田嶋要の発言 (本会議)

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○田嶋要君 民主党の田嶋要でございます。
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました電気事業法等の一部を改正する法律案について、関連事項を含めて質問いたします。(拍手)
 まず、本日閣議決定されたばかりのエネルギー基本計画についてであります。
 全般を通じての印象は、東日本大震災、レベル7の福島第一原発事故を経験してから初めての基本計画であるにもかかわらず、当然そのことからにじみ出てくるはずの、強い覚悟や危機感、そして方向転換が伝わってきません。
 その証拠に、閣議決定される直前の計画案では、原案の序文にあった原発事故への深い反省が、削除されていたと聞きます。
 これは、象徴的な事件です。たまたま先日福島で私が手にした地方紙にも、そのことが、一面トップで大きく掲載されていました。さすがに、内外から厳しい批判を浴びて、土壇場で、最終版には深い反省が再登場したようでありますが、まさに、安倍政権の本音をかいま見たような思いです。安倍内閣の答弁は求めません。
 三・一一という大きな試練は、同時に、それを契機として、エネルギー社会に関するパラダイムシフトを起こしていくスタートラインにもなり得ます。
 二十世紀の後半から、そして二十一世紀に入っても、我が国において、エネルギー消費の拡大と日本経済の成長とは、ほぼ同義、同一でありました。
 しかし、三・一一は、私たちに大きな気づきを与えてくれたのであります。それが、横文字で恐縮ですが、デカップリングという考え方です。
 これからの日本社会は、経済成長は続けながら、技術革新や制度改革によりエネルギー消費は賢く抑制していく、デカップリングを実現していく、そういう方針で取り組んでいく考えはあるでしょうか。安倍総理にお聞きします。
 また、そうしたデカップリングを実現していくためには、電力に関して、ピーク低減対策、すなわちキロワット対策とともに、供給側、需要側、あらゆる方策で、電力消費量、すなわちキロワットアワー全体の削減対策が総動員されなければなりません。
 しかし、それらの取り組みは、安倍内閣では、影が薄くなった感があります。夏も冬も乗り切れていることから、かつての危機感も薄れてしまっている感があります。
 そこで、お尋ねします。
 三・一一前と比較して、我慢の節電には頼らない電力消費量抑制策は具体的にどんな成果を上げてきているのか、また、ピーク低減対策の成果と、それが原発何基分に相当するのか、あわせて茂木経済産業大臣にお願いいたします。
 原発政策についてお尋ねします。
 序文に、この基本計画は玉虫色を旨とすとは明記はされていませんが、安倍内閣の方針は、相変わらず玉虫色です。
 原発依存度について、「可能な限り低減させる」としながら、「確保していく規模を見極める」とも表明しています。あわせ読めば、要するに、原発には今後も過渡的電源以上の役割を担わせ、原発による発電は減らしても決してゼロにはしない、そして、必要なら原発の新増設も行うという方針ですか。
 方針がはっきりしないと、再生可能エネルギーであれ、火力発電であれ、民間投資は二の足を踏みます。安倍総理の明確な御答弁をお願いいたします。
 加えて、ベストミックスの目標をできる限り早く決定するという記述が登場しますが、逃げ水のようなお題目にならないよう、その時期もぜひお示しをください。
 エネルギー社会におけるもう一つのパラダイムシフトは、集中から分散へということです。
 大規模集中型の象徴であった原発が事故を起こし、私たちは社会の脆弱性を悟りました。その解決策の一つとして、大規模集中型の弱点を補完する、小規模分散型の発電への挑戦が、電力システム改革と並行して、今、全国各地に広がっています。
 地域の資源とやる気を生かす。地域に雇用を生み、お金を落とす。そして、一次エネルギーの海外依存度、国富の流出を抑えていく。こうした大きな流れを、立法措置も含めて、国が積極的に後押しすべきと考えますが、総理の御所見をお願いいたします。
 電力システム改革の方向性についてお尋ねします。
 電力システム改革の目的の一つに、電力料金の最大限の抑制ということがありますが、この電力システム改革の結果、全面自由化されることになる電力料金は、自由化前に比較して、確実に安くなるのでしょうか。それとも、全面自由化後に、事業所向けは下がって、一般家庭向けが上がるといった事態も想定されているのでしょうか。もしそうだとすれば、今よりも料金が高くなることも想定される場合に、なぜ、それでも電力システム改革が正当化され得るのか。これは、安倍総理の御答弁をお願いします。
