小渕優子の発言 (国民生活・経済・社会保障に関する調査会)

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○副大臣(小渕優子君) 財務副大臣の小渕優子でございます。
 本日は、我が国の税財政につきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 皆様のお手元に税財政についてという資料を用意させていただいていますので、そちらを御覧になりながらお願いをいたします。
 まず、一ページをお開きください。初めに、我が国の一般会計の歳出、税収及び公債発行額の推移を御覧ください。我が国の財政状況は、バブル経済崩壊以降約二十年の間、赤い線で示されている歳出が青い線で示されている税収を大きく上回る状態が続き、その差は年々拡大をしています。
 二ページです。また、慢性的に歳出が税収を大きく超過する財政運営を続けてきた結果、我が国の公債残高は年々増加の一途をたどっています。
 三ページです。ここでは、先月二十九日に政府で決定いたしました平成二十五年度予算概算の姿をお示ししております。平成二十五年度の予算は、予算の中身を見直して重点化し、公債発行額をできる限り抑制した結果、税収が公債金を上回る状態を四年ぶりに回復させるなど、引き締まった予算とすることができました。一方で、非常に厳しい財政構造は近年と大きく変わるものではありません。歳出面を見ると、社会保障関係費、地方交付税交付金、借金の元利払いに充てられる国債費が歳出全体の約七割を占めており、歳入面では、税収で賄われているのは歳入のうち五割に満たず、五割弱は借金に依存をしています。
 四ページです。主要先進国間で比較をしても、我が国の財政状況の深刻さは明らかです。左の表の財政収支を見ると、二〇〇八年のリーマン・ショック時に各国の財政収支が一斉に悪化した後、日本以外の国が順調に回復したのに対し、日本だけは財政収支悪化が継続をしています。右の表の債務残高を見ても、各国とは段違いの水準にあることが御理解いただけると思います。
 五ページです。御説明してきたような厳しい財政状況に陥っている我が国は、二〇一五年度までに国、地方のプライマリーバランスの赤字の対GDP比を二〇一〇年度の水準から半減し、二〇二〇年度までに黒字化するとの財政健全化目標を掲げています。この目標はG20サミット宣言等でも国際公約となっているところです。国債の信認を確保し、財政の持続可能性を維持するためには、この財政健全化目標を守り続けることが極めて重要です。
 六ページです。次に、我が国の財政のうち、社会保障が抱える課題について御説明をさせていただきます。
 我が国の社会保障制度が整備された一九六〇年代から七〇年代と現在では、経済成長率や人口構成が大きく変化をしています。特に、少子高齢化の進行により、社会保障を支える側と支えられる側の関係が激変をしています。一番下の二重枠で囲った数字を御覧いただくと、一九六五年時点では一人のお年寄りを九人の若者で支えていましたが、足下では二人から三人の若者で一人のお年寄りを支えるようになり、二〇五〇年にはおおむね一人の若者が一人のお年寄りを支える超高齢社会が到来すると見込まれています。成長率が高く人口構成も若かった時代に構築された社会保障制度について、経済社会情勢の変化に合わせて改革を行うことで制度の持続可能性を確保することが重要であります。
 七ページをお開きください。一般会計の主要会計別の支出額の推移を見ますと、少子高齢化の進展に伴って社会保障関係費が大幅に増加する一方で、公共事業関係費を始めとする経費が抑制をされています。
 八ページです。また、ここ二十年余りの公債残高の累増の要因を分析すると、左のグラフで見ていただくと、青い部分が表しますように、近年では社会保障関係費の増加が公債残高累増の主要因となっており、平成二年度末以降の公債残高増加額のおよそ三分の一は社会保障関係費の増加によるものとなっています。
 九ページをお開きください。さらに、社会保障支出とそれ以外の支出の規模について国際比較をすると、我が国では、この真ん中のグラフのように、社会保障支出の規模が低位から中位に上がる一方で、右のグラフは社会保障以外の支出はOECD諸国中最低の水準にまで減少をしています。
 十ページです。社会保障の給付を見ますと、急速な高齢化の進展により、給付が経済の伸びを大きく上回って増加している現状にあります。社会保障給付費は一九九〇年度から二〇一二年度で二倍以上に増加しており、その財源内訳を見れば、同期間で社会保険料負担の増加が約一・五倍にとどまり、社会保障給付費の伸びを下回っているのに対し、社会保障給付費の国や地方による負担である公費負担は実に二・五倍に達しています。
 このように、我が国の社会保障制度の特徴は、社会保険料による支え合いを前提とする社会保険方式を取りながらも、社会保険料負担の伸び以上に公費負担への依存が増している点にあります。しかも、公費負担の財源について、税収だけでは賄い切れず、特例公債を通じた将来世代への負担の先送りが続けられてきたことで社会保障が我が国財政に大きな負荷をもたらしています。
