予算委員会

2013-10-21 衆議院 全220発言

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会議録情報#0
平成二十五年十月二十一日(月曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 二階 俊博君
   理事 上杉 光弘君 理事 金田 勝年君
   理事 塩崎 恭久君 理事 萩生田光一君
   理事 林  幹雄君 理事 森山  裕君
   理事 長妻  昭君 理事 山田  宏君
   理事 石田 祝稔君
      あかま二郎君    青山 周平君
      秋元  司君    穴見 陽一君
      安藤  裕君    井野 俊郎君
      伊藤 達也君    石破  茂君
      今枝宗一郎君    今村 雅弘君
      岩屋  毅君   うえの賢一郎君
      衛藤征士郎君    小倉 將信君
      小田原 潔君    越智 隆雄君
      大串 正樹君    大島 理森君
      大西 英男君    大野敬太郎君
      鬼木  誠君    勝沼 栄明君
      門  博文君    門山 宏哲君
      金子 一義君    神山 佐市君
      神田 憲次君    木内  均君
      熊田 裕通君    小池百合子君
      小島 敏文君    小林 史明君
      古賀  篤君    今野 智博君
      佐田玄一郎君    齋藤  健君
      菅原 一秀君    薗浦健太郎君
      東郷 哲也君    野田  毅君
      原田 義昭君    前田 一男君
      宮路 和明君    山下 貴司君
      山本 幸三君    大串 博志君
      岡田 克也君    奥野総一郎君
      篠原  孝君    玉木雄一郎君
      古川 元久君    前原 誠司君
      遠藤  敬君    坂本祐之輔君
      椎木  保君    重徳 和彦君
      杉田 水脈君    中山 成彬君
      西野 弘一君    伊佐 進一君
      上田  勇君    浜地 雅一君
      桝屋 敬悟君    大熊 利昭君
      佐藤 正夫君    宮本 岳志君
      畑  浩治君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   総務大臣
   国務大臣
   (地方分権改革担当)
   (地域活性化担当)    新藤 義孝君
   法務大臣         谷垣 禎一君
   外務大臣         岸田 文雄君
   文部科学大臣       下村 博文君
   厚生労働大臣       田村 憲久君
   農林水産大臣       林  芳正君
   経済産業大臣
   国務大臣
   (原子力損害賠償支援機構担当)          茂木 敏充君
   国土交通大臣       太田 昭宏君
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    石原 伸晃君
   防衛大臣         小野寺五典君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   国務大臣
   (復興大臣)       根本  匠君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当)       古屋 圭司君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当)
   (科学技術政策担当)
   (宇宙政策担当)     山本 一太君
   国務大臣
   (女性活力・子育て支援担当)
   (消費者及び食品安全担当)
   (少子化対策担当)
   (男女共同参画担当)   森 まさこ君
   国務大臣
   (経済再生担当)
   (経済財政政策担当)   甘利  明君
   国務大臣
   (規制改革担当)     稲田 朋美君
   財務副大臣        古川 禎久君
   財務副大臣
   兼復興副大臣       愛知 治郎君
   経済産業副大臣
   兼内閣府副大臣      赤羽 一嘉君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    小松 一郎君
   政府参考人
   (中小企業庁長官)    北川 慎介君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   参考人
   (東京電力株式会社代表執行役社長)        廣瀬 直己君
   予算委員会専門員     石崎 貴俊君
    —————————————
委員の異動
十月二十一日
 辞任         補欠選任
  衛藤征士郎君     東郷 哲也君
  越智 隆雄君     小田原 潔君
  大島 理森君     熊田 裕通君
  関  芳弘君     大串 正樹君
  薗浦健太郎君     石破  茂君
  中山 泰秀君     穴見 陽一君
  西川 公也君     井野 俊郎君
  船田  元君     安藤  裕君
  保岡 興治君     青山 周平君
  山本 有二君     山下 貴司君
  大串 博志君     前原 誠司君
  篠原  孝君     奥野総一郎君
  中山 成彬君     遠藤  敬君
  西野 弘一君     椎木  保君
  伊佐 進一君     桝屋 敬悟君
  浜地 雅一君     上田  勇君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     門山 宏哲君
  穴見 陽一君     今枝宗一郎君
  安藤  裕君     大野敬太郎君
  井野 俊郎君     小倉 將信君
  石破  茂君     齋藤  健君
  小田原 潔君     鬼木  誠君
  大串 正樹君     神田 憲次君
  熊田 裕通君     大島 理森君
  東郷 哲也君     前田 一男君
  山下 貴司君     山本 有二君
  奥野総一郎君     篠原  孝君
  前原 誠司君     大串 博志君
  遠藤  敬君     中山 成彬君
  椎木  保君     西野 弘一君
  上田  勇君     浜地 雅一君
  桝屋 敬悟君     伊佐 進一君
同日
 辞任         補欠選任
  今枝宗一郎君     勝沼 栄明君
  小倉 將信君     門  博文君
  大野敬太郎君     神山 佐市君
  鬼木  誠君     越智 隆雄君
  門山 宏哲君     木内  均君
  神田 憲次君     関  芳弘君
  齋藤  健君     薗浦健太郎君
  前田 一男君     大西 英男君
同日
 辞任         補欠選任
  大西 英男君     今野 智博君
  勝沼 栄明君     小島 敏文君
  門  博文君     古賀  篤君
  神山 佐市君     小林 史明君
  木内  均君     保岡 興治君
同日
 辞任         補欠選任
  小島 敏文君     中山 泰秀君
  小林 史明君     船田  元君
  古賀  篤君     西川 公也君
  今野 智博君     衛藤征士郎君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 予算の実施状況に関する件
     ————◇—————
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二階俊博#1
○二階委員長 これより会議を開きます。
 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として中小企業庁長官北川慎介君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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二階俊博#2
○二階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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二階俊博#3
○二階委員長 基本的質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石破茂君。
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石破茂#4
○石破委員 おはようございます。自由民主党幹事長の石破茂であります。
 主に総理からお答えいただきたいのでありますが、必要に応じて関係閣僚にお答えいただいて結構でございますので、よろしくお願いを申し上げます。
