山田宏の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○山田宏君 日本維新の会の山田宏です。
 私は、日本維新の会を代表して、ただいま上程されました安全保障会議設置法原案と、我が党など、自民党、公明党、民主党が共同提案をいたしました修正案に、賛成の立場から討論いたします。(拍手)
 我が国は、六十八年前の敗戦から長きにわたって、みずからの安全の保持のための防衛や外交を基本的に米国に委ね、ひたすら経済の発展にその国力のほとんどを費やしてきたと言ってもよいと思います。また、これまでは、それが許される国際環境でもありました。
 しかし、一九八九年の冷戦の終結で、当初は米国による一極支配の世界になると言われたこともありましたが、予想に反し、世界の流れは、幾つかの強国が時にエゴを強引に押し通す多極化の時代となり、米国だけに外交や防衛を委ねてさえいれば我が国の平和と繁栄が維持できる国際環境ではなくなってきています。
 特に、我が国を取り巻く東アジアの環境は、その最先端にあると言ってもいいと思います。
 経済発展とともに軍事力の大増強を図り、我が国固有の領土である尖閣諸島を例に挙げるまでもなく、これまでの国際法秩序を力で変えようとする中国。もはや核兵器を保有し、我が国を仮想敵国とみなして恫喝を繰り返す北朝鮮。みずからをアジア太平洋の国として極東進出を図り、北方領土を不法占拠したままのロシア。そして、竹島占拠を強化し、反日一色に走る韓国。
 平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼しているだけでは、我が国の安全と生存を保持することができない、まさに力むき出しの国際環境が我が国の眼前に広がりつつあることに、私たち国民は気づき始めています。
 このような厳しい時代環境の中で、私たちは、これまで築き上げてきた平和と繁栄を維持し、それを次世代の国民に引き継いでいくためには、平和は何もしなければ自然にもたらされるというものではないという当たり前の真実を、今、しっかり受けとめることが大事です。
 そして、まず、私たちの国は私たちみずからの知恵と力で守るという、独立国なら当然の気概に立った、国の安全保障戦略を立てること。その上で、我が国の平和と繁栄の基礎となっている、自由と民主主義、人権尊重と法の支配という価値を共有する国々としっかりした対等の協力関係を築き上げること。そして、それらの価値を力で突き崩そうとするあらゆる邪悪なたくらみに対しては、力を合わせ断固として排除するという決意を示すことです。
 不当な威嚇や恫喝に対して、見て見ぬふりを決め込み、その場しのぎの対応を繰り返せば、必ず、自由や民主主義に基づく真の平和は破られていくでしょう。不当な威嚇や恫喝に対しては、それを断固として排除するという強い国際社会の決意が、真の平和を維持する礎となるのです。
 これまでのように、自国の平和と安全を他国に委ねていられる状況であれば、我が国は今までのやり方でいいかもしれません。しかし、みずからの安全と生存はみずからの手で守り、価値を共有する国々と力を合わせて平和と繁栄を維持しようとするならば、いざというときには、統一した、迅速で賢明な意思決定が必要になるというのは当然のことです。
 この法案で新たに設置しようとする国家安全保障会議は、ともすればばらばらな対応になりがちな縦割り行政を排し、首相のリーダーシップのもとでそれを可能にする仕組みであり、今日の国際環境に照らし、基本的に我が国の平和と安全の保持に寄与するものと考えます。
 いざというときに適切、迅速な対応ができない、各省がばらばらにその場しのぎの対応を繰り返すのは、残念ながら、これまでの我が国の行政の最大の欠点であります。戦前も、外務省、陸軍、海軍が省益に固執しばらばらに対応し、しかも第一線と意思決定機関の意思疎通もまずく、ずるずると状況に流され、結果として、我が国と国民に悲惨な結果をもたらすことになりました。
 今回設置されます国家安全保障会議が、この我が国の欠点を克服し、いざというときに賢明かつ迅速な対応を総理大臣がとれるよう、しっかりと機能するものにしていただきたいと願います。
 そこで、そのために何点か指摘しておきたいと思います。
 第一に、国家安全保障会議の設置後、速やかに、我が国の対外情報の収集・分析体制を充実強化していくべきだという点です。
 国家安全保障会議という政策決定の機関が賢明、迅速な決定を行うためには、できるだけ早く、正しい情報を上げていくことが必須です。そのためには、独自の広範な情報収集体制を築くとともに、その情報を分析する能力の強化を図っていくことです。
 しかし、これは一朝一夕で実現できるものではありません。常に情報というものの価値を国家として重視するという文化を築き上げていくことが重要で、そのためには、今後、情報収集・分析の専門的な教育研究機関の設置や、情報にかかわる部署には行政内部で高い評価を与えていくようにすべきです。
 日露戦争時にロシアでの内部工作に成功した当時の明石元二郎大佐は、後に大将として遇されましたが、明石大将以降は、情報将校の出世は中将どまりで、大将は出ていません。このことが示しているように、日露戦争以後の我が国の情報軽視の風潮が、我が国の道を誤らせた大きな原因の一つと反省する必要があります。
 第二に、今回必置とされた国家安全保障担当総理補佐官というポストですが、これは、必置ではなく、任意で置くことができるようにすべきだったと思います。
 この総理の意思決定を補佐するスタッフには、大物が座れば、国家安全保障局長などのラインとの関係で混乱要因になりかねませんし、小物が座れば、いわば組織の盲腸になりかねません。もちろん、危機に臨んで最後は一人で決断を下さなければならない総理は孤独で、よいアドバイザーがいた方がいい場合もありますが、それは、よいアドバイザーを得た場合であり、必置である必要はないのではないかと思います。
 補佐官の任命に当たっては、当然ですが、この点を十分に注意して当たっていただきたいと思います。
 第三に、会議の議事録作成についてです。
 これは、一長一短があり、なかなか難しい問題ですが、議事録のあり方、残し方等をしっかり研究して進めていただきたいと思います。
 一方で、まずは、NSC白書のような年次報告書を毎年作成し、国会に提出し、報告をしていただき、国会での議論を経るという、民主主義的なチェックを受けるべきです。この点については、官房長官より前向きの御答弁をいただいておりますので、ぜひ実行していただきたいと思います。
 以上をもちまして、日本維新の会を代表しての賛成討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 118505254X00820131107_025

発言者: 山田宏

speaker_id: 34510

日付: 2013-11-07

院: 衆議院

会議名: 本会議