小池政就の発言 (本会議)
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○小池政就君 結いの党の小池政就です。
前回から約四年を経てようやく決定されたエネルギー基本計画と、昨年に続く電気事業法等の一部を改正する法律案について、結いの党を代表して質問いたします。(拍手)
まずは、電事法からです。
法案関係資料を渡された際に驚いたのは、約七百ページにもなる分厚さでありました。しかし、意を決して中身を読み進めていくうちにさらに驚いたのは、その内容の薄さでありました。
大半は、事業者の定義の変更に伴う機械的な改正であり、肝心の電力自由化の詳細設計については、条文上ほとんど明確化されておらず、別途省令等で定めるとのことであります。政権発足以来常々感じてきた国会軽視という思いを感じさせるものでもあります。
しかし、六十年ぶりの電力市場改革を国民生活に資するよう徹底的に進めるためにも、明確にお示しいただきたい点があります。
例えば、原子力発電との関係であります。
原発は、エネルギー基本計画においても、ベースロード電源とされ、参考資料には、その定義として、発電コストが低廉で昼夜を問わず安定的に稼働できる電源と記されております。
これまで、事故が起きなくても、たびたび停止し、その安定性には疑義が残るとともに、低廉であるとする発電コストも検証が必要でありますが、政府のとおりであるとするのであれば、十分な競争力を有していることでもあり、今後進められる電力自由化、発送電分離に伴い、電源三法交付金等による立地自治体や原子力発電事業への支援は、見直すべきではないでしょうか。
また、今回の電力自由化においては、その意に反し、規制なき独占、供給不足による価格の高騰というリスクも内包しており、競争環境の整備を通した新規参入の促進は最重要課題であります。
しかし、当初予定されていた非対称規制としての一般電気事業者への価格規制はいつの間にか失われつつあり、規模の小さな事業者に負担の大きいインバランス料金制度を置き、資金調達を有利にする一般担保つき社債の発行も既存の一般電気事業者には認め続ける中で、果たして新規参入が進むと考えるのでしょうか。
また、地域に関係なく価格競争力の高い電源から選択できるようにして日本全体の発電コストを抑制する仕組みを構築する、いわゆる広域メリットオーダーの実現による調達コスト削減には、送配電網の整備を進める広域的運営推進機関と卸取引市場の役割が重要でありますが、両者とも未発達であり、今後、どのようにその役割を実現していくのでしょうか。
自由化の際の安定供給も重要です。
今回の市場設計では、発電予備力確保の義務づけがない中で、最終的な供給義務のある送配電事業者はどのようにして安定供給を実現するのか不明であり、方針をお示しください。
そして、昨年もこの場にて指摘し、この組織のあり方こそが電力自由化の結果を左右するという電力市場の独立規制組織については、本来、中身の議論を始めるべき時期ではありますが、現状、影も形もないところであり、その内容と設置予定について、改めて説明を求めます。
次に、エネルギー基本計画について質問します。
計画には、原子力規制委員会の世界最高の規制基準に適合すると認められた場合は原発の再稼働を進めるとあります。しかし、米国でもスリーマイル島の事故を機に事業者と地域自治体双方に義務づけた避難計画の作成や審査体制の整備、また、賠償のスキームやその基軸となる国際的にも特異な原賠法の見直し等、本来起こるはずがないとしていた事故を経験した今、なすべきことは、まだあるのではないでしょうか。
また、計画では、核燃料サイクル政策の推進と、堂々とうたっております。
既に、国内外に約四十四トンもの多量のプルトニウムを保有している中、原子力委員会の評価でも、直接処分に比べ、経済性は低く、安全性もほぼ同程度、核不拡散及び核管理のリスクは高くなると指摘され、そのメリットも不明確な核燃料サイクル政策は、見直すべきではないでしょうか。全ては原発がふえていくという前提に立った構造からの脱却が求められています。
そして、今国会では、海外へ向けてもかじが切られ、衆議院でも、ちょうど一週間前に、自民党、公明党、また民主党の賛成により、日本が原発輸出に向け、失望する被災地の人々をも乗せて、再び動き出しました。
私も外務委員会での最後の質疑に立ちましたが、幾つかの懸念は、払拭されることはありませんでした。
その中で、あえて一点、再確認いたします。
トルコとの原子力協定における核物質の濃縮、再処理に関する改正の手続には、当然、国権の最高機関である国会での承認を必要とすると理解しますが、それでよろしいのでしょうか。トルコからの依頼で含めたが、改正はあり得ないとの答弁でなく、国として締結した協定に明記された条項を説明する義務が政府にはあるはずです。総理の答弁を求めます。
懸念の一因は、核兵器の不拡散や核物質の管理についての国際的な取り決めの実効性にもあります。現在の核物質の国際管理体制は、十分と言えるのでしょうか。
最後に。
総理が成長戦略の柱と位置づける原発輸出は、果たして、国際的な廃炉事業やスマートシティー市場に比べても、将来の可能性は大きいのでしょうか。福島第一原発の事故後、楽観視されていたその国際市場の見通しは、年を追うごとに下方修正され、推進派だった各国の政治状況も変化しつつあります。
日本は、国内の廃炉対策や自由化を徹底し、国外に着実に広がる廃炉やスマートシティーの国際市場の開拓に全力を傾注すべきではないでしょうか。
私たちは、国内外で新たに変遷するエネルギーの世界の入り口にいます。
今の決断が歴史をつくり、歴史に未来は縛られます。内外にわたる日本の歴史を背負いながら今の政策決定を行わなければならない総理が、一番よくわかっているはずです。
これまで来た道を見詰めて、戻るのでなく、前を向き、新たな未来を開拓していく我々の責務を訴え、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