 七月二十一日の参議院選挙におきまして、我々自民党・公明党政権としては、六年ぶりに、いわゆるねじれ状態を解消いたしました。国民の皆様方が、ねじれを解消せよ、そういうような意思を表示されたものだというふうに理解をいたしております。先般の七月二十一日の参議院選挙は、昨年の十二月の総選挙に続きまして、国民が自公政権に対して、信頼そして期待をあらわされたものだというふうに認識をいたしております。
 参議院選挙において示された国民の皆様方の民意について、総理のお考えを承ります。
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安倍晋三#5
○安倍内閣総理大臣 さきの参議院選挙におきまして、まずもって、自民党、公明党、連立与党を支持していただいた皆様に御礼を申し上げたい、感謝を表したい、このように思います。
 その上において、この皆様からいただいた信頼は決して裏切ってはならない、この皆様の期待に必ず応えていかなければいけないという、この思いを新たにいたしておる次第でございます。
 同時に、残念ながら、投票率は、さきの衆議院選挙と同じように、余り高いとは言えなかった。つまり、そのことも、政治が十分に信頼を回復しているかといえば、まだそうはなっていないということも我々は肝に銘じなければならない、このように思います。
 その上において、私たちが国民の皆様にお約束をしたことを一つ一つ実行し積み上げていくことによって、そうした信頼を回復していかなければならない、このように思います。
 私自身も、六年前、我が党を率いて参議院選挙を戦ったわけでございますが、残念ながら惨敗をし、そしてそれがねじれの原因となったわけでございます。あのときのことを決して忘れてはならない。また、そのときの結果に対して、私は大きな責任を負っているわけでございます。
 その意味におきましては、あのときの惨敗を肝に銘じながら、しっかりと国民の期待に応えていきたい。何よりも、政治は国民のもの、これは、自由民主党、我が党の立党の原点でありますから、この原点に立ち返り、責任を果たしていきたい、このように考えております。
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石破茂#6
○石破委員 今、総理の答弁にありましたように、我々は本当に国民の全幅の信頼を得たのであろうかということは、よく認識をしなければいけないことだと、私自身、思っております。
 昨年の総選挙にも我々は多くの議席をいただきました。この参議院選挙においてもそうでありました。ただ、あのときの自民党本部の雰囲気はどうであったかといえば、浮かれたような、はしゃいだような雰囲気というのは全くなかったんだと思います。安倍総理・総裁も、また幹事長たる私も、マスコミの皆さんからもうちょっと笑ってくださいと言われて初めて笑顔をつくるような、つくると言っては変だが、そんな感じであったと思っております。
 それはなぜなのかといえば、今総理がお話しになりましたように、投票率は、低いところも高いところもありますが、おおむね五〇%ぐらいだったのですね。半分の方は行っておられないということなのです。
 そして、参議院選挙について申し上げれば、選挙区で我が党が得票した得票率というのは四〇%ぐらいが平均です。もちろん、他党はもっと低いんですけれども。定数が一ですから、そういうことは往々にしてあり得ることですが、投票率が五〇%で得票率が四〇%、それで、参議院の選挙区についてだけ言えば、六〇%の議席を持っているわけです。
 このことを我々は決して忘れてはならないのだ、圧勝したことをもって、あたかも国民の大多数が支持したかのごとく、そういう錯覚に陥ってはならないということだと思っております。ですから、私たちは常に、国民の多くの方々に御理解、御納得いただけるように、丁寧に真摯に謙虚に、政権を、あるいは党を運営していかねばならないと思っております。
 このことについて、総理も同じ御認識かと思いますが、もしお考えがあれば承りたい。
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安倍晋三#7
○安倍内閣総理大臣 先ほどもお話をさせていただいたように、投票率が低かったということは、我々政治の場に身を置く者として大変残念なことでありますし、政治に対して期待を持っていただく、あるいは、政治に自分も参加をし、そして政治の将来に自分も影響を与えていきたい、こう思ってもらえるように我々も努力をしていきたい、このように思いますし、若い世代の方々も含めて、国民の皆様が一票を投じることの意義、意味について、もっと我々は国民の皆様にお話をしていく必要もあるんだろう、このように思います。
 同時に、自分たちの投じた票は意味がない、このように思われないようにすることも我々に求められている。つまり、例えば、政党が約束したことを全く守らない、約束したことを守らないのであれば、その約束を聞いて一票を入れても意味がないじゃないかということにつながってくるわけでございまして、この不信は、政治の土台を根本的に、まさに民主主義の土台を崩していく危険性を私ははらんでいるのではないかと思います。
 そのことに鑑み、我々も、政権公約をつくっていく上においても、より一層強い責任感を持ちながら、そして、この失われている政治への信頼を何とか取り戻さなければいけないという強い情熱を持って臨んでいく必要があるだろう、このように思います。
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石破茂#8
○石破委員 総理がお話しになりましたように、この低投票率というのは、誰がやっても一緒だよ、政治なんかどうせ変わりはしないんだよというような、そういう国民の方々が残念ながら相当数おられるということだと思います。誰がやっても一緒だよ、政治なんか信用できないんだよ、そういうふうにお思いの方々も残念ながら多い。国民が政治を信じていないというのは、確かに現象としてあるでしょう。
 では、我々政治の側は本当に国民を信じて語ってきたのかということも、我々が問われなければいけないことだと思っています。これを言えば票が減るとか、これを言えば人気が落ちるとか、これを言えば政権を失うとか、そういうことを恐れて本当のことを語らないとすれば、それは政治も国民を信じていないのではないか。国民を信じていない政治が国民から信用されるというのは、私はあり得ないんだろうと思っております。
 民意が、答えを出せ、もういい話はたくさんだ、いい話ではなくて本当のことを言ってもらいたい、そういうふうに思っておられると思うんですね。答えを出していかなければなりません。
 この国会において議論せねばならないこと、我々の政権が直面している課題、例えて言えば、デフレからの脱却、財政再建、社会保障の持続可能性の維持、エネルギー政策、あるいは食料の問題、あるいは安全保障、そして憲法。これは、実は本来、我々がもっと早くに答えを出しておかなければならなかったことなのではないか。
 民主党政権のいろいろな失敗をあげつらっても仕方がないのであって、我々はそのことを承知の上で今政権を担っているのであって、民主党政権が悪かったの何の、そんなことを言っても始まりません。我々は、そのことを承知の上で政権を担っているのであります。
 私たちが本来もっと早くやるべきであったのに、これを言えば票が減るとか人気が落ちるとか、そういうことを言って先送りしてきた課題、今こそ、それに答えを出していかねばならないのではないか。国民を信じて、いい話ばかりではなくて本当のことを語り、国民に判断を委ねる、そういうような政権でありたいと思いますが、総理、いかがですか。
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安倍晋三#9
○安倍内閣総理大臣 今、石破議員が質問をされた点、これがまさに、政治家にとって最初の選挙のときから突きつけられている課題なんだろうと思います。
 まさに、その意味においては、石破幹事長は、地元において、これを言ったら票が減るかもしれないということを言い続けて当選をしてこられたんだろう、このように思いますが、しかし、そのことによって信頼を得ることもできるわけでありまして、実は、有権者も国民の皆様もそれを求めているんだろうと思います。
 たとえ言葉を、幾らお化粧を施しても、結局、やはりそれは見抜かれるわけですね。それは真実なのか、本当にこの人物はそれをやろうとしているかどうかということなんだろうと思います。
 政治家が真実を語り、国民の皆様とともに問題意識を共有し、その上において、解決策を、あるいは選択肢を提示しながら、自分はこの道をとっていきますということを、正直に、そして真摯に訴えていくことこそが、私は、政治の信頼を回復する近道なんだろう、このように思います。
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石破茂#10
○石破委員 それでは、それを議論する国会のあり方というのはどうなるんだろうかということについて、少し総理のお考えを承りたいと存じます。
