那谷屋正義の発言 (本会議)

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○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。
 私は、会派を代表して、国務大臣森まさこ君への問責決議案へ賛成の立場から討論をさせていただきます。
 我々参議院の同志である森まさこ君が国務大臣に就任されて早くも一年になろうとしています。参議院議員が我が国の重責を担い、活躍されることを党派を超えて多大なる期待を寄せておりました。
 この寒空の下、今も国会周辺や全国各地でこの特定秘密保護法案への懸念を示す声が上げられています。国務大臣という立場にあれば、国民の声に真摯に耳を傾け、その声に思いを巡らせるべきでありますが、森大臣、あなたはその国民の気持ちを酌み取らず、法案が成立してからも、より良いものにしていきたいなどと、まず法案成立を急ぐ姿勢を示してきました。そのことは、同じ参議院の仲間として残念でなりません。
 森大臣、あなたは、御自身が認めているとおり、同法案への執行権限がないにもかかわらず、単なる答弁大臣として委員会で答弁をしてきました。このような重要な法案であるのだから、執行に責任を持つ大臣と審議することが筋だと考え、我々民主党・新緑風会を始めとする野党は、責任ある立場の菅官房長官からの答弁を求めてきました。
 この点に関し、我が会派は、十一月二十九日、福山議員が事前に質問通告で官房長官から答弁を求めていましたが、官房長官は調整中であるということが当日の委員会直前の理事会で判明いたしました。民主党、そして野党は、官房長官が出席できない理由を理事会の場で与党から回答を求めましたが、驚くべきことに、与党理事は、政府・与党が福山議員の質問に対しては官房長官が対応するべきものではないと言ってきました。言語道断であります。与党が野党の質問を検閲し、誰が答えるか決めるなどという権利は与党にはありません。これは議会制民主主義をおとしめる危機であります。
 与党の提案のみを受け入れ、反対論はねじ伏せる、そのようなやり方はまさしく言論統制。自民党は、表現の自由、知る権利を軽視しているから、石破幹事長のデモとテロを同列視するような発言がされたのではないでしょうか。よもや、同法案のテロの定義にデモが入っていましたとは、森大臣、言いませんよね。
 自民党幹事長の信じ難い発言等にそれてしまいましたが、政府・与党の同法案への姿勢を整理すると、責任を持った方が答弁しない、与党が野党側の質問を検閲し、誰が答弁するか判断する、自民党幹事長は国民の正当な権利であるデモをテロと同列視する、加えて、与党、委員長は誠実な対応をしない。国民の皆さん、これが今の政府・与党の姿勢です。国民の知る権利と緊張関係になり得るような法案をこのような形で強行採決し、本院での議論をアリバイのように進めたのです。そのようなやり方を我々民主党・新緑風会は決して許しません。
 森大臣が担当大臣であるということは、総理、官房長官からの御下命でしょう。しかし、これまでの森大臣の答弁は迷走していると言わざるを得ません。
 例えば、森大臣はTPP交渉が特定秘密の対象になる、ならないなどとぶれました。報道機関への家宅捜索については、森大臣は、報道機関のオフィスに家宅捜索することはないと一旦述べたものの、これに対して谷垣法務大臣らが具体的事例に即して判断するものと述べて、森大臣の答弁を事実上打ち消しました。さらにその後、森大臣は、個別具体的な事案を想定しての言及は避けたいと修正しました。公務員と報道機関との倫理規程をめぐっては、何らかの規範を設けることは重要と述べた翌日には、報道機関を萎縮させるようなものを作ることは難しいと答弁を一転させました。第三者機関をめぐっては、その時々の修正協議の状況があったにせよ、設置を検討したい、今後の課題だなどと変遷していきました。
 このように、森大臣の答弁はぶれを重ねて、それがまた国民の同法案への不安や不信を増幅させたのであります。答弁レクを担当した官僚の皆さんもきっと御苦労されたのであろうと思います。
 加えて申し上げるならば、森大臣は、都合が悪くなれば、条文を読み上げる、議事録をちゃんと読んでください、インターネットを見てくださいと、参議院における審議でもこれらの常套句が何度も聞かれました。総理が説明を尽くしたいと言う一方で、森大臣はこのような形で誠実さの欠ける対応を行ってまいりました。この点については、森大臣には強く猛省を促すところです。
 衆議院の福島での地方公聴会において、槇福島弁護士会副会長が、森大臣の答弁が二転三転するのは法律の条文が曖昧かつ広範だからだと発言したと伺います。その指摘どおり、同法案には曖昧な点が多過ぎます。
 先ほど述べたような森大臣の答弁のぶれはそこからきていることも理由であることを指摘せざるを得ません。はっきり言って、法律として不十分であるので、その点、森大臣の答弁がぶれてしまうのはある意味では自然なことかもしれません。森大臣、大変お気の毒であります。法律家であるあなたもその点について気付いていたことでしょう。内閣の一員として、内閣不一致の言動をすることはできないかもしれませんが、政治家として、少しは御自身の言葉で説明したり、その意図する方向性を審議を通じて述べられたらいかがだったでしょうか。若しくは、それをしようとしてぶれてしまったのではないでしょうか。はたまた、官僚の言われるままでしょうか。まさか内容をしっかり理解していなかったなんてことはありませんよね。
 そして、森大臣、この国会中、我々は大変懸念していたことがあります。それは、食品表示偽装をめぐる問題であります。
 森大臣は、消費者及び食品安全担当大臣でもあります。あなたは、この国会、毎日のように特定秘密保護法案の審議に掛かり切りであったと思いますが、真に国民にとって大切なことは、秘密保護の強化ではなく、国民の安心、安全を守ることではなかったのでしょうか。政府としてあなたを法案審議に縛り付けにした判断そのもの自体が誤りであった上に、衆議院においては消費者特別委員会に一度この問題を議論したきりで、本格的な対応は後手に回りました。
 主要ホテルや百貨店、レストランなどでメニュー等と異なる食材が使われてしまいましたが、今回の偽装表示問題について、本来であれば、森大臣、あなたは担当大臣として関係省庁との連携を取って率先かつ迅速に取り組むという重要な責任があります。しかし、あなたは消費者及び食品安全担当大臣としてその職責を十分に果たしたと言えるでしょうか。食品サービス全般におけるモラルハザードが憂慮され、食品業界への信頼が揺らぐ事態となっていたにもかかわらず、あなたはそれを放置してきたのではないでしょうか。消費者の安全、安心が脅かされているこのような事態にありながら、終始、特定秘密保護法案の答弁を優先させ、消費者の声に耳を傾けようとしませんでした。

発言情報

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発言者: 那谷屋正義

speaker_id: 27698

日付: 2013-12-06

院: 参議院

会議名: 本会議