中丸啓の発言 (本会議)
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○中丸啓君 日本を賢く強くする、日本維新の会の中丸啓です。
会派を代表して、ただいま議題となりました平成二十六年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画、国家安全保障戦略等につきまして質問させていただきます。(拍手)
我が党の基本理念でもある自立する国家を実現する上で、日米同盟を基軸としつつも、自分の国は自分で守るという強い信念を原点とし、国民の生命、身体、財産、領土、領空、領海を守り抜くことは、国家としての最重要責務であると考えます。そのためにも、安全保障戦略、防衛大綱、中期防は、その方向性を指し示し、実効性を伴う現実的なものでなければなりません。
外交、防衛を抑止力と同義に考えれば、その最高責任者である総理や大臣の言葉は、抑止力としても大変重要です。それには、リーダーが、強く明確な意思を内外に示すことが重要です。
安倍総理は、本年一月三十一日の予算委員会の答弁で、積極的平和主義というのは、日本一国において日本の平和と安全と繁栄を守ることができないという、この認識を持って国際社会に貢献をしていくと発言されています。現実的な側面があるとはいえ、一国を代表する者の発言として、我が国の外交、防衛への姿勢が対外的に弱気とも受け取られかねない御発言には、違和感を覚えざるを得ません。
総理と外務大臣に、その発言の趣旨、意図、その影響についてどのようにお考えか、また、今後もそのような発言を続けられるのか、お尋ねします。
北朝鮮は、朝鮮半島における軍事的な挑発や、我が国を含む関係国に対する挑発的言動を強めています。北朝鮮の核・ミサイル開発は、長射程化、高精度化に資する技術向上が図られており、地域、国際社会の安全保障にとっても、重大かつ差し迫った脅威であります。
これに加えて、中国は、軍の艦艇、航空機による太平洋進出を常態化させるだけでなく、東シナ海防空識別区の一方的な設定等、南西諸島での挑発行為は常軌を逸していると言っても過言ではありません。
北朝鮮、中国のような核兵器保有国に対して、核兵器による直接的抑止力を持たない我が国がその安全を保持する選択肢は二つです。一つは、みずからが核兵器を持つこと。もう一つは、核抑止力、実行力を持った同盟国、すなわち米国と連携しつつ、通常戦力優位に徹底的にこだわることです。
唯一の被爆国である日本の選択肢に、核兵器保有という議論すら選択肢がない現状においては、効果的な抑止力を維持する上で、同盟国である米国と連携しつつ、通常戦力優位、実効性の担保を徹底的に具体化し、同盟の包括的な抑止力を強化すること、すなわち、集団的自衛権の行使という同盟上必要な憲法解釈是正は当然かつ論理的ステップであり、絶対に避けては通れません。
また、日米防衛協力のための指針、ガイドラインの見直しも急務です。
こうしたことを踏まえ、日米で連携した防衛を考える上で、冷戦期の安全保障環境で打ち出された一九八一年の政府見解は、集団的自衛権の行使は必要がないとの認識、これは、現在の安全保障環境のもとでは、国家や国民の安全を守る指針として十分なものとは言えず、本来のあるべき姿である、国際法に準拠した行使解釈に是正、正常化させることが急務であると考えますが、総理は、今国会なのか、次の臨時国会なのか、いつまでに、どのように是正、正常化するお考えですか。具体的にお答えください。
また、行使に当たっての具体的発動要件、行使範囲、国会の承認、部隊行動基準ネガティブリストの作成、自衛隊活動行使後の検証、調査、関連法整備への対応等、諸課題への取り組みも同時に具体化しなければならないと考えますが、総理と防衛大臣のその具体的な内容と今後の取り組みスケジュールについてお答えください。
次に、予算についてお伺いします。
平成二十六年度防衛予算は一応増額していますが、そのほとんどは、実質減額していた人件費を戻すための人件費増であり、実際の装備調達や環境整備に大幅に増額したとはとても言えないものです。今後も、目の前の危機から国民の生命財産を守り抜くため、来年度以降に向けては大幅な予算増が必要であると我が党は考えています。総理及び防衛大臣の御所見をお伺いいたします。
これまでも、防衛白書や大綱等で、ロシアの軍事力への懸念、北朝鮮の不安定さへの懸念、中国の軍備増強への懸念などが記述されていましたが、我が国の防衛政策には、戦略、ドクトリンと呼べるものは、ほとんどその存在がありませんでした。我が国周辺の不安定要素として懸念を示したにすぎず、戦略として、これらの国との衝突に備えることにしていたとはとても言いがたいものでありました。いわば、全方位防衛とでも呼ぶべき考え方で書かれており、とても戦略と呼べるものではなかったわけです。