 私も、いたずらに議歴を重ねて、二十八年目になります。四百八十人の中で、いつの間にか、上から数えて三十番目ぐらいになってしまいました。与党も野党も経験もしましたし、閣僚も務めさせていただきましたし、常任委員長も務めさせていただきました。ある程度は知っておるつもりですが、世の中にあまたあるいろいろな組織の中で、この国会というものの改革、これがかなりおくれているのではないか、そういう認識を持っております。
 国権の最高機関である国会において本当に有意義な議論が闘わされ、そして結論を出して、まさしく国会はどうあるべきかということに、我々は答えを出していかねばならないと思っております。
 総理が国会に出席する日数というのが、日本の場合には極めて多い。これはいいことなんでしょう。総理が国会においていろいろな存念を述べられるというのは、それはいいことなんでしょう。しかしながら、民間有識者のあるデータによれば、平成二十三年ですが、総理が国会に出席した日数は百二十七日であったということであります。同じく議院内閣制をとっておりますイギリス、その調査をした期間は少し違いますが、イギリスにおいて総理が国会に出て発言した日数は三十八日、ドイツは十一日ということでありました。
 それは、一国の総理ですから、多くの問題を処理しなければならない。同時に、総理は今非常に努めておられますけれども、外国に出て日本国の立場というものを述べねばならない、まさしくそういう時代になったんだと思っております。
 というようなことを言いますと、ほらほら、総理の負担を減らそうとしているのかとか、国会における総理の説明をおろそかにするのかとか、そういう御批判がございますが、私はそのようには考えておりません。むしろ、この国会というのは、政府と議員がやりとりをする、質問をするということも大事ですが、同時に、議員同士の議論の場、政党同士の議論の場、そういう国会としてもっと機能しなければならないのだと私自身は考えております。
 きょうもこうやって全部の閣僚が御出席でありますが、こういう場合においてはやむを得ないにしても、往々にして予算委員会においては、全閣僚が出席をする、場合によっては答弁が一回もないけれどもずっと座っているということが、実際問題、あるわけですね。そして、九時から五時まで国会に座っていて、それから役所に帰って仕事をして、役所を出るのは十一時、十二時ということもよくあるお話でございます。
 これをもっと機能的に動かすことはできないのだろうかということに、我々自民党、公明党も、そしてまた野党の多くの党も、与党として政権に携わってまいりました。維新の会とかみんなの党とか、党自体としては政権に参画しておられないけれども、党首クラスは政権に入った経験をお持ちの党もたくさんあるのであります。既に自民党から提案が出た、民主党からも提案が出た、維新の会からは率先して提案が出ております。あのときああ言ったらおまえら断ったじゃないか、このときああ言ったらおまえら断ったじゃないか、そんな過去のことを言っても仕方がないのであって、この国会をさらに有効に機能させる、そういうことが必要だと思っております。
 その場合に、では、総理はどこにおいて答えるのかということでありますけれども、党首討論というのがございます。あれをもっと充実させるべきなのではないだろうか。その頻度においては国会で決めることですが、頻度を上げる。そして、内外の課題全般なんぞというふわっとした抽象的なテーマではなくて、今度は汚染水問題である、今度はエネルギー問題である、今度は財政であるというふうにテーマを決めて、さらに時間を少しふやしてということについて、私は、総理と野党との間にもっともっと議論が行われることが国会改革においては重要であると考えております。
 総理のお考えを承ります。
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安倍晋三#11
○安倍内閣総理大臣 国会において、総理大臣以下の閣僚が、国民の代表たる国会議員から質問を受けて、それに答えていく、政府が進めようとしている政策、あるいは行ってきた政策、そして執行しようとしている予算、執行を行った予算について詳細に国民の疑問に答えていくという意味において、国会でその責任を果たしていくことは当然のことなんだろう、このように思います。だからこそ、これは憲法によって我々もその義務を負っているわけであります。
 と同時に、我々は、この国会での説明と同時に、さまざまな行政に求められる課題は多いわけであります。
 特に今、経済においては、グローバルな経済の中で日本は勝ち抜いていかなければならないわけであります。大変、変化も激しい。その中において、我々は政治主導によって物事を決めていかなければなりません。政治主導によって決めていくということは、最終的には総理大臣が判断をしていく。この総理大臣の判断を問われることは、日々行われるわけでございます。
 また同時に、海外に総理大臣が出向いていく、あるいは政治レベルで出向いていって、さまざまな交渉において日本を優位な立場にしていく、日本の魅力を売り込んでいく、日本の存在感を上げていくことも大きな責任であり、今まさにそれが求められているわけでありますし、また同時に、海外から要人がやってくる上において、国会が開会中は日程調整が非常に難しいという課題も他方あります。今は、国会の了承を得ながら、お願いをしながら、その中で最大限行っているわけで、了承を得ながら海外に出張したり、あるいはまた海外のお客様をお迎えしているわけでございます。
 この中で、あるべき姿はどうか。つまり、その中で、歴代の総理大臣も、もう少し、政治的な判断をする上において、静かに考え、熟考し、決断を下していくという時間があった方がいいのではないかということを述べておられる方々が、我が党だけではなくて、多くおられたのも事実であります。
 そういう中において、時間の配分のあり方、そして国会の運営のあり方、議員と政府との議論のあり方等、これは建設的な御議論をいただければいいと思いますし、その中で、今、石破委員が御指摘になった党首討論、まさにこの党首討論を活用して、与党と野党のトップ同士が議論をし、お互いに見識を闘わせることによって、国民の皆様に選択肢を示していく、あるいは今の課題は何かということを浮き彫りにしていくということも大切ではないか。党首討論のより一層の活用、そしてそのことによって中身を深めていくということも重要ではないか、このように思うわけであります。
 あるいはまた、さまざまな質問に対して、こうした、例えば予算委員会の場合は全ての大臣が出席をしているわけでありますから、それぞれの役所の課題においては、基本的にはその責任者である出席をしている大臣が答えていくことによってより深い議論につながっていくのではないか、このようにも思うところであります。
 いずれにせよ、こうした政府と国会との間の議論、どれぐらい時間を使っていくべきかどうか、そして中身を、質をどのように高めていくべきかどうかということについて、ぜひ国会において御議論をいただければ大変有意義ではないか、このように思います。
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石破茂#12
○石破委員 まさしく国権の最高機関たる国会、これが十分な機能を果たしていかねばならぬと思っておるのです。
 国会改革というのは本当に急がれる課題なのであって、私ども議会としてそのことにきちんと答えを出したい。できればこの臨時国会から、さらには通常国会において。
 国会において政府を追及する、政府は何とか何とかその場を逃れようとして時間を費やすというような議論は、そろそろ変えていかなければならぬのだと思っております。国会において有意義な議論が闘わされ、そこにおいて、揚げ足をとったり、そういうことではなくて、そして何とか何とかそういうような言質を与えまいとする答弁に終始するのではなくて、本当に本音の議論が闘わされ、答えが出る、そうしていかなければ日本全体の改革は難しいと実は思っているのです。
 我々自民党も提案をいたします。ぜひ野党の皆様方におかれても、与党でも野党でもいいんです、この国会において我々がいかなる責務を果たすことが、国民に対して、国家に対してその役割を果たすことか、そういう気持ちで議論をしていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。
 政策課題に入ります前に、一つお尋ねをしておきます。伊豆大島であります。
 また台風の接近というものが報ぜられまして、伊豆大島においては非常に緊張が高まっておる。政府挙げて、今度は犠牲が出ないように、いかにして被害が最小にとどめられるかということに尽力をしておられると思います。現場も、大変な状況の中で、最大限の努力をしておられると承知をしております。
 伊豆大島の災害につきまして、総理のお考えを承ります。
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安倍晋三#13
○安倍内閣総理大臣 台風二十六号により伊豆大島で多くの方々が命を落とされた。改めて御冥福をお祈りしたいと思いますし、今の段階で困難な避難生活を余儀なくされている方々にお見舞いを申し上げたい、このように思います。
