中山泰秀の発言 (安全保障委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○中山(泰)委員 ありがとうございます。
日米関係というのは、世界がうらやむぐらい、夫婦のような相円満な関係であるというふうに思いますし、相円満の中には、夫婦でも一つの屋根の下には二つの正義があると申します。夫の正義と妻の正義。この折り合いをどうやってつけていくかというのは、まさしく日米の二国間の外交も同じような関係を保つのが大事かなと思います。離縁をしてしまうというのが一番悲しいわけであります。
来年は、広島、長崎への原子爆弾投下以来七十周年という、ある意味非常に痛ましいアニーバーサリーを迎えるわけでございますけれども、そういった敵対関係から今日のような関係を築き上げていけるということ、このことこそが逆に、私は、世界がうらやむ二国間関係という御指摘そしてまた敬意を表されるところにもつながるのではないかなと思います。
そんな中、私がおぎゃあと生まれたのは一九七〇年、昭和四十五年の十月十四日、誕生日まで言う必要はないんですけれども。ちょうど大阪万博というので月の石に列ができた、そんなときでございました。
昭和二十年から最初の十五年は戦争反省、わだつみの時代、昭和三十五年から次の十五年は上を向いて歩こうの時代、高度成長期、次の十五年、ちょうど昭和天皇が御崩御なさってバブルが崩壊したその間の十五年というのが、伝統、文化見直しの時代というふうに山本七平さんはおっしゃっておられました。
では、その先、平成になって、日本はどういう方向を向いて歩き始めるのかということに対して山本さんは、日本はその先、国の進み行くべき方向を見失うだろうという予言をされたまま天に召されてしまいました。私は、山本先生を非常に尊敬しておりまして、同時に、幼少期、私のおやじの後援会に来てくださったとき、子供でしたけれども、握手をして、ああ、この人がイザヤ・ベンダサンかと思った、そんなこともございました。
要は何を申し上げたいかというと、二十世紀の遺物をポジティブな意味で二十一世紀に継承していくならいいと思うんですけれども、二十世紀の負の遺産を、残念ながら私たちは二十一世紀になっても継承しているという事実がある。それが、先ほど冒頭に申し上げた北朝鮮問題、朝鮮半島の問題であります。
あそこは生きたシーラカンスのような半島でありまして、それこそヤルタ会談のときに、チャーチルとルーズベルトとスターリンがその会談の中で、三十八度線以北はソビエトに武装解除し、そして三十八度線以南をアメリカに武装解除するという決定が二十世紀にされたまま、今でも変わらないということ。
そして、国連の決議を見ていましたら、朝鮮半島には韓国しかないということが書いてあること。そしてまた同時に、北朝鮮と日本はいまだに国交正常化がされていない。特に、私は拉致特の筆頭もやっておりますので、拉致問題が解決しないという中で、日朝国交正常化交渉というのは非常に難しいということ、それも御指摘をしなければなりません。
他方、ヨーロッパに目を向けますと、先日以来、ウクライナ情勢というものを私ども非常に、プーチン大統領という、世界の各国の首脳を見回しても、元スパイ、元KGBの人が国家のトップを占めているというのはあの国ぐらいじゃないかなと。リトビネンコの事件はどうだったのか、アンナ・ポリトコフスカヤが暗殺された事件はどうだったのか。
こういったことを見ていましたら、私は、初当選させていただいた十一年前、一期目を終わって二期目にちょうどかわるときに、私の所属している派閥で、元総理などがひな壇に座っているところでこういう発言をしたんです。先輩方、解散の前に一言申し上げたいことがあります、それは、今、日本は正直、平和ぼけしている、国会議員も官僚もみんな、まさかの事態は起こらないだろうと思っていると。
ソビエトはペレストロイカで民主化して、ベルリンの壁の崩壊によって東西ドイツが統一をして、あのとき私は学生でしたけれども、本屋さんに行ったら、平積みされている本の題名は大体、もうこれからは右でもない左でもない、中道主義だみたいな本がベストセラーになって平積みされていた時代でした。
けれども、私は信じなかった。何を信じなかったか。ソビエトはロシアになってもソビエトだろうという疑いを捨てませんでした。そして、アメリカと一緒に、冷戦構造の中で、私たちは西側諸国として、しっかりと自由と民主主義そして繁栄の弧というものを、ちゃんと太平洋シーレーン防衛も含めて守らなければいけないという使命を日本という民主主義国家は帯びているんだということをかねてから思っていました。
そんな中、今回のウクライナ情勢を見ていましたら、二十世紀の米ソ冷戦構造時代へ、時計の針がまるで逆戻しされているように私には見えるんです。冷戦構造はなくなった、元総理までが私に、おまえは何だ、新しい政治家で新しい人間なくせに古いことを言いやがって、もう冷戦構造は終わったんだとおっしゃられた。私はそれを忘れません。そのときに私は思ったんです。平和ぼけしている社会や、平和ぼけした日本の一部の政治家に対し、生意気ながら、この人たちではこの国は守れないと若いころ思った。
国民を含めて、いかように、逆にいい意味での適度な緊張感を常に持って、そして国を守る意識を高めていくことができるとお考えか、お伺いしたいと思います。