安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 答弁に先立ちまして、まず、台風二十六号による大雨により亡くなられた多くの方々に心から哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に対してお見舞いを申し上げます。
 政府としては、関係機関一体となって、いまだ行方不明となっておられる方々の救出・救助活動に全力を尽くすとともに、被災された方々への支援、ライフラインの早急な復旧などの応急対策に総力を挙げて当たってまいります。
 郡司彰議員にお答えをいたします。
 社会保障の充実の金額についてお尋ねがありました。
 今回決定した三%の引上げ分の消費税収は、全額社会保障財源化することとしており、これを経済対策の財源に充てることはありません。経済対策の財源については、経済成長による税収の自然増や二十四年度決算の剰余金などを最大限活用してまいります。
 消費税率引上げによる増収分については、民主党政権における考え方と同様、基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げに充て、残余についてもそれ以外の社会保障の安定化と充実に向けることとしており、社会保障の充実に向ける金額を消費税収の増加に応じて段階的に拡大させてまいります。
 具体的には、来年度においては〇・五兆円程度を待機児童解消加速化プランの推進を始めとする子育て支援などに活用し、平成二十七年度には介護報酬改定などを含め一・三五兆円程度を社会保障の充実に活用します。
 消費税収の一〇%への引上げの判断についてのお尋ねがありました。
 税制抜本改革法において平成二十七年十月に一〇%へ消費税率を引き上げることが規定されていますが、その引上げについては、改めて附則第十八条にのっとって種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案しながら判断時期や必要となる対応も含め適切に判断してまいります。
 なお、今般の経済政策パッケージは、ばらまきではなく、賃金上昇と雇用拡大などを実現し、日本経済を持続的に成長させるための未来への投資として講じるものであります。
 消費税に関する低所得者対策についてのお尋ねがありました。
 税制抜本改革法においては、低所得者への配慮として、給付付き税額控除と複数税率が共に検討課題とされております。給付付き税額控除については、本年二月の自民党、公明党、民主党の三党合意において、低所得者対策については引き続き協議を行うとされており、三党における議論や与党における軽減税率に関する検討の状況等を踏まえながら必要な検討を行ってまいります。
 特別養護老人ホームの待機の現状と対策についてのお尋ねがありました。
 特別養護老人ホームの入所申込者は、平成二十一年度に行った調査結果では約四十二万人であり、また、入所申込者の一割強が重度の方や認知症の症状の重い方、介護者がいない方など、真に入所が必要と考えられる方でした。
 このような方々が安心して介護を受けられるようにするため、特別養護老人ホームや認知症グループホームなどの整備を進めつつ、介護度の重い方がより入所しやすい環境整備を進めるとともに、二十四時間対応の訪問介護サービスなどの在宅サービスを充実するなどの対策を講じてまいります。
 介護保険制度改革の理念についてお尋ねがありました。
 介護保険制度を始めとする社会保障制度については、自助自立を第一に、共助と公助を組み合わせ、弱い立場の人にはしっかりと手を差し伸べていくことが重要です。このため、介護保険制度の見直しに当たっては、在宅サービスなどの充実を図りつつ、介護が必要な状態となっても住み慣れた地域で暮らしを継続できるようにする地域包括ケアシステムを構築してまいります。
 規制改革会議の答申と日本再興戦略との関係についてお尋ねがありました。
 規制改革会議は、経済活性化、民需主導の経済成長を実現する観点から、規制改革事項の具体的措置を審議しています。一方、日本再興戦略を検討した産業競争力会議は、産業競争力強化の観点から、我が国に必要な構造改革のテーマを横断的に検討しており、両会議は、我が国の成長戦略を一層加速させるため、連携して取り組んでいます。
 本年六月に決定した日本再興戦略では、再生医療の推進、電力システム改革、保育に係る規制改革など、規制改革会議の答申を踏まえた多くの事項を盛り込んでいます。
 雇用の規制緩和等についてお尋ねがありました。
 現在、規制改革会議や国家戦略特区ワーキンググループにおいては、雇用規制を含め、有識者に様々な観点から議論していただいているところです。また、雇用規制の見直しに当たっては、公労使の三者による議論が十分尽くされるべきと考えています。
