安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 櫻井充議員にお答えをいたします。
 甘利大臣の国家戦略特区諮問会議の民間有識者に関する発言についてお尋ねがありました。
 甘利大臣は、現在御審議いただいている国家戦略特区法案の国家戦略特区諮問会議の人事に関して、先日の講演において、法案が通ったらという条件付ではあるものの、参議院における法案審議の前に誤解を与えるような発言を行ったとして、昨日の参議院の内閣委員会で陳謝したと承知をしており、参議院を軽視するものではないと理解しております。
 現行の秘密保全制度の問題点及び特定秘密保護法案の必要性についてお尋ねがありました。
 これまで、防衛分野以外の安全保障に関する秘密については、一般的な国家公務員法の守秘義務の定めしかなく、また、適性評価等について規定する法律が存在しませんでした。外国との情報共有は、情報保全が確立されていることが前提であり、また、政府部内の情報共有が促進され、特に国家安全保障会議の審議がより効率的に行われるためには、秘密保護に関する共通ルールの確立が不可欠であります。本法案は、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定め、その漏えいの防止を図るものであり、これにより我が国及び国民の安全を確保できるものと考えております。
 立法府と行政府との関係についてお尋ねがありました。
 本法案は、国会の秘密会に特定秘密を提供するものとする仕組みが盛り込まれており、本法案が施行されれば、国会の求めに応じ特定秘密を提供することが可能となり、国会で必要な議論ができるようになると考えております。さらに、特定秘密の指定等の実施状況について、有識者等の意見を付して国会に報告するものとされており、国会が定期的に本法の運用状況をチェックできる仕組みとなっております。特定秘密の提供を受ける国会におけるその保護に関する方策については、修正案により、国会において検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされております。
 また、国会議員としての立場から申し上げますと、国会法の改正については様々な観点から議論していくべき事柄であると考えます。
 民主党の国会法改正案についてお尋ねがありました。
 現行の国会法及び議院証言法においては、内閣等が各議院等に対し、報告、記録等の提出を拒む理由を疎明した後に、その理由を議院等が受諾できない場合、さらに、記録の提出が国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨の内閣の声明を発出する手続が設けられています。
 お尋ねの民主党案においては、このような内閣声明の手続をなくし、各議院の議長が国家の極めて重大な利益に回復し難い悪影響を及ぼすこととなるか否かを最終的に判断することとしていますが、行政運用上の重大な利益についての判断に関し、国会がどのように関与していくかについては慎重に検討されるべきものと考えます。
 民主党案の情報適正管理委員会についてのお尋ねがありました。
 民主党案は傾聴に値するものと考えますが、政府としては、特定秘密の恣意的な指定が行われることのないよう、専門的な識見を有する有識者を適正に人選し、その意見を踏まえ、実効性のある運用基準を作成することにより、本法案の適正な運用が確保されるものと考えます。
 内閣総理大臣が第三者機関的に関与することについてお尋ねがありました。
 例えば米国においては、省庁間上訴委員会や情報保全監督局が秘密指定に関して事後チェックを行うものと承知していますが、これら二機関は共に行政権の内部に置かれており、行政権から独立した立場にある第三者機関ではないものの、それぞれ一定の機能を果たしていると承知をしております。
 今回の修正案により、例えば防衛大臣や外務大臣による特定秘密の指定、解除等が適切に行われているか否かを、有識者の意見を踏まえた上で、内閣の首長たる内閣総理大臣がチェックすることとなります。これにより、米国と同様、改めて確認を行うという一定の機能を果たすことが可能となるものと考えます。
 公益通報者の保護についてのお尋ねがありました。
 政府案において、違法行為を告発する行為や公益通報の通報対象事実を通報する行為が本法案の処罰対象となることはありません。また、犯罪行為等公益通報者保護法の通報対象事実について内部告発が行われた場合には、公益通報者保護法によって通報者は保護されます。
 特定秘密の範囲についてお尋ねがありました。
 特定秘密として保護すべき情報は、外交と国際テロに関して外国の政府等との情報共有に必要かつ不可欠な情報に限られるものではなく、情報活動等の特定有害活動の防止に関する事項や国内のテロリズムの防止に関する事項に関する情報のうち特に秘匿を要するものについては、常に外国等による漏えいの脅迫にさらされており、我が国及び国民の安全を確保するためにはその保護が必要です。
 なお、本法案では、特定秘密の恣意的な指定が行われることがないよう重層的な仕組みを設けており、恣意的に特定秘密が指定されたり、拡大解釈されて広げて指定されるおそれがあるとの指摘は当たりません。
 特定秘密の取得罪の罰則についてお尋ねがありました。
 特定秘密の取扱いの業務に従事する者等による漏えい行為がなくても、暴行、脅迫、財物の窃取、損壊等の行為が行われることにより特定秘密が漏えいされることは否定できず、特定秘密の保護のためにはこうした取得行為を処罰する必要があります。
 文書管理法改正についてのお尋ねがありました。
 本法案により、特定秘密が記録された文書についても、公文書管理法の適用を受け、歴史資料として重要な文書は国立公文書館等に移管され、保存されることとなります。公文書が健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であることを踏まえ、公文書管理法の適正な運用を図ってまいります。
 本法案の必要性や緊急性、国民の不安を払拭するための説明についてお尋ねがありました。
 情報漏えいに関する脅威が高まっている状況や、外国との情報共有は情報が各国において保全されることを前提に行われていることに鑑みると、秘密保全に関する法制を整備することは喫緊の課題であります。また、政府部内の情報共有を促進し、特に国家安全保障会議の審議がより効率的に行われるためには、秘密保護に関する共通ルールの確立が不可欠であります。
 国民の皆様の中には、特定秘密の指定が恣意的になされるのではないかといった懸念を有する方もおられるとは承知をしておりますが、本法案には適正な運用を確保するための重層的な仕組みが様々に盛り込まれており、今後とも国民の皆様に丁寧に説明してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 118515254X01020131127_011

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2013-11-27

院: 参議院

会議名: 本会議