平沢勝栄の発言 (本会議)

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○平沢勝栄君 自由民主党の平沢勝栄でございます。
 私は、自由民主党を代表しまして、ただいま議題となりました、憲法第五十九条第二項に基づき、衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の本院議決案を議題とし、直ちに再議決すべしとの動議につきまして、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 一票の格差が二・三〇倍あった四年前の衆議院総選挙につきまして、平成二十三年、最高裁は、違憲状態との判断を下しました。昨年十一月十六日、解散の日にようやく緊急是正措置としての〇増五減法が成立しましたが、新たな区割りが間に合わず、さきの総選挙では、格差が二・四三倍にまで拡大したところであります。
 この昨年末の総選挙をめぐり、全国の高裁で審理されてきた、個人訴訟を含む十七件の格差訴訟においては、腰の重い国会に対して、選挙無効までをも含む厳しい判断が繰り返され、早急な見直しを求められているところであります。最終的には最高裁の判断が示されることになりますが、今、まさに、国会は崖っ縁に立っていると言わざるを得ません。
 定数削減や選挙制度改革はもちろん重要ですが、各党間の協議が難航する課題まで含めて議論していては、今違憲状態にある格差の是正が遅々として進みません。緊急避難の策として、まずは一票の格差是正のための〇増五減を優先し、速やかに実現すべきであります。
 今回の法律案は、民主党やみんなの党や維新も賛成して成立した〇増五減を軸とする緊急是正法をもとに、それに政治的な意思を加えないで事務的に区割りを見直す内容であります。
 我々は、喫緊の課題として早期の成立を主張し、事態の深刻さを懸念する伊吹議長もあっせんに乗り出して、国会の責任を指摘し、立法府のみならず、国家の統治機構の正当性に対しても憂慮の念を示されましたが、残念ながら、民主党の理解が得られませんでした。
 我々は、与党の責任として委員会審査と本会議上程を行い、法案の賛否にかかわらず欠席を潔しとしない野党の協力を得て、委員会においてはみんなの党と共産党の出席を、そして本会議においては維新の会を除く党の出席をいただき、粛々と議事を進めたところであります。
 ところが、四月二十三日に衆議院を通過した後、この法案は、長期間にわたって放置されてきました。参議院において、みんなの党が提出した、いわゆる十八増二十三減の法案を付託して、あわせて審議すべきであるとの主張が野党からなされ、審議入りが大幅におくれたからであります。
 我々は、衆議院の選挙制度に関して、参議院で、しかも一党が単独で提出した法案を衆議院を差しおいて審議すべきではないとの立場から、十八増二十三減案をあわせて審議することに反対してきました。
 もとより、〇増五減と十八増二十三減は、どちらかを選ぶ択一的な問題ではありません。〇増五減は昨年の緊急是正措置に基づくものですが、十八増二十三減は、区割り審が行ってきた作業と勧告、それに基づいた法案が既に衆議院を通過しているといった状況を無視して、時計の針を戻そうとするものであります。
 両案については、六月十日に参議院の議長あっせんがなされ、法案の付託がなされましたが、参議院の倫選特委員長の公正さを欠く運営によりまして、審議入りが果たされないまま、まことに残念ながら、参議院の意思が示されることなく、六十日が過ぎ去ってしまったのであります。
 皆さん、よく考えてください。日本国憲法が前文で掲げる「正当に選挙された国会における代表者」とは何でしょうか。一連の司法の判断を通して、今、その根源的な問いが我々に突きつけられているわけです。民意が正しく反映された選挙なくして、どうして国会が国権の最高機関たり得るでしょうか。
 事態は、違憲か合憲かの段階を通り越して、有効か無効かにまで迫りつつあります。
 伊吹議長は、あっせんの際に提示した「現状認識」におきまして、仮に選挙結果が無効との判決になれば、当該選挙区議員の失職か全議員の失職かは議論がありますが、新しい区割りが確定していない限り、再選挙を行う選挙制度そのものが存在しないことになる、そしてこのことは、衆議院の機能停止だけでなく、当該国会の指名に基づき任命される内閣総理大臣、そのもとで構成され行政権を行使する内閣、その内閣の指名に基づき任命される最高裁判所長官のおのおのの正当性を揺るがすことになり、日本国の統治の根幹にかかわる事態を招来するおそれがあると憂慮されておられます。まさに指摘のとおりであり、これ以上、立法府が怠慢を続けるわけにはいきません。
 日本国憲法は、国会が二院制であるがゆえに、衆議院と参議院で議決が異なる事態が生じることを予定しており、それぞれの議決が異なった場合の衆議院の優越規定を設け、弊害を回避することにしております。
 法律案については、憲法第五十九条において、「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる」、そして「衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる」と明確に規定されているのであります。
 民主党政権は、抜き差しならない違憲状態を放置してきました。我々は違います。政権与党の責任は、違憲状態を含むさまざまな弊害を解消し、政治を前に動かすことにあるからであります。
 たとえねじれ国会にあっても、我々に求められているのは、国民の生活、我が国の将来、国会が果たすべき役割に思いをいたし、的確に、遅滞なく、国会議員としての判断を下すことであります。決められない政治を引きずり、いたずらに国会の意思決定に時間をかけるのであれば、最大の被害者は国民であります。
 動かない政治を動かすため、そして何よりも、一刻も早く違憲状態を解消して立法府の健全な姿を取り戻すためにも、我々は、憲法に定められた規定に従い、この権限を粛々と行使すべきであります。
 本院議決案を直ちに再議決すべしとの動議に対し、良識ある議員諸君から圧倒的多数の御賛同をいただきますよう強くお願いして、私の賛成討論といたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 平沢勝栄

speaker_id: 31602

日付: 2013-06-24

院: 衆議院

会議名: 本会議