中山泰秀の発言 (本会議)
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○中山泰秀君 自由民主党の中山泰秀です。
自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました安全保障会議の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
我が国の歴史、日本史に鑑みれば、文永十一年と弘安四年に、中国大陸、朝鮮半島より我が国が攻め入られたという歴史がございます。当時は、海洋国家日本の特徴である海、そして天候によって守られたといいますが、現代においては、もはやこれは通用いたしません。
今月四日、国連総会第一委員会で、核兵器廃絶に向けた共同行動を呼びかける我が国提出の決議案が、賛成百六十四、反対一、棄権十四で採択をされましたが、英米仏が賛成、中国は棄権、昨年賛成のロシアが棄権をする中で、反対は北朝鮮一国のみでありました。我々は、そのような緊張感のある北東アジア情勢の中において、北朝鮮からたった八分間で飛来する可能性のあるミサイルに対応しなければならないという現実がそこにはあります。
こうした動きに対して、我が国の同盟国である米国は、引き続き、その安全保障戦略の重点を、よりアジア太平洋地域に置くことを示しております。
このような安全保障環境におきまして、我が国が豊かで平和な社会を引き続き発展させていくためには、我が国の国益を中長期的観点から判断し、国際社会の中で我が国の進むべき進路を定め、国家安全保障のための方策に政府全体として取り組むべきことが必要です。
現在、その具体策として、安倍内閣では、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、世界の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく外交を展開しつつ、国家安全保障戦略や安全保障に関する法制度の検討など、さまざまな取り組みを進めております。
その中でも、本法律案において実現される国家安全保障会議の設置は、今後の我が国の安全保障政策の決定過程を変える画期的な取り組みであると思います。
国家安全保障会議では、総理、官房長官、外務大臣、防衛大臣から成る四大臣会合を核として、平素から定例的に議論を行うことにより、強力な政治的リーダーシップのもと、国家安全保障政策の軸となる統一的な柱を示し、山積する安全保障上の諸課題に対して、柔軟かつ一貫した解決策を見出していくことが期待をされます。これは、各省庁が十分な調整を経ず個別におのおのの所掌事務を淡々と実施していた従前の体制を根本的に変えることになります。
国家安全保障戦略の策定、我が国の領土保全に関する対応策、在日米軍再編問題、国際テロリズムへの対応といった幅広い議題について、闊達な議論と機動的な政策決定がなされることが期待をされます。
また、国家安全保障会議には、いつ発生するかもわからないさまざまな緊急事態に対する対処についても、意思決定を迅速化し、政治のリーダーシップを示す機能が期待されます。
地震、津波、原発災害という前代未聞の複合事態となった東日本大震災のような事態、警察組織である海上保安庁から国防組織である自衛隊への対処の切りかえに慎重な考慮を要する我が国島嶼防衛のそういった危険な事態、弾道ミサイルによる攻撃、大規模なテロリズム、今の我が国ではさまざまな事態が起こり得る可能性があります。
国家安全保障会議に新たに設けられる緊急事態大臣会合においては、高度に政治的な判断を要する事態について、政府として必要のある措置について建議することができるとしています。こうした体制を構築することは、今後、これまで全く想像しなかったような事態への対処を格段に改善することにもなり得るものと考えます。
このような大臣会合が有する機能の必要性、重要性は、十分納得いただけるものであると考えております。そして、このような大臣会合をしっかりと機能させる仕組みを構築することもまた重要であります。
四大臣会合等において総理を初めとする関係閣僚が有益な議論を行うためには、適切な議題を設定し、何を論点として、何を決定するのか、会合に、明確な目的意識とプロセスを用意する必要性があります。
本法律案においては、内閣官房に国家安全保障局を設置することとしています。
これまでも、安全保障、危機管理を担当する組織はありましたが、発生するさまざまな事態への対処に追われることとなり、必ずしも、中長期的かつ戦略的な安全保障政策の立案までには十分手が回らなかったという現実があります。
新たな組織では、短期的な課題の調整のみならず、中長期的な観点で我が国として腰を据えて取り組まなければならない政策をしっかり取り上げること、また、これまで、外務省、防衛省に任され、政治レベルまでは取り上げてこられなかった重要課題について、政治の判断に供する材料を提供することが求められます。
また、特に重要な点は、各省庁に散在する情報を総合することであります。
もちろん、政策と情報の分離の原則は重要です。特定の政策を実現するために政策機関がみずから恣意的な情報を収集するようなことがあってはなりません。政策決定からは独立した情報機関が収集をし、専門的な観点から分析した情報を国家安全保障局が集約し、我が国として考えられる政策オプションを立案する機能を国家安全保障局が果たすことは、政府が的確な国家安全保障政策を推進する上で必要不可欠であります。
本法案においては、このような国家安全保障会議、国家安全保障局が機能するために必要な仕組みを設けております。
国家安全保障局長は、国家安全保障政策の立案等に専従する特別職の公務員であり、総理のスタッフである国家安全保障担当総理補佐官と、従来どおり内閣において危機管理を統理する内閣危機管理監と、緊密に連携をして職務を遂行することとなります。
先ほど申し上げた情報の集約についても、今回の法改正により、各省庁には、会議に対して情報を提供する義務がより明確に課せられることになります。
もちろん、本法案が成立すれば全ての国家安全保障上の課題が解決されるということは残念ながらありませんが、現在進めている国家安全保障戦略等の個別案件を強力に推進することと並行をして、この法律に魂を入れていく作業を実施しなければなりません。
まずは、国家安全保障局が機能する体制を構築するために、局長の人選、職員の構成等を十分検討する必要があります。縦割り行政を打破し、国家的な視点で政策立案に当たる強力なチームを構築する必要があります。
また、国家安全保障会議、国家安全保障局がしっかりと運営されるかどうか、総理を中心とする各閣僚が、その仕組みを適切に活用していかなくてはなりません。
さらに、国家安全保障という国家の存亡に直接かかわる件についてどのように意思決定がなされたのか、会議の運営状況について国民への説明責任が果たされるべきであると思います。
こうした課題については、これからも国会としてしっかりと見守っていく必要がありますが、まずは、この法律案を速やかに成立させ、我が国を取り巻くこの厳しい安全保障環境を生き抜いていくために、国家安全保障政策に政府を挙げて取り組むというこの国家安全保障会議を一刻も早くスタートさせるべきだと思います。
太古の昔から平和と幽霊という言葉は存在しておりますが、平和と幽霊をつかんだ人はいないと言われます。
我が国が、総理が推し進める積極的平和主義を基軸にして、いまだかつて誰もつかみ得ていない我が国の真の平和と独立を確保し、国民の生命及び財産を守るという国家として最も重要な責務をともに果たしていくために、国民、同志皆様の本法律案への圧倒的多数の御賛同をいただきますよう強く心からお願いを申し上げて、私の賛成討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)