藤田幸久の発言 (本会議)

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○藤田幸久君 民主党・新緑風会の藤田幸久です。
 私は、会派を代表して、安倍晋三総理の所信表明に関連した質問を行います。
 まず冒頭、アルジェリアで起きたテロ武装勢力による襲撃事件で犠牲になられた方々に心からの哀悼の意を表し、御家族や関係者の方々に深くお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 今回の事件は、日本人十名が亡くなるという許されない事件でした。今後、こうした事件を防ぐ方策として重要な点は、多角的、重層的な情報収集とその戦略的な活用です。この事件も、昨年のクーデター発生後のマリ北部でのアルカイダ勢力の台頭、フランスによるマリへの空爆とこれらに反発する国際テロ組織による警告など、テロの可能性を想定し得る情報もありました。在外の大使館からこうした戦略的、地政学的情報が外務省に送られていたのか、また、そうした情報分析が企業側に伝えられていたのかを総理に伺います。
 二〇〇四年のイラクにおける日本人五名の人質事件の際、民主党は、事件直後から日本政府に対する支援を申し出るとともに、国際局長である私を隣国ヨルダンに派遣し、私は宗教指導者などを通じた救出活動の支援を行いました。現地に飛んでいた逢沢一郎外務副大臣に私の方からも情報提供を行いました。幸い、五名ともイラクの宗教指導者に引き渡され、無事解放されました。その後、イラクでは度々人質事件が発生しましたが、その都度、総理官邸から民主党代表に対して情報共有がなされるようになりました。
 今後、ほかの先進諸国と同じように、官邸と野党第一党代表との間で、テロ、自然災害、金融や為替情報などを共有するシステムを構築することが重要です。野党側がこれを政治利用しないこと、機密保持を厳守することはもちろんです。さらには、政権移行時の引継ぎプロセスの確立など、政治変動や対立が国民生活にもたらすダメージを最小化する努力を与野党の協力で進めるべきと考えます。赤字公債を予算成立と同時に発行できるようにした合意や、東日本大震災直後に茨城県では震災復旧陳情を全ての政党の国会議員が一緒に行う協議会を設立した例などもございます。
 こうした提案に対する安倍総理の見解を伺います。
 本日二月一日、地下貯蔵タンクの油漏れ対策の義務化の猶予期限が切れます。最近、廃業するガソリンスタンドの悲劇が報道され、スタンドがなくなった町や灯油が調達できない雪国など、ガソリン難民、灯油難民などの言葉も聞かれます。東日本大震災で多くの人命を救った地場のスタンドが規制強化のために廃業することは、災害時の燃料供給上大きな問題ではないでしょうか。
 そこで、地元の強い要請を受けて廃業せずに継続しようというスタンドに対しては、申請期限が過ぎても受け付けるよう配慮すべきではないでしょうか。また、二十四年度予備費で漏えい防止対策義務付けが必要な地下タンクへの補助金の対象となるのは四千店ほどで、いまだに二万一千店分が残ると言われています。これらに対する予算措置をどうするのか、伺います。
 スタンドは、平成六年の六万店をピークに現在三万七千店までに減少し、スタンドが三店以下になった市町村が全国で二百三十八もあります。災害時の被災者や病院、避難所等への燃料供給に必要不可欠なSSネットワーク網の維持強化を図っていくべきと考えますが、政府の取組を伺います。また、災害時のバックアップとして、都道府県単位に数か所の小口備蓄供給拠点を内陸部に設置して地元のスタンド組合等を活用すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 ガソリンスタンドや小売酒販店の中には不当廉売、差別対価、優越的地位の濫用などの不当な取引が横行しており、地方の中小零細の小売店は激減しています。公正取引委員会は不当廉売に関する独占禁止法の考え方というガイドラインを定めていますが、平成二十三年度には不当廉売事案に当たるとして七千百二件の申告が出されており、このガイドラインは十分効果を発揮していないと言えます。不当廉売の判断基準を見直すとともに、公正取引委員会による現地調査の励行、関係大臣による勧告、改善命令の発出といった実効性のある方策が取られるべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
 福島第一原子力発電所事故について質問します。
 昨年秋の段階で、一日約五百トンの水が注入されているほか、約四百トンもの地下水が流入すると言われています。これらの水全体が燃料デブリに触れるなどして大量の汚染水が発生しているとも言われます。これらの汚染水は循環していると当局は説明してきましたが、実際には循環していないのではないですか。配管の劣化による破損等により途中で漏水し、周辺の土壌、地下水を汚染している危険性も懸念されています。そのような危険性はないと断定できるか、その根拠を求めます。