 さらなる被害が懸念されているわけでございますが、これ以上犠牲者が出ないように万全を期していきたい、このように考えておりますし、今までの台風、豪雨と違って、降る雨の雨量が過去と比べて飛躍的にふえているわけでありますから、過去の事例の積み上げにとらわれることなく、できることは全部やって、人命尊重第一で対応していくことが重要ではないか、このように思います。
 十九日には、古屋防災担当大臣そして太田国土交通大臣を現地に派遣したところでございまして、その場におきまして万全の体制をしくようにそれぞれ指示をしていることと承知をしておりますが、いずれにせよ、さらには台風二十七号も再びこの大島を直撃する可能性もあるわけでありますから、万全の体制で臨んでいきたい、このように思っております。
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石破茂#14
○石破委員 今までの常識では通用しないような、そういう災害が頻発するようになりました。
 私も、もう今から随分前です、若いころ、災害対策特別委員をやっておって、そのときに、避難勧告の出し方とか避難命令の出し方とか、いかにあるべきなんだろうかと。今回、町長さんが公務で出張しておられた、そのことが議論になっていますが、避難命令とか避難勧告とかいうのを出す場合に、それが行政の裁量に任されて本当にいいものなんだろうかという思いがそのときからずっとあるのです。
 早く出して被害がなければ、何だ、人騒がせなみたいなことにならないとも限らない。しかし、そういうような勧告あるいは命令を出すことがおくれて甚大な被害が出たとすれば、それはもう責任は免れないわけですね。行政のトップというのは、常にそういう逡巡の中にあるし、ぎりぎりの判断を求められているんだろうと思います。
 この避難勧告と避難命令の出し方は、出すことができるという規定になっていますが、こういう条件を満たした場合には出さなければならない、これを私は断定的に申し上げるつもりはありませんが、総理がおっしゃいますように、今まで経験したことがないことが起こっているわけであります。だとすれば、この災害に対する仕組み自体、見直していかねばならないのではないか。
 もう一つは、防災に携わる政府の人員、マンパワー、これが本当に十分なんだろうかという思いがございます。
 仕組みの問題あるいは人員の問題において、防災担当大臣あるいは関係大臣、政府内において、もう一度新たな考えを示していただく必要があるのではないかと思いますが、もしお考えがあれば承りたいと存じます。
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古屋圭司#15
○古屋国務大臣 お答えいたします。
 委員御指摘のように、今回の二十六号台風では、大島町内において、結果として、避難の警告やあるいは指示というものが出なかったわけでございます。
 御承知のように、この避難の警告とか指示は地方公共団体の首長が出していただくということになります。その出す判断基準を、今回の場合ですと東京都あるいは気象庁等々から情報を提供して、最終的に判断をする。町長さんも、今御指摘のように、当日は公務でいらっしゃらなかった。いろいろな要素があります。今その辺の、時系列的にどういう対応をしたのかということを詳細に検討いたしております。
 これはやはり、残念ながらこういった多くの犠牲者を出してしまいましたので、今後この教訓をしっかり生かしていく。そのためには、今申し上げた指示の出し方、警告の出し方、あるいは特別警報のあり方についても、もう一度検証して、必要な改正をすべきということになれば、しっかり私どもとしては対応していきたいというふうに思っております。
 そのためにも、やはり全てを地方公共団体に任せるということではなくて、いろいろな知見を持っている政府がしっかり指導的なアドバイスをしていくという環境も、場合によっては整えていくべきかもしれません。その辺は詳細に検討して、速やかにお答えを出していきたいというふうに思っております。
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石破茂#16
○石破委員 この点は数年前に、我々が野党のときにも指摘をしたことなんです。
 私たちも、法律をこうするべきだ、制度をこうすべきだということを具体的に示さなければならなかった、そのことについての反省はあるのですが、今、古屋大臣お答えのとおり、もう一度検証していただいて、できるだけ早い機会に、このように変わったということを示さなければならない。それが我々政府・与党の責任だと思っております。私どもも最大限尽力いたしますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。
 さて、政策について承りたいと存じます。
 冒頭お話があったように、私ども、衆参において国民の御支持をいただきました。黄金の三年間、何が黄金だかよく知りませんが、とにかく三年間は、もちろん解散は総理の御判断ですから私がここであれこれ言うことではありませんが、三年間は大きな選挙がないということがあり得るという状況になっております。
 第一次安倍政権というのは、例えば教育基本法の改正、あるいは国民投票法の制定、あるいは防衛庁の省への移行、多くの歴史に残る仕事をしてこられました。しかしながら、余りに多くの課題というものに一度に総理が、国家に対する使命感、責任感を持って臨まれた、多くの課題に取り組まれた。冒頭おっしゃったように、参議院選挙が来ちゃったわけですね。小泉改革というのがあって、いろいろな改革がなされた、そのことのケアというものを国民は望んでいたのかもしれない。多くの改革はなされたけれども、結果として、参議院において勝つことはできなかった。総理が退陣された。
 第一次安倍内閣と第二次安倍内閣の違いはそこにあると思っています。衆議院、参議院において国民の御信任をいただいた。総理の御判断ではあるけれども、三年間という期間を見据えることができるということになりました。そこが大きな違いです。
 さすれば、どのように政策をこの三年間にやっていくか。もちろん、先延ばしにしていいとか、いいかげんにしていいとか、そんなことを申し上げているわけではありませんが、私自身、一番急ぐのは、やはりデフレからの脱却であり、経済が成長を取り戻すのであり、財政の規律が回復するのであり、雇用が改善するのであり、一人一人の所得が増すのであり、そのことをまず示すということが政権として一番急がれることではないかと思っています。
 もちろん、並行して、被災地の復旧復興、汚染水への対応、普天間の問題、TPPの問題、あります。そういうものは並行して全力を尽くしていかねばならないが、まず、我々の政権として、この経済の成長、そして財政の持続可能性の維持、社会保障の持続可能性の維持、まずこれをきちんとお示しする。そのことによって、国民が期待ではなく実感として安倍政権を信任するということになって、多くの課題が解決できるのではないか。
 それまで何もしなくていいというのではありません。後ほど議論しますが、集団的自衛権の問題というものは、総理も私もライフワークとしてどうしてもなし遂げたいと思っている、その思いは全く総理と共有するものであります。
 しかし、そういう問題が俎上に上ったときに万全の体制でそれに臨めるように、周到に綿密に誠実に、準備を重ねておく、そういう期間も必要なのではないでしょうか。この三年間というものが、計画的に政策の優先順位を定め、三年間の間にこの失われた二十年の答えをきちんと出すということが必要なのではないかと思いますが、いかがですか。
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安倍晋三#17
○安倍内閣総理大臣 ただいま石破議員が御指摘になったように、まさに第一次安倍内閣においては、さまざまな課題に挑戦したわけでございますが、残念ながら国民の皆様の評価をいただけずに、参議院選挙で惨敗をしたわけでございます。
 さまざまな原因があるわけでありますが、今回との違いの一つは、小泉総理から引き継ぐ形で、党内の総裁選挙は行いましたが、しかし、総選挙を経ることなく総理に就任をしたわけでございます。その際、総裁選挙で約束したことについてのアジェンダを決めて実行していったわけでありますが、国民的な、いわばそうしたアジェンダについては共感を得ていたかといえば、必ずしもそうではなかったんだろう、国民のニーズとはそれがマッチしていなかったということも言えたかもしれない、このように思います。
 今回は、昨年、まさに私たちは、日本を取り戻す、これを大きなテーマに、そのためには、デフレから脱却をして強い経済を取り戻さなければならない、そして家計を潤していく。そのためにも、賃金を増大し、そして雇用を拡大していく必要がある。早くそうしたいい景気循環の中に入っていくために、三本の矢を初めとしたこういう政策を打っていくということを明確にして、私たちは政権を獲得したわけでございます。
 参議院選挙においても、私たちが進むべき方向、今申し上げた方向性、優先順位を明確にしながら、参議院選挙でも勝利を得ることができました。
