松田公太の発言 (憲法審査会)
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○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
新しい人権に関して、みんなの党の意見を申し述べます。
まず、みんなの党は、統治機構の改憲を掲げております。すなわち、主権者である国民の意思を反映し、時代の要請に即した憲法を保持していくべく、一院制、首相公選制、地域主権型道州制、政党規定の新設、重大事案についての国民による直接投票制度の創設、改正手続の簡略化などを主張しております。
さらに、近時、九十六条の先行改憲論が各所で議論されておりますが、みんなの党は、九十六条の改正自体を否定するものではないものの、その前にやるべきことがあると考えております。
この立場は、新しい人権との関係でも極めて重要な意味を持ちます。と申しますのも、既に判例上、実質的に憲法上の権利として認められているプライバシー権や、自由権としての知る権利を例に挙げるまでもなく、憲法上の人権も無制限に保障されるものではなく、公共の福祉による制約が課せられます。もちろん、法律上の権利と憲法上の権利は次元を異にするものではありますが、仮に新しい人権が憲法上規定されたとしても、この事実は変わりません。
では、誰が制約を課すのかというと、立法権を持つ国会であり、行政権、更に言うと広範な裁量権を持つ官僚機構なのであります。
しかし、さきの衆議院選挙は、高裁レベルとはいえ違憲判決が続出している状態であり、政府が提出している〇増五減区割り法案でも一票の格差が実質的には二倍以上となる選挙区が多数生じることが明らかです。ちなみに、みんなの党は、応急措置的には〇増五減より有効な十八増二十三減を提案させていただいております。さらに、現在の官僚主導の政治においては、憲法上の権利さえ恣意的な解釈により制限され得る状態にあるのです。
このように、憲法改正以前の問題が我が国には横たわっております。国家という車のモデルチェンジをする前に、新しい車が実際に走ることができるように中枢の機能を開発しておかなければなりません。規範や建前は、実態や本音のルールが確立していないと空回りしてしまうものでございます。まずは現行憲法の規範を徹底する、そこが議論のスタートであろうかと思います。
このような観点からも、みんなの党が昨年の四月に発表いたしました憲法改正の基本的考え方において、新しい人権については言及しておりませんでした。しかし、日本国憲法施行から六十六年、時代の流れとともに、現実とのそごや不都合が生じ、新しい人権概念が求められる可能性は否定しません。
特に、環境権については、公害が顕在化したのは高度経済成長期以降で、憲法制定時には想定されていなかったものです。公害で苦しむ人たちにとって、立法措置を待たなければ救済の道がなかなか開かれてこなかったのは事実であり、東京電力福島第一原子力発電所事故以降、環境権の条文化を望む声が一段と高まるもので、自然な流れであると言えます。
一方で、近時の憲法改正論は、国民の権利を制限し、さらには義務規定を増やす方向での論調も多々見られます。しかし、憲法は、国家権力を統制し、国民の人権を守るものであります。新しい人権を議論する際にもこの前提を決して忘れてはなりません。
以上のように、新しい人権についても論点が多々あり、立法措置で十分なのか、憲法に明記すべきものなのかは今後更に議論を深めていかなくてはなりません。
以上をもって、みんなの党の意見表明とさせていただきます。