 次に、注水の合計量は循環に必要な水量を超えるため汚染水を吸い出してタンクに保管していますが、この汚染水の現在量とタンクの個数を伺います。今後数十年にわたってタンクが増え続ければ延々とタンクが並び続けることになる非合理性をどう認識するのか、答弁を求めます。
 私は、冷やすための水が結局は原子炉の中から放射能を取り出す汚染源になっているという可能性を重大視しております。放射能の外部化を止める方法などを国策として世界中の英知を集めてチームをつくって検討するときと考えますが、総理の見解を伺います。
 福島原発四号機では、使用済核燃料プールに千五百体以上もの燃料棒が残されています。仮に大地震や強い竜巻が襲来し燃料棒が冷却不能になれば、膨大な放射性物質が国内はもとより、国境を越えて流出するおそれさえあります。
 平成二十五年中に燃料の取り出しを始め平成二十六年末ごろに完了するとしていますが、福島県民ばかりか全国民の安心、安全を一刻も早く確保するため、取り出し作業を前倒しするとともに、竜巻などに対する遮蔽などの対策を講じるべきと思われます。この問題について警告を発してきた村田光平元スイス大使は、昨年十月に安倍総裁に会われた後も、事故処理の国策化を訴える私信を送られているようです。この重大問題への対応について、総理の見解を伺います。
 原発事故による周辺地域の放射線量は依然高く、多くの住民の方々が長期にわたって避難生活を送ることを想定しなければなりません。
 民主党政権において、単なる移住ではなく、元々の自治体の行政機能を維持した形での集団移転、いわゆる仮の町構想を進めてきました。仮の町構想に関しては、受入れ自治体との間で、避難期間、移住世帯の規模、仮の町での住宅、行政機関、教育機関、医療機関等の機能等について具体的な施策が固まっています。二十五年度予算案での長期避難者生活拠点形成交付金や福島復興再生特別措置法改正案が提出の見込みとなりましたが、私は、避難者の雇用のための企業立地も含めた国策が必要と考えます。国策としての仮の町構想実現の意思と課題について、総理の見解を伺います。
 放射性セシウム濃度が一定以上の指定廃棄物について、昨年、環境省は、茨城県及び栃木県の最終処分場について一方的に一か所に絞った候補地を提示しました。このため、高萩市や矢板市の大きな反発を招いています。
 最終処分場の候補地の選定には、選考過程の透明性向上が不可欠です。一旦白紙に戻した上で、地元住民の意見を十分に聞き、関連自治体とも十分協議を行うべきではないでしょうか。環境大臣の見解を伺います。
 政府は、平均七・八%減額の国家公務員に準ずる地方公務員給与の引下げを要請しました。しかし、地方自治体には、国に先んじて定員削減、給与カット等を行ったところも多く、政府が今になって引下げを地方自治体に求めるのは、地方自治体のこれまでの行財政改革の努力や自主性をないがしろにするものです。民主党政権では、地方公務員の給与は地方が自主的に決めるとの立場を取ってきました。これに対して、地方交付税を一方的にカットして国と同様の措置を地方に強制するというやり方は、地方自治の根幹を揺るがしかねません。それでもなお厳格な国準拠を地方に求めるならば、政府は地方側が納得するまで説明、協議を続けるべきではないでしょうか。総理の見解を求めます。
 また、政府が指摘する国家公務員の月額を一〇〇とするときの地方公務員の給与の指標となるラスパイレス指数について、地方公務員は部長クラスまで算定に含まれているのに対し、国家公務員は局長や審議官などは除かれ、課長級以下のみの職員と比較をされています。また、地域手当がラスパイレス指数の算定母数に入っていません。地域手当はなぜ含まれないでしょうか。
 これも含め、地方公務員の職務、人員構成、地域の賃金水準等の実情を反映した地方公務員給与の在り方について、総理の見解を求めます。
 昨年、郵政民営化法等改正法が成立しました。そして、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命が認可申請した新規業務について、郵政民営化委員会から意見が公表されました。金融二社はその資産の大部分を国債等の資産で運用しており、新規業務が許可されないと、親会社である日本郵政株式会社の株式上場にも悪影響が出、東日本大震災の復興財源としての日本郵政株の売却にも懸念が生ずることになります。民間金融機関の経営を圧迫しない配慮を行いながら新規業務の認可を進める方策について、総務大臣の答弁を求めます。