 その上においては、優先順位は極めて明確になっているわけでございまして、デフレから脱却をして、そして強い経済を取り戻す。そして、それは安定的な社会保障制度にもつながっていくわけでございますし、まさにそれは、賃金をふやしていく、雇用を拡大していく、国民一人一人が潤っていく。
 まだそれは道半ばであり、残念ながら、まだまだ、全国津々浦々にそれをお届けできているかといえば、そうではないわけでありまして、これを全国津々浦々にお届けするというのが参議院選挙の公約でもあったわけでございますから、これをもちろん最優先に、もちろん、今委員がおっしゃったように、東北の復興、これも重要な政策でありますし、今、日々の汚染水対策もあります。また、安全保障に目を転じれば、普天間への移設の問題を含めた課題もあるわけでございます。そして、教育の再生もありますし、さまざまな課題に挑戦をしていくことが求められているんだろうな。
 その中で、きっちりと優先順位をつけながら、間違いがないように体制を整え、同時に、体制を強化しながら、より力を蓄えながら、なかなか国民の皆様の中において十分に議論が深まっていない大きな中長期的な課題もあります。それに備えていく。
 その備えていく上においては、そうした課題を避けるのではなくて、同時に、そういう課題に対しても議論が深まっていくような努力もしていくのは当然のことなんだろうと思いますし、そうした難しい中長期的な課題にも私たちは挑んでいくんだという姿勢を見せなければ、いつまでたってもそうした課題に取りかかることはできないんだろうなと思います。
 そうした優先順位、あるいはまた中長期的な認識と決意を持ちながら、政権運営に当たっていきたいと考えております。
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石破茂#18
○石破委員 去年の今ごろを考えてみますと、株は七千円台ということだった。円は七十円台ということで、一体日本はどうなっちゃうんだというふうに思った人がたくさんいたのでありますが、安倍政権がスタートして、もうすぐ一年になります。株は一万五千円をうかがう勢いになり、そして円は適正水準を取り戻しつつあります。
 大胆な金融緩和と機動的な財政出動、これでここまで来ました。これは総理の大きな決断だったと思います。それまで、そんなことをやっても意味がない、そういうことをやっても効果がない、いろいろなことを言われていましたが、あえて決断をされて、この一本目の矢、二本目の矢は大きな効果を発しつつあります。
 しかしながら、問題は、三本目の矢である成長戦略、これをやらなければデフレからの脱却はできない。はっきり申し上げて、金融緩和は、どこまでも、いつまでもできるものではない。財政出動も、いつまでも、どこまでもできるものではない。これにはおのずと限界があることは、みんなわかっていることであります。
 さすれば、成長戦略をどのように描くかということは、何でそもそもデフレになったのということの認識をきちんと持たなければならない。これがデフレの原因だという唯一無二のものがあるわけではない。多くのものが複合的に重なり合ってデフレというものが起こっているのですが、結局、経済というものが、リーマン・ショックの衝撃が余りに大きかった。投資をするよりも手元に現金を持っておいた方がいい、バブルの崩壊のショックも大きくて、いろいろな投資というものを控えるようになった。
 個々の企業としてみればそれは正しい判断であったかもしれないが、バックミラーを見ながら、後ろ大丈夫かな、右大丈夫かな、左大丈夫かな、右を見ながら左を見ながらというような、そういうような経営があちらこちらで行われるようになって、それが合成の誤謬という形で、日本経済をデフレに導いていったのではあるまいか。
 従業員を削減する、あるいはコストを下げる、そのことによって、労働者の賃金は減る、下請はたたかれる。それは過当競争というのがあったのではないだろうか。あるいは、投資を抑える、過少投資という状況があったのではないか。あれもやっちゃいかぬ、これもやっちゃいかぬという、規制にかなり岩盤的な、強固なものがあったのではないか。
 スローガン的に申し上げれば、過当競争をやめ、過少投資を適正な投資に変え、そして規制を、社会的規制は維持しつつも、経済的な規制はなるべく取っ払っていった方がいいのではないか。スローガン的に言えばこの三つなんだろうと思っていますが、デフレの原因というのは何であり、それをどのようにして除去していくのかということがこの国会において議論されねばならないことだと思います。
 後ほど塩崎委員から詳細な議論があろうかと思いますけれども、政府は何でもできる魔法遣いではないのであって、政府としてできる限りのことを全てやる。この後は、民間が、雇用者側も労働者側も含めて、どう応えてくれるか、あるいは、地方がどう応えてくれるか。
 先ほど、政権に対する信任が大事だと申し上げたのは、この政権は信頼できるということを国民の皆さん方に思っていただいて、政府が可能な限りのことを全てやった上で、今度は国民に応えていただくということも私どもはお願いをしなければならないことであり、民間の力の爆発というのはそういう意味合いではないかと私は認識をしておるのであります。
 今申し上げた、過当競争の是正、過少投資から適正な投資へ、そして規制の緩和、この三つについて、総理のお考えを承ります。
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安倍晋三#19
○安倍内閣総理大臣 現状の問題点、デフレの問題点、あるいはデフレ克服に必要なのは何かという問題意識においては、全く私も委員と同じでございます。
 デフレはなぜ起こったか。さまざまな議論がありますが、同時に、十五年間デフレが続いてきたことによって起こった一つの大きな問題としては、デフレマインドがこびりついてしまったということであります。
 まさに、このデフレマインドをまず払拭していくために、我々は、大胆な金融緩和と機動的な財政政策、今までとは次元の違うものでデフレから脱却をしていくという強い意思を示しました。その中で、デフレから脱却できるかもしれないという気持ちが起こったのは事実だろうと思います。
 それが、ある意味では、十五年間こびりついたものを取り去る、一番難しい作業なんですが、まずそれに我々は最初に取りかかったのでありまして、その上において、しっかりとこれから安定的にデフレから脱却をして成長軌道に乗っていく上においては、過剰な規制、そして過少投資、あるいは過当競争、この三つをしっかりと見据えながら、それに対する対応をしていく。
 行き過ぎた規制については、それを取り除いていく。新たな可能性をどんどんそこから引き出しながら、チャレンジする企業がどんどん出てくる、あるいは海外からも投資が起こるような、そういう経済に変えていく、ダイナミックな経済に変えていく。
 ということと同時に、過当競争、これはおっしゃるとおりでありまして、この過当競争の中において、グローバルな競争をする前に、もう日本の中でくたびれ果てていく。これは賃金の低下を招き、デフレにも、いわばデフレストッパーとしての役割を果たしていた賃金自体が、むしろお互いに競って賃金を下げ合っていくという状況にもなりかねないわけであります。
 やはりこの過当競争を、成熟産業から成長産業に人が移っていくということも起こしながら、業界再編がスムーズにいく中において、競争力を回復し、そして、それぞれの企業が強い体質をかち得ていく中において、十分な賃金、そしてさらには、成長産業が伸びていくことによって、雇用の拡大も図っていきたいと思います。
 その中において、今申し上げました、企業がしっかりと投資をしていく。最初の二本の矢によって、デフレから脱却できるかもしれないというインフレ期待が起こってきたわけでございまして、その中においては、投資をしていくこと、これがだんだん、経済合理性において経営者として正しい判断として、多くの経営者が共有するに至ってくれば、しっかりと投資が起こっていく。
 デフレ状況であれば、現金を持っていれば現金を持っているほどいいわけでありまして、その中において投資をして新たな生産性を上げて物をつくろうというふうにはなかなかならないわけでありますが、そうではなくて、持っていてはむしろ、これがだんだん少なくなってくる、デフレから脱却すればそうなっていくわけでありますが、そういう認識を経営者が持って、早く投資をして生産性も上げなければいけない、早くしなければ人材が集まらない、しっかりと雇用条件をよくしなければ人材も確保できないとなれば、これはデフレから脱却していく、いわばそういう経済になっていくのではないか。
 そのためにも、今委員がおっしゃったように、過剰規制、過当競争そして過少投資、この三つにしっかりと取り組んでいきたい、取り組んでいかなければならない、このように考えております。
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石破茂#20
○石破委員 この国会において、さらに具体論について踏み込んで論じたいと思っております。
