宮沢隆仁の発言 (本会議)

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○宮沢隆仁君 日本維新の会、宮沢隆仁であります。
 私は、防災・減災に資する国土強靱化基本法案に反対の立場から討論を行います。(拍手)
 討論に入る前に、与党に対し、一言申し上げます。
 特定秘密保護法案について、我が党は、修正合意とは別に、公聴会開催を含め、慎重審議を主張してまいりました。にもかかわらず、与党は、一方的に、質疑を終局し、委員会において強行採決を行いました。さらに、緊急上程まで行おうとしております。このことに断固抗議いたします。
 さて、国土強靱化基本法案の目的である、大規模災害から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるように事前防災、減災を推進するという基本理念は、理解することができます。
 防災及び減災の観点から、老朽化したトンネルや橋の修繕、学校や病院の耐震性強化など、最低限必要な公共事業は最優先で実施する必要があります。さらに、アベノミクス効果はいまだ地方経済に波及していませんので、防災、減災のための公共事業は、地域建設業の雇用を維持し、地方経済を活性化する観点からも必要です。
 つまり、日本維新の会は、公共事業が要らないとか、悪であると考えているわけではありません。
 しかしながら、過去の公共事業への予算の使い方について、多くの問題点を指摘せざるを得ません。
 例えば、過去の災害復興において、復興のためと言いながら、地方の意見を聞かずに、現場の土地カンがない中央官僚の判断のみで、多くの無駄な予算を被災地に投入し、ピントのずれた公共事業をしていた事例が少なくありません。
 「震災復興 欺瞞の構図」を執筆された原田泰氏によれば、内閣府は、東日本大震災の物的資産毀損額を十六・九兆円と推計し、この金額をもとに、十九兆から二十三兆の復興予算が必要であると推計しました。しかし、原田氏は、東日本大震災の被害額は六兆円にすぎないと述べています。
 問題は、過去に復興予算としてつぎ込んだお金の使い方と金額が妥当であったか否かを、全く検証していないということです。反省も検証もなく、同じ過ちを繰り返すほど、国家の借金がふえ、子孫にそのツケが回り、国力は疲弊していくのです。
 なお、この点については、決算行政監視委員会において厳しく追及していきます。
 次に、本法案には、国際競争力に資するといった抽象的な表現が含まれておりますが、どのような国際競争力を指しているのでしょうか。
 このような抽象的文言から、防災、減災とは関係なく、費用対効果の少ない大規模公共事業が実施されるおそれがあります。つまり、国土強靱化なる言葉が何を意味するかが明らかではありません。対象分野が明確でなく、広範な政策が含まれており、際限なく予算が浪費されるのではないかという不安を感じます。
 地方公共団体との関係についても問題があります。
 法案第四条に、国土強靱化に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する義務を有するとあります。まるで、公共工事の中央集権化が強化されたように感じます。
 地方経済の発展のためには、地方自治体の裁量権を強化し、費用対効果が高い公共事業に限定し、むしろ、規制改革と税制改革などで対応すべきであり、過度に公共事業に依存すべきではありません。
 組織についても疑問があります。
 本法案にうたう国土強靱化基本計画では、内閣に置かれた推進本部と関係行政機関によって運営されます。つまり、国会は関与する余地はなく、我々立法府として、こうした白紙委任は認められません。しかも、公共事業の中央集権化が以前よりも強化されることにより、今後進めるべき地方分権に逆行します。
 本法案は、かつて田中角栄氏が日本列島改造論を打ち出したときの手法と、とてもよく似ております。国土強靱化をてこに新しい公共事業の総合化と体系化を目指そうというものでありますが、この当時の、族議員、陳情合戦、土建国家等の言葉が頭に浮かびます。
 しかし、時代が違います。
 少子高齢化時代に入り、社会保障費が増大する現在の財政危機の中では、公共事業に過剰な予算を投入する余裕はありません。将来、人口が減る中で、私たちは、今後急速にふえてくるインフラの老朽化に合わせて、不必要なものは取り除き、必要なものは修理し、技術革新を進めながら、むしろ、インフラを縮小させていかねばなりません。
 例えば、日常的にほとんど車が通らない、しかも維持保全に膨大な費用を要する道路を、何百年かに一回の災害のために、未来の子孫に借金をさせてまでつくり、抱えていくのかという問題でもあります。さらに、地方のみならず、大都市における空き地や空き家増加による限界集落化を、単なる強靱化思想では解決することはできないのです。
 我々日本維新の会は、防災、減災という理念には賛成します。
 しかし、この厳しい財政状況の中で、財政規律を保ちながら持続的な経済成長を進めることは簡単なことではなく、本法案の中には、財政規律を保つための条文は見受けられません。公共事業を強力に推進するためのアリバイづくりの法案としか思えません。
 公共事業をめぐる過去の歴史と本質を見ると、むしろ、行財政改革を推進すべきではないでしょうか。
 本法案の国会運営上にも問題があります。
 なぜ、このような法案が、議員立法であり、場違いな災害対策特別委員会に提示されるのでしょうか。まさか、南海トラフ地震法案、首都直下地震法案とセットで提示して、国民の恐怖心をあおり、野党の抵抗を抑えて通過させようという意図があるわけではありませんね。このような法案であれば、国土交通委員会のような、もっとふさわしい委員会があるのではないでしょうか。
 さらに、今国会での政府提出法案には、ないよりはましだろうというレベルの、法案としては完成度の高くない法案が目立つように思われます。突っ込みどころ満載の法案を提示し、修正を受け入れてでも急いで通してしまおうという姿勢が見えてしまいます。このようなやり方は、議会制民主主義にそぐわないのではないでしょうか。
 以上より、借金を積み重ね、公共事業に依存する古い自民党体質をほうふつとさせるこの国土強靱化基本法案には、反対せざるを得ません。
 最後に、自由民主党及び公明党の皆様におかれましては、巨大与党の力に溺れず、百年後の子供たちに誇れるような真摯な国会審議を要望し、日本維新の会宮沢隆仁の討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 118505254X01420131126_007

発言者: 宮沢隆仁

speaker_id: 7074

日付: 2013-11-26

院: 衆議院

会議名: 本会議