 そして、改めて、電力システム改革を断行することによる、供給側である事業者と、需要側である消費者それぞれへの効果、電力供給のあり方の変化について、その理想形について、あわせてお尋ねをいたします。
 次に、法案の柱の一つである、小売参入の全面自由化についてお尋ねします。
 本改正案は、電力量にして約四〇%に当たる、五十キロワット以下の家庭を中心とする規制部門について、参入の自由化、つまり、地域の一般電気事業者の独占的な供給を解除しようとするものであります。
 一方、五十キロワット以上の需要については既に電力の小売自由化が行われていますが、自由化された部門において、新規参入会社はこれまでに何社で、市場のシェアはどれぐらいか、また、その自由化によって、当該小売市場における電力料金はどのぐらい下がったのか、あるいは上がったのか、そして、今日までの部分自由化の全体的な評価と課題を、茂木大臣にお聞きします。
 また、小売参入の全面自由化をして、既存の一般電気事業者は、スケールメリットも働き、発電コストが低い大規模発電所からの供給が見込まれる一方で、小規模でノウハウが未熟な新規小売事業者は、電力の調達がうまく進まない可能性があると思います。多種多様な小売事業者が育たず、適正な競争環境が確保できなければ、電力システム改革のメリットの一つである、電気料金の低廉化が進みません。
 ガリバーに挑む新規参入を促進するために、適正な競争が行われる環境条件をどのように整備していくお考えか。加えて、法的分離により送配電部門の中立性を一層確保するとされる改革第三段階の前に小売参入の全面自由化をすることは、これまでの部分自由化と同様の課題を生まないか。茂木大臣にお聞きいたします。
 次に、小売全面自由化後の需要家保護のための措置についてお聞きします。
 法案では、経過措置として、一定期間の料金規制を継続することとし、競争が不十分な中で電力料金の自由化を実施した結果、電力料金の引き上げが生じることのないようにするとしています。その解除は、今後、実際に競争が進展しているかを確認した上で行うこととしていますが、その期間の目安は持っているのでしょうか。
 また、電力システム改革の第三弾で小売料金の全面自由化を行うこととしていますが、その時点でも、当該経過措置が残ることはあり得るのでしょうか。
 これらについて、経済産業大臣にお伺いいたします。
 次に、送配電事業についてお伺いします。
 送配電事業者には、需給バランスの維持の義務づけ、送配電網の建設、保守の義務づけ、需要家が誰からも電気の供給を受けられなくなることのないよう、セーフティーネットとして最終的な電気の供給を行う最終保障サービスの義務づけを措置し、その担保として、地域独占と総括原価方式による認可制をとるとしています。
 送配電事業に引き続き総括原価方式が適用されるということは、これまでコスト負担の押しつけ合いなどで遅々として進まなかった全国網のボトルネック、とりわけ、六十ヘルツと五十ヘルツの周波数転換や北本連系はスピードアップを期待いたしますが、最終的に、いつまでに、どれだけの追加的キャパシティーを実現し、ボトルネック解消ができると見込んでいるのでしょうか。
 また、このボトルネックの解消により、発電コストが最も安い供給電力から順番に消費していく、最適な、いわゆるメリットオーダーが全国規模で実現することによって、全国ベースでのコスト削減効果はどの程度と見込んでいるのか、茂木大臣にお伺いします。
 今回の改正案では、需給バランスの維持については専ら送配電事業者に任務を義務づけるとしており、将来的に日本全体で供給量が不足すると見込まれる場合は、セーフティーネットとして、広域的運営推進機関が入札等による発電所建設者の公募を行って電気の供給を確保することとしています。
 他方、その推進機関自体は、昨年成立した電力システム改革法第一段階によって、来年をめどに設立が予定をされています。したがって、設立の当初からこうした権限が推進機関には与えられることになるものと理解してよいのか、茂木大臣にお尋ねします。
 さらに、異なる一次エネルギーによる発電提案が複数入札をされた場合に、エネルギー基本計画にある「可能な限り低減させる」の方針により、原発による提案は、原則として他の提案に劣後させることになるのか、それとも、コスト次第では原発を選ぶことになるのか、経産大臣に御認識をお尋ねし、以上で私の質問を終わりとさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

speech_id: 118605254X01720140411_013

発言者: 田嶋要

speaker_id: 9549

日付: 2014-04-11

院: 衆議院

会議名: 本会議