 十一ページをお開きください。加えて、今後も高齢化の進展に伴い社会保障給付は急激に増加することが見込まれており、厚生労働省の推計によると二〇二五年度には百五十兆円弱に達すると見られています。給付の増加は社会保険料負担や公費負担の増加につながり、税、社会保険料を通じた国民負担の増加に直結することになります。社会保障給付が際限なく増加することにより国民負担がいたずらに増加することを避けるためにも、税や社会保険料を負担する国民の立場に立って社会保障の重点化に取り組む必要があります。
 十二ページです。これまで述べた社会保障をめぐる課題も踏まえ、社会保障・税一体改革においては、消費税率の引上げを行い、その全額を社会保障財源化することにより安定財源を確保した上で社会保障の充実と安定化に取り組むこととしています。
 十三ページです。社会保障の充実については、消費税率引上げによる増収分のうち約一%程度、二・七兆円程度を用いて実施するという考え方がこれまで政府で説明されてきたところです。この二・七兆円程度の公費負担の追加については、社会保障の充実、三・八兆円程度と、社会保障の重点化、効率化、マイナス一・二兆円程度を併せて実施することが前提とされています。
 引き続き三党間の協議を進めるとともに、社会保障制度改革推進法に基づき、社会保障制度改革国民会議で精力的に議論をするなど、改革の具体化に向け取組を進めてまいります。
 以上が財政関係になります。
 続きまして、消費税率の引上げと国民生活の関係について御説明をさせていただきます。
 十四ページです。まず、経済動向との関係についてです。昨年八月に成立した税制抜本改革法では、二〇一四年四月及び二〇一五年十月に消費税率を引き上げることが決まっていますが、あわせて、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点などから、いわゆる景気弾力条項、附則第十八条が設けられています。この規定による経済状況等の総合的な判断については、引上げ実施時期の半年前に行うこととしています。
 政府としては、予定どおりに消費税率を引き上げることができるよう、我が国経済を全力を挙げて立て直していく考えです。
 十五ページです。次に、国民生活への影響について、対消費者という観点で大きな論点は低所得者対策です。資料十五ページにありますように、税制抜本改革法では給付付き税額控除と複数税率が共に今後の検討課題とされ、消費税率八%段階から簡素な給付措置を実施することとされています。
 十六ページです。今般の与党税制改正大綱では、消費税率の一〇%引上げ時に軽減税率制度を導入することを目指すとされた一方、そのための様々な課題について速やかに協議を開始し、本年十二月までに関係者の理解を得た上で結論を得るものとするとの方針が示されたところです。
 この趣旨を踏まえて、低所得者対策に関する様々な課題について、与党における検討状況も踏まえながら、政府としても検討を行ってまいりたいと考えています。
 資料十七ページをお開きください。続きまして、事業者に与える影響という視点から転嫁対策について御説明いたします。
 今回の一体改革では、二度にわたり消費税率を引き上げることから、中小事業者の方々を中心に価格への転嫁に対する懸念の声が多く寄せられています。このため、次のページ、十八ページにもありますが、財務省としても、あらゆる機会を通じて、今後、消費税収は社会保障財源として国民に還元されるという一体改革の意義に加え、消費税は価格への転嫁を通じて最終的に消費者に御負担いただく税であるということを御説明し、国民に御理解いただけるよう、他省庁とも連携しつつ広報に努めていく必要があると考えています。
 また、公正取引委員会や中小企業庁などを中心に、力の強い事業者による転嫁拒否行為を取り締まるための立法措置、転嫁状況に対する大規模な調査など、転嫁拒否行為の防止に向けた種々の取組について検討が進められていると承知をしています。
 十九ページです。今般の与党税制改正大綱においても、強力な実効性のある転嫁対策を実現するとの方針が示されたところであり、今後、政府一丸となって、事業者の方々の不安を払拭できるよう、転嫁対策の具体化に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 二十ページです。このほか、消費税率の引上げと国民生活との関係では様々な論点がありますが、二十五年度税制改正法案の中で対応を行うことが決まっているものとして、住宅にかかわる対策があります。
 住宅については、税制抜本改革法において、消費税率引上げ前後の駆け込み需要とその反動を緩和する観点から対策を講じる旨が規定されていたところです。今回の税制改正におきましても、住宅需要の反動減が最も大きいとされる時期に過去最大規模の住宅ローン減税を実施することとしています。
 二十一ページ、そして二十二ページを御覧ください。また、例えば退職金などを使って自己資金で優良な住宅を購入する場合の減税措置や、省エネ、バリアフリー、耐震などのリフォームをする場合の減税措置についてもそれぞれ拡充をしているところであります。
 以上をもちまして、簡単ではありますが私の説明とさせていただきます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 小渕優子

speaker_id: 34054

日付: 2013-02-06

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済・社会保障に関する調査会