三野進の発言 (法務委員会)

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○参考人(三野進君) お答えになるかどうか分かりませんが、我々医師が常識と思っている状態や症状のカテゴリーというのと、一般の方が考えているのと、あるいは法制審議会の議論をお読みして刑法学者の方が考えているのと、随分懸け離れているなというのが印象でございます。
 状態と症状、どう違うかというと、厳密に言えば難しいところがあります。てんかんの発作性、意識を失うような病気と、私どもの担当しております精神疾患のようにずっと同じ症状がある場合とはまた全然違ってくると思いますが、例えば精神疾患でいいますと、幻聴とか妄想というのは一つの症状であります。状態像というのは、そういう幻覚や妄想状態があって、何か訳の分からない状態になって、とても不安な状態になっているという、もう少し広い概念で言うものでございます。
 症状はこういうことだといって、幻覚、妄想という形で我々医者が幾らか理論的に抽出した、抽象的に抽出したものですけれども、それでは、じゃ、その症状が統合失調症という病気だけに特別にあるのかというと、そうではなくて、先ほども申し上げましたけれども、いろんな病気にあるわけです。しかし、ただ、その妄想が非常に強くなって、興奮を示して、何らかの状態になったときには何らかの影響を及ぼす、これはあるだろうと思うんですね。
 そういうことをきちっと表現するためには、症状がどういうものであって、どういうダイナミックな動きで動いて、どういうふうな状態になったら事故に至るか、影響を及ぼすかということを全体で規定する概念が必要だろうと思います。それを私たちは、精神医学の立場で、治療の立場でいえば、急性精神病状態という一つの状態像で規定をしております。
 恐らく、この急性精神病状態という言葉で規定をすれば、広い範囲で事故に至るような、不注意であるとか不眠であるとか、あるいは疲労こんぱいになって事故を起こすとか、こういう結果として影響を及ぼすものに対しても、全部含めて、先ほど申し上げた黒白でいえば黒になるだろうと思うんですね。それを、例えば症状一つだけ取り上げて、病気一つだけ取り上げて、全て原因、事故に至る可能性が高いんだとすることは医学的に不可能であるというふうに私は思っております。
 ちょっとうまく説明にならないかも分かりませんけれども、医者はそういうふうに考えているということでございます。

発言情報

speech_id: 118515206X00520131114_026

発言者: 三野進

speaker_id: 12165

日付: 2013-11-14

院: 参議院

会議名: 法務委員会