大島九州男の発言 (本会議)
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○大島九州男君 民主党・新緑風会の大島九州男でございます。
本日、代表質問の大切な機会を与えていただきました全ての皆様に心から感謝を申し上げ、民主党参議院のみならず、多くの同志と、支援をしていただく国民の皆様を代表して、安倍内閣の皆様に質問をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
まず、東日本大震災において尊い命を失った方、いまだに行方不明の方、そしてその御家族の皆様にお見舞いを申し上げます。
また、アルジェリアのテロ事件で犠牲になられた方々と御家族の皆様、御関係者の皆様に心からお悔やみを申し上げます。
命は何よりも大切です。日本の経済が幾ら豊かになっても、個人の財産が幾ら増えても、満ち足りた経済的な環境が整っても、命がなくなれば何にもなりません。
私たち民主党は、国民の命と生活を大切にする政治を一番に掲げ、結党以来突き進んでまいりました。私たちが最初に取り組んだことは、国民の生活の上にいつの間にかつくられた利権の屋根を取り払うことでした。
高度成長時代に政府の行った公共事業は、国民の生活にあまねく潤いの雨をもたらし、生活に潤いを与えました。しかし、国民の生活が潤いを増してくると、政治家は公共工事からの税金を還流させ、官僚は合法的に天下り先をつくって、政官業の癒着の屋根が国民の上につくられました。その屋根は、国民の上に降り注ぐ所得分配の慈愛の雨を国民から奪っていたのでした。
民主党は、三年半前、政権をお預かりして、まずはその屋根を壊して、直接支給の子ども手当と高校無償化、農業の所得補償で直接国民に慈愛の雨を降らすことで、将来の少子高齢化対策を意識した、三十年、五十年先につながる政策を目指した政権づくりを目指してまいりました。
古典の言葉に、一年計画ならば穀物を植えるのがいい、十年計画なら樹木を植えるのがいい、終身計画なら人を育てるのがいいとあります。
民主党の高校無償化の中には、専門学校の高等課程で学ぶ生徒さん、各種学校で学ぶ生徒さんにも就学支援金を支給させていただく制度設計にさせていただきました。それは、何の目的もなく大学に進学してニート、フリーターになるのではなく、十五歳から進路を決めて、実学の中で即戦力になり得る人材の育成に光を当てさせていただくことを目指したものでございました。これからの社会は、それぞれの個性を認め、大学教授も建築職人さんも弁護士さんもすし職人さんも、それぞれが同等の世の中に必要とされる人材であることを当たり前に評価される社会の実現を目指し、実践したのが民主党政権であります。
高校無償化で経済的な理由による中退者が大きく減少をし、平成二十年度には二千二百八人だった公立高校の中退者は、二年半後には千四十三人になりました。また、十五年間三万人を上回っていた自殺者も、三年半の徹底した自殺防止対策によって昨年は二万七千七百六十六人となり、三万人を切り、警察庁が統計を取り始めた昭和五十三年以降最大の減少幅であったことも国民の皆様に報告をさせていただきます。
しかし、今回、安倍政権では高校無償化に所得制限を設けようとしています。
所得制限を導入した場合、家計の急変による制度適用の時間的ずれに対処できるのか、所得把握のための行政の事務負担増加をどう克服するのか、様々な問題があります。そのことをどのようにお考えでしょうか、安倍総理にお伺いをいたします。
さらに、下村文部科学大臣は、昨年十一月二十日に都内で開かれた少人数学級の推進を図る集会で、少人数学級を中学三年生まで着実に進めていく、定数改善を図りながら三十五人学級を進めていくことは必要最低条件であると発言をされました。あしなが育英会などで活躍をされている我々民間教育の出身でもある下村大臣は、子供たちの学力向上、理科離れ対策として私たちが真剣に取り組んできた理科教育の推進についても、多額の予算計上をしていただきました。このことに心から感謝を申し上げます。
その一方では、一月二十七日の麻生財務大臣との閣僚折衝で折り合いが付かず、全学年三十五人学級見直しの報道がされました。この経緯と今後の見通しについて、下村文部科学大臣にお伺いをいたします。
教育予算等については、地方自治体自身の持ち出しを伴う予算が多く、財政の厳しい地方自治体は執行がままなりません。つきましては、各自治体が活用しやすいように、民主党が推進した一括交付金制度を充実させるべきと考えますが、安倍総理大臣のお考えをお聞かせください。