 また、郵便事業株式会社と郵便局株式会社の合併により、分社化の弊害の解消が図られました。これにより、民営化前と同様に郵便配達の職員が郵便貯金通帳を預かるサービスなどを復活したことなど、郵政事業が地域で公共性のある役割を行う、すなわち、地域貢献業務が法律上初めて位置付けられたことは大変評価されます。しかし、このサービスを実施できる郵便局は全国で僅か五十二局で、公社時代の三千六百八十三局と比較になりません。サービスを再開した以上、一県に一局といった名ばかりでなく、拡大、充実すべきと考えます。同様に、電信為替の復活も大震災のような状況で有効なサービスとなるのではないでしょうか。現金書留よりも早く全国津々浦々に現金を届けることができるからです。これらについて、総務大臣の見解を伺います。
 民主党政権下で実現した二度にわたる診療報酬のプラス改定の効果について伺います。
 自公政権下で毎年二千二百億円の予算が削減されてきた弊害を埋めたばかりでなく、具体的な効果が上がったと思われます。一つは、地方財政への貢献です。例えば、新潟県の泉田知事は、昨年の県議会で、県立病院が二十四年ぶりに黒字化したことに寄与したと答弁しています。また、救急、産科、小児科などの再建を目指したこともあり、数年前に多く報道された救急車によるたらい回しが少なくなったことも特筆されると思います。これらも含めた診療報酬プラス改定の効果について、厚生労働大臣に伺います。
 後期高齢者医療制度は、制度発足後の批判を受けて、低所得者への軽減措置、年金からの引き落としに加えた口座引き落としの選択制の導入などの改善がなされました。さらに、民主党政権誕生後、人間ドックの費用助成、資格証明書の原則不交付化や、七十五歳以上という年齢で区別した診療報酬を廃止しました。つまり、診療報酬改定によって年齢差別を前提とした後期高齢者医療制度は実質的に廃止されたのではないでしょうか。総理の見解を伺います。
 以上述べましたように、ここ数年、医療サービスは改善してきましたが、その流れを止めないためにも、医療機関等の損税問題への対応が重要です。社会保険料は非課税なので、患者は消費税を納める必要がありませんが、医療機関は設備や医薬品の仕入れの消費税を負担しているため、いわゆる損税が生じています。これまでは診療報酬の上乗せがされてきたとされていますが、実際に手当てしてきたのか、具体的な数字を伺います。
 診療報酬の上乗せは、患者間、保険者間、医療機関の間でも不公平感が生じています。今後の消費税引上げに際しては、診療報酬の上乗せだけではなく、患者負担を増やさないよう、ゼロ税率、軽減税率の導入等も含め、医療に係る消費税の在り方について幅広く検討すべきではないでしょうか。総理の答弁を求めます。
 消費増税前の駆け込み需要と増税後の反動減が予測される住宅に対する消費税は、中古住宅取引、リフォームも含まれます。その引上げは住宅投資の縮小につながりかねません。一生の投資でもある住宅や車両は価格が高額であることから、税率据置きも検討されるべきと考えます。与党の税制改正大綱で、住宅ローン減税の拡充措置を中心とした措置を検討することとありますが、住宅や車両に対する消費税の在り方について、国土交通大臣に伺います。
 安倍総理は、強い経済の再生なくして財政再建もなしと、日銀が供給したお金を使うには政府が率先して需要をつくり、景気の底割れを防がなければならないとまでおっしゃっております。予算の中身を見ても、防災・減災を口実にした国債依存による公共事業のばらまきが多く、景気優先の借金大国という新聞の見出しもあります。
 また、安倍総理が日銀に求めた巨額の国債購入を伴う金融政策は、財政規律の維持という前提を伴わなければ、中央銀行による財政ファイナンス、つまり財政赤字の穴埋めと世界は認識します。これは、モルヒネ経済化し、バブルをもたらす致命傷になるとの指摘もあり、日本の国債と通貨に対する信認の低下につながり、経済と金融システムの混乱をもたらしかねないと思われます。これらを防ぐ対応策をどうお考えか、総理に伺います。
 日本の貿易収支は巨額の赤字となっており、今後、経常赤字に陥ることとなれば、国内で資金需要を賄うことが困難になります。日本は国債の大部分を国内で賄っており、これまではヘッジファンド等によるいわゆる日本売り攻撃を様々にしのいでまいりました。しかし、日本の財政が外国の資金によもや頼る事態に陥れば、長期金利の急騰を招き、日本売りへの対峙が困難になることも想定されます。これに対する総理の見解と対応策を伺います。
 安倍総理、株高や円安が数字だけではなく、中小企業や工場労働者、庶民に満遍なくお金が行き渡るよう、今後とも、厳しくチェックし、政策提言を行っていくことを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 118315254X00320130201_011

発言者: 藤田幸久

speaker_id: 774

日付: 2013-02-01

院: 参議院

会議名: 本会議