道具登志夫の発言 (青少年問題に関する特別委員会)
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○道具参考人 おはようございます。デジタルアーツの道具と申します。よろしくお願いいたします。
私どもは、九七年、十六年前に国産初のフィルタリングソフトをつくったメーカーでございます。
弊社では、このフィルタリングソフトの提供に加えまして、情報モラル教育に関する啓発活動や定期的な世論調査発表を通じて、青少年のインターネット利用環境の整備を推進しておりますが、本日は、そういった民間事業者の視点から、前回四月三日の委員会において議論されましたインターネットに関する三つのテーマ、一つ目は無線LANに対応するフィルタリングについて、二つ目はスマホの長時間利用や依存について、三つ目はリベンジポルノについてでございますが、この三つのテーマについて意見を述べさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
まず、一つ目のテーマである、無線LANに対応するフィルタリングのさらなる普及が必要ではないかという前回の委員会での御意見についてですが、私としましても、全くそのとおりだと考えております。
スマートフォンを初めとした、無線LANを使える機器の普及が急速に進む一方で、フィルタリングの利用率が低下しているという現実は、青少年保護の観点からも、対策が急務であると考えております。
実際に町中を歩いてみても、コンビニやカフェ、また地下鉄の駅など、至るところで公衆無線LANが普及しており、その多くは、子どもでもできる簡単な登録ですぐに使うことができますし、中には、登録不要で使える公衆無線LANも存在しております。
そういった公衆無線LANを、スマートフォンはもちろんのこと、ゲーム機や音楽プレーヤーからも子どもたちは利用しております。
このような環境の変化を踏まえますと、まずは携帯電話の販売店における保護者へのフィルタリングの告知が非常に大切だと考えておりますが、昨今のフィルタリング利用率の低下を考えますと、販売店での告知に不十分なところがあるのではないかと思われます。
無線LAN対応のフィルタリングはスマートフォンのアプリとして提供されておりますので、そのダウンロード方法や設定方法などの説明は、旧来型のフィルタリングよりも時間がかかってしまう部分もあると思います。しかしながら、フィルタリング利用率の向上のためにも、無線LAN対応のフィルタリングについてしっかりと告知をしていただき、スマートフォンを購入した未成年者に利用してもらうことを、今まで以上に販売店にて徹底していただく必要があるのではないかと考えております。
もしも、店頭での説明が難しいといったことや、余り時間が割けないといったことがあるのであれば、例えば、設定方法などを記載したチラシを配布するといったことも有効ではないかと考えております。
また、最近は、スマートフォンだけでなく、ゲーム機や音楽プレーヤーにも無線LANでインターネットに接続する機能が実装されておりますので、これらの機器でも無線LANに対応したフィルタリングを使っていただく必要があるわけでございますが、家電量販店などの店頭では、基本的にはフィルタリングの案内や設定がされておりませんので、その点は改善の余地があるのではないかと考えております。
委員の皆様も御存じかと思いますが、ことし二月から三月に、大手のゲームメーカー様が合同で、啓発用のチラシを一部の家電量販店にて配布することを実施されております。このような取り組みは非常によいと思うのですが、こういった取り組みは、一時的なものではなく、恒常的に全ての販売店にて行われるべきじゃないかと考えております。
さらには、ゲーム機と同様に未成年者の利用者が多い音楽プレーヤーの販売に関しても、こういったチラシの配布などの取り組みが必要ではないかと考えております。
また、さらに言いますと、青少年の利用が多いゲーム機や音楽プレーヤーは、最初からフィルタリングを有効にしておくということも検討に値するのではないかと考えております。
現状では、最初はフィルタリングは無効という状態になっており、未成年者がインターネットを利用する場合に保護者がフィルタリングを後から申し込むという方法なのですが、この方式ですと、保護者が気づかないうちに子どもがインターネットを使ってしまうというケースがどうしても発生してしまいます。そのため、ゲーム機や音楽プレーヤーでのフィルタリング利用率を上げるということを考えた場合、最初からフィルタリングを有効にしておくということも、選択肢の一つではないかと思っております。