 この時期に消費税を上げるというのは一体どういうことなんだというふうによく言われます。しかしながら、私どもとして、三党合意に基づき、それは誰も喜ぶ話ではありませんが、消費税を上げていかねばならない。
 二つの論点があると思っています。
 一つは、消費税を一九九七年橋本内閣のときに三から五に上げたじゃないか、あのときに経済が悪くなったじゃないか、そのことと今と何が違うんだという論点が一つ。
 もう一つは、ともすれば忘れられがちなのですが、何のために消費税を上げるのかという議論がどうも十分ではないように思うのですね。順序が逆になりますが、何のために今回上げねばならないかということであります。
 そして、橋本政権時に上げたときは、あのときはアジアの通貨危機があり、国内の金融危機があり、この二つがぶつかってしまったのだ、今回はそのようなことがないのだ、以上、おしまいというようなことであってはならないのであって、あのときと比べて、財政ははるかに悪いわけですよね。そしてまた、企業の設備投資の状況も、総理が先ほどからおっしゃいますように、かなり低い水準にあるわけですね。
 ですから、あのときと単純に比較をすることはできないが、あのときと今と何が違うのか。今回、消費税を上げても経済が安定的に成長するというのは、それはどういう根拠に基づくものであるのか。
 そして、消費税は、社会保障の安定のためであり、財政への信認のためである。よく、ギリシャになるぞという議論をする人がいますが、ギリシャと日本というのは随分前提条件が違うので、ギリシャの場合には、ユーロ圏ですから、独自で金融政策というものをとることはできない、そして公務員が圧倒的に多いということであって、日本とギリシャとを同一に論じることはかなり危ない議論だとは思っていますが、財政への信認が要求されるのは同じことであります。
 借金するときには担保を出すんですけれども、国債の場合には担保を出すわけではありません。何が担保かといえば、それは国の信認、財政規律に対する信認なのであって、これが一回失われたら、もう手の打ちようがない、財政破綻しかないわけですね。
 なぜ今の時期に、そして、九七年時と何が違うか。消費税を上げることによって、実際に国民にはどのようなメリットがもたらされるのか。簡単でいいですが、お答えいただきたいと思います。
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安倍晋三#21
○安倍内閣総理大臣 消費税については、我が党では、随分長い間、議論をしてまいりました。
 既に我が国は累積債務を相当多く抱えているわけでありますし、毎年伸びていく年金や医療や介護、そして子育て、社会保障費があります。この社会保障費に対して、特に年金と医療と介護、これは毎年伸びていくわけでありまして、これに対するしっかりとした対応が必要であるわけであります。
 もちろん、日々改革を行う、見直しを行う、合理化を行うことは大切でありますが、サービスの水準を落としてはならないと思いますし、それは多くの国民は望んでいない。その財源を安定的なものにしていかなければ、社会保障制度自体を安定的に次の世代に引き渡していくことはできないわけであります。
 一方、既にある累積債務に対応する上において、国の信認を確保しながら、同時にしっかりとそうした社会保障のニーズに応えていくことが重要であります。さらには、子育てに対する施策も拡充をしていく必要があるでしょう。それを行っていくためにはやはり新たな税の負担をお願いするしかないということでございまして、当然、全て、消費税引き上げ分は全額社会保障費、社会保障の財源として使うわけでありまして、それを例えば経済対策に回すということは、一銭たりとも回すということはありません。全てを回していく、これははっきりさせておきたい、このように思います。
 そして、それは、具体的には、基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一にしていくものに振り向けてまいります。さらには、待機児童解消加速化プランの推進を初めとする子育てへの支援であります。そして、在宅医療や在宅介護サービスを充実してもらいたいというのは相当大きな要望があるわけでありまして、これも、今回の消費税引き上げによってそれが可能になっていくわけでありますし、低所得者の方々の保険料のさらなる軽減も行ってまいりますし、また、難病対策も充実をしてまいります。
 こうしたさまざまな社会保障制度を充実するとしておりまして、消費税財源という安定的な財源によって、国民が安心できる社会保障制度、体制を構築、維持していきたい、このように思います。
 そして同時に、一九九七年、橋本内閣のときに消費税を三から五に上げ、あれ以来ずっと日本はデフレ経済に落ち込み、景気は低迷したではないか、税収もそれからふえていないではないかという指摘があります。
 そこで、私たちも、あの後の日本のいわば経済の状況をマクロ的にもしっかりと分析をしながら、今回は二度と同じ道を進まないようにしようということに一番これは気を配ったわけでありまして、だからこそ、有識者の方々、六十名の方々にお集まりをいただいて、集中的な検討を加えていただきました。
 何人ものマクロ経済学者に集まっていただいて、さまざまな議論をしていただいた結果、九七年四月の消費税率引き上げ以降、個人消費は、駆け込み需要の反動減が見られたものの、七—九月期には増加に転じ、短期間で回復はしていますが、その後の、同年七月以降のアジア通貨危機や十一月の金融システムの不安定化という他の要因もあり、景気は後退に向かったものと、今委員御指摘のようなこういう事情については、承知をしております。
 一方、現在の我が国経済について見ると、不良債権処理を初めとする構造改革の進展などにより、九七年当時と比べて、金融システムはまず安定をしているということであります。そして、企業の財務体質も相当強化されているということであります。さらに、三本の矢によって大胆な金融政策を行っている。そして、機動的な財政政策も行っているということでありまして、これはまさに、あの後陥ったデフレマインドを払拭するためでありますが、これも大きな違いであります。日本銀行と政府が二%という物価安定目標について合意をしている、これも全然大きな違いと言ってもいいんだろうということであります。
 そして、今回の引き上げの判断に当たっては、五兆円規模の経済対策の策定や、一兆円規模の投資減税等を含む経済政策パッケージをあわせて策定しまして、引き上げによる反動減を緩和して景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げを実現していくこととしております。
 つまり、来年の四月から消費税が三%上がるわけでありますが、その反動減を緩和しながら、その後、今進んでいる成長軌道に、またもとに戻すような、そういう対策を打っているということでありまして、いわば、その場しのぎの経済対策ではなくて、成長力を維持するための対策を今回は打っているということであります。
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石破茂#22
○石破委員 この国は、ともすれば、法人は悪、企業は悪で、個人は善であるというような考え方が一部にはまだあるように思います。しかし、我々は、何も個人の負担を増して法人を優遇してということを考えているわけではなくて、どういうやり方をとれば国民一人一人の生活が向上するかということのためにどういう手段をとるかということなので、観念論で論じているわけではありません。消費税は上げる、法人の負担はなるべく減らしていかねばならない、それは何のためかといえば、法人を潤すためではなくて、いかにすれば個人が豊かになるかということのためにいろいろな税制は論ぜられるものだと思います。
 総理がおっしゃいますように、消費税分は全て社会福祉に充てられるということになっています。一部において、附則によってそれ以外にも使えるように読めるじゃないかという話がありますが、それは曲解なのであって、今まで消費税というものが負担をしなかったことによっていろいろな投資というものが抑えられてきた。消費税を上げることによって生じた余裕を、本来回すべきもの、減災であり防災であり、そういうものへ回していこうという意図なのであって、消費税をそのようなものに流用するというようなことは断固として考えていない、そういうことだと思いますが、それでよろしいですか。
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安倍晋三#23
○安倍内閣総理大臣 私たちがなぜ消費税を上げるかといえば、これはもう目的ははっきりしているわけでありまして、伸びていく社会保障費に対応するためであり、同時に、子育て等の新たなニーズ、今までもあったニーズでありますが、不十分であったそういう対策をしっかりと拡充していくため、社会保障費に充てていく。
 これはもう重ねて申し上げますが、これ以外には充てないということははっきりさせていただきたい、このように思います。
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石破茂#24