しかし、今回は、国家安全保障会議(NSC)も設置され、大きく評価できる重要な点として、どの国との衝突に備えるかを明確化したこと、戦域、前線をどこに設けるかという戦術的な規定をしたことです。これは、従来の考え方から大きく変革した画期的なものです。
国家安全保障戦略として初めて、戦略、ドクトリンと呼べるものが策定されたとも言えると思いますが、なぜ、今、画期的に明確化したのか、その内容と根拠を総理と防衛大臣にお尋ねします。
今回の国家安全保障戦略では、北朝鮮と中国に対して備えるべきことは明記されています。ただ、残念なことに、ロシアは、備えるべき相手としては明確に記述されていません。対中包囲網を構築する上でロシアとの連携は重要であり、信頼関係構築は当然大切ですが、これまでの歴史からも、その備えるべき相手としての懸念はゼロではありません。
ロシアでは、軍改革を進展させ、即応体制の強化とともに、新型装備の導入等を中心とした軍事力の近代化に向けた取り組みが見られ、ロシア軍の活動は引き続き活発化の傾向にあるにもかかわらず、こうした記述になった経緯、ロシアに対する考え方を、総理及び防衛大臣、外務大臣にお伺いいたします。
次に、陸、海、空、宇宙に次ぐ第五の戦場と言われるサイバー空間についてお伺いいたします。
イスラエルにおいては、政府関連機関全体で一日に百万回ものサイバー攻撃にさらされているといいます。サイバー攻撃は、決して人ごとではありません。
我が国でも、尖閣諸島をめぐる中国との対立が深まる中、中国発の対日サイバー攻撃が活発化。アメリカの情報会社、クラウドストライクによると、同社がサムライパンダと名づけた中国のハッカー集団が、二〇〇九年以降、日本だけでなく、アジア諸国の重工企業や航空電子システムに四十回以上も攻撃し、情報の盗み出しを図ったと言われています。
政府は、米ロやASEANなどとサイバー安全保障をめぐる協議の枠組みを創設し、安全保障体制を強化させる姿勢を明確に打ち出していますが、さきに挙げたイスラエルの技術力への国際的評価は、日本で想像するよりはるかに高いものがあります。
残念ながら、本年一月にテルアビブで開かれたサイバー安全保障に関する国際会議、見本市への日本からの出席は、大手通信情報会社一社のみであったそうです。逆に、現地では、複数の中国語を話す背広姿の集団がイスラエル企業の代表らと熱心に接触していたと報道されています。
イスラエルのネタニヤフ首相は、秀でた国々と主要企業による有志連合を結成すべきと訴えていますし、同国のサイバー政策を統括する国家サイバー局のラミ・エフラティ部長は、日本との協力強化を進めたいと秋波を送っています。しかし、まだ具体的に日本とイスラエルは政府間で協力関係を結べていないと思います。
今後、我が国のサイバー安全保障はもちろん、国際秩序を先導するためにも、どのようにイスラエルとのかかわりを深めていくのか、総理と外務大臣にお尋ねします。
次に、武器輸出三原則等の見直しについてお伺いします。
我が国は、現在、アメリカ向けの武器技術の供与や戦闘機の共同開発などの例外を除き、防衛装備品を輸出できなくなっています。三原則が存在することで、国内の防衛産業の育成や武器の国際共同開発を行いにくくなっており、周辺の軍拡の脅威に備えることはもちろん、技術立国日本の未来のための防衛技術、生産基盤の維持強化の観点からも大きな障害になっています。
また、防衛産業は、世界的に大きなマーケットを持ち、我が国の経済発展に対しても大きな可能性を秘めています。
昨年私はロンドンの国際兵器見本市を視察しましたが、国家、企業の枠組みを超えた共同開発、民間企業の再編統合が進む中で、世界の兵器開発はグローバル化して、我が国は大幅に出おくれています。国内のみの開発には限界があり、情報、技術面だけでなく、コスト面からも、このままではガラパゴス化する懸念があります。政府、官民一体となって取り組まなければ、安全保障はもちろん、産業としても、生き残ることは困難になることが予想されます。
そこで、国内兵器産業の枠組みの見直し、開発、分析等情報収集能力向上への対応を含めて、武器輸出三原則等の見直しを、いつまでに、どのように見直すのか、総理と防衛大臣のお考えをお聞かせください。
最後に、島嶼防衛、日本海沿岸の防衛力強化への人員配置の見直し、コストと効果と技術力向上のバランスを鑑みた兵器調達への取り組みなど、課題は山積しています。
今後も、日本維新の会は、二度と戦争を起こさないために徹底した抑止力の向上に資するために、国会の議論の場を通じて、その内面まで責任野党として積極的に、是々非々で提言をしてまいります。
その決意を申し上げ、日本維新の会、中丸啓の質問を終わります。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