 私の成長戦略の目指すところは、企業の競争力強化を図り、それによる企業収益の増加を若者、女性を始め頑張る人たちの雇用拡大、収入増加につなげることであり、その実感を必ずや全国津々浦々まで届けてまいります。
 労働市場の規制緩和や若者の働きがいについてのお尋ねがありました。
 安倍内閣の基本方針は、成熟産業から成長産業に円滑に人材が移動する失業なき労働移動の実現であります。現在、国家戦略特区において検討中の雇用改革は雇用拡大を目指すものです。解雇特区、ブラック特区などのレッテル張りは事実誤認であり、不適切であります。また、若者の使い捨てが疑われる企業等の問題については、相談体制、情報発信、監督指導等の対応策を強化することとしています。
 政府としては、我が国の将来を担う若者が活躍しやすい環境を整えるとともに、若者が安定した職業に就くことができるよう、着実に支援を行ってまいります。
 政権交代の復興加速化策の取組と現状についてお尋ねがありました。
 安倍内閣では、政権交代直後に復興施策の総点検を実施し、復興加速に向けた取組をスピード感を持って実行してまいりました。例えば、住宅再建・復興まちづくりについては、用地や資材等の課題に対応をしており、高台移転等は順次着工の段階に移っています。また、福島の復興については、避難区域への早期帰還と定住を一体的に加速させる事業を創設しており、避難指示区域の見直しも完了しました。
 今後とも引き続き、現場主義に立って、復興の加速化に全力で取り組んでまいります。
 復興関連予算の不適切使用についてお尋ねがありました。
 復興関連予算については、被災地域の復旧・復興に直接資する施策のみを復興特別会計に計上することを基本とし、使途の厳格化を図っているところであります。また、本年七月には、前政権下で使途の厳格化の対象外と整理された全国向けの基金事業についても、復興庁及び財務省から、基金を所管する府省に対し、執行の見合せ、国への返還等の要請を行い、返還が進められているところであります。
 このように、使途の厳格化の取組をしっかり進めているところであり、復興基本法を改正する必要はないと考えております。今後とも、国民に誤解を招くことのないよう、復興予算の適切な執行に努めてまいります。
 復興関連予算の執行率が低い原因及び不用額が生じた原因についてのお尋ねがありました。
 平成二十四年度の復興関連予算については、町づくりや除染実施の計画策定について地元との調整に時間を要したこと等により、主にこれらの経費を中心に未執行額が生じました。
 政府としては、こうした状況を踏まえ、復興庁の体制を強化するとともに、復興庁を中心に関係省庁の担当者を集めたタスクフォースを設置しました。被災地における課題へのきめ細やかな対応により、引き続き復興の加速化に努めてまいります。
 近年の気象状況を踏まえた自然災害への総合的な対策についてのお尋ねがありました。
 多様な災害が頻発する我が国において、国民の生命と財産を守るためには、自助、共助、公助、ハード、ソフトの対策を適切に組み合わせて一体的に行うことが極めて重要であると認識しております。
 具体的には、防災関連施設の整備を適切に推進するとともに、迅速かつ円滑な住民の避難を促す対策を推進するなど、総合的な防災対策に取り組んでまいります。
 竜巻についてのお尋ねがありました。
 竜巻等の突風は、突発的、局所的に大きな被害をもたらすものであり、災害予防対策を講じることが喫緊の課題です。
 政府としては、本年九月に関係府省庁による対策会議を立ち上げ、予測情報の改善、災害情報の伝達の在り方、被害軽減方策などについて検討を進めており、早急に竜巻等突風対策を取りまとめる予定です。
 避難指示の見直し等についてのお尋ねがありました。
 大規模な洪水や土砂災害から人命を救うためには、住民一人一人が迅速かつ的確に避難行動を行うことが重要です。
 政府としては、地方公共団体等と連携し、観測体制を強化するとともに、避難指示等の発令の迅速化、的確化、情報連絡体制の充実強化、避難行動に関する啓発活動の推進等を行うことにより、減災対策を進めてまいります。
 TPPと重要五品目についてのお尋ねがありました。
 我々が選挙でお示しした公約はたがえてはならないと考えております。政府としては、与党の立場を体し、全力を挙げて交渉に臨んできております。御指摘のような了解事項が政府・与党間にあったとの事実はありません。交渉はこれから本格化します。守るべきものは守り、攻めるべきは攻め、国益を追求するという政府の方針に何ら変更はありません。
 TPPの情報開示についてのお尋ねがありました。