○石破委員 それでは、今国会において議論されますことのテーマのもう一つでありますNSC並びに秘密保護であります。
 なぜ今回、秘密保護というものを行うのかということでありますが、逆に申し上げれば、何で今までやらなかったのかということの方が問われてしかるべきだと思っています。
 今回の法案は、各省ばらばらに秘密が指定されていたのを、統一の基準をもって定めるということ。そのことが明らかになれば国家の安全保障にとって重大な影響を与えるおそれのある、そういうふうに厳しく基準を決めて、統一した基準でそれを定め、誰がそれを取り扱うかということを明確にし、さらに、それを知った上で漏えいをしたらどうなるかということで抑止力を高める。そうしていかなければ、NSCをつくっても、本当の情報が入ってこなければ、きちんと機能しないということになるのだろうと思います。
 詳細な議論はまた委員会で論ぜられることでありますが、恐れられているのは、行政の恣意をどれだけ防ぐかということだと思います。行政の恣意によって、秘密にしてはならないものを秘密にしてしまったということがあってはなりません。基準をつくるに当たっては、一つの権威ある、そういう機関によって、何が秘密であるかということを指定することが極めて重要なことだと思っております。
 どのようにして行政の恣意を防ぐか、あるいは、それを監視する機構というものが立法府であるのか行政府であるのか。立法府が問われねばならないのは秘密会のあり方であって、秘密会というものが議事録をとらないだけよみたいな秘密会であっては、秘密会の意味は全くありません。これは我々立法府において答えを出さねばならないことですが、何にしても、よく心得ねばならないのは、行政府の恣意をいかにして防ぐかということであります。
 今回提出されるであろう法案も、十分に配意をされたものだと承知をいたしております。基準について有識者による会議を設ける、これは権威のあるものでなければなりません。総理の私的諮問機関で十分だと私は思っておりません。
 誰がそれを検証するかということ、行政の恣意をどのように防ぐかということについて、担当大臣でも結構です、総理でも結構ですが、お答えいただきたいと存じます。
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安倍晋三#25
○安倍内閣総理大臣 まず、なぜこの法律が必要かということについてお話をさせていただいて、中身については担当大臣から答えさせたいと思います。
 NSCについては、国家安全保障会議をつくる。なぜ必要かといえば、日々さまざまな問題も起こるわけでありますが、安全保障上の重大な決断を下さなければいけない事象が起こる可能性というのは常にあるわけでありまして、その際、総理大臣がどういう対策をとるかということは、あらかじめ、ある程度選択肢が用意されていた方がいいわけであります。その起こり得るかもしれない事態に対して、その選択肢において、その選択肢をとったらどういう外交的な反響があるか、同盟国との関係はどうか、アジアの諸国との関係はどうかということも含めて分析がなされている。この課題をとったら、そうです。
 と同時に、いわば安全保障上それはどういう意味があるのかということを、外交的に、そして安全保障上、そしてさらには軍事的にどうかというさまざまな分析がなされている必要があるんだろう、このように思うわけでありまして、やはりそうした機能は、今後、安全保障環境が厳しさを増している中において必要なものであるということは、我が党だけではなくて、与党だけではなくて、多くの議員が共有していただいているのではないかと思います。
 そうしますと、それを分析していくためには、分析する情報の収集も必要になるわけであります。分析と情報の収集は別でありますが、情報の収集を行う場合は、国内の情報収集の機関が行うだけではなくて、海外のさまざまな機関との情報の共有、交換もあるわけであろう、このように思います。それを分析したものを、さらには各国のNSC同士と政策的な議論も行っていくことは、政策をより緻密にし、深めていくことにつながっていく。
 ただ、各国の情報機関との情報の交換あるいは政策における意見の交換を行っていく上においては、秘密を厳守するということが大前提であります。つまり、NSCの機能を発揮させるためには、どうしても私は必要ではないか、このように考えているわけでございます。
 そして、今の委員の御指摘については、担当大臣から答えさせたいと思います。
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森まさこ#26
○森国務大臣 行政機関による恣意を排除しなければならないという御質問がありました。
 まず前提として、今検討中の法案でございますけれども、特定秘密は、従来から秘密として扱われている情報のうち、安全保障、テロ、スパイ活動など特に秘匿を要するものを指定するということを想定しているものであって、従来の秘密の範囲を拡大するものではございません。
 そして、それを指定する行政機関の長が五年ごとに延長するということで、五年ごとであると同一人物ではない可能性も出てきておりますので、そこでのチェック、さらには三十年後に内閣の承認を要するということで、チェックをしております。
 さらに、国民の知る権利をしっかりと法定して、情報公開法の手続も適用するということで、行政の恣意をしっかりと排除してまいりたいと思います。
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石破茂#27
○石破委員 国家にとって、国家の独立と平和、国民の生命と財産、それにとって、どうしても重要な情報というのがあるということは確かだと思います。そして、それを保全するために法律をつくるというのも当然のことであります。
 問題は、先ほど大臣がお答えになりましたように、真っ当な政府ばかりとは限らないので、そうじゃないときにどうするかということも考えておかねばならないのであって、いかにして行政の恣意というものを阻止するかということについて、ぜひ、この国会においてきちんとした議論をし、国民の皆様方に得心をしていただきたいと存じます。
 それでは、NSCにおいて何を論ずるのだということでございます。
 今の安保会議が、総理も何度も御出席になっておられる、私も担当大臣として出席したことが何度もあります、正直言って、かなり形骸化しているという批判は免れないところがあるだろうと思います。
 そして、総理の諮問機関ですから、最終的な決定権は閣議にあるわけですね。それは今回も余り性格に変質があるとは思っていませんが、安全保障に関する企画立案を、今まで外務省が負っていたものを、これからはNSCが負うのだというところに大きな意味があるのだと私自身は思っております。
 お答えは要りませんが、シリアの情勢というのを国会で余り議論したことがありませんね。
 かつて、一九三八年、ナチスがズデーテン地方に侵攻するという事案があったときに、イギリスのチェンバレン首相が、あれは我々にとって関係ない地域の関係ない人々の出来事であると、私は直接聞いたわけじゃないが、物の本によればそう語ったと言われている。それが、融和政策と言われることもあるけれども、結果としてヒトラーの増長というのを許したということも否定できないことだと思っています。
 オバマ大統領が、シリアに対して軍事攻撃というものを、ロシアの提案に従う形で、一時的にかどうかは知りませんが、その用意を怠ることはないと言っていますけれども、今回それを行使することはありませんでした。これは一体何を意味するものなのだろうかということでございます。
 シリアにおいて亡くなったとされる方は、もう十万人を超えている。これはボスニアの犠牲者をはるかに上回る数なわけですね。国外に逃げていく人は、もう二百万人と言われている。サダム・フセイン政権と比べて、もし世評言われることが事実あるとせば、このアサド政権が国民に対して大量破壊兵器を使ったということが事実でありとせば、今回の事の経緯というのは、決して、戦争が回避された、よかったよかったということで喜ぶ話にはならないのだろうと思っています。
 要は、大量破壊兵器を持っている、しかし、それに対していろいろな軍事介入が行われない。大量破壊兵器を持っていることが独裁者の政権というものを延命させるものだとするならば、その期間において、さらに反対勢力に対する弾圧、殺りくが行われるものだとすれば、それは決していいことだと思っていないのです。
 こういう状況を見て、では、北朝鮮ならどう考えるだろうか、あの国がこの状況をどう見ているだろうか、では、ロシアが果たした役割をほかの国が果たすとすればどうなのだろうかということまで、我々は考えなければいけないことだと思います。NSCにおいては、そういう議論もぜひしていただきたい。
 もう一つ、尖閣について、これを守るのだという強い意思が総理から常に示され、先般の本会議でも示されました。まさしくそのとおりだと思っています。しかし、そこにおいて我々がやらねばならないことは何なのだろうか。
