石破茂の発言 (予算委員会)
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○石破委員 去年の今ごろを考えてみますと、株は七千円台ということだった。円は七十円台ということで、一体日本はどうなっちゃうんだというふうに思った人がたくさんいたのでありますが、安倍政権がスタートして、もうすぐ一年になります。株は一万五千円をうかがう勢いになり、そして円は適正水準を取り戻しつつあります。
大胆な金融緩和と機動的な財政出動、これでここまで来ました。これは総理の大きな決断だったと思います。それまで、そんなことをやっても意味がない、そういうことをやっても効果がない、いろいろなことを言われていましたが、あえて決断をされて、この一本目の矢、二本目の矢は大きな効果を発しつつあります。
しかしながら、問題は、三本目の矢である成長戦略、これをやらなければデフレからの脱却はできない。はっきり申し上げて、金融緩和は、どこまでも、いつまでもできるものではない。財政出動も、いつまでも、どこまでもできるものではない。これにはおのずと限界があることは、みんなわかっていることであります。
さすれば、成長戦略をどのように描くかということは、何でそもそもデフレになったのということの認識をきちんと持たなければならない。これがデフレの原因だという唯一無二のものがあるわけではない。多くのものが複合的に重なり合ってデフレというものが起こっているのですが、結局、経済というものが、リーマン・ショックの衝撃が余りに大きかった。投資をするよりも手元に現金を持っておいた方がいい、バブルの崩壊のショックも大きくて、いろいろな投資というものを控えるようになった。
個々の企業としてみればそれは正しい判断であったかもしれないが、バックミラーを見ながら、後ろ大丈夫かな、右大丈夫かな、左大丈夫かな、右を見ながら左を見ながらというような、そういうような経営があちらこちらで行われるようになって、それが合成の誤謬という形で、日本経済をデフレに導いていったのではあるまいか。
従業員を削減する、あるいはコストを下げる、そのことによって、労働者の賃金は減る、下請はたたかれる。それは過当競争というのがあったのではないだろうか。あるいは、投資を抑える、過少投資という状況があったのではないか。あれもやっちゃいかぬ、これもやっちゃいかぬという、規制にかなり岩盤的な、強固なものがあったのではないか。
スローガン的に申し上げれば、過当競争をやめ、過少投資を適正な投資に変え、そして規制を、社会的規制は維持しつつも、経済的な規制はなるべく取っ払っていった方がいいのではないか。スローガン的に言えばこの三つなんだろうと思っていますが、デフレの原因というのは何であり、それをどのようにして除去していくのかということがこの国会において議論されねばならないことだと思います。
後ほど塩崎委員から詳細な議論があろうかと思いますけれども、政府は何でもできる魔法遣いではないのであって、政府としてできる限りのことを全てやる。この後は、民間が、雇用者側も労働者側も含めて、どう応えてくれるか、あるいは、地方がどう応えてくれるか。
先ほど、政権に対する信任が大事だと申し上げたのは、この政権は信頼できるということを国民の皆さん方に思っていただいて、政府が可能な限りのことを全てやった上で、今度は国民に応えていただくということも私どもはお願いをしなければならないことであり、民間の力の爆発というのはそういう意味合いではないかと私は認識をしておるのであります。
今申し上げた、過当競争の是正、過少投資から適正な投資へ、そして規制の緩和、この三つについて、総理のお考えを承ります。