次に、経済です。
日本の経済がこのような状態に陥った最大の原因は、中小零細企業に対する政府の政策判断が誤っていたからだと指摘をさせていただきます。
バブルが崩壊し、ゼネコンの救済に公的資金を投入しようとした政府の政策に世論がかみつき立ち往生している中、平成九年十一月、北海道拓殖銀行が破綻、政府は預金者保護のために公的資金を銀行に投入しました。国民は、自分の資産がある銀行に公的資金が投入されることに関しては大きな不満を持たず、そのことに気付いた政府は、大手ゼネコンの不良債権を銀行に棒引きさせて、その穴を公的資金で銀行に補填をしました。そのことに世論が敏感に反応したことを受け銀行の経営責任に言及すると、政府に銀行側が反発。その結果、政府は銀行の身体検査、自己資本比率の厳格なチェックを行いました。
その結果、銀行は、自己資本比率を上げるために、資金回収しやすい中小零細企業からの強制的な貸し剥がしを行い、そのことが一気に中小零細企業の倒産、破産につながりました。さらには、経営者の自殺が激増するなど、政治の腐敗からきた中小企業へのしわ寄せが今の不況の元凶であることを忘れてはなりません。
自民党政権は、経団連の中核を成す大企業向けの政策には本当にすばらしい手腕をお持ちでありますが、中小零細企業の声を拾う政策には余りたけていないようであります。民主党政権は、中小零細企業のために政策実現に邁進いたしました。
私は、平成十九年の当選以来、中小企業の交際費課税について、初めから一〇%の課税の掛かる制度設計は、中小零細企業が地域の商店や飲食店で使う交際費が増えず、地域活性化につながらないと中小企業団体中央会、税理士会の皆さんと一緒に主張をしてまいりました。
交際費課税の問題点であった全額損金算入は来年度の税制改正でやっと実現し、その上限額は八百万円になる見込みであります。財務省、経産省、中小企業庁の皆さんに本当に心から感謝を申し上げます。
中小零細企業にはまだ残る課題が多くあります。大企業への設備投資、研究開発費、投資に対する優遇措置も大切でありますが、やはり中小零細企業には大企業に勝る支援が必要であります。
中小零細企業に一番の課題は資金繰りであります。私は、資金繰りの特効薬は、銀行が査定する企業の担保評価を一斉に一律二倍に上げる金融政策を行うべきと考えています。担保価値を二倍に評価して融資する新基準を作れば、銀行の担当者も迷うことなく決済でき、中小零細企業の資金繰りは一気に楽になります。
中小零細企業を強力に支援する担保価値二倍評価の政策について、是非実行していただきたいのですが、企業経営者でもある麻生副総理の見解をお願いいたします。
次に、社会保障と税の一体改革であります。
安倍総理の所信表明演説には、年金もなければ、何一つ国民の生活に直結した政策は触れられていません。例えば、消費税を上げて将来の国民の安定した生活のためにどのような年金制度をお考えなのか、そして、現在の国民年金、厚生年金、共済年金を一元化するのかしないのか、はっきりした見解をお願いいたします。さらに、現在の国民健康保険制度について、現行の保険料制度を維持するのか、全額消費税で賄うというような抜本的制度改革を考えているのか、重ねてお伺いいたします。
次に、東日本大震災からの復興について伺います。
私は、民主党副幹事長として、宮城、福島の復興に取り組み、地震・津波被害で被災された皆様から多くのことを学ばせていただきました。自分の家族が亡くなっていらっしゃるのに、行方の分からない人をおもんばかって、私は御遺体が見付かっただけでも有り難いとおっしゃる被災者の方に本当に頭が下がりました。多くの悲しみ、苦しみを乗り越えようと努力される皆様に、私たち政治家はしっかりとした制度で応援させていただかなければなりません。
福島の被災者の皆さんは、地震・津波被害に、そして原発事故による被災であります。
多くの方が住み慣れた我が家に戻れない、お墓参りに自由に行けない、三世代同居の家族は世代間の考えの相違から家族がばらばらになった、そうした場面を何度も目の当たりにして、皆さんの苦しみに触れるたびに私たち政治家の役割、使命の大切さを痛感いたしました。
私は、被災地の一日も早い復興を願い、昨年の秋から津波被害地域と原発災害地域に特化した支援策の調整をさせていただきました。二十五年度予算において津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金が創設されますが、その結果と受け止めさせていただいております。