 今の海上保安庁に、領海、領土を守るという任務は明確には与えられていない。海洋の治安を維持するという任務は与えられているが、明確にそのようなものに対処するというミッションは、海上保安庁には与えられておりません。
 そうすると、中国の船、軍艦であれ、あるいは公船であれ漁船であれ、それぞれ対応は違いますけれども、こういうような領海侵犯、領空侵犯が恒常的に行われるとすれば、それは、日米安全保障条約に言うところの、日本の施政にある領域ということ自体が揺るがされることにもなりかねないのだと思っております。
 海上保安庁の権限には限界がある。そして、能力を考えてみたときに、海上保安庁の船、本当に最大限の体制で臨んでいますが、いかんせん船が少ない。洋上給油ができませんから、油がなくなれば帰らねばならない。洋上補給の能力がなくていいのかということも論ぜられなければならないでしょう。
 さらに、法的にもっと議論されねばならないのは、それでは、海上警備行動、治安出動、これを下令したとしても、それはあくまで本質が警察権ですから、警察比例の原則というものは厳格に適用される。何で警察比例の原則というのがあるかといえば、それは憲法に基づく基本的人権の尊重というのがベースにあるからですよね。
 そうすると、我が国の領土、領空、領海を侵そうとする外国の勢力に対して本当にその憲法の精神がストレートに適用されるかといえば、そこには問題があるのではないだろうかという議論があって、では防衛出動という話になりますが、平穏裏に領空、領海、領土の占拠が行われた場合に、急迫不正の武力攻撃というふうに法的に評価できるかといえば、それはできないんでしょう。防衛出動を下令するというのはかなり困難だと思います。
 今の法律では限界がある、しかしながら防衛出動を下令することはできないとすれば、何の法律に基づいて我が国の主権を維持するかというお話、ずっと前から指摘されていることですが、私どもの努力不足もあって、まだ答えを出すに至っておりません。このことについても、NSCは答えを出していただきたいと思うんです。そのときになって、関係閣僚が集まって、困った困った、どうしようと言って六法全書を開いているようなことではどうにもならないのであって、法的にどのような手当てが必要か、能力的にどのような手当てが必要か、そういうことについて答えを出す。
 もう一つ大事なのは、そのシミュレーションを行うと同時に、訓練をきちんと行うことだと思うんです。海上保安庁任せやあるいは海上自衛隊任せではなくて、まさしく閣僚が、政治家がそこに入って、あらゆる事態に対応できるようにする、それもNSCの大きな役割だと思いますが、総理のお考えを承ります。
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安倍晋三#28
○安倍内閣総理大臣 今、我が国が直面している安全保障上の課題を、網羅的にお話しをいただいたんだろう、こう思います。
 こうした課題に対応するために、NSCをつくり、そして同時に国家安全保障戦略を策定していく。と同時に、今、安保法制懇において、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増している中において、今後どう対応していくべきかということについて議論を進めていこう、こう思っているわけであります。
 NSCにおいては、内閣官房長官、そして外務大臣、防衛大臣等が集まり、今まで以上に頻繁に意見を交換しながら、現状の問題点、課題を共有していくということでありまして、そしてNSCにおいて、関係閣僚の持っている共有の課題そして問題意識に対応するために、さまざまな情報分析を行い、そして、それを政策としてあらかじめ用意をしていくということなんだろうと思います。
 今、委員がシリアの例を挙げられましたが、いわば、今後どう状況が変化をしていくのか。これは、化学兵器の除去だけではなくて、確かに御指摘のように、人道状況が悪化しているじゃないかということですね。つまり、人道状況が悪化している、この状況をどうやってとめていくべきか。そして、政治対話はどのように進めていくべきか。その中において日本はどう役割を果たしていくべきかどうか。そして、その役割を果たしていく中において、中東のほかの諸国との関係はどうなのか。そしてまた、さらなる危機が起こった場合、日本のいわばエネルギーとのかかわりもありますから、どういう経済的な影響が及んでくるのか。
 つまり、こういう政策をとったときにはこういう影響があるということをあらかじめしっかりと考えておく必要もあるんだろうと思いますし、そのときにはどういう手当てをすべきかということも含めて、あらかじめしっかりと、そのときになって考えるのではなくて、それこそまさに、私はNSCの仕事なんだろうと。外交、安全保障そして経済もそうなんですが、その分野においてスタッフが綿密に分析をし、対応も考えていくということではないかと思うわけであります。
 そこで、その中において、例えば、海の守り等についてどうなのかという御指摘もありました。当然、NSCでも考えていくことになる課題なんだろうと思います。同時に、安全保障の法的基盤を再構築する必要があるとの認識のもと、現在、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において、ここで専ら集団的自衛権の行使だけを議論しているような印象があるんですが、それは間違いでございまして、それに限定しているわけではなくて、例えば、集団安全保障の中で、国連がこれをやろうという活動の中で、日本が今のままでいいんだろうかということも議論をしております。
 同時に、今委員が御指摘になったような、例えば、外国の潜水艦が我が国の領海に入ってきた。国際法上は浮上して国旗を掲げて入ってこなければいけないところを、沈んだまま入ってきて徘回をして、なかなか出ていかない、その状況をいわば恒常化させようという狙いもあるという中において、果たして今の法制度で適切な対応ができるかどうかということについても議論を重ねているわけであります。
 つまり、あらゆる可能性についてしっかりと守りを固めていくことは、抑止力となり、結果としてそういう事態を引き起こさないということになるわけでございますので、いわば、そういうことも全て、これはしっかりと前に進め、議論を行っていく。この安保法制懇で行っている議論も、できるであろうNSCにおいては、これは、重大な課題について、現実を直視しながらNSCが選択肢を提供する上においては極めて有意義であろう、このように考えております。
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石破茂#29
○石破委員 最後に、二点指摘して終わりたいと思います。
 一つは、今総理がおっしゃいました集団的自衛権の問題。
 これは、よく国民的な議論、御理解をいただかねばならぬことだと思います。地球の裏まで行って、アメリカと一緒に戦争をするのか。そのようなことを我々が言っているのではない。この地域において、相対的にアメリカの力が落ちていく、中国の力が相対的に上がっていく、この地域においていかにして軍事的なバランスを保つかということを我々は考えていかねばなりません。
 沖縄の問題も同一であって、このことに答えを出さなければいけない。鳩山さんはああ言った、こう言ったと今さら言っても仕方がない。いかにして、沖縄において、日本がやるべきものを日本がやるか。本土が負うべきものをいかに本土が負うか。どれだけ沖縄の負担が軽減されるかということを明確に示して、沖縄県知事が申請に許可を与えていただくような環境をつくるのは我々の責務であって、尖閣の状況を考えるときに、この問題について答えを出すことは我々の使命だと思っております。
 集団的自衛権について申し上げれば、先ほど申し上げたようなことなのですけれども、何で国連憲章のど真ん中に集団的自衛権というものが入っているか。それは、国連がオールマイティーではないからです。拒否権を持った国が関与をすれば、集団的自衛権を認めなければ、侵略国の思うがままになってしまう。それを防ぐために、国連憲章は、わざわざ集団的自衛権という権利を入れたんです。
 国連中心を唱える国が、国連のシステム、国連の仕組み、そういうものを知らずしてこれを論ずることがあってはならないことであって、今の状況をどう考えるか、国連とはどのようなものなのか、それが憲法改正を要するのか、我々はそれを要しないという立場ですが、それはなぜなのかということについて議論を深め、答えを出したいと思います。
 TPPについて一言申し上げれば、守るべきものは守る。公約ですから、我々はうそはつきませんので、守るべきものは守ります。しかし、守るべきものとは何なのか。それは、日本の農業なのでしょう。農地でしょう。次の時代にそれが受け継がれるという、きちんとした所得が保障されることでしょう。守るべきものとは何なのかということを明確に示し、私どもは、公約を守りつつも、今の日本の農業、漁業、林業が今のままであっていいとは全く思っておりません。そのことについての展望も、ぜひこの国会においてお示しいただくことをお願いして、質問を終わります。
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