安倍晋三の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 溝手顕正議員にお答えをいたします。
日米関係の展望と、世界の平和と安定のために我が国が果たすべき役割についてお尋ねがありました。
今回の日米首脳会談で、緊密な日米同盟の絆を確認し、同盟強化の方向性についても意見の一致を見たことを踏まえ、今後、外交・安全保障、経済を含むあらゆる分野において日米間での緊密な協力を具体的に進め、関係を更に強化していきます。
このような日米の協力関係は、グローバルな課題への対応でも力を発揮すべきものであり、こうした幅広い協力関係の強化を通じて、地域や国際社会の平和と安定のためにしっかりと貢献してまいります。
北朝鮮に対する国連の制裁強化についてお尋ねがありました。
北朝鮮の核実験は断じて容認できず、国連安保理が制裁を追加、強化し、より効果的な内容の決議を採択することにより、国際社会として明確なメッセージを出す必要があると考えています。
我が国は、現在、安保理メンバーではありませんが、そのような決議の採択に向け、米国、韓国、中国及びロシア等と様々なレベルで緊密に連携協力しており、例えば先般の日米首脳会談では、安保理による制裁の追加、強化も含め、この問題について引き続き協力していくことをオバマ大統領と確信したところであります。
北朝鮮問題に対する日米の金融制裁についてお尋ねがありました。
先般の日米首脳会談では、オバマ大統領との間で金融制裁を含む追加的制裁について日米間で緊密に協力をしていくことで一致しており、今後の北朝鮮の対応や国際社会の動向等を考慮しつつ、日米間で緊密に協力をしてまいります。
北朝鮮問題に関する中国への働きかけについてお尋ねがありました。
中国は北朝鮮に対して大きな影響力を有しており、我が国は、追加的制裁を含む新たな安保理決議の採択等、断固とした措置をとるよう、中国ともニューヨークや北京で意思疎通をしながら関係国と緊密に連携してしっかりと取り組んでまいります。
日韓関係についてのお尋ねがありました。
韓国は、基本的な価値と利益を共有する最も重要な隣国であります。日韓の間には難しい問題もありますが、日韓双方で新政権が成立をした機会を生かし、二十一世紀にふさわしい未来志向の関係を構築するために朴槿恵大統領とともに努力していく考えであります。朴大統領とは、近々、まずは電話首脳会談を行うべく調整をしているところであります。
物価が上がっても簡単には給料が上がらないとの懸念についてお尋ねがありました。
大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢を同時に射込むことにより、企業の収益機会を増やし、雇用や所得の拡大を実現することで国民生活に経済成長の恩恵が幅広く行き渡るようにしていきます。この過程で、特に企業の収益力向上の成果が適切に労働者にも分配されることが重要であり、私から、可能な限り報酬の引上げを行ってほしいと産業界に直接要請を行いました。また、政府も、平成二十五年度税制改正において利益を従業員に還元する企業を支援することとしており、是非とも活用していただきたいと考えております。
既に、この方針に御賛同いただき、従業員の報酬引上げを宣言する企業も次々と現れてきており、このような取組を通じ、経済再生を雇用、所得の拡大につなげるという好循環を目指してまいります。
財政健全化についてお尋ねがありました。
政府としては、国、地方のプライマリーバランスについて、二〇一五年度までに二〇一〇年度に比べて赤字の対GDP比の半減、二〇二〇年度までに黒字化との財政健全化目標の実現を目指します。
今後、経済財政諮問会議において財政健全化と経済再生の双方を実現する道筋について検討を進め、年央の骨太方針の取りまとめに向けた検討状況も踏まえつつ、財政健全化目標を実現するための中期財政計画の具体化の検討を進めてまいります。
いずれにしても、強い経済の再生なくして、財政の再建も日本の将来もありません。今年度補正予算は、デフレからの早期脱却と景気の底割れ回避の観点から思い切った規模とした一方、来年度予算は、財政健全化目標を踏まえ、国債発行をできる限り抑制し、税収が公債金を上回る状況を回復したところです。
防災・安全交付金及び事前防災対策についてお尋ねがありました。
