松田学の発言 (内閣委員会)

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○松田委員 日本の未来を描くことが最大の成長戦略というのは、私も持論でありますので、それはいいんですけれども、現実を見ると、これは、ある日本を代表する経済学者がおっしゃっておりました、日本経済というのはランニングマシン状態なんだと。ランニングマシンというのは、一生懸命前に走っていても、定常状態を保つのでみんな一生懸命やる。つまり、後ろに引っ張られるというか、そういう要因が、日本経済はもう成熟経済なので、成熟経済というのは成長するのが大変なんだと。
 例えば、生活のゆとりということも要請が出てきますし、日本の場合、原発事故で、安全性への配慮、あるいは、環境への配慮というのは中国が全くなくて、PM二・五みたいなものが起こってしまうんですが、そういうことにもコストがかかる。そういった社会的コストに加えて、日本の場合、これから過去の債務負担、政府の債務負担の問題も出てくるわけですね。
 そういったマイナスの要因がたくさん出てくる中で、一生懸命前に走ってようやく定常状態、現状を維持できるというぐらい厳しいんだという、私は、それぐらい厳しい認識を、やはり現実を直視して目を向けていかないといけないと思っております。
 そういった意味で、この「経済再生ケース」というのは、夢物語を描くのはいいんですけれども、やはり現実の経済運営というのは、「参考ケース」、これは、二〇二〇年代に入っても一%台の実質GDP成長率、こういう経済であってももつような財政なり社会の仕組みをつくっていくというような経済運営をやっていかなければいけないのではないかということで申し上げた次第であります。
 それで、ちょっと論点を変えますが、アベノミクスが持続的に成功していくには、今、政権がいろいろと働きかけているように、賃金が上がっていかなければいけない、これは事実だと思います。賃金が上がっていかなければいけないのは事実なんですが、しかし、この賃金というのはマクロ的には何で決まっているか。これはやはりマクロ的な要因で決まっているわけでありますので、一部の大企業が上げるというのはあるかもしれませんし、それがプラスになるのは事実かもしれませんが。
 例えば、ある分析では、実質賃金というのは、労働生産性と日本経済の交易条件と労働分配率の三つの要因で決まる、こういう理論がありまして、この分析によりますと、日本は一生懸命頑張って労働生産性自体は結構上がってきているんですけれども、いわゆる交易条件が低下している、悪化している。これが労働生産性の上昇を相殺して、かつ労働分配率も資本収益率が余り高くないというか、余りそんなに引き上げられないというか、企業にお金があるといっても、かつて銀行にどんどん借り入れていたのが、金融のいろいろな問題を経て金融機関に対する信頼が下がって、やはり内部留保をどうしても持っておきたい。企業としてはリスクに備えるために持っているのであって、お金が余っているから賃金に回せるというわけではないということを考えますと、そう簡単な話でもないように思うんですね。
 そういった、今ちょっと私が言及しました交易条件の悪化という問題なんですが、これも意外と日本のデフレの原因として注目する見方というのは、非常にまともな経済学者から結構そういう議論が出ているんですが、これについて、政府としての見方について御答弁いただければと思います。

発言情報

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発言者: 松田学

speaker_id: 24110

日付: 2014-03-05

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会