小松裕の発言 (厚生労働委員会)
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○小松委員 ありがとうございました。
確かに、学会という言葉が今局長の口からいっぱい出てきましたが、私自身、学会に所属していて、学会の先生方が本当に地域医療に関してしっかり考えているかといったら、そうとは言えないところもあると思うんですね。ですから、このプロフェッショナルオートノミー、これは大事でありますけれども、ぜひ、かかわるのは難しいとはいうものの、第三者機関の先生方に地域医療を崩壊させないという観点を強く頭の中に入れていただく、このことが必要なんだろうと思います。
専門医の研修体制に関しましても、例えば、資料の二ページ目にありますが、現時点では、新たな専門医に関して、丸の二つ目、専門医の認定は経験症例数などの活動実績を要件とすると。
どういった形で専門医を認定するか、これは地域医療に大きくかかわると思うんです。例えば、現時点での専門医に関しても、田舎の先生は、専門医を取るために学会に出なければいけない、学会に東京や大阪まで行っている時間はないよといった先生がたくさんいます。つまり、本当に地域で実力のある先生が専門医を取れる仕組みになるかどうか、これが大きな問題であると思いますし、研修をするために、専門医を取るために医者が都会に移動してしまうといったことも、状況によっては考えられると思うんです。
ですから、そのようなことがないように、一言で言うと、二次医療圏の中で専門医制度が研修も含めて完結できる、こういった視点をぜひ入れていただきたい。関係ないというんじゃなくて、可能な限り厚労省もかかわっていただきたいなというふうに思うわけであります。
この専門医制度に関して、もう一つ言えば、例えば、一言で専門医といっても、本当に緊急性を要する専門医とそうじゃない専門医があると思うんですね。緊急性を要する専門医であれば、それが各二次医療圏にいなければいけないということになりますし、そうでない専門医であれば、東京とか大都会だけにいてもいいんだろうと思います。そういった区分けも必要であろうと思います。
この二ページ目には、例えば、基本専門領域、下の段、内科、小児科、その他ありまして、上にサブスペシャリティー専門医、若い人はサブスペシャリティー専門医を取りたがるだろうなというふうに予測するんですが、先日、地元で小児科の先生と話をしたら、小児科の先生なんかは、小児科にサブスペシャリティーは要らない、何でも診ることができる小児科医が地域にたくさんいる、これが大事なんだということをおっしゃっていました。
ですから、これがもし小児科の中でサブスペシャリティーを有するような仕組みになれば、また地域から小児科医がいなくなる、いても役に立たないということが起きるわけでありますから、そういったことをしっかり考慮していただきたいと思います。
もう一つ、専門医に関しましては、制度がしっかりしてくれば、専門医制度を活用して各二次医療圏の専門医を把握できると思います。
ですけれども、制度も、実は専門医制度開始が二十九年、三年間の研修、これを考えると、平成三十二年にならないと専門医制度ができてこないということになりますね。そうすると、現時点でこの新しい新医療政策が始まって、六年間は専門医制度ができないといったことになります。そうすると、地域偏在をなくすために、この二次医療圏にはどれだけの、どの専門家が足りないのかといったことに関してしっかりと把握するということが、これは専門医制度を抜きにして、必要であるというふうに考えております。
例えば、私、一九九九年に、大学病院にいて、教授室に呼ばれたんです、小松君、来月からある病院に行ってほしいと。教授は絶対ですから、私はその場ではいと答えて、その次の年からその病院に行ったわけでありますけれども、要するに、ある病院で、私は消化器の中の膵臓とか胆管の内視鏡を専門にしていました、そういった専門家がいない、ERCPの件数が二十件しかない、ここを何とか立ち上げたいから専門家を送ってくれと言われて、そこの院長が教授のところにやってきたんですね。それで、院長が、わかった、じゃ、小松君を出すと言って、決めた後、私が呼ばれて、行きなさいと命令されて行った。
いわゆる医局制度なんですが、こういったことが、専門性に関しても医局制度が陰で機能していたわけですね。つまり、どこの病院にどういった専門家がいない、そのときに、では、この人を送ろうというのが医局で完結していた。医局がだんだん存在感が薄くなっていくという状況で、こういったことを、つまり、この病院にどの専門家がいないということをしっかりと把握して、配置するのはなかなか難しいところもあるとは思うんですけれども、まず把握することが大事なんだろうと思います。
そこで、現時点で、各二次医療圏についても、専門性の把握ができていなければいい医療体制が提供できないわけでありますが、この資料の三枚目、日本一長寿の長野県の取り組みをちょっと御紹介させていただきますけれども、長野県は、十の二次医療圏、この二次医療圏の中で医療が完結するように目指して、いろいろな取り組みをしているわけであります。
このときに、この絵にありますように、長野県は広いですから、十の医療圏があるわけでありますけれども、次の、一番最後のページ、医療に関して、DPCによって専門性を分析しているわけであります。DPCというのは、御存じのとおり、DPC病院に関して包括的に診療報酬を決めるといった制度でありますが、医療の質も同時に調べることができるわけです。
例えば、一番最後の資料の左側、あえてカラーにしましたが、上から二番目に長野市民病院と長野中央病院とありますが、これを見ると、赤いところ、これは循環器ですけれども、循環器に関しては長野中央病院がたくさん診ている。この専門家が多分いるということであります。隣の、右側の緑に関しては、これは消化器なんですが、消化器は長野市民病院がしっかり診ている。一番左、青いのは脳、神経なんですが、これは長野中央病院は少ないけれども、長野市民病院は多い。
DPCを分析することによって、各病院の専門性、そして各二次医療圏で患者さんがどのように移動しているか、こういったことも調べることができるわけで、これを長野県では行っているわけです。
この専門家の配置ということに関しまして、今回の地域医療構想においても、二次医療圏ごとに専門医の偏在に関して分析をする、それを役立てる、DPCをそういったことに使おうという考え方が僕はあるんじゃないかなと思ってこれを見させていただいたんですが、場合によってはDPCをさらに専門家の偏在のために進化させる、そういった考えもあると思います。
そういった将来構想、専門医の把握をどうするか、分析をどうするか、このことに関して、DPCも含めて御意見をいただけたらと思います。