防災・安全交付金については、防災、減災に資する事業であれば幅広く支援対象としており、ハード事業のみならず、ハザードマップや避難計画の作成といった対策にも柔軟に対応できる、地方の創意工夫が生かせる自由度の高い支援制度としております。
また、御指摘のとおり、事前防災対策、老朽化対策は国民の生命と財産を守るために継続的に実施していくべきものと認識しており、限られた財源の中で必要な額の確保に努めつつ、効果的、効率的に取り組んでまいります。
地方公務員の給与削減についてお尋ねがありました。
地方交付税は標準的な行政水準に基づいて算定を行うものであって、地方公務員の給与引上げに関する閣議決定も踏まえて算定することとしていますが、もとより、地方公務員の給与は各地方公共団体が議会の議論を経て条例で定めるものであります。したがって、今回の措置により、地方自治制度に不整合が生じているとは考えておりません。
今回の要請は、東日本大震災を契機とした防災・減災事業や地域経済の活性化といった地域の喫緊の課題に対処するため、当面の対応策として平成二十五年度についてお願いしているものであります。引き続き、地方側の理解が得られるよう努めてまいります。
地方への財源配分についてお尋ねがありました。
地方団体が標準的な水準の行政を行うために必要な財源は、地方交付税により保障しております。地方交付税の配分に当たっては、地方団体の財政需要を的確に算定するため、人口に限らず、面積や、道路等の公共施設の規模を始め様々な指標を組み合わせて用いております。今後とも、地方団体の財政需要の的確な算定を通じて適切に財源確保を行ってまいります。
エネルギーの調達価格の引下げについてお尋ねがありました。
震災後、原発停止に伴う化石燃料の需要増と価格上昇により我が国の燃料調達費は増大しており、貿易赤字が拡大する中、燃料調達費の削減は我が国経済にとって喫緊の課題であります。
政府としては、燃料調達費の削減に向け、シェールガスの生産拡大で価格が低下している北米からのLNG輸入の実現、日本企業による資源開発の権益獲得への支援を通じた供給源の多角化、LNG消費国間の連携強化による買主側の価格交渉力の強化などに取り組んでおります。
特に、米国からのLNG輸入の実現に向けては、先般の日米首脳会談において、私から、対日輸出が早期に承認されるよう改めて要請し、これに対し、オバマ大統領からは、米国における輸出許可についての審査はまだ続いているが、同盟国としての日本の重要性は常に念頭に置いている旨の発言があったところであります。
引き続き、資源外交の積極的な展開や権益獲得に向けたリスクマネーの供給などを通じて、資源の安定的かつ低廉な調達に最大限取り組んでまいります。
パテントボックス税制の導入についてお尋ねがありました。
パテントボックス税制については、欧州等の幾つかの国において導入されているものと承知をしております。こうした新たな政策減税措置の導入については、その目的、影響や財源等を含めた検討を行う必要があるものと考えております。
御指摘のように、優れた技術を持つ元気な企業を更に伸ばしていくことは、経済活性化の観点から極めて重要な課題です。このため、平成二十五年度税制改正では、研究開発税制の拡充や設備投資を促進する税制の創設などを行うこととしており、こうした施策を通じて我が国企業の活性化のための環境整備に努めてまいります。
消費税の転嫁対策についてお尋ねがありました。
中小企業の方々が消費税を円滑かつ適正に転嫁できるよう環境を整備することは重要であります。したがって、法制度などを整備するとともに、消費税の転嫁拒否等の行為に対する調査、指導等を行うため、公正取引委員会や中小企業庁の人員を臨時的に増員するなど、相談、取締り、監視体制を強化し、転嫁対策に万全を期してまいります。
被災地の人手不足対策、また、職に就けない方々及び人手不足の状況をどのように調整するかについてお尋ねがありました。
被災地の復興を加速するため、復興に携わる自治体や建設業者等の人員不足への対策を強化することは重要です。このため、復興大臣の下に住宅再建・復興まちづくりの加速化のためのタスクフォースを設置し、被災自治体への人的支援や建設業者の広域的な人材確保等、柔軟かつ迅速に対応することとしています。また、水産業を含めた人手不足や職に就けない方々への支援として、ハローワークにおいて個々の求職者ごとに担当者を決め、きめ細かな就職支援を行うなど、被災地における雇用のミスマッチの解消に全力を挙げて取り組んでまいります。(拍手)