河戸光彦の発言 (決算委員会)

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○検査官(河戸光彦君) 会計検査院は、国会法第百五条の規定に基づき平成二十一年六月二十九日、二十三年十二月七日、二十四年八月二十七日及び九月三日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告の要請がありました「牛肉等関税を財源とする肉用子牛等対策の施策等について」等の計七事項につきまして、関係府省、関係独立行政法人等を対象に検査を行い、会計検査院法第三十条の三の規定に基づき二十四年四月十二日、十月四日、十七日及び二十五日にその結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 最初に、「牛肉等関税を財源とする肉用子牛等対策の施策等について」を御説明いたします。
 この報告書は、二十二年八月二十五日に提出しました報告書におきまして、引き続き検査を実施して、取りまとめができ次第報告することとしておりました事項に関するものでございます。
 検査しましたところ、肉用子牛生産者補給金制度において、生産コストの低減等により保証基準価格が合理化目標価格まで下がれば肉用子牛等対策の目的を達成することになるのに、保証基準価格と合理化目標価格の乖離は制度開始当初と比較していずれの品種においても広がっておりました。また、二十二年度の飼料自給率は二五%となっており、三年度と比較すると一ポイント低下し、食料・農業・農村基本計画における二十二年度の目標値三五%に達していない状況となっておりました。そして、検査を実施した各事業において、適切とは認められなかったり、効率的、効果的になっていなかったりする事態が見受けられました。
 次に、「年金積立金(厚生年金及び国民年金)の管理運用に係る契約の状況等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、年金積立金の管理運用に係る業務の状況については、第二期の中期計画において定められた第一期の基本ポートフォリオの暫定利用が二年以上に及んでいたり、契約方式等の状況については、運用受託機関の選定の過程の妥当性を事後的に検証することが困難となっていたり、委託先機関における運用実績の状況については、運用実績が低迷しているファンドが見受けられたりなどしておりました。
 次に、「公共土木施設等における地震・津波対策の実施状況等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、災害予防対策に資するための施設に係る事業である河川、海岸、砂防、下水道、治山、農業農村整備、集落排水各事業において、ライフライン機能等の安全性を損なうような事態や、災害に対する応急復旧活動に資するための施設に係る事業である道路整備、港湾整備、公園、漁港整備各事業において、災害発生直後から必要な救助活動等に支障が生ずるおそれのある事態が見受けられました。
 次に、「公共建築物における耐震化対策等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、壁や柱等の構造体、天井材や建具等の建築非構造部材及び電力供給設備等の建築設備の全てを対象とした耐震化率は、官庁施設の特定建築物規模相当の建築物で約六割にとどまっており、また、ソフト面からの地震減災対策として位置付けられている業務継続計画について、所在地域の実情に合わせた被害想定等に基づいて策定されていないなどの事態が見受けられました。
 次に、「独立行政法人における不要財産の認定等の状況について」を御説明いたします。
 二十三年度末における全独立行政法人百二法人を対象として検査しましたところ、事業用の土地及び建物並びに宿舎の跡地等が有効に利用されていないなどの事態、使用を想定していない現金預金が留保されていた事態、利息を全く受け取れなかったり、償還等までの期間が中期目標期間を大幅に超えたりしている仕組み債等を保有している事態、実物資産の売却及び敷金等の返戻による収入が法人内部に留保されている事態、有価証券の譲渡に際し競争性が確保されていない事態、有価証券の譲渡収入を国庫納付する際に簿価超過額が法人内部に留保されている事態、固定資産売却損を計上することにより法人内部に資金が留保されている事態等が見受けられました。
 次に、「三菱電機株式会社等による過大請求事案について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、三菱電機株式会社等が、防衛省、独立行政法人宇宙航空研究開発機構、内閣情報調査室内閣衛星情報センター、独立行政法人情報通信研究機構又は総務省と締結した契約において、他の契約から実績工数の一部を付け替えたり、防衛省等の制度調査や原価監査等が有効に機能するものとはなっていなかったりなどしていました。
 最後に、「東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、東日本大震災復旧・復興事業に係る経費項目別の執行状況では、一般会計における執行率は六〇・六%となっていました。また、被災市町村における復興事業等の実施状況は、市町村によって大きな差が見受けられ、一部の市町村は、各種業務に対応するための人的支援等を要望していました。