次に、二つ目のテーマでありますスマートフォンの長時間利用や依存への対策について申し上げますが、こちらも前回の委員会の御意見には同意するところが多く、時間制限ソフトの案内強化や何らかのルールづくりということは非常に重要であると考えております。
例えば、弊社のフィルタリングソフトや携帯電話会社に提供しておりますフィルタリングサービスにも、決められた時間以外は端末をロックするということにより長時間の利用を防ぐ機能を既に搭載しております。しかしながら、まだまだこういった機能を保護者に知っていただいているとは言いがたい状況だと思いますので、こういった機能の普及啓発を強化していく必要があると考えております。
また、ルールづくりに関してですが、実際に保護者の声を聞きますと、一旦家庭でルールづくりはしたものの、その後の運用ができておらず、いつの間にか有名無実化してしまっているというケースも多く聞かれます。
例えば、ルールをつくった際に、利用時間の制限機能を活用して、子どもの端末に利用時間の設定をしてしまえば、ルールで決めた時間以降は自動的にスマートフォンが使えなくなるので、ルールに実効性を持たせることができるわけでございます。
一般的には、フィルタリングは不適切なサイトやアプリをブロックするだけのものと思われておりますが、スマートフォンの利用ルールの実効性を高めるツールとしてもお使いいただけますので、そういった使い方も保護者に広めていく必要があると考えております。
次に、三つ目のテーマでありますリベンジポルノに関して申し上げたいと思います。
前回の本委員会で御意見がございましたリベンジポルノに対する新たな法案の必要性につきましては、専門家であります委員の皆様に御検討をお願いしたいと思いますが、フィルタリング事業者として一つ申し上げたいのは、フィルタリングは、万能ではないものの、リベンジポルノを初めとしたスマートフォンに潜むリスクを減らすことには有効だと考えております。
残念ながら、フィルタリングでリベンジポルノを完全に防げるわけではございませんが、リベンジポルノを含めたスマートフォンのトラブルの多くは、SNSの利用と密接にかかわっております。現在、青少年の多くは、LINE、ツイッター、フェイスブックなどの複数のSNSを使っておりますが、むやみやたらとSNSを使わせますと、それだけ潜在的なリスクも高まります。
しかしながら、先ほど来お話がありましたように、SNSが友人との最も一般的なコミュニケーションツールになりつつある昨今において、子どもにSNSを全く使わせないということも、現実的ではございません。
そうではなく、フィルタリングによって、使わせるSNSを必要なものだけに絞り込み、そのSNSに関してはきちんと保護者が危険性を教え、利用状況も見守っていくことが、リベンジポルノを初めとしたスマートフォンにおける被害者、さらに言えば加害者を減らしていくために有効であると考えております。
これは、フィルタリングは、何を使ったか、何を書き込んだかというログがとれるようになっております。今現在、保護者もそのログを見ることができる機能がついております。よって、フィルタリングは、別にアダルトサイトをブロックするという機能ではなくて、こういった幅広い利用をすることによって、今起きておりますいろいろな問題に対処する一つの方法であると思っております。
最後に、まとめとして申し上げますが、無線LANに対応するフィルタリングにしても、スマートフォンの長時間利用を防ぐためのソフトウエアにしても、既にサービスとしては世の中に提供されております。しかしながら、これは弊社も含めた業界の努力不足であると認識しておりますが、まだまだ保護者に知られていなかったり、保護者が使いやすい提供方法になっていなかったりということにより、結果として、十分には使われていないという状況であると考えております。
こういった状況を改善していくために、業界関係者の皆様と連携して、保護者への普及啓発や提供方法の改善などに積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、この後の質疑の時間帯におかれましても、さまざまな御意見、御質問をいただければと思っております。
以上で私からの意見陳述を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)