原子力発電所に関しては、何より安全確保を最優先すべきものと考えています。
 東京電力福島第一原子力発電所事故も踏まえ、独立性の高い原子力規制委員会が設置されており、安全性についてはその専門的な判断に委ね、安全と認められない限りは、再稼働はありません。
 妥協することなく、たゆまぬ安全性、信頼性の向上を目指していく、安全規制、安全文化をつくっていく、そのために全力を挙げてまいります。
 再生可能エネルギーの普及と脱原発についてのお尋ねがありました。
 再生可能エネルギーの普及は、エネルギー安全保障の強化、低炭素社会の創出に加え、新しいエネルギー関連の産業創出、雇用拡大の観点からも重要です。
 このため、固定価格買い取り制度を着実に運用することに加え、予算、税制措置、規制改革などにより、今後三年間で、最大限、再生可能エネルギー普及を加速させてまいります。
 原子力を含むエネルギー政策については、まず、いかなる事態においても国民生活や経済活動に支障がないよう、エネルギー需給の安定に万全を期すことが大前提であります。
 この点、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするという前政権の方針はゼロベースで見直し、エネルギーの安定供給、エネルギーコスト低減の観点を含め、責任あるエネルギー政策を構築してまいります。
 その際、できる限り原発依存度を低減させていくという方向で検討してまいります。
 国際リニアコライダーの誘致についてお尋ねがありました。
 我が国は、世界最先端の加速器技術で世界のイノベーションを牽引していきます。その一環である国際リニアコライダーについては、大きな夢のある構想である一方、巨額の経費を必要とすることなどにも留意が必要と考えています。
 政府としては、まず、研究者レベルでの国際的な設計活動の進捗状況等を見定めながら検討していきます。(拍手)

発言情報

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発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2013-03-05

院: 衆議院

会議名: 本会議