 以上の報告事項について、会計検査院としては、公共土木施設等における地震・津波対策の実施状況等、公共建築物における耐震化対策等、三菱電機株式会社等による過大請求事案及び東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等につきましては、引き続き検査を実施して、検査の結果につきましては、取りまとめができ次第報告することとしております。また、その他の報告事項につきましても、今後とも多角的な観点から引き続き検査を実施していくこととしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。
 次に、会計検査院は、会計検査院法第三十条の二の規定により国会及び内閣に対して、平成二十四年七月三十日、九月二十七日、十月四日、十一日及び十七日に計十一件の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 最初に、地方債の元利償還金に係る普通交付税の算定について総務大臣に対して処置を要求したものを御説明いたします。
 普通交付税の算定に当たりましては、地方債の実際の元利償還金の一定割合が財政需要の額に算入されております。また、地方団体等は、年利五%以上の旧資金運用部資金等の公的資金について、平成十九年度から二十一年度までの間に補償金が免除された繰上償還を行うことができることとされております。この補償金が免除された繰上償還に係る地方債の元利償還金を算入した公債費等に係る財政需要の額について検査いたしました。
 検査の結果でございますが、十県及び百二十三市町村は、公的資金に係る補償金免除繰上償還を実施した後、当該償還額の大半について、新たに地方債を発行し、より低い金利で市中金融機関等から借り換えており、実態として発生していない利子支払額に基づく元利償還金を財政需要の額に算入していることから、総務省に対して改善の処置を要求いたしました。
 次に、T7初等練習機の委託整備費用の執行について防衛大臣に対して意見を表示したものを御説明いたします。
 T7初等練習機は、平成十二年に行われた総合評価落札方式による一般競争入札を経て、調達することが決定されたものです。この総合評価の際に示された富士重工業株式会社の提案内容が維持運用に係る契約に適切に反映されているかなどについて検査いたしました。
 検査の結果でございますが、委託整備費用の実績額が富士重工業株式会社の提案経費に比べて多額に上っているのに、防衛省において、委託整備費用の執行状況を適切に把握しておらず、富士重工業株式会社の提案内容と整備作業の実態を的確に把握、分析するなどして、その結果を委託整備に係る契約に適切に反映させるための取組を十分に行っていない事態が見受けられたことから、防衛省に対して適切な取組を行うよう意見を表示いたしました。
 次に、スポーツ振興基金の有効活用について文部科学大臣に対して意見を表示したものを御説明いたします。
 文部科学省は、平成二年度に独立行政法人日本スポーツ振興センターに二百五十億円を出資しております。そして、センターは、これに民間からの出捐金を加えて運用型の基金としてスポーツ振興基金を設置し、その運用益等を財源としたスポーツ振興基金助成を行う一方で、スポーツ振興投票の収益を財源としたスポーツ振興くじ助成等の助成業務を行っております。そこで、振興基金の運用状況等について検査いたしました。
 検査の結果でございますが、振興基金の運用益は当初に比べて大きく減少し、これに伴い基金助成の助成額も減少しております。一方、スポーツ振興くじ助成の助成額は、この五年間で飛躍的に増加するなどしております。したがいまして、文部科学省において財政資金の有効活用を図るよう意見を表示いたしました。
 次に、「消費税の簡易課税制度について」を御説明をいたします。
 消費税法においては、中小事業者の事務負担に配慮して、事務の簡素化を図るために、課税売上げに係る消費税額を基礎として、課税仕入れに係る消費税額を、事業者の営む事業の区分に応じたみなし仕入れ率を用いて計算できる簡易課税制度が設けられております。そこで、簡易課税制度について、有効性等の観点から、有効かつ公平に機能しているかなどに着眼して検査いたしました。
 検査しましたところ、みなし仕入れ率が全ての事業区分において課税仕入れ率の平均を上回っていたり、多くの簡易課税制度適用者において、簡易課税制度を適用した課税期間の消費税納付率の方が、本則課税を適用した課税期間の消費税納付率より低くなっていたり、納付消費税額が低額となっている簡易課税制度適用者の中には、多額の課税売上高を有するような規模の大きな事業者も含まれていたりするなどの状況が見受けられました。
 会計検査院としては、今後とも、簡易課税制度を含む消費税全般について引き続き注視していくこととしております。
 次に、「東日本大震災等の被災者を救助するために設置するなどした応急仮設住宅の供与等の状況について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、被災者に対する応急仮設住宅については、民間賃貸仮設住宅が過去に例のない規模で供与され、建設仮設住宅と比較すると、早期に供与され、費用も低額となっていました。しかし、災害救助法に基づく救助は現品による供与が前提とされているため、被災自治体が多大な事務負担を強いられるなどしていて、複数の県等から、被災者が支払う家賃等に対して金銭を支給する選択肢が認められる必要があるとの意見が会計検査院に対して示されました。一方、金銭の支給については、様々な課題があることから、それらの解決を図る必要があると思料されました。
 会計検査院としては、今後も、被災七県における応急仮設住宅の供与等の状況等について引き続き注視していくこととしております。
 次に、公的研究費の不正使用等の防止に関する取組について文部科学大臣に対して処置を要求し及び意見を表示したものを御説明いたします。
