前川清成の発言 (議院運営委員会)
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○前川清成君 民主党の前川清成でございます。
この委員派遣に関して、私は反対でございます。なぜならば、今日、NSC特別委員会の中川委員長も、テレビ中継の中で国民注視の法案審査だというふうにおっしゃっておられました。まさにそのとおりだろうと思います。
その国民注視の、もっとはっきり申し上げれば、多くの国民の皆さん方がこの特定秘密保護法案が成立したことになってどうなるんだろうと心配しておられます。国民の皆さん方の中で不安が払拭されない中、昨日の夕方に地方公聴会が与党から提案をされました。そして、今日の午後予定されています。
先生方も御自身の身になってお考えいただいたらと思うんですが、昨日の夜電話が掛かってきて、あした、さいたまへ来てください、特定秘密保護法案について意見を述べてください。意見述べることができるでしょうか。ほとんどの方々はもう既に予定が詰まっていると思います。大事な大事な、国民注視の法案だからこそ、私は時間を取るべきだと思います。
なお、この特定秘密保護法案、私は反対です。国家に秘密があることは否定しません。しかし、この法案の立て付けが余りにも稚拙だと私は思います。反対ではありますけれども、国民の前で審議は尽くすべきです。地方公聴会もやるべきです。しかし、昨日の夜提案して、そして今日の午後、これは余りにもひどい。是非、与党の皆さん方に反省を求めたいと思います。
なお、私は、今から六年前、国民投票法が成立する際に、憲法調査特別委員会の理事をさせていただきました。あのときも安倍総理でした。そして、安倍総理はその年、平成十九年ですが、一月四日の年頭会見で憲法改正を参議院選挙の争点にしたい、そういうふうにおっしゃいました。それまでは、衆議院の憲法調査会において冷静で理性的な議論が進んでいましたが、一挙に政局の具になってしまいました。
それでも、この衆議院の憲法調査特別委員会は、平成十七年九月二十二日に設置されて、平成十九年の四月十二日まで一年七か月間の審議をしました。そして、二回の海外調査や十二回の参考人質疑、二十二か所の修正がありました。
ところが、私たち参議院では、審議らしい審議が行われませんでした。参議院憲法調査特別委員会の憲法国民投票法の審議が始まったのは四月の十七日、それが約一か月後、五月十四日に採決されようとしました。およそ一か月ですが、参議院の審議にあっても六か所、委員派遣をやりました。
ところが、その国民投票法よりもはるかに拙速な、審議が尽くされていない特定秘密保護法案、本当に与党の皆さん方、これでいいのか。ただ衆議院が送ってきた法律案を参議院が追認するだけであれば、本当に参議院なんて要らない、その声が国民の間に沸き上がることは私は必至だと思います。
今から六年前、私は参議院本会議場で反対討論をさせていただきました。そのとき、私は次のように申し上げました。言うまでもなく、良識の府という言葉は、私たち参議院議員自らが声高に叫ぶゆえに冠されるわけではありません、あたかも審議時間を積み重ねれば足りるかのごとき審議だけで衆議院から送付された法案を丸のみしていたならば、参議院なんか要らないとの声が国民の間に沸き起こることは必至です、これから行われる採決において、私たち参議院の存在意義と私たちの良識が問われます、こういうふうに申し上げました。六年がたって、今まさに同じことが行われているんではないでしょうか。
それと、会期末が近づいてきて、与党の皆さん方がお急ぎになっている、そのことは、議院運営委員会理事会の席上で何度も何度もお聞きしています。あさってが会期末だということも私は承知しています。しかし、そもそも国会を十月十五日まで開かなかったのは政府・与党であります。私たちは徹底した審議を尽くしたいということで、九月二十五日、憲法五十三条に基づいて、憲法上の権利として国会の召集要求書を提出いたしました。これを政府・与党が無視し続けました。もしも九月の末に国会を召集していたならば、こんなことにはならなかったのではないか。私たちを参議院に送っていただいた有権者の皆さん方に責任を果たすことができたのではないかと私は思います。
先ほども申し上げました。私は個人としては特定秘密保護法は反対です。しかし、政策や理念に関してこの議院運営委員会は合意すべき場所ではありません。主権者である国民の皆さん方からの負託を受けて、公明正大な審議を尽くす、そのことが議院運営委員会の役割であって、このことは自民党も民主党もみんなの党も共産党も公明党も、会派に違いはないはずであります。
もう一度、公正で慎重な、私たちを国会に送るべく私たちの名前を書いてくれた何十万人という有権者の顔を思い浮かべて、その負託にこたえているのか自ら反省するべきではないでしょうか。
最後に、私は、竹下登元総理の逸話を申し上げたいと思います。
竹下総理は国会運営のプロと言われました。根回しの竹下さんとも言われました。その竹下さんは、国会運営は野党の言い分を七割聞き入れて野党にげたをはかせる、与党は三割でよい、こういうふうにおっしゃったそうです。これを受けて、御党の当時政調会長だった、今、経産大臣をされている茂木さんは、平成二十四年五月三十日の記者会見において茂木さんは何とおっしゃっているのか。やはり与党は謙虚な国会運営が必要なんだと思います、かつて竹下総理は、七割を野党に譲る、そうすると国会運営はうまくいくという話をされていました、そういう姿勢が全く見えませんと茂木さんはおっしゃっていました。
竹下総理は私たち民主党の先輩ではありません。自民党の皆さん方の先輩であります。茂木さんの発言をそのまま自民党の皆さん方にかみしめていただきたいと思います。
そもそも、この国会で、この議院運営委員会で度々強行採決が行われるのはなぜか。
十一月二十二日、私はこの場所で皆さん方に申し上げました。私たちは賛成できないかもしれない社会保障プログラム法案、本会議で質疑させてくれ、審議を拒否すると言ったんじゃないんです。国民の皆さん方の前で大事な大事な社会保障の法案を審議したいとお願いをしました。しかし、それを数の力、与党の皆さん方はお認めいただけませんでした。その結果、その翌日から厚生労働委員会は不正常になりました。その結果、その後、度重なる強行採決が繰り返されるようになりました。十一月二十二日、私たちは、二階建てでもいい、あるいは、二十五日は月曜日でした、月曜日の午前中でもいい、年を取っても病気になっても失業しても安心して暮らしたい、その社会保障の審議をさせてくれ、それを与党が拒否された。それが今回の強行採決国会の始まりであります。総理は、この国会、経済成長国会と位置付けたいと、そうおっしゃいました。しかし、実際は強行採決国会であり、特定秘密国会になろうとしています。
どうか慎重な、冷静で理性的な議論を与党の皆さん方にお願いし、私の反対討論といたします。