長島昭久の発言 (安全保障委員会)

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○長島(昭)委員 私が一番こだわっているのは、日本人が仮に目の前で襲われているというような状況にあっても、これは警職法七条で認められている行為でありますが、他人に対する正当防衛が成立し得るような状況であっても自衛官だけが手が出せない、こういう状況で本当にいいのか、これが私の問題意識であります。
 それでは、二枚目の資料をごらんいただきたいと思います。
 これも私が以前御紹介をさせていただきました、梶田法制局長官の答弁です。これはどういう答弁だったかというと、ちょっと読み上げますけれども、平成二十三年の十月二十七日、参議院の外防委員会。「我が国の公務員がいわゆる自衛権発動の三要件が満たされる場合以外において武器の使用をすること、これが全て憲法第九条が禁ずる武力の行使に該当するかどうかというと、そういうわけではございませんで、武器使用の相手方が先ほど言いました国又は国に準ずる組織であった場合でありましても、憲法上の問題が生じないという武器使用の類型がある」、それは自己保存と武器等防護だ、こう言っているわけです。
 何が言いたいかというと、国または国に準ずる組織かどうかということが武器使用を認めるか認めないかの、絶対とは言いませんが唯一のメルクマールだ、こう言っているわけです。
 それで、これをこのマトリックスにまとめさせていただきました。
 一段目を見ていただきたいんですけれども、この三角形の構造の中で、相手が国または国に準ずる組織でないことが明らかになった場合、これは武器の使用を認められる。これはマルですね。しかし、そうでない場合、つまり相手が誰だかわからない。相手の主義主張などが事前にわかるはずがないので大体はこういうケースなんですけれども、そういう場合には憲法九条に抵触するおそれがあるということでバツだと。これが梶田法制局長官の答弁の骨子であります。
 一方、次の段を見てください。
 これは、私が平成二十年十月の質問主意書でも確認し、さきの通常国会でも海上保安庁長官から補足的な御答弁をいただいております。
 最初の三角形の図に戻っていただきたいんですが、仮に公海上を航行する日本関係船舶に対して、これは保護対象、日の丸のところですね、無国籍船から襲撃が加えられたとして、まさに付近に海上保安庁の巡視船が居合わせたとします。その場合、無国籍船と日本関係船舶そして巡視船が三角形をなす位置関係にあるわけです。この構造のもとで、海上保安官は襲撃から日本人を守るために無国籍船に向けて武器使用ができる、こういう御答弁でありました。
 しかも、海上保安庁長官の御答弁はこのようなものです。「海上保安庁では、もちろん、国籍不明の不審船が日本船舶を襲撃した場合、これにつきましては、この合理的な範囲において武器の使用はできます。そして、その際はどうするかというのは、襲撃されたという外形的事象に基づきまして判断をして行うということでございます。」外形的事象があれば武器使用を認める、こういうことを言っているわけです。
 マトリックスに戻ってください。
 二段目。国または国に準ずる組織でないことが明らかな場合は、先ほどの梶田答弁と同じ、公務員ですから、当然これはマルです。しかも、国または国に準ずる組織であるかどうかがわからない不審船とか、あるいは無国籍船であるとか、こういった場合でも、事前に相手がそうであるかどうかということを調べるわけではなくて、外形的事象に基づいて武器の使用が認められるということですから、これはマルなんですね。
 さて、ここで、ぜひ小松長官に御見識を伺いたいと思っているんです。
 三段目。自衛隊は、今のところ、国または国に準ずる組織でないことが明らかであれば武器使用が認められる、こういうことになっています。これはマルです。
 しかし、この法案で私が再三議論をしてまいりましたように、国または国に準ずる組織であるかどうかが不明な場合には、憲法違反のおそれがあるので、つまり国際紛争を解決する手段としての武力の行使に当たる可能性があるということで、ここは限りなくバツに近いクエスチョンマークに実はなっているんです。
 このクエスチョンマークがマルかバツかということを、今ここで小松長官にお伺いしようと思っていません。それはなぜかというと、内閣がまだ判断していないからです。内閣がどういう判断をされるかというところを見届けて、冒頭に私は確認をさせていただきましたけれども、小松法制局長官の立場から意見具申をしていただきたいと思います。
 ここで伺いたいのはその話ではなくて、この一段目のマルとバツ、二段目のマルとマル、これをどう法制局長官としてごらんになるかということであります。
 梶田答弁は、国に準ずる組織かどうかがわからない場合には武器の使用を認めない、これは公務員一般に対して認めない、こういうことを言っている。海上保安官も入るだろう、自衛官ももちろん入る、警察官も入る。「我が国の公務員が」と言っているんですね。
 ところが、二段目を見ていただいたらわかるように、私の質問主意書でも確認をさせていただいた、海上保安庁長官にも先ほど御紹介したように御答弁いただいたとおりでありまして、外形的事象によって、襲撃の事実があれば武器使用は認められる。
 しかも、私は、これは当時の外務省の国際法局長に、ある委員会で質問させていただきましたけれども、平成十三年に、不審船、工作船と追いかけっこをして最終的には沈没させた、そういう事例がありました。あのときは武器使用をしていました。しかし、あのときは、国または国に準ずる組織かどうかということを確認しないまま、不審船ですからもちろん確認なんかできませんよ。それで武器を使用して、その結果沈没して、引き揚げてみたら北朝鮮の工作船だった。まさに国だったわけですね。国または国に準ずる者どころか、国そのものだった。しかし、それがさかのぼって違法になることはない、こういう御答弁もいただいております。
 そこで、長官に改めて御質問申し上げたいんですが、この一段目の内閣法制局の判断つまり内閣の判断と、二段目の海上保安庁のこれまでやってきた法解釈も内閣、政府の判断でありますけれども、この二つの、一段目と二段目のバツとマルの矛盾というのはどう考えたらいいのでしょうか。論理的にこれが矛盾していると考えることができるのかどうか。この点はいかがでしょうか。

発言情報

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発言者: 長島昭久

speaker_id: 29241

日付: 2013-10-31

院: 衆議院

会議名: 安全保障委員会