 対外交渉なのでお話しできることとできないことがありますが、これまでも私自身がTPP交渉に臨む安倍政権の基本的考え方等について国会や記者会見等の場で御説明し、国民にTPP交渉への理解を深めてもらうよう努力をしてきております。また、交渉会合の前後に関係団体や地方公共団体等に対し随時説明会を開くなど、できるだけ情報を提供し、御意見をいただく機会を設けてきています。
 今後とも、できる限り国会への情報提供に努めるとともに、国民の声をしっかり踏まえ、交渉を通じ国益を実現してまいります。
 日本の目指すべき経済連携の方向性についてのお尋ねがありました。
 日本経済再生のために自由貿易を推進していくことは、我が国の対外通商政策の柱であります。力強い経済成長を達成するためにも、自由貿易体制をこれまで以上に強化し、諸外国の活力を我が国の成長に取り込む必要があります。
 御指摘のRCEPも、TPPなどとともにFTAAPの実現に寄与する地域的取組であり、包括的かつ高いレベルの協定を目指し、精力的に交渉を進めているところであります。
 これらの取組が相互に刺激し合い、全てが活性化するというダイナミズムが働いていくよう、経済連携を積極的に推進していく考えであります。
 WTOと地域経済連携の関係についてのお尋ねがありました。
 我が国は、WTOを中心とする多角的貿易体制の下で貿易自由化交渉を推進していくことを通商政策の主要な柱としてきましたが、WTOドーハ・ラウンド交渉の膠着により、多数国間の貿易交渉は大きな困難に直面しています。
 これを補完するために、各国とも二国間や地域の自由貿易協定、経済連携協定をこれまで以上に強化しています。活発に進む経済連携の取組は、WTO協定と整合的なものでなければなりません。
 我が国としては、こうした状況を踏まえて、ドーハ・ラウンド交渉の推進に引き続き粘り強く取り組むと同時に、アジア太平洋地域、東アジア地域、欧州などとの経済連携を積極的に推進してまいります。
 我が国の秘密保全体制の問題点についてお尋ねがありました。
 過去十五年間で公務員による主要な情報漏えい事件を五件把握しておりますが、このような漏えい事件が発生すること自体、大変遺憾なことであります。
 情報漏えいに関する脅威が高まっている状況や、外国との情報共有は情報が各国において保全されていることを前提に行われていることに鑑みると、秘密保全に関する法制を整備することは喫緊の課題であります。できるだけ早期に現在検討中の特定秘密の保護に関する法律案を国会に提出をし、情報漏えいの防止を図ってまいります。
 特定秘密の指定についてお尋ねがありました。
 特定秘密の指定が各行政機関の長において適切に行われるようにすることは重要であると認識しており、特定秘密の保護に関する法律案を提出するに際してしっかりと検討してまいります。
 特定秘密保護法と情報公開についてお尋ねがありました。
 我が国の安全保障に関する情報のうち、特に秘匿することが必要なものについて、その漏えいを防止し、適確に保護する体制を確立することは極めて重要と考えております。
 他方、情報の公開は、行政が国民に対し説明する責務を果たすために重要なものであり、今後とも、情報公開が適切かつ円滑に実施されるよう取り組んでまいります。
 自動車関連諸税についてのお尋ねがありました。
 自動車重量税等の車体課税については、税制抜本改革法第七条の規定を踏まえ、平成二十五年度与党税制改正大綱において、財源を確保し、一層のグリーン化等の観点から見直しを行うとの方向性が示されています。また、先般決定された民間投資活性化等のための税制改正大綱及び閣議決定においても、車体課税を見直すとの方針が示されたところであります。
 これらの方向性を踏まえ、平成二十六年度税制改正に向け、与党における検討状況を踏まえながら検討してまいります。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会についてお尋ねがありました。
 二〇二〇年の東京大会については、東京のみならず、日本全体が活力を取り戻す弾みとなるようなものとし、東日本大震災からの復興を成し遂げた日本の姿を世界に発信していきたいと考えております。
 また、海外からのお客様への最高のおもてなしにより、日本のすばらしさを感じていただく機会とするとともに、オリンピックムーブメントを日本から世界に広めてまいります。
 以上であります。(拍手)
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発言情報

speech_id: 118515254X00220131017_003

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2013-10-17

院: 参議院

会議名: 本会議