 検査しましたところ、研究機関等において、研究者が取引業者に直接研究用物品を発注する場合等における業者選定に関する事務部門の牽制が機能する仕組みを導入していなかったり、補完的な措置を十分に講じないまま検収業務を省略して一部の研究用物品を購入していたり、効果的な監査手法の導入など実効性のある内部監査が十分に実施されていなかったりなどしている事態が見受けられました。したがいまして、文部科学省に対して、改善の処置を要求し及び意見を表示いたしました。
 次に、「地震・火山に係る観測等の実施状況について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、一部の地方公共団体において、近接する気象庁等の観測機器の利用について十分に検討することなく観測機器を更新していたり、国土交通省において地震直後の初動体制の決定に資することを目的として独自の観測ネットワークを整備している一方で、気象庁の情報により初動体制を決定したりしておりました。また、災害時の停電等に対する観測機器等の支障対策が、気象庁へ観測データを提供している機関によって区々となっておりました。さらに、全国瞬時警報システムについて、その整備目的が一部の市町村において達成されていない事態や、一連の訓練の実施状況が低調となっているなどの状況が見受けられました。
 会計検査院としては、今後も、関係機関における地震、津波及び火山の観測等の実施状況等について引き続き注視していくこととしております。
 次に、「グリーン家電普及促進対策費補助金等の効果等について」を御説明いたします。
 エコポイント事業について検査しましたところ、地球温暖化対策の推進については、省エネ性能の高いグリーン家電の普及には寄与していたと認められました。しかし、二酸化炭素削減効果については、環境省等は二百七十三万トンとしていましたが、会計検査院の試算によると二十一万トンという結果になりました。また、事業の実施前後における二酸化炭素排出量の増減実績を試算したところ、一年当たりの総排出量が最大で百七十三万トン増加していた結果となりました。なお、事業の効果のうち、経済の活性化及び地デジ対応テレビの普及については一定の効果があったと思料されました。
 会計検査院としては、地球温暖化対策の推進について、二酸化炭素排出量の削減に関する事業の実施について、今後とも多角的な観点から引き続き検査していくこととしております。
 次に、「郵便事業株式会社の経営状況について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、郵便事業株式会社は、平成二十一年度に特別損失を計上した後、二十二、二十三両年度に営業損失を計上したことにより、二十三年度末時点において百二十九億円の繰越欠損金を計上していました。この主な要因は、日本通運株式会社との共同出資によりJPエクスプレス株式会社を設立し、その後、同社から宅配便事業を承継したことにより、宅配便事業の収支が悪化したことによるものでした。具体的には、郵便事業株式会社の宅配便事業をJPエクスプレス株式会社に承継させることができなかったことから、投入した費用が結果的に過大なものとなってJPエクスプレス株式会社の経営を悪化させたこと、人件費や集配運送委託費が増大していたことなどによるものでした。
 会計検査院としては、日本郵便株式会社に投じた資本金が毀損していないか、また、ユニバーサルサービスとしての郵便事業が適切に実施できるように郵便事業等が健全に経営されているかなどについて引き続き注視していくこととしております。
 次に、「人事・給与等業務・システム、調達業務の業務・システム並びに旅費、謝金・諸手当及び物品管理の各業務・システムの三の府省共通業務・システムにおける最適化の進捗状況等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、三の府省共通業務・システムは、当初の最適化計画が順次改定されるなどしており、これに伴い参加府省等の運用開始が遅延していて、最適化効果の発現が遅延しているだけでなく、初期開発や企画段階に係る資料が保存されていないため、担当府省と参加府省等との間でどのような確認、合意等が行われていたのか確認できず、担当府省として十分な説明責任を果たしていなかったり、連携する他の府省共通業務・システムの最適化効果の発現に影響を与えたりなどしておりました。
 会計検査院としては、三の府省共通業務・システムの最適化が円滑に進捗し、最適化効果が早期に発現するよう、今後とも引き続き注視していくこととしております。
 最後に、人事・給与等業務・システムの最適化の状況等について内閣総理大臣及び人事院総裁に対して意見を表示したものを御説明いたします。
 検査しましたところ、人事・給与等業務・システムにつきましては、参加府省等における運用が安定しておらず、最適化効果の発現が大幅に遅延していたり、移行経費を最適化の実施に係る投資額として計上していなかったりなどしておりましたことから、人事院において、参加府省等と人事・給与等業務・システムの改修の優先順位等を調整の上、引き続き改修に努めるとともに、移行作業について参加府省等と十分情報共有を図って移行支援を実施するなどし、また、内閣官房において、人事院への助言を含む総合調整を行うよう意見を表示いたしました。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。

発言情報

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発言者: 河戸光彦

speaker_id: 11133

日付: 2013-05-20

院: 参議院

会議名: 決算委員会