中丸啓の発言 (本会議)
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○中丸啓君 心の真ん中に日の丸を。日本維新の会、中丸啓でございます。
会派を代表し、ただいま議題となりました、いわゆるマイナンバー法案につきまして質問をさせていただきます。(拍手)
我が党の基本理念は、自立する個人、自立する地方、自立する国家であります。地方の自立、国家の自立の基本は、国民の自立が根幹になければ実現できないと考えます。
本議題のマイナンバー法案は、その観点からも、成立すれば、各行政機関にばらばらに集積されることとなっている個人情報の全体像を本人がより正確に把握できることとなり、国等との間で受益と負担の関係がどうなっているかをみずから知り得る環境が整備されることとなって、個人の自立に資するものになると考えます。
他方で、行政側から見れば、法案成立によって、行政サービスの対象者への通知をしやすいなどの数多くの利点が考えられ、従来の、申請があってから初めて対応するという受け身の行政から、積極的行政への体質改善が期待できます。
その反面、行政による個人やその周辺への過度の介入が増加するのではないかという懸念も生じ得ることを考えなければなりません。そのためにも、導入へ向けて、しっかりと政府として説明責任を果たすことはもちろん、その結果に対する責任を持つという強い姿勢が求められます。
本日は、個人の自立、地方の自立の観点を中心に質問をさせていただきます。
これまでも、情報の電子化、効率化という名目でさまざまな施策がなされてまいりました。住基ネットを初め、e—Tax、運転免許証や渡航パスポートのIC化、保険、年金など、それぞれ、独立したナンバリングと管理に向けて、多くの労力と多額の税金が投入されています。
今回の番号制度の導入では、国のみならず、約千八百に上る地方公共団体、日本年金機構や医療保険者等の関係機関の既存業務、既存システムの大規模な改修を行う必要があり、相応のコストの発生が見込まれます。
具体的には、番号制度の導入に係る費用について、当初、政府は、社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会の中間取りまとめ、二〇一〇年六月二十九日において、一定の前提を置いた粗い試算として約六千億円を示していました。
その後、民主党の検討チームに対して、システム導入費用が五千億円以上、システム運用経費が年三百五十億円に上る一方で、行政コストが年二千三百億円削減されるとの試算が示された旨、二〇一一年十月十六日、報道機関により報道されています。
このようなことを前提に、まず、安倍総理に、その導入に当たっての所感と費用対効果の責任に対する御決意をお尋ねいたします。
我が日本維新の会の骨太方針にも示されていますが、世代ごとに受益と負担の関係をバランスよくさせるには、突き詰めていくと、個々人の資産を完全に把握する必要があり、将来的には、所得と資産の完全把握を目指すためのシステムを構築するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
新しき制度、新しき手法を導入することによって従来の制度がどのように処理されるのか、今後、一元化されたデータベースを基幹としたワンストップの仕組みを導入することによってどれだけの合理化が従来のシステムと比較して試算されているのか、そして、その進捗確認と結果に対する責任をどこの部署の誰が負うのか、甘利大臣の答弁を求めます。
次に、道州制の導入の観点で質問させていただきます。
日本維新の会は、自立する地方を理念に掲げ、中央省庁の再編を視野に入れた道州制を目指しております。
将来の道州制への移行を踏まえ、従来の電子化の反省を踏まえたこのマイナンバー法案可決後のシステムの導入に関して、可変性、拡張性、これらを考慮したシステム設計を考えなければならないと考えますが、第一に、地方の自立に反するようなシステム設計上の懸念はないのでしょうか。また、第二に、システム設計は、地方公共団体の現場の声を反映したものになっているのでしょうか。そして、第三に、これらの声に対して、これまでどのように応え、また、今後、どのように応え、具体的に明らかにしていくのか。