この補助金は、性格上、現地との調整をしっかり行って有効に活用しなければ効果を発揮いたしません。慎重に現場の声を聞いて執行していただくように強く要望いたします。
また、小野寺防衛大臣の地元でもあります気仙沼の造船団地新設の復興計画についても深くかかわらせていただきました。根本復興大臣、ここも是非応援をよろしくお願い申し上げます。
そして、併せて大切なことは、これからの被災地の未来を語ることです。原発事故の早期終結を図り、再生可能エネルギーへと大転換していくことであります。
言うまでもなく、福島再生の施策として、太陽光、風力、小水力、地熱、潮力等の再生可能エネルギーの福島が発信地として復興を進めています。その福島の住民の使う電気は、原発の電気は使わない、全て再生可能エネルギーを使う強い意思が必要です。
安倍総理、あなたに原発を使わない日本再生の決意がありますか。少なくとも、福島県民の皆さんの心を思ったとき、福島県だけでも脱原発を実行することが必要と考えますが、その決意はありますか。
それに、もう一つは、復興基本方針にうたっている福島の風評被害対策です。
私は、今年のNHK大河ドラマ「八重の桜」を契機に福島の風評被害を払拭する八重の桜プロジェクトを立ち上げ、福島市や郡山市、会津若松市で地元の皆さんと意見交換を繰り返してまいりました。八重の桜プロジェクトが目指すものは、国民の皆様が実際に福島を訪問し、福島は大丈夫、福島は元気と体感をしていただき、友人に福島に遊びに行こうよと発信をしていただくことにあります。
政府におかれましては、こうした風評被害対策を今後も強力に推進していただきたいと願いますが、その決意をお願いいたします。
最後に、安倍総理にお伺いします。
この国の在り方、未来についてであります。
あなたは、日本経済の危機、東日本大震災からの復興の危機、外交・安全保障の危機、教育の危機、これを乗り切って強い日本をつくるのは私たち自身とおっしゃいました。まさにそのとおりであります。そして、その危機をつくっているのも私たち自身であり、その先頭に立っているのが安倍総理、あなた自身であることに気付いていらっしゃいますか。
日本銀行に際限なくお金を発行させる、日本銀行の独立性を軽視した物価上昇二%目標の強制、まるで小泉・竹中路線で一部の人たちだけが潤ったことによる国民経済の危機の再来を思わせます。正力松太郎さん時代から進めた自民党の原子力政策の結果訪れた原子力発電所事故、近隣諸国との対話に心を傾けることのない意図的な挑発と国防軍の創設に向けた発言がどれだけ日本の危機を招いているか、考えてほしいと思います。
自民党は、平成二十四年四月二十七日、日本国憲法改憲草案を決定、発表されています。
その中で、第二章安全保障、第九条の二項の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を創設すると明記されています。その五には、国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置くとあります。
このことは軍を独立させ、暴走させる可能性があるのではないでしょうか。これほど新憲法草案に軍を明確に規定しているなら、中国やスイス、韓国、イスラエルのように憲法に徴兵制度を規定しないのは、国際的に見ても道理が通らないのではないでしょうか。連立を組む公明党は明快に反対されています。
安倍総理、あなたは、所信表明演説の中で、ふるさとの復興は被災者の皆さんが生きる希望を取り戻す作業、今を懸命に生きている人々の笑顔を取り戻す、それは、その笑顔をただ願いながら天国であなたたちを見守っている犠牲者の御霊に報いる道でもあるとおっしゃいました。
その犠牲者とは、東日本大震災の犠牲者だけではないのではないでしょうか。さきの大戦で亡くなった一人一人の国民、そして二度の原子爆弾投下で一瞬のうちに生命を奪われた多くの国民、そして残された家族、戦争に行かなくてもその苦しみ、悲しみの中から生きる希望を失った多くの犠牲者のことを思えば、二度と戦争をしてはなりません。その可能性すら持ってはならないのです。
日本国憲法の平和精神こそ、天国で私たちを見守っている犠牲者の御霊に報いる道であり、それを大切にして諸外国と対話を重ねる努力をさせていただくことが我が国の使命、政治家の役割と私は受け止めています。戦犯と言われた方々も天国で自分たちの過ちを悔い、平和を願っていらっしゃるに違いありません。
安倍総理、心の声を正しく聞いてください。自分の思いを捨て、無の心になれば、心の声が聞こえるはずです。