奥村一則の発言 (農林水産委員会)
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○参考人(奥村一則君) 私、ただいま御紹介いただきました奥村でございます。
私は、富山県の西部、南砺市という市を中心にいたしまして、約三百五十ヘクタールの借地稲作経営を営んでおります。内容につきましては、水稲が約二百六十ヘクタール、大豆、大麦で九十ヘクタール、果樹栽培が二・七ヘクタール、それから、今年は露地野菜、延べで約二十五ヘクタールの栽培を、総勢、常時雇用三十一名で経営をしております。
この度、今日の議題の農地中間管理機構の設置に際しましては、この機構が、我々プロ農業者である地域の担い手の役割を適切に評価していただいて、経営体の農地集積とコスト削減に寄与できるような仕組みとなるよう意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、この農地中間管理機構でありますが、私たちは今日まで、自分たちの自助努力によって、お客様の信頼の下に、四十六年間掛けて三百五十ヘクタールの規模拡大を図り、自らの経営基盤の強化に努めてまいりました。この度の農地中間管理機構の実施は、我々担い手への農地の集積、集約をより加速化させ、日本農業を、より強固な経営となるためには有効な仕組みで、その趣旨には大変期待をしておるところでございます。
今回の中間管理機構の設立に当たっては、まず第一には、我々が今日まで経営努力し、そしてそれが尊重される仕組みとなるよう期待しております。農地利用配分計画を作成する際には、少なくとも既存のプロ農業者が地域の信用を得て集積してきた耕地面積が減少することのないよう配分ルールを設けていただきたいと思います。機構による仲介の結果、既存の我々の借入農地がまた貸し剥がしがされるようなことのないような運用をされるべきだと考えております。
今まで、農地の流動化について、その誘導策として、貸し手に農地集積協力金の支給がありました。これは、農地の貸し借りをもっと効率よくするための誘導策として大変効果があると思っております。
ただ、受け手にも集積加算金等の支給があることに、私個人的には疑問を持っております。我々、今日まで、自らの経営基盤を強化するために、そして自らその農業経営で生計を営むとか、自分たちが生きるための手段として農業経営をしてきたわけでありますので、当然、農業には多様な、日本の農業には条件が不利なことがありますけれども、初期の段階では、立ち上げの段階では、一定の設備や機械に支援するということは、これは大変必要だと思いますが、自分の農地を取得、取得といいますか、借地を取得するために、受け手にそういう集積加算金というのは必ずしも必要なのかな。というのは、過去にもこういう集積加算金を当てにして貸し剥がしが現場で起きたということが多々あります。ですから、これは集積加算金の在り方というものをきちっとやっぱり検討していただけたらなと、こう思っております。
ましてや、現状で貸している貸し手農家の田んぼが次の組織へ移動するだけで集積加算金というのは、大変私は矛盾しておるように思います。そういうことも含めて、是非ともまた新たな貸し剥がし等が発生しないような運用に努めていただきたいと思っております。
次に、機構の受け手は、都道府県が営農実績や資本力、それから技術力、それから一番大事なのは持続力、それから地域の貢献度等の認定に基づき認定する農業者や生産法人、それから新規就農者、企業参入者等にすべきだと思っております。
これまで、地域での共同出役作業等で地域の農道や用排水路などの維持管理に我々は一生懸命取り組んでまいりました。機構は、この農地の公益性というものをきちっと明確にし、地域の農地資源の維持向上に取り組んできた活動実績は配分計画案の作成において当然重視されるべきであると思いますし、受け手は農地の公益性を尊重するものでなければならないと思っております。
配分に当たり、公開性というのは大変重要なことでありますし、一部に公募制を取るという話でありますが、私は、公募される側の人たちのやっぱり資格といいますか一定の基準というものは必要でないかと思っております。
私、個人的には、地域農業の真の担い手たる者とは、地域に土着する、地域に生活を伴った農業を営む経営体が真の地域の農業の担い手だと、こう思っております。そういう意味で、やっぱりしっかりと地域に貢献する、それから地域の調整にきちっと寄与できるような担い手に限定してもいいのじゃないかなと思っております。
このため、農業経営基盤強化促進法に基づく認定農業者制度を見直すに当たり、広域に農業経営を展開している農業者や参入企業を都道府県が認定できる仕組みとするべきだと思います。真に農業改善を図りながら地域農業の発展に寄与する経営体が引き続き認定される仕組みが大変重要だと思っております。
あわせて、認定農業者制度の五年ごとの再認定手続でありますが、認定農業者の経営意欲や経営の継続性、それから経営の発展等をきちっとチェックする仕組みを充実させるべきだと思っております。
次に、大規模経営を行う経営体は、当然でありますが、市町村を越えて耕作しているケースがあります。当社もいろいろ、今三つの市にまたがってやっておりますが、昔、やっぱり行政区域を越えていろいろやるときに、やっぱり一回地域の信頼というものを確固たるものにするために、あえて分社化を図ってきておるという経緯もあります。
やっぱり、入り耕作した市町村では、まとまった農地を耕作していても、その市町村では認定農業者や中心経営体に位置付けられない、そういうケースがありました。こうした場合に、プロ農業経営体があらかじめ集積範囲や集積希望範囲を市町村に登録する仕組みとして、それが農地配分計画に反映される、そういう仕組みとすることが必要でないかと思っております。
そして、機構の運営には、これまで農業経営の改善や地域の発展に努力してきた農業経営者の代表を是非参画させていただきたいと思います。地域の担い手への面的集積に配慮した農地の配分が行われるような組織運営が望ましいと考えます。
地域の利用権は、借りている者の権利はとかく弱いものです。今度の機構の運営に当たり、借り手の権利もきちっと確保し、更新の保証もきちっと担保されるようにしていただきたいと思います。市町村が配分計画を作成するときには必要に応じて農業委員会の意見を聴くとしておりますが、借り受けた農地を効率的に利用することや、地域の農地利用と調和、いわゆる地域の調整を、それからみんなで仲よく助け合ってとか、いろいろな過去の仕組みとか、そういうことを話し合える、そういうことの要件として、是非それを選定されるときには一番現状を把握している農業会議等ときちっと意見を求めて、そこでいろいろ選定をするという手順が必要でないかなと思っております。
終わりに、農業経営はこれからこの法律のみならず様々な政策が必要であり、関係しております。今まさに議論されております経営安定対策、日本型直接支払制度、水田利活用の交付金、米の直接支払の在り方、そして緊急に、にわかに出てきた、今までの生産調整の在り方等の見直しに密接に関係しておると思っております。今度の中間管理機構の事業が現場により効率的にスムーズに受け入れられ実効のある事業になるためには、まず私は、その規模の形、体系だけではなく、より強固な体力と強い体質の担い手、受皿を育成することがあっての中間管理機構の役割ができるものと思っております。
もろもろの農業政策についても、中長期的な展望の下、慎重な議論を先生方にお願いして、私の意見とさせていただきます。