マイナンバーが、中央集権体質のもとでの都合のよい情報一元化であってはなりませんし、その目的が、中央政府によって地方と個人をコントロールしやすくするための方向づけされたものであれば、地方の自立という観点から、時代の流れに逆行するものと考えますが、いかがでしょうか。甘利大臣の答弁を求めます。
次に、番号制度の限界について質問をいたします。
平成二十三年六月三十日の、政府・与党による社会保障改革検討本部決定の社会保障・税番号大綱では、社会保障制度や税制等の諸制度の改革とあわせて番号制度を導入したとしても、例えば、全ての取引や所得を把握し不正申告や不正受給をゼロにすることは非現実的であり、また、番号を利用しても事業所得や海外資産・取引情報の把握には限界があることについて、国民の理解を得ていく必要がある旨が明記されています。
このように、番号制度の導入推進主体の政府みずからが番号制度の限界を認めています。
また、番号制度の導入により、効率性、公平性、透明性、利便性を享受することができるとされる一方で、個人情報の、国家による一元管理、外部への漏えいや濫用、不正利用、改ざん等による財産等への被害などが懸念されています。
今後、政府として、番号制度の限界の払拭へ向けて、具体的にどのような取り組みを行っていくのか、また、漏えい、不正利用、紛失の多くは内部者の故意によるものやヒューマンエラーによるものであるというこれまでの現実を踏まえて、その対策と責任の所在についてどのようにするつもりなのか、甘利大臣の答弁を求めます。
次に、番号制導入の諸外国での状況について質問いたします。
さきの大綱によると、例えば、古くから教会が住民管理をしていた歴史的経緯等から幅広い行政分野で単一の番号を利用しているスウェーデン、安全保障の要請から導入した韓国、戸籍や住民登録制度がなかったために社会保障番号を導入したアメリカ、国家による一元管理を回避するために情報技術を駆使したセクトラルモデルを採用したオーストリア、近年納税者番号を導入したものの他分野での利用や情報連携に慎重なドイツなどがあるとされています。
韓国などでは、成り済まし等の不正な利用が社会問題化されています。また、イギリスでは、労働党政権下で二〇〇六年三月に成立したIDカード法は、その後に発足した保守党と自由民主党の連立政権のもとで、二〇一〇年十二月に成立したID文書法によって廃止されています。
スウェーデンでは、共通番号は、当初から、一般に公開した形で全く制限なしに使われてきたため、税務を含むあらゆる行政機関、さらには、学生登録や電話代の請求書、預金やクレジット口座の開設、管理、医療給付、運転免許から定期券購入まで、幅広く多目的に利用されているのみならず、警察、課税庁、国家統計局など、それぞれが、あらゆる国民、住民の個人情報について、各人の共通番号を収集、データベース化して管理しており、また、各種民間機関も同様の状況にあるとされています。
このように、スウェーデンが共通番号制導入によるデータ監視社会化しているのは、高福祉・高負担政策のもとで、福祉の不正受給、課税漏れは絶対に許さないという考え方が背景にあるとされています。他方で、共通番号を一般に公開し、官民で汎用化したことから、成り済ましが急増しているとも言われています。
そこで、政府は、今回の番号制度の導入に当たり、諸外国の導入状況や問題の発生などを踏まえ、どのような検討を行い、また、想定される問題に対して、どのような対策を講じ、あるいは講じようとしているのか、十分な説明責任を果たす必要があると考えますが、安倍総理、いかがでしょうか。
いわゆるマイナンバー法案は、これからの我が国の情報管理に不可欠なものと考えますが、これまでの電子化の反省を踏まえ、国民に対して、政府はしっかりと説明責任を果たしてほしいと思います。
医療業界では、電子レセプト請求書の普及状況が既に九〇%を超えており、オンライン化も約七〇%近く既に進捗しています。こうした状況なども踏まえながら、既存の仕組みとの共有性、適切な情報管理、つまり、無理、無駄のない導入、安心できる情報管理と利用についても十分な配慮を行っていただきたいと思います。
マイナンバーは、今後、我が国の重要な社会インフラとなるものだけに、国民の理解をしっかりと得ながら改革へ取り組んでいただきたいということをお願いいたしまして、日本維新の会新人議員、中丸啓の質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