鈴木宣弘の発言 (国際・地球環境・食糧問題に関する調査会)
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○参考人(鈴木宣弘君) まず、食料自給率を上げていくための方策、ポイントということでございますが、まず食料自給率がなぜ下がってきたのかという理由を考えますと、それは農産物の関税をどんどん日本は下げてきたということ、それから国内の農業支援策をどんどん切ってきたということによってもたらされていると。
そのために、実は日本の農業は過保護だというふうに一般には言われていますが、これは間違いだと思います。逆に、世界の農業に対する戦略的な支援から比べれば日本の農業は非常に所得が不安定な状態に置かれていると。
それは、直接支払という形の所得の補填割合は、日本では農業所得の二割にも満たない、しかし、例えばヨーロッパではこれが九五%も占めていると。それから、お米とかが価格が下がったときに、政府がそれを支えるために買い取ってそれで補助金を付けて援助したり輸出するというふうな、こういうふうな販路というか、はけ口をきちんと準備するのが世界の常識でございます。が、日本はそれをやめました。アメリカもカナダもヨーロッパ各国も、米も小麦も全て下がったら政府が無制限に買い上げます。そして、補助金を付けて処理します。それがまた食料戦略でもあるわけですね。どんどん作ってそれを世界に売っていくことで、あるいは援助することで、そして一番安い武器で世界をコントロールするんだというような考え方、アメリカに象徴されるような考え方、そういう食料戦略が日本にはないということが一番の問題です。
だから、過保護だから自給率が下がったんでなくて、戦略的な支援が足りないから自給率が下がったんだというふうに考えますと、それをもう一度再構築するということが必要です。ですから、これ以上関税を下げるということをまずやめて、国内の政策についてももう一度支援体系を戦略的に見直すと、具体的な話はちょっとここでは省略させていただきますが、そういうふうな方向が本質的に必要なんだということを申し上げたいと思います。
それから、水収支が非効率になると、米がほとんど日本で作れなくなって、バーチャルウオーターでいうと二十二倍の水が節約されるということは、比較的水が豊富な日本で水が節約されますけれども、先ほど紙先生も御指摘のあったように、それはカリフォルニアやオーストラリアや中国の東北部でその分の米生産を増やしていただくということになりますから、その辺りは、国々、その地域は既に水の不足で砂漠化が生じているわけでございますので、そういうところでそういうふうな砂漠化を更に進行させる、あるいはほかの分野との水の競合をもたらすということで、大変世界の水収支、いろんな面に迷惑を掛けるという意味合いでございます。
御指摘